こんにちは。柚P(@yzphouse)です。
最近のガンプラは、ある程度の色分けもされているので、そのまま組み立てるだけでも完成度の高いものが出来上がります。
しかし、それでもシールに色分けを頼ってるところがあったり、プラスチック特有の質感で安っぽさが抜けきってなかったりというところが気になりますよね。
というわけでこの記事では、素組の状態からもう一段階手を加えて ることで、ガンプラの素材を生かした「ワンランク上の仕上げ」に挑戦してみたいと思います。
このような、成型色を生かして仕上げる方法を「簡単フィニッシュ」と呼びます。
目次
素組のガンプラを用意する
まずは、素材となるガンプラを用意しましょう。
こちらは別の記事で制作した「HG ガンダムバエル」です。
このキットの組み立てまでの記事はガンプラ初心者でも簡単!最低限の道具でガンプラを素組みしてみよう。で公開しております。
スミ入れペンでスミ入れをしよう
「スミ入れ」というのは、スジボリ部分の本来は影になっている部分に色を付けることで「影」を再現してパーツにメリハリをつけるための技法です。
ここでは簡単に仕上げるため、比較的手に入りやすい「スミ入れペン」を使用してスミ入れをしていきます。
ちなみに、スミ入れの方法にはスミ入れペンを使う以外にも、もう1つあります。ラッカー塗料を使用した全塗装をする上級者モデラーは、エナメル塗料を使用してスミ入れをします。
興味のある方は 【ガンプラ初心者】エナメル塗料でスミ入れ 使用する道具とやり方を徹底解説! をご覧ください。
スミ入れに使用する道具
使用するスミ入れペンは、「ガンダムマーカー スミ入れペン」です。
ガンプラのパーツは非常に小さく細かいので、スミ入れに使用するペンは、できるだけペン先が細いモノがいいですね。
スミ入れペンは、ホビーショップで比較的簡単に手に入れることができます。筆タイプ、マーカータイプ、流し込みタイプなど種類があるので好きなのを選びましょう。
スミ入れペンの種類については ガンプラ製作で使われている「スミ入れペン」の種類と使用方法を徹底解説!の記事で紹介しているので、こだわりたい方は是非ご覧になってみてください。
実際にスミ入れをやってみる
スミ入れをするラインですが、何も考えずに溝という溝に線を書き込んでいくのではなく、どこが影になりそうかを考えて、必要な箇所にだけ書き込んでいきましょう。
また、手元がブレると線も綺麗に引けないので、焦らずゆっくり作業します。
左は無加工の足で、右側がスミ入れをした足です。
スミ入れ前、スミ入れ後を比較したら一目瞭然です。しっかりとメリハリがついて、安っぽさが無くなりました。
このような感じで、全パーツにスミいれを施していきます。
また、スミいれしたパーツで、塗料がではみ出して失敗しまうこともあります。そんな時は、はみ出した部分を消しゴムでこすれは、簡単にインクを消すことができます。
消しゴムで擦ると消しカスが発生します。机に新聞紙など汚れてもいいように準備してから作業しましょう。
全体にスミ入れが終われば作業完了です。
これだけでも、立体感が増してかなり完成度が上がり、十分満足のいく仕上がりにはなしましたが、ここから更に手を加えていきます。
塗料を使って部分塗装
ガンプラには、色分けされていない部分にシールを貼ることで、足りない色を再現する箇所があったりします。
そのまま付属シールを使ってもいいのですが、今回はそれを使わず、出来るだけ模型用の塗料を使用して色を塗装で再現してきたいます。
まず、塗料を塗るために必要な「筆」と「塗料」を用意しましょう。
はじめは、模型店で500円くらいで売っている「面相筆と平筆のセット」で十分です。
次に塗料の準備をします。
説明書には、このキットで使用する塗料の「調色の割合」なんかが書いてありますが、塗料の調色は慣れるまでは難しいので、目で見てそれっぽい似た色を選んでくれば十分でしょう。
