プラモデルをつや消しにしてみよう!トップコートの種類と質感を徹底比較してみた

モデラー

  • 柚P

 

こんにちは。柚P(@yzphouse)です。

プラモデルの一番最後に塗る透明な塗料「トップコート」ですが、あなたはどんなトップコートを愛用しているでしょうか?

数ある模型メーカーが色んな種類のトップコートを発売しているので、どれを使っていいのか分からないという方もいるかも知れません。

最近でもクレオスなんかが積極的に新しいトップコートを発売していたりして、その種類は増えるばかり。

というわけで、この記事では「トップコートの種類」と「塗装後の質感」についての比較を紹介しようかと思います。

ただし、トップコートだけをまとめるのも大変なので、今回は「つや消し」のトップコートだけに絞って紹介をしていきます。半艶(セミグロス)と艶あり(グロス)のトップコートについてはまた時間があるときに・・・。

使用する塗料と道具・塗装するときのルールの説明

「前置きはいいから早く塗料の比較を見せろ」って方は、ここ飛ばしちゃって結構です。

トップコートつや消しまとめ

使用する塗料は「劣化する前の状態」で比較したかったので出来るだけ「未開封の新品」を使いました。最近購入した塗料に関しては開封済みを使ってる場合もありますが。

使用した薄め液は基本的にはガイアノーツのの薄め液(青いフタのやつ)、「タミヤアクリル」と「タミヤラッカー」のみメーカーが専用で出している薄め液を使用しています。

エアブラシを使用しての塗装で、塗り重ねる回数はすべて統一させて”2回”としました。

測り

フラットベースの塗料は、メーカーの指示通り「光沢塗料に対して20~30%」で添加して製作しています。0.1gまで測れるスケールで混合しています。

フラットベースにはつや消し剤の顔料やらが入っているので、実際は光沢クリアーと比重が少し違うかもしれませんが、これくらいは誤差の範囲として目をつぶります。

フラットベース混合比

見た感じだとこのくらいです。真ん中の白っぽく見えてるところが「フラットベース」、周りの透明な塗料がクリアー塗料です。

目測でも20~30%くらいにいに収まってるかと思います。

テストピースのスプーン

これがテストピースとして使用するスプーン。黒スプーンは100円ショップの「meets」、白スプーン、透明スプーンは「ダイソー」で買いました。

ちなみに、スプーンにマスキングテープを貼って番号を書いているのは、どの塗料を使ったテストピースなのかを判るようにするためです。

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100本単位で買うなら、100円ショップより業務用サイズを通販で買うほうがお得みたいです。私のように大量の塗料を集めて比較するような物好きな方がいればどうぞ。

実際につや消しトップコートを比較してみた。

比較する順番はこうです。

  1. 【クレオス】 スーパークリアつや消し
  2. 【クレオス】 フラットベース なめらかスムース
  3. 【クレオス】 フラットベース あらめラフ
  4. 【クレオス】 スムースクリア
  5. 【クレオス】 スーパークリアⅢUVカットつや消し
  6. 【ガイアノーツ】 フラットクリアー
  7. 【タミヤ】 ラッカーフラットクリア
  8. 【タミヤ】 アクリル フラットベース
  9. 【クレオス】水性プレミアムトップコート

 

【クレオス】 スーパークリアつや消し

クレオススーパークリアーつや消し

スーパークリアつや消し

まず初めは、今までの王道だったクレオスの「スーパークリア つや消し」から。

見た目は「ザ・つや消し!!」という感じでかなりガサガサです。艶は全くなくなり、このトップコートで塗装したパーツはすこし白っぽくなります。

使用されているつや消し剤の粒子が荒いせいか、爪などの硬いものでちょっとでも引っ掻いてしまうとすぐ跡が残ってしまいます。塗膜は非常に傷が付きやすいです。

ただし、今回の比較でこの塗料以上のつや消しになる塗料が無かったので、唯一無二の「最強のつや消し剤」だと言えるでしょう。

つや消しトップコートの評価
表面のキメの細かさ
(2.0)
パーツの白にごりのしやすさ
(5.0)
つや消し具合
(5.0)
オススメ度
(3.0)
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【クレオス】 フラットベース なめらかスムース

