PS樹脂から軟質樹脂まで!「パーティングラインの消し方」を徹底解説!!

モデラー

  • 柚P

 

こんにちは。柚P(@yzphouse)です。

プラモデルのパーツは、溶けた材料を型に流し込んで成型しているます。その材料を流し込むオス型とメス型にズレやスキマがあると、そこに溶けた樹脂が流れ込み、不本意なラインとして現れてしまいます。

このラインのことを「パーティングライン」と呼びます。

最近のプラモデルは品質が向上しているため、徐々にこのパーティングラインが目立たなくなってきていますが、プラモデルを綺麗に作る上では、少しでも残っていると気になってしまうので、パーツを磨いて綺麗に消すことで見栄えのいいガンプラに仕上げることができます。

パーティングラインの処理

まず、どこがパーティングラインなのか見てみましょう。

パーツにピンクのラインが付いている部分をよく見てください。このライン状の跡が「パーティングライン」です。

パーティングラインを処理をする前には、パーツのどこまでがパーティングラインで、どこを削るのかをしっかり確認してから作業しましょう。

まったく関係のない部分まで削ってしまうと、パーツに付いているモールドまで削り落としてしまう恐れもあるのでしっかりと確認しましょう。

パーティングラインの処理に使う道具は?

パーティングラインは、「ヤスリ」や「デザインナイフ」を使って消します。道具を使って段差が消えるまでパーツを削ればいいだけです。

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「デザインナイフ」は、パーティングライン以外にもパーツの合わせ目の処理などの作業にも使えるプラモデルの製作には欠かせない道具の一つなので必ず用意しておきましょう。

ヤスリもゲート処理などの作業でも必ず使う工具なので、数種類は手元に用意しておきたいですね。

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デザインナイフの刃の部分が「セラミック製」の刃物が取り付けてある「マイクロセラブレード」という工具もあります。

「マイクロセラブレード」はデザインナイフをうまく扱える人には必要ないと思いますが、カンナがけ専用の道具なだけあって、デザインナイフよりも作業がやりやすいです。

そしてなにより、刃自体に切れ味は無いので、ケガをしにくい作りになっています。予算に余裕がある人は買ってみてもいいかもしれません。

パーティングラインを消す方法

デザインナイフ(カンナがけ)でパーティングラインの処理をする

デザインナイフでパーティングラインを処理するには、「カンナがけ」という方法でパーツを削っていきます。

「カンナがけ」とは、大工さんがカンナという道具を使って木の薄皮を削っていく作業と同じような感覚で、ナイフの刃を使ってパーツ表面を薄く削っていく技法です。

パーティングライン カンナがけ 処理中 画像

パーツの表面に対して、ナイフの刃を直角にに立ててそのまま横にスライドさせて表面を薄く削っていきます。力加減はパーツ表面が削られ、薄い削りクズが出るぐらいが丁度よいです。

ナイフの刃を角度を進行方向に向けて動かしてしまうと、刃がパーツに食い込んでしまい上手く「カンナがけ」が出来ないどころか、パーツをえぐってしまいます。

一方で、ナイフの刃をを逆向きに少し寝かせて横に動かすと、力が加わる方向が変わって、パーツに刃が食い込むことがなくパーツ表面だけを綺麗に削ることができるようにります。

このような感じでパーツ表面のパーティングラインが消えたら終わりです。

 ヤスリを使ってパーティングラインの処理をする

デザインナイフでは処理しきれない大きな面のパーティングラインや、デザインナイフだけでは面が綺麗に処理できなかった場合などは、ヤスリを使ってパーティングラインを消します。

使用するヤスリの粗さはパーティングラインの大きさにもよりますが、400番〜800番程度のヤスリをを使います。

また、ヤスリがけをおこなう場所によって、平面なら「当て木のあるヤスリ」曲面なら「スポンジヤスリ」のように種類を使い分けるとパーティングラインも綺麗に処理できます。

