ワンフェスでも使えるフィギュア展示台をアクリル板とアルミフレレームで自作してみた!

モデラー

  • 柚P

 

こんにちは。柚P(@yzphouse)です。

ワンフェスに参加するようになって早9年、そろそろちゃんとした展示台が欲しくなってきました。

今までは100円ショップで購入したマルチパネルを組み立てたものを愛用していましたが、他のディーラーさんの卓を覗いてみたら、かなり本格的な展示台を使っているところも多くちょっと羨ましくもあったり。

ということで今回は、地方在住のディーラーでも使いやすいコンパクトに運用できるオリジナルの展示台を作ってみました!

 

 

新しい展示台に求めること


▲今まで使っていたマルチパネルの展示台。イベントでよく見かけるやつです。

さて新しい展示台を作るにあたり、どんな仕様にするかを考えてきましょう。

私は地方(広島)からワンフェスなどのイベント(主に関東)へ参加するため、使用する展示台は宅配で開場まで送る必要があります。

ですので自作する展示台は、140~160サイズのダンボールに収まるサイズが理想となるわけです。

ホームセンターで売られているような汎用的なダンボールの3辺は長くても500mmも無いので、その大きさに入るサイズで作る必要があります。

次に価格。自作するからには価格もできるだけ抑えて作りたい。

というわけで展示台に使用するフレームの素材には、ホームセンターで売られている10mmのアルミ角パイプをフレームの材料に選択しました。近所でも手に入るし加工もしやすく、なんといっても安い。

あとは照明です。

大きな会場で開催されるイベントでは、自分が配置される場所によって照明の強さが変わってきます。

会場の壁側に配置されてしまうと照明は弱く、展示しているアイテムも暗い印象になってしまいがちです。

こういった事態への対策も兼ねて、展示台自体にも照明がほしいです。

設計してみる

まずはフレームサイズの設計から。

ダンボールに入るサイズの展示台というのをイメージして、机からの高さは300mm、面積400×400mm、背景400×400mm、の展示台を作ることにしました。

そこからさらに10mm角のアルミフレームとジョイントを加味して図を書いてみます。

適当な図ではありますが自分が理解できてればOK。横幅が400mm、奥行きが400mm、高さが300mm、背面の壁が380mm、の展示台の骨組みがつくれました。

ここでの背面のフレームが380mmになっているのは、アルミ角パイプの長さを380mmで統一したかったためです。

ちなみに市販のこういうタイプのアルミフレーム(ネジ止めとか出来るやつ)でもいいのですが、やはり値段が高いのがネックです。耐久性や剛性を考えたら絶対にコチラのほうが良いものが作れそうですが、今回は3Dプリンターのジョイントを自作するという方法で回避していきます。

3Dプリントしたジョイント

10mmの角パイプ同士を繋ぐジョイントは、3Dプリンターで印刷したものを使います。

10mm角の立方体にアルミ角パイプがさせるように8mmの軸を設けています。

このジョイントはBOOTHでSTLデータを公開しているので、3Dプリンタをお持ちの方は是非使ってみてください。
(https://yzpshop.booth.pm/items/3667423)

ジョイントの印刷で使用したのはSK本舗の『高靱性レジン』。

以前、クラウドファンディングでsonic mini 4kを購入したときに付属していたレジンですね。

それ以外メーカーでも、ABS-Like、高靱性、タフレジン、などの固いと謳ってるものを選んでおけば間違いないと思います。

アルミフレームの加工

フレームに使用するアルミ角パイプは近所のナフコで購入したもの。2mで1000円くらいでした。

ナフコ通販サイトでも販売されていますので(https://nafco-online.com/products/detail.php?product_id=23160583)こちらから購入することも出来ます。

モノタロウとか探せばもっと安いものも見つけられます。

金属ノコで380mmと280mmの2種類に手作業でカットしていきます。

用意した本数は、

  • 380mmが24本
  • 280mmが12本

です。

これで展示台3台分になります。

アクリル板

フレームに貼り付ける板は、押出しの板厚3mmのアクリル板を使います。

板のサイズはフレームに合わせて決めます。

すべて同じサイズになるかと思いきや、3枚とも異なるサイズになっちゃいました。

アクリル板の購入は、いつもお世話になってるはざいや(https://www.hazaiya.co.jp/index.html)さんです。実店舗が東京にあるので近くの方は直接買いに行ってもいいかも。