クレオスなめらかスムース

なめスム

続いてクレオスからフラットベースの「なめらかスムース」です。

知らない人がいるといけないので、簡単にフラットベースの説明をしておきましょう。

説明

フラットベースは光沢の塗料をつや消しの塗料に変えるために入れる「添加剤」のことです。なのでフラットベースだけで塗装するような使い方はしません。

必ず、何かしらの塗料に混ぜて使用しましょう。添加する割合はほとんどの場合は瓶のラベルに書いてあります。

さて、このなめらかスムースですが、名前の通り表面の質感がすごく”なめらか”になるつや消し剤です。

キメもかなり細かく、パーツの白にごりも殆ど起こりませんでした。しかしあまりにも上品なつや消し具合になるので、場合によっては「これセミグロスで塗った?」と思われるかもしれません。

最近の私はこれくらいのつや消し具合が好きです。個人的にはおすすめ度ナンバーワンです。

つや消しトップコートの評価
表面のキメの細かさ
(4.0)
パーツの白にごりのしやすさ
(2.0)
つや消し具合
(3.0)
総合評価
(4.5)

フラットベースなので混ぜる手間がかかるってのがネックですね。使う度に比率を計って塗料を作るのも面倒くさいので、この際スペアボトルに大量に作り置きしといてやろうか・・・

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【クレオス】 フラットベース あらめラフ

クレオスあらめラフ

あらめラフ

同じく、クレオスのフラットベースの「あらめラフ」です。

なめらかスムースに比べて”粗め”のつや消し剤が入っているみたいです。使い方は先程同様に光沢クリアーに添加してから使用します。

質感は、”あらめ”と名前が付いているとおり粗くはなっていますが、あくまでも「なめらかスムースと比べて粗め」という印象です。

粒子の大きさで言えば「スーパークリアつや消し」や「スーパークリアⅢUVカット」と同等くらいに見えます。

ただし、これはフラットベースなので添加する量を調整すれば「粒子の大きいセミグロスクリアー」といったテクニカルな使い方ができたりもします。

フラットベース系はちょっと上級者向けかもしれませんが、特徴を掴んで使いこなせるようになれば自分好みのオリジナルトップコートも作れるようになるでしょう。

つや消しトップコートの評価
表面のキメの細かさ
(3.0)
パーツの白にごりのしやすさ
(3.0)
つや消し具合
(3.0)
オススメ度
(3.0)
Mr.カラー C188 フラットベース「あらめ・ラフ」

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【クレオス】 スーパースムースクリア

クレオススムースクリア

スムースクリアー

ここ最近発売されたクレオスの「スムースクリア」です。

スムースという名前なのでかなり”なめらかなつや消し”になるのかな?というイメージで使ってみましたが、いい意味でちょっと予想を裏切ってきました。

つや消し具合はかなり高くしっかり艶が消えてくれるのですが、他のつや消し塗料に比べると触り心地が全然違います。

触り心地がなめらかに仕上がっていて、且つしっかり艶が消えてくれるという感じです。

つや消し剤の粒子が非常に細かく、さらにその粒子が埋まらないようクリアーに含まれる合成樹脂が減らされている(塗膜を薄くするため)のかな?とか考えちゃいました。

これもかなりオススメできるトップコートです。さすが最近発売された新商品なだけある。

つや消しトップコートの評価
表面のキメの細かさ
(3.5)
パーツの白にごりのしやすさ
(4.0)
つや消し具合
(4.0)
オススメ度
(5.0)
MrカラーGX スーパースムースクリアー つや消し