コツとしては「パーツの面に力が均等に伝わるようにヤスリを扱うようにする」ということです。

どこか一箇所のみ力が入ってしまっていると、その箇所ばかり削れてしまい元のパーツの形を崩してしまいます。

こんな感じでパーツの表面が一定になるように削ってパーティングラインを消します。

ヤスリ跡が気になる方は、この後に「コンパウンド」や「ヤスリスティック フィニッシュ」を使って磨き出しをして光沢を復活させましょう。

特殊な素材のパーティングライン処理

軽質樹脂パーツのパーティングライン処理のコツ

ガンプラのビームサーベルやゴムパーツのような軟質樹脂のパーティングラインの処理は普通のプラスチックに比べて少し難しいです。

ですが、使う道具さえ気をつけて丁寧に作業をすれば軟質樹脂でもパーティングラインを消すことが出来ます。

ヤスリがかけられるパーツなら、そのまま400番~800番程度の紙やすりでパーティングラインを消すことが出来ます。

ガンプラに使われている軟質プラ(KPS)やビームサーベル(PS)なんかはこの処理方法が使えます。

これ以外にも、PS樹脂ではない「ゴムパーツ」にもパーティングラインがあったりします。ゴムパーツの処理は少し厄介で、ヤスリで削って消すという方法は使えません。

「この方法なら綺麗にパーティングラインが消せる」という方法は確立されて無いと思いますが、人によっては、溶剤系流し込み接着剤で表面を溶かしてパーツ表面に馴染ませたり、冷凍庫に入れてゴムパーツの硬度を上げてヤスリで表面を削る、という方法をとっているモデラーさんもいるらしいです。

ゴムの種類のよっては溶剤系接着剤で溶けない物もあり、パーティングラインを処理できないパーツもあります。これ以外に良い方法があればまたここで紹介したいと思います。

クリアパーツのパーティングライン処理【画像準備中】

【画像】

スケールモデル等でよくある、クリアパーツのパーティングラインの消し方についてです。クリアパーツなのでヤスリで加工した後に元のパーツの光沢を復活させてやる必要があります。

【画像】

初めは、1000番程度の目の細かい紙ヤスリでパーティングラインを大まかに消します。この後にコンパウンドを使用して光沢を出していくので、ここで目の粗い紙ヤスリは使わないようにしてください。

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ここから更に、1500番~3000番と段階に分けて細かい番手の紙やすりで削っていきます。ここでは耐水ペーパーに水をつけてヤスリがけをする「水研ぎ」をすると、紙やすりの削り屑大きな傷を付けずに綺麗に磨く事ができます。

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紙ヤスリで磨いた後はコンパウンドを使って光沢を復活させます。コンパウンドの種類については【研ぎ出し・鏡面塗装】模型用 コンパウンドの種類 まとめの記事を参考に選んでみてください

樹脂の光沢をコンパウンドで復活させるのは結構たいへんです。根気よく磨いていきましょう。

コンパウンドを磨く時に使用する布も、出来るだけ目の細かい「メガネ拭き」や専用の「磨きクロス」を使うと効率よく磨けます。

ティッシュでは細かいクズが出て使いにくかったり、普通の布を使うと布自体の粗さで表面に傷がついてしまいます。

【画像】

ここまで光沢が復活すればクリアパーツのパーティングライン消しは成功です。このように、根気のいる作業ですが丁寧に作業すればクリアパーツでもパーティングラインが消すことが出来ます。

まとめ

パーティングラインを消さないとプラモデルが完成しない。なんてことは無いですが、やはりパーツの目立つ部分にあるとどうしても気になってしまいますよね。

違和感の無い綺麗な完成品を作るうえでは、このような基本工作が大切になってきます。

形の変わらない面倒くさい工作ではありますが、パーティングラインを綺麗に消して完成度の高いガンプラを作りましょう。