「いや俺は調色にも挑戦した!」という方は、説明書に記載されているカラーレシピをヒントに、色を選択して調色にチャレンジしてみてください。
使用する塗料についてですが、模型用の塗料にもいくつか種類があります。
始めは何を使ったらいいのかわからないと思うので、とりあえず「タミヤアクリルカラー」や「クレオスの水性ホビーカラー」といった水性アクリル塗料がオススメです。
水性塗料なので、筆などの洗浄も水が使えます。
それ以外にも油性塗料の「ラッカー系塗料」「エナメル系塗料」もあります。詳しくは【ガンプラ初心者】プラモデル用塗料 ラッカー,エナメル ,水性塗料の違いとは? を参考にしてみてください。
実際に塗料を塗ってみよう 「フェイスパーツ」
まずはフェイスパーツから塗ってみましょう。
塗る前は塗装しない「頬」や「顎」の余計なパーツは外しておきましょう。はみ出した塗料が付いたら嫌なので。
余計なパーツを外して準備ができたら部分塗装をしていきます。
筆で塗装する時は、塗料皿となる「パレット」に塗料を適量出してから作業すると、筆先を整えながらできるので塗りやすいです。
塗る面積を考えて、パレットに塗料を少しだけ出します。
塗料を出しすぎて余るのも勿体無いので、塗料皿に出す量は最小限でいいです。無くなったら、継ぎ足して量を調節してください。
このような細かい部分は「細い筆」を使用して、目の周りをはみ出さないようにゆっくりと塗ります。
一回で色が発色しなかった場合は、塗料が乾いた後、2度塗り、3度塗りと塗料を重ねていきましょう。
次に目の中の部分です。この部分は筆で塗り分けるのが少し難しいので、付属のシールに助けてもらいましょう。
使用する付属のシールには「目の周りの黒い部分」が含まれているので、周りの余計な部分をデザインナイフでカットします。
写真の左側だけ目がフチをカットしてみました。ピンクの部分だけをパーツに貼っていきます。
シール自体がかなり小さいので、ピンセットを使用して貼りましょう。
極小パーツを確実に掴むために開発された模型用 高級ピンセット オススメ
これでフェイスパーツの塗装は終わりです。
シールだけでこの部分を仕上げると、パーツ自体に彫り込まれている凹凸を殺してしまい、シール自体の厚みもあるのでのっぺりとした印象にもなりますが、塗料を併用することによって、よりはっきりとしたフェイスパーツに仕上げられました。
顔はガンプラでもかなり注目される部分なので、丁寧に仕上げましょう。
次は、背中のパーツの塗装をします。
実際に塗料を塗ってみよう 「背中のパーツ」
大きい面積の塗装でのコツは「一回ですべて塗ろうとしてはいけない」という点です。
一気に塗料を塗ってしまうと、表面のディティールが埋まってしまったり、エッジがまるくなってしまったりして、厚ぼったい印象になってしまいます。
なのでここでは、「うすめ液」を入れた希釈した塗料を使用して、塗り重ねる回数を数回に分けて平筆で塗っていきます。
希釈に使用する「うすめ液」はその塗料に合った専用のものを用意してください。
塗り方としては、まず始めの一回目は薄く塗料を塗りひろげます。この段階では、まだ下地のパーツの色が見えてても構いません。
塗料が乾燥したら、同じように2回目も適度に薄めた塗料を塗ります。
3回目、4回目も同じ作業の繰り返しです。下地の色が見えなくなって、塗料の色がしっかり発色したら完了です。
急いで作業すると必ず失敗するので、1回1回しっかりと塗料を乾燥させるのが上手に塗るポイントになります。
青色の部分を塗りました。
少し筆のムラが見えますが、このあとにトップコートを吹いて艶を整える工程で殆ど分からなくなるので大丈夫です。
あまりにも塗膜表面が荒れて汚くなってしまったら、2000番程度の細かい紙やすりで塗装した表面を軽く撫でてやれば綺麗に整えることもできます。
続いて股間部分のVマークを塗装をしていきます。