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【クレオス】 スーパークリアⅢUVカットつや消し

クレオスUVカットつや消し

UVカット

これも最近発表された商品ですね。クレオスの「スーパークリアーⅢUVカット」です。

今までは、缶スプレータイプしか売っていませんでしたが最近になって瓶として発表されました。しかし中身は缶スプレーのものと一緒なのだろうか?不明です。

つや消し具合は、かなり強めのマットになります。しかし「スーパークリア つや消し」よりも弱いです。

イメージ的には「スムースクリア」と「スーパークリアつや消し」の中間くらいかと。

しかし、名前に書いてあるとおりこのトップコートは「UVカット」という別の性能を持っています。

蛍光灯で長期間にわたり照らされるような環境下で展示するような作品や、室内でも朝日・夕日が入ってくるような窓際に飾るような作品で効果を発揮してくれるんじゃないかと思います。

そして、「スムースクリア3UVカット」という塗料のシリーズには、つや消し以外にも光沢のクリアーもあります。

「もっと粒子の細かいなめらかなつや消しトップコートを使いたい、さらにUVカットの効果も欲しい!」という場合は、光沢クリアーUVカット+フラットベースなめらかスムース、で自作のトップコートを作ることもできます。

可能性が広がりますね。

つや消しトップコートの評価
表面のキメの細かさ
(3.0)
パーツの白にごりのしやすさ
(4.0)
つや消し具合
(4.0)
オススメ度
(4.0)

【ガイアノーツ】 フラットクリアー

ガイアフラットクリアー

ガイアフラットクリアー

クレオスからいったん離れて、次はガイアカラーの「フラットクリアー」です。

私も以前はよく使用していましたが、最近はめっきり出番がなくなりました。つや消しとしての性能はかなり良いのですが、いかんせんフタが開けにくいので好きじゃないです。

それはさておき、質感についてです。

つや消しのキメはそこまで細かくは無いですが、気持ち”ウェットな感じ”のつや消しになってくれます。

他のと比較するなら「スーパークリア3UVカット」や「スムースクリア」「水性プレミアムトップコート」と近いでしょう。

この塗料の人気が余りなく長いこと放置されてるのか、新品で購入したときはつや消し剤が瓶の底で粘っこく固まっている場合が多いのでしっかりと撹拌してから使いましょう。

つや消しトップコートの評価
表面のキメの細かさ
(3.0)
パーツの白にごりのしやすさ
(4.0)
つや消し具合
(4.0)
オススメ度
(3.0)
ガイアカラー008・フラットクリアー

ガイアカラー008・フラットクリアー

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【タミヤ】 ラッカーフラットクリア

タミヤラッカーつや消し

タミヤラッカー

多分ほとんどの人がまだ使ったことないであろうタミヤの「ラッカー フラットクリアー」です。

私も今回の比較で初めて使いました。

さて、さっそくつや消し具合について話をしたいところですが・・・テストピースを見て分かる通り何故か光沢に仕上がってしまいました。

タミヤのラッカー系塗料は薄めになっているという前情報があったので、ラッカー溶剤での希釈は「塗料1:溶剤1」という濃いめでしたにもかかわらずこの結果です。

もちろん撹拌もしっかりしました。

なにかミスをしたのか、この状態が仕様なのか・・・

とりあえず、この結果が失敗であれ成功であれ、この状態をレビューしていきます。

つや消しの具合は、もう見ての通りです。普通にライトを反射しています。といっても完全な光沢ではなく、光沢寄りの「セミグロス」ですね。

セミグロスのトップコートとしてはありなんじゃないでしょうか(皮肉

パーツの白にごりもありません。むしろ色に深みが出ます。つや消しとは。

 

MEMO

【2018/10/14追記】

別の機会でタミヤつや消しクリアーを使ったときはちゃんとつや消しになりました。この記事では撹拌不足でした。また時間があるときに画像と結果を差し替えます。

 

