こんにちは。柚P(@yzphouse)です。
「専門用語」と聞くと難しそうなイメージがあるかもしれませんが、プラモデルのようなニッチな分野では、専門用語を知っているか知っていないかで、手にはいる情報の質や理解度が大きく変わってきます。
この記事で紹介する専門用語に目を通しておけば、このブログの内容をはじめ、模型誌やウェブでの情報収集の役に立つと思います。
既にプラモデルに詳しい方も、専門用語の復習だったり、知ってるワードがいくつあるかなど「モデラー知識だめし」なんかにどうでしょうか。
それでは続きからどうぞ。
目次
ガンプラを始めるなら覚えておくべき用語
ニッパー
プラモデルを製作するときに使う工具のひとつ。パーツの切り離しに使われます。
最近では、ニッパーを使用しなくても組み立てられるプラモデルもありますが、今後色んな種類のプラモデルを制作していく予定の方には、是非とも手に入れておいてほしいアイテムのひとつ。
ニッパーの種類についてはガンプラ製作で使える!プラモデル用ニッパーのオススメ9選【2018年度版】記事を参考にしてみてください。
インジェクションキット
インジェクション(射出成形)という方法で作られたプラモデルのキットのこと。
溶けたプラスチックを金属製の型に高圧で注入することで形成される。大量生産に向いているので、ほぼ全てのプラモデルがこの製法で作られてます。
スナップフィットモデル
パーツ同士の組み合わせを接着剤を使わなくても組み立てられるようにしてあるプラモデルのこと。最近のガンプラはほぼ全てがこのスナップフィットモデルです。
ランナー
プラモデルのパーツの周りを囲んでいる枠。
射出成型で全パーツに樹脂を行き渡らせるための道だったり、パーツの保護という目的で作られています。
ゲート
ランナーとパーツを繋いでいる部分です。パーツを切り出す際はゲートを切り出してパーツをランナーから取り外します。
切り出したゲートを綺麗に整形することを「ゲート処理」といいます。
パーティングライン
プラモデルを作る工程で金型の合わせ目によって発生するつなぎ目のような跡のこと。このパーティングラインを消すことで、プラモデルをより綺麗に作ることができる。
詳しくはPS樹脂から軟質樹脂まで!「パーティングラインの消し方」を徹底解説!!に記載しています。
ガンプラ改造をするなら覚えておくべき用語
普通にガンプラを組み立てるだけなら覚えておく必要のない専門用語が多いです。
主に、改造や塗装をする方がよく使われている専門用語です。模型誌やwebサイトで使われることの多いワードもあるので、ガンプラをより極めたい方は一度目を通してみてください。
パチ組
ガンプラの改造前に形状確認などをする工程でよく使われる専門用語です。スナップフィットのキットを「パチっと組み立てるという」意味からパチ組と呼ばれています。
似たような意味で「素組」「仮組み」などもあります。
この2つは、素の状態で組み立てるという意味の素組、塗装や改造をする前に仮で組み立てる仮組み、という意味があります。
合わせ目消し
2パーツ以上で構成されるパーツのつなぎ目をパテや接着剤を使用して無くす作業のことを「合わせ目消し」と呼びます。
合わせ目消しには色々なやり方があります、このサイトでは、合わせ目を消してガンプラのパーツ同士を完全に一体化させるコツを徹底解説!!の記事で紹介しています。
表面処理
プラモデルのパーツの表面をヤスリやナイフなどの工具を使って綺麗に整えること。
ゲートの切り口や、パーティングラインを綺麗にしたり、パーツのエッジ出しをする、といったいろいろな意味が含まれています。
色を塗り替えるためにに行う「足付け」のために表面処理をする場合もあります。
エアブラシ
空気の力を使って塗料をスプレーのようにして吹き付けることができる道具の名称です。手元で持つ部分単体をハンドビースと呼んだりもします。
エアー缶を使用するタイプの簡易型のエアブラシと、コンプレッサーという装置を使用した本格的なエアブラシなどがあります。
コンプレッサーが圧縮空気を作り出し、エアブラシ(ハンドピース)に圧縮された空気が送られ、手元にあるトリガーを操作することで圧縮された空気で塗料をミスト状に飛ばすことが出来ます。
エアブラシの説明はプラモデルの塗装で役立つエアブラシの基本的な使い方を解説!塗装作業から洗浄までの記事を参考にしてみてください。
▼その他、エアブラシの関連記事はコチラ
プラモデルの塗装で役立つエアブラシの基本的な使い方を解説!塗装作業から洗浄まで
エアブラシの洗浄方法!「うがい洗浄」から「分解洗浄」のやり方を徹底解説!
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部分塗装
ガンプラで元のデザインの色が再現されて無い部分などの一部を塗装していくこと。シールなどを使わずに塗料を塗って再現することによって、シールを貼るよりも自然な仕上がりになります。
ガンプラ初心者でも出来る!簡単フィニッシュでガンプラを仕上げる方法を徹底解説!
