こんにちは。柚P(@yzphouse)です。
いざデジタル造形を始めようとしたとき「なにから始めたらいいのか」「どのくらいの勉強をする必要があるのか」「どんな資料・参考書を読めばいいのか」と分からないことって多いですよね。
専門学校などに行けばしっかり使い方を教えてくれますが、みんながみんな専門学校に行けるというわけではありません。
仕事があるので行く暇がない、近くにそういった専門学校が無い、お金をかけずに使えるようになりたい、など理由は色々あるでしょう。
それでも趣味でデジタル造形が使えるようになりたいという方も多いと思います。が、趣味で始めるにしても親切に教えてくれる人はいなくてハードルが高い・・・。一人で孤独に勉強していく必要があります。
まるで資格勉強みたいです、自分の方法が合ってるのかどうかもわからない、不安です。
そんな方に向けて、この記事では「私がデジタル造形をはじめてから今のレベルまで使えるようになるまで何をしてきたか」の道のりを詳しく書いていこうと思います。
目次
ZBrushと3Dプリンタを同時購入
まずは「自分が何を作りたいか」で、使う造形ソフトを決めました。
私は出力用の美少女フィギュアのデータが作りたかったので、スカルプト(彫刻)に特化した『ZBrush(ズィーブラシ)』を選びました。
他にも、メカ系の設計に強い『Fusion360』、なんかよくわからないけどいろんな機能がある今激アツの『Blender』、なんかがありますね。この2つは個人なら実質無料で使えるらしいです。お金をかけたくないという方にはこの2つがオススメ。
そんなこんなで、2019年の9月にZBrushを購入しました。

初心者がはじめるZBrush!デジタル造形について何も知らないけど3Dプリンターなどの機材を買ってみました。
ZBrushを購入した当時に書いた記事がこれ。後に引けないように3Dプリンタまで一緒に購入しています。
購入した3Dプリンタは当時初心者から人気だったphozen shuffle XL に。価格は15万円ほど。
今なら私の持っている機種よりも性能が高く高解像度な phozen sonic mini 4K とかが6万円くらいで買えちゃいます。この辺は時代に合わせて自分で下調べする必要がありますね。
まとまった時間がとれず3ヶ月ほど飛びます
ZBrushと3Dプリンターを買ったはいいが、勉強を始めるのが面倒くさくて3ヶ月サボってました。
時は進み2019年12月、ようやくPCにZBrushをインストールしましす。
手始めに、勉強用として一緒に買っていおいたウチヤマリュウタ先生の『ZBrushフィギュア制作入門』を読みながら、フィギュアを作りながらZBrushの操作を覚えていきます。
ZBrushはおろかデジタル造形自体がはじめてだったので、書かれている用語すべてが分かりません。ポリゴン?ポケモンかな?サーフェス?サーフェスプライマーのこと?というレベル。
とりあえず自分が何の操作をしているかイマイチ理解できないまま本書に書いてあるとおりに作業を進めていきました。
この時点では3D造形の面白さは感じていなかったですね。楽しむ余裕がないくらい難しい。
参考書通りに作業を進めていき、4日目でここまで作れました。
また3ヶ月ほど飛びます
仕事とか遊びとか気分が乗らなかったりとかが続きまして、また3ヶ月ほどサボってました。年が明け2020年の3月です。
そろそろなんかするかってことで、今度は3Dプリンターを使ってテスト出力をする遊びをはじめました。
私は機械が動いてるところを見てるだけで楽しめる人種なので、よく分からないZBrushよりも3Dプリンタのほうが興味あったんですよね。

光造形方式3Dプリンタ『Phrozen Shuffle XL』のセットアップをしてみた。
まだ出力するための原型データさえ作れるレベルではないので、友人から貸していただいたSTLデータを使ってプリンターを動かしましたね。
このあたりで、CHITUBOX(出力用のサポート取り付けソフト)の使い方や3Dプリンタの扱い方を覚えました。
『CHITUBOX』を使って原型データを出力用データに変換してみた。
またまた3ヶ月ほど飛びます
どうやら私は3ヶ月ごとにデジタル造形のスイッチが入るみたいです。2020年の6月、気温も暖かくなってきました。
ここでようやく投げ出していたフィギュア制作を再開するわけですが、なんといっても半年ぶり。いままでどうやって作ってたのか、カメラの操作、などなど全てを忘れちゃっています。
というわけで参考書を最初から読み直して復習です。
この方法が意外とよかったのか「あー!やったやった!」みたいな感じで操作とか思い出してくるんですよね。