つや消しトップコートの評価
表面のキメの細かさ
(5.0)
パーツの白にごりのしやすさ
(1.0)
つや消し具合
(2.0)
オススメ度
(2.0)
タミヤカラー ラッカー塗料 LP-23 フラットクリヤー

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【タミヤ】 アクリル フラットベース

タミヤアクリルつや消し

タミヤアクリル

同じくタミヤから、アクリル塗料の「フラットベース」です。フラットベースなのでクリアーと混ぜて使用します。

水性の塗料なので下地を気にせず塗装出来るのが強みですね。あと水性なので湿気による”かぶり”が発生しにくいのも良い点です。

つや消しの質感については「非常にガザガサ」といったイメージです。

フラットベースなのでクリアーに添加する量でつや消し具合は調整することが出来ますが、そのそものつや消し剤の粒子が大きいみたいです。

他の塗料と比べるとクレオスの「フラットベースあらめラフ」と同等の粗さか、それ以上かもしれません。

つや消しトップコートの評価
表面のキメの細かさ
(3.0)
パーツの白にごりのしやすさ
(3.0)
つや消し具合
(3.0)
オススメ度
(3.0)
タミヤカラー アクリルミニ X-21 フラットベース 光沢

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タミヤカラー アクリルミニ X-22 クリヤー 光沢

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【クレオス】水性プレミアムトップコート

水性プレミアムトップコート

クレオスプレミアム水性

はい、最後になりましたが、クレオスからみんな大好き「水性プレミアムトップコート」です。

トップコートの比較をしている時は、まだ瓶入りの「水性プレミアムトップコート」の発売日は過ぎていなかったので缶スプレーの中身を取り出してからエアブラシで塗装をしました。

先程もいいましたが、水性なので下地を気にせず、さらに塗料の乾燥時におきる”かぶり”も少ないです。とても素敵な塗料。

さて、つや消し塗料としての性能についてです。

プレミアムトップコートという名前をしているからには、さぞかし「高級感溢れる質感なんだろうな」と思いながらスプーンを塗装しました。

結果はというと、そこまで飛び抜けた高級感があるという感じでもなく普通のつや消しトップコートでした・・・(あたりまえか

つや消し具合としては、「スーパースムースクリア」「スーパークリア3UVカット」「ガイアカラーフラットクリアー」に近いです。

表面のキメの細かさについては、かなり細かいほうではありますが、スムースクリアほどではないが、スムースクリア3UVカットよりは細かいといった感じ。

そしてガイアのフラットクリアーと非常に質感が似ていました。しかし水性プレミアムトップコートのほうは水性塗料なのでコチラのほうが圧倒的に使いやすいでしょう。

つや消しトップコートの評価
表面のキメの細かさ
(3.5)
パーツの白にごりのしやすさ
(4.0)
つや消し具合
(3.5)
オススメ度
(5.0)

まとめ

つや消しトップコートはたくさん種類があります。色々と使っていく中で「俺の中ではこれが一番!」ってのがある方もいるかも知れません。

しかし、今回の記事のように「一度にテストピースに塗装して並べて比較してみる。」というのをやったことある人は数えるほどしかいないのではないでしょうか?

私のなかでも「このつや消しトップコートなら間違いない」というのはあります。

しかし、その経験も過去に使ってきた塗料の漠然とした記憶の中で形成されているものなので「はたして本当にこいつがこの作品に一番適しているトップコートなのか?」という疑問は少しありました。

つまりはというと、この記事の内容がまるまる「自分の知りたかったこと・モヤモヤしていた部分」を解決するために実証しただけということです。この検証で私個人はつや消しトップコートの違いをはっきりと理解することが出来て非常にスッキリとしております。

あなたも「もっと控えめなつや消しにしとけばよかった。」や「もっと粗めのつや消しのほうがこの作品はかっこよくなったかも。」という後悔をしないよう、この記事を参考につや消しトップコートを攻略してみてはいかがでしょうか。

それでは。

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