全塗装
ガンプラのパーツ全てを塗装すること。全塗装以外にも「フル塗装」と呼んだり、全塗装を更に短く「全塗(ぜんと)」と言ってるのも聞いたことがあります。
全てのパーツを塗装すると、プラスチックの透明感が無くなったり、オリジナルの色で塗装ができるので周りよりワンランクアップした作品が作れます。筆塗りで全塗装する方法と、エアブラシを用いて全塗装する方法があります。
全塗装についてはガンプラ初心者でも出来る!全塗装でガンプラを仕上げてみた。工程を徹底解説!で詳しく解説しているので確認していただきたい。
スミ入れ
パーツの表面にあるモールドや、パネルラインに細いペンや塗料を使用して、影となる部分にわざと色を付けて、パーツに「メリハリ」を付ける技法。
スミ入れをすると、作品に立体感が生まれ、完成度がグッと上がります。色々な模型メーカーから「スミ入れペン」や「スミ入れ塗料」が各種発売されているのでコチラもチェックしておこう。
スミ入れペン以外にも、全塗装をするモデラーなら、エナメル塗料でのスミ入れも覚えておきたい。
▼やり方はコチラの記事を参考にしてみてください。
トップコート
艶を整えるための無色透明な塗料のこと。クリアー塗料とも呼ばれる。
表面の艶を整える以外にも、塗装や、シールやデカールの保護にも効果がある。トップコートの中には、紫外線による色抜けを防止する「UVカット効果」のあるものも発売されているので、蛍光灯や日差しの当たるところに飾る場合は使ってみるといい。
トップコートの効果と使い方についてはコチラの記事を参考にしてみてください。
ガンプラの塗装でよく耳にする「トップコート」とは?その効果と使用方法の解説
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デカール
パーツの表面に貼るシールのこと。
デカールには「マーキングシール」や「水転写デカール」、「ドライデカール」などいくつか種類があります。
▼使い方についてはコチラの記事を参考にしてみてください。
ガンプラ初心者でも出来る!キット付属のシール、デカールの上手な貼り方とは?
もう失敗しない!ガンプラ初心者でも出来る「水転写デカール」の上手な貼り方とは
ディティール
日本語に訳すと「詳細」。つまり、パーツ全体の中の細かい部分のこと。一般的に「ディティールを追加する」などのような使われ方をしています。
ディティールアップ
ディティール(詳細)を増やす、という意味でディテールアップと呼ばれています。
単調なパーツの情報量を増やしてより作品の見栄えを良くする行為としてよく使われていますね。
モールド
パーツの表面にある凹の線や凸の線ことで、凸モールドと凹モールドという呼ばれ方をする。
「モールドを彫り直すためにスジボリをする」などのように使われることがあります。
ガンプラを改造しよう!タガネや針を使用した「スジボリ」を入れる方法を徹底解説!
エッジ出し
ヤスリなどの道具を使用して、面を出したりエッジを立て直してやること。
安全基準で尖ったパーツを作れなかったり、パーツを整形する金型の関係上、綺麗な平面が出ていなかったり、角(エッジ)が丸くなっているパーツがあります。そういったパーツを磨き直すことで、エッジを出してやります。
この作業をすることで完成度に大きな差が出てきます。詳しくはガンプラの表面処理をして完成度を上げる!簡単に出来る「エッジ出しの技」とはを参考にてみてください。
C面
パーツの角の中間にある細い面のことで、工業関係でもよく使われる用語。
工場などでは、金属の角で手を切ったりしないよう、90度の角の中間に45度の細い面(C面)を設けたりしてある。
0.1mm~とかの細いC面のことを「糸面」と呼んだりもします。
バンダイエッジ
バンダイ特有のエッジのこと。
子供が安全にガンプラを組み立てられるように、90度以下になる鋭い角に面を一つ追加して、角が90度以下にならないようにしてあります。
筋彫り(スジボリ)
パーツの表面に針やタガネ(ノミの様な物)で線状の溝を彫り込む技法のこと。
ガンプラの場合、はじめから入っている筋を深く掘り直したり、新たなスジボリを追加して面の情報量を増やす意味で使われることが多い。
スジ彫りの方法はガンプラを改造しよう!タガネや針を使用した「スジボリ」を入れる方法を徹底解説!で解説しています。
面相筆
先の尖った細い筆のこと。
顔のパーツを書く専用の筆として作られたことから、面相(かお)筆と呼ばれています。
ヒケ
パーツの表面のゆるい凹みのこと。
プラモデルの金型からパーツを作る工程で発生するプラスチックの収縮でヒケができる。
バリ
パーツを作る際に、金型同士の隙間に樹脂が流れ込んで発生する薄い膜のような羽のこと。
大手メーカーのプラモデルでは、技術の向上で金型の精度も上がっているので殆ど見ることはなくなりましたが、海外製のプラキットでは現在でもよく見かけます。