勉強でもそうですが、一度忘れたことを思い出す行為って、脳の良い刺激になってより忘れにくくなるみたいな話聞いたことがあります、勉強は人に教えるほうが覚えられる的な。
ようやく参考書に書かれてる最後の工程が終わり、出力用のSTLデータが作れました。
STLデータからのプリントは、3月にやってるのでスムーズに出来ましたね。
急成長する8月~9月
参考書を終えたあたりから謎のやる気が出てきました。1つ完成品を作れた達成感からなのか「ZBrush完全に理解した」と謎の自信が満ち溢れています。
次の課題として「覚えた事を使って自分の好きなキャラを作りたい!」ということで、ジャンプ+で連載中の『阿波連さんははかれない』のあはれんさんを作り始めます。
基本的な作り方は『ZBrushフィギュア制作入門』でやったことと同じですね、操作が分からなくなったら参考書を見直します。
それと同時に、さらなるレベルアップを目的にPixologic ZBrushの公式チャンネルから、榊馨先生の『3Dプリント用デフォルメキャラの作り方』の動画を見たりしました。
この動画は「どういう操作で作っていくのか」を淡々と解説するだけいるので、ZBrush触ったことのない初心者には少し難しいかも。
『ZBrushフィギュア制作入門』を終えた後くらいに見るのが丁度いいですね。
参考書とは違う作り方やテクニックもたくさん出てきますので、自分が「これ便利そうだな」と思うのだけをピックアップして覚えていきました。
あと1本が3時間~の長い動画ばかりなので、シングルタスクで集中して見るよりも、プラモデルとかの表面処理とかをしてるときの作業用BGVとして流しっぱなしにしておくのがいいですね。
私は作業中に流しておき、「ん?いまなにした?」ってところだけシークバーを戻して操作を確認するって見かたをしました。
また、動画内でも多用している榊馨先生の制作された専用ブラシ「SK_Hair」もかなり便利なブラシでしたね。専用ブラシのDL方法についても動画内で紹介してたはず。
この動画では、参考書では書かれていなかった『パーツの分割』についても解説してくれていました。フィギュアイベントでガレージキットを売りたい!という方には絶対必用なテクニックなので要チェックです!
美少女とメカどっちも作りたい!って場合はアズレンのプリンツ・オイゲンを制作する動画もオススメですね。
ムチムチボディの作り方や、風でなびく長い髪、周囲の武装(メカ)の作り方すべてを解説してくれてます。
動画系でいうと、和田真一先生の「ZBrushべーシック」も見ました。和田真一先生の声がめちゃくちゃ良いので聞いてる耳が幸せになれます。あと超眠くなる。
ZBrushの機能を徹底的に解説してくれる超優れた教材です。
ただし、2013年?発売の教材なので内容が少し古いので「今はもっと便利な上位互換な機能あるのにな」ってのがちょいちょいありましたね。
10月~WF用の原型データの制作開始
ようやくちゃんとした原型作りに本腰を入れ始めます。
模型の仕事の入りが薄かった10月のうちに原型データを作りたかったので、一気に作業を進めます。
制作開始から10日ほどでラフ造形が終わりました。デジタル造形はパテの硬化時間とか無いので早いですね。
基本はウチヤマリュウタ先生の参考書の作り方で進めていきます。分からなくなったら適宜参考書を見返して復習します。
色々なポーズ検証が出来るのもデジタル造形の強みですね。パーツ分割も榊馨先生の動画を参考にしながらなんとか出来ました。
ただ、アナログ造形のようにナイフで削ったり、ヤスリで磨いたりという作業が全く無いので、なにかモヤモヤします。物を作ってる感じがしない。
あとずっと画面見ながらの作業なので首が痛くなるし結構疲れる・・・。
11月の頭くらいに原型データが完成、かかった日数は3週間くらいでしょうか。
はじめての原型にしてはよくやったほうじゃないでしょうか。
原型データが出来たら、3Dプリンタで出力して、パーツ表面を磨いて原型の完成です!
まとめ
ZBrushを購入した2019年9月から、現在制作中のWF原型ができる2020年12月まで、1年と3ヶ月たってますね。
しかし、実際にはサボってるた時間のほうが多かったので、はじめての原型が作れるようになるまでに必要な勉強時間というのは1~2ヶ月くらいではないでしょうか。
ZBrushに関してはまだまだ知らない機能が沢山あるのでこれからも勉強は続けていくのですが、ここまで作れるようになったら最初に感じていた「苦手意識」は無くなりましたね。ZBrushを開くのが億劫じゃなくなった。
というわけでこの記事は「私はこうやってZBrushの苦手を克服しましたよ」という一つの例として参考にしていただければと思います。
それでは。