実際に塗料を塗ってみよう 「股間のVマーク」
細かい部分は、フェイスパーツのときと同様に先の細い筆「面相筆」を使うと塗りやすいです。
面相筆で細かい所を塗る時は、塗料を筆で塗り広げるというイメージより、塗料を筆で置いていくイメージです。
穂先が細く筆のに含ませた塗料も乾きやすいので、定期的にうすめ液を含ませて調整すれば塗りやすくなります。
残りのパーツも同じように、塗っていきましょう。
このガンプラでは、胴体・腰・ひざ・頭・背中・のパーツに部分塗装をしていきました。
いかがでしょうか。ここまで塗装すればかなり見栄えも良くなったかなと思います。
塗装に慣れてきたら、オリジナルカラーでガンプラの全体を塗ってみるのも面白いかもしれませんね。
トップコートを塗装して艶を整える
最後は「トップコート」という透明な塗料で全体の艶を整えていきましょう。
この「トップコート」というは、塗った物の艶を調整する塗料のことです。
トップコートを最後に吹き付けて、「塗ったパーツ」「塗ってないパーツ」の艶を統一させて自然なバランスに仕上げていきます。
艶が統一されることによって、プラモデル特有の艶が無くなり、あたかも新しく塗り替えたかの様な高級な質感になります。
トップコートの塗料
トップコートの艶にもいくつか種類があり、「つや消し」「半艶」「艶あり」があります。
さらに塗料の種類で「ラッカー系」「水性塗料」があります。
高級なトップコートのなかには「UVカット」効果のあるものもあります。場合に応じて使い分けてみましょう。
詳しいトップコートについての記事はガンプラの塗装でよく耳にする「トップコート」とは?その効果と使用方法の解説を参考にしてみてください。
今回使用するのは「水性 つや消しトップコート」になります。水性のトップコートなので初心者でも失敗しにくいのでオススメです。
ラッカー系は溶剤分の強いトップコートなので、今回製作しているガンプラのような、「アルコール系インクのガンダムマーカー」を使用した作品には必ず水性のトップコートを使用して下さい。
ガンダムマーカーはアルコール系のインキを使用しているので、ラッカー系のトップコートを使用するとスミ入れのインクが溶け出して、滲んだりする恐れがあります。
トップコートを塗装する
トップコートを塗る時は、塗装しやすいようパーツにいくつかに分解しておきます。
分解したパーツは写真のような塗装用のクリップなどで保持しておきましょう。
ここで使用している持ち手は、ガンプラ塗装で役に立つ「塗装ベース」と「持ち手」を自作してみた。で紹介しています。
そうしたら、塗装用のクリップごと各パーツにトップコートを吹き付けていきます。塗装後は数時間ほど放置して乾燥させます。
1~2時間経って「表面が乾いてるし、もう大丈夫!」と思っても絶対に触らずにじっと我慢してください。指の指紋がガンプラについたりしてせっかく塗装したパーツが台無しになる恐れがあるので。
一晩乾燥させて、完全にトップコートが乾いたら、パーツを組み立てれば完成です。
簡単フィニッシュ 完成
ようやく完成です。
ガンプラのボリュームにもよりますが、今回使用したHGガンダムバエルでは、2~3時間でスミいれ・部分塗装をして、1~2時間でトップコートの塗装をしました。
全部の工作時間が4~5時間で、素組みからトップコートまでの作業を終わらせることができました。
これだけの作業でも十分にカッコいい作品を作ることができ、なおかつ実際に自らが手間を掛けて作ることによって、より一層愛着のある作品に仕上がるというものです。
「今まで素組みで終わっていたけど、もう少し作品の完成度を上げてみたい!」という人も、この記事を参考に簡単フィニッシュに挑戦してみてはどうでしょうか?
そして「いつも気合いの全塗装でガンプラを作ってばっかりだ。」という人も、たまには息抜きに簡単フィニッシュで仕上げてみるのも面白いですよ。
それでは。