パテ
パーツにできたキズを埋めたり、パーツの裏にある穴を埋めたり、新しいパーツを削り作り起こしたりできる粘土のようなもの。
ペースト状の物だったり練り消しの様な物だったり種類は様々です。
ラッカーパテ、エポキシ系パテ、ポリエステル系パテ、瞬間接着剤、があるが、それぞれ使いどころや特性が違います。
プラモデルで使う「ラッカーパテ」「エポキシパテ」「ポリエステルパテ」「瞬間接着剤」の違いとは?を見てそれぞれの使い方を知っておくと便利です。
スクラッチ
新しいパーツをプラ板やパテなどを使用して作り起こしたりすること。
全部オリジナルで作り起こした場合をフルスクラッチ、一部パーツを作り起こした場合をセミクスラッチと呼びます。
グロス
艶という意味。例:艶ありの黒→「グロスブラック」
その他、艶消しのことを「フラット」。半艶のことを「セミグロス」と呼びます。
後ハメ加工
挟み込みのパーツや、色の違うパーツを後から外せるように加工する事。
パーツの合わせ目を消したけど塗装の際に再度、分解しないといけないパーツなんかに「後ハメ加工」という工作をします。
挟み込みのパーツや腕、足の関節でやることが多いです。合わせ目消しは、キットによってやり方は様々なので自分で考える必要があります。
伸ばしランナー
ランナーを火で炙って溶けたところを引っ張って細く伸ばしたランナーのこと。
ガンプラを改造するときのディティールアップで使ったり、接着剤を少し着けたりするときに使用する爪楊枝の代わりのような道具としても使用されたりする。
バキュームフォーム
プラ板を火で熱して、任意の型の形に変形させてパーツを作ること。
掃除機を使用する専用の道具などもある。
曲面のパーツをスクラッチをする際にバキュームフォームが使用されたりします。
ウェザリング
錆や汚れなどを塗装で再現して使用感を出す塗装技法のこと。
ウェザリングの基本的なやり方はガンプラ製作で汚し表現をする「ウェザリング技法」をすべて解説する。で紹介しています。
クリアランス
「隙間」とか「余裕」といった意味があります。
プラモデルの全塗装をするとき、塗膜の厚みで関節が動きにくくなったり、塗膜同士が干渉し塗装剥がれが起こることがよくあります。
このような問題に対して、事前に関節同士の隙間を広げておく行為を「クリアランス確保」と呼んだりします。
瓶生
びんなま?正式な読み方は知りませんが私はびんなまと呼んでます。
瓶生は購入した塗料そのままの状態のことを指します。調色を一切行っていない塗料という意味合いが強いですね。
「瓶生の塗料を使って塗ったザク」みたいな使い方ができます。
HJ MG AM MA
すべて模型誌の略称です。
HJ→ホビージャパン
MG→モデルグラフィックス
AM→アーマーモデリング
MA→モデルアート
などなど。
模型誌の話と分かる内容で使わないと何の意味か全くわからなくなるので注意して使いましょう。
作例
模型誌で掲載されている完成品のプラモデルの事。
作例は発売前のキットということも多いです。なので製作見本という意味で使われてます。
ライター
模型誌で作例を製作しているモデラーの呼称。
模型を作る「プロモデラー」とは違い、雑誌の記事を執筆する作業もあるため「ライター」と呼ばれています。
一般的な意味だと、雑誌の記事や、ブログなどの文章を書く職業の方をライターと呼びます。
スキヤキヤスリ
美味しそうな名前ですが、食べ物のすき焼きとは違います。
この名前の由来ですが、このヤスリを取り扱っていた模型店の名前に「スキヤキ」が入っており、スキヤキで売っている金属ヤスリ→スキヤキヤスリという名称で定着したようです。
当時からかなり切れる高性能なヤスリとして有名だったので、有名モデラー達がが自身のHPやブログで宣伝し、スキヤキヤスリの噂が一気に広がり定着したものだと思われます。
本当は柄沢ヤスリという会社の「プラスチックヤスリ」という名前です。非常にシンプルですね。
シイタケディティール
記憶が正しければ、プロモデラーの「n兄さん」発祥のディティールだったかと思います。
ガンプラ界隈でよく聞く「シイタケ」とは、薄めのプラ板を何枚も積層して放熱フィンようなパーツを指しています。見た目がシイタケ(裏側のヒダ)に似ていることが名前の由来だと思われます。
どぼん
塗装に失敗したパーツの塗料を落とす作業のこと。
塗装したパーツを薄め液(シンナーなど)のプールに落とし塗料を溶かし落とす。という作業内容から「シンナーのプールにどぼんさせる」という擬音からきています。
できるだけ使いたくないワードの一つです。
MAX塗り
プロモデラーMAX渡辺さんが多用していた塗装法の1つ。
始めはパーツの全体を黒色に塗り、その後エッジに黒色を残すようにして明るい色を重ねていく塗装方法です。
赤色や黄色といった隠蔽力の弱い塗料を使うときには、『黒→白→クリアーイエロー』という順番で塗ったりもします。