注文時に「板厚3mmで1100×1300サイズのアクリル板1枚を合計9枚の板にカットしたい」と伝えておきます。

精密なアクリル板のカットを個人でするのはかなり難しいので、私はすべてお店に任せました。

フレームを組み立てる

カットしたアルミ角パイプ、3Dプリンターで出力したジョイントを設計図どおりに組み立ててみます。

同じ作業を3回繰り返して展示台を3台作ります。

マスキングテープなんかをうまいこと使って合体させると横幅は1200mmに増えます。ワンフェスの長卓でも使いやすいサイズですね。

アルミフレームとアクリル板の固定には両面テープを使用します。

普通の両面テープだと糊残りが起こるので、ニチバンのあとではがせる両面テープがオススメ。

展示台3つを組み立ててみました。

かなりシンプルではありますが汎用性の高そうな展示台が作れました!

照明

追記:現在は改良した自作の照明で運用しています。詳しくはコチラ→https://yzphouse.com/tenzidai-syoumei

展示台に取り付ける照明ですが、私はこんなものを作ってみました。

これまたいつもお世話になっているエルパラ(https://www.led-paradise.com/)さんで、LEDバーライトを購入。

気休めかもしれませんがフィギュアの発色がよくなるようRa90+の高演色LEDライトバー(https://www.led-paradise.com/product/2093)を買ってみました。

私が購入したのは175mmのLEDバーライトですが、もう1段階長い375mmのを買ったほうが幸せになれそうです。理由は後述します。

それから調光出来たら便利そうとうことで点滅調光コントローラー(https://www.led-paradise.com/product/1309)も一緒に購入してみました。しかし調光器を買ったもののほぼ使わなかったので必要ないかもです。ONOFFの操作が遠隔で出来るので便利ではありますが。

イベントで運用するために、モバイルバッテリーでLEDを点灯させる必要もありますのでDCDCコンバーター(https://www.led-paradise.com/product/2128)も一緒に購入しておくといいですね。

このDCDCコンバーターの役割を簡単に説明すると、モバイルバッテリーから出力されている電圧5VをLEDバーライトの定格電圧の12Vまで上げてくれる便利なアイテムです。

モバイルバッテリー5V→DCDCコンバーター(12Vに変換)→調光器→12V用LEDライトバー

という感じで接続して使います。

ちなみに、DCDCコンバーターを使って消費電力2WのLEDバーライト4本(8W)を7時間以上(イベント開始の10時~終了の17時まで)点灯させたい場合は、容量が20000mAh程度のモバイルバッテリーを用意しておく必要がありました。

LEDバーライトの接続用ジョイントの製作

追記(2024/03/24):LED照明を改良しました。

フィギュアイベントでつかえる展示台の照明を改良して理想の形に!

LEDバーライトを展示台に縦で取り付けたいので、専用のジョイントを3Dプリンターで作ってみます。

定規とノギスでLEDバーライトのサイズを測りながら適当に図を書いてみます。

図を元にfusion360でジョイントを作ってみました。

こちらのSTLデータもBOOTHからDLできます。(https://yzpshop.booth.pm/items/3667423)

これでLEDバーライトを縦で取り付けられるようになりました。

折りたたんでコンパクトに!

すべてのパーツが揃いましたので後は本番を待つのみです。

パーツを分解しておけば梱包材を含めてもこのサイズに収まります。400×400mmで高さは150mmくらいしかありません。

ただしアクリル板が結構重たいので宅配で送ると 100サイズ~ にはなるので配送のお金はかかりますね。

実際にイベントで使ってみよう!

ついに本番!ワンダーフェスティバル2022Winterで実際に使用してきました。

まずは3台をつなげて設営してみます。

1200mmの横幅はありますが、会計ができるスペースも確保できるくらいの丁度いいサイズですね。

今回のレイアウト

展示台は合計で3台作ったのですが、今回のワンフェスのメイン商品は相方のを含めても2つしかなかったので、2台だけ使って設営してみました。

こういうカスタムが自由にできるのも自作の強みです。

使用したのは2台の展示台ですが、余ったフレームのパーツを使って背を高くしてポスターを貼れるようにしてみました。

いい感じですね!

1100mmという圧倒的な高さで宣伝効果も抜群でしょう。

気になった点

イベントで丸一日使って気になった点もいくつか出てきたので紹介しておきます。

照明の反射

光沢のアクリル板を背面にしているので、正面からの照明が反射して写り込んでしまいます。

これでは写真を撮ってくれる方に迷惑をかける可能性があります。

私は光を反射しにくい紙(レザック)を貼り付けて対策してやりました。

これをするならはじめから3mmの紙貼りスチレンボードを背面の素材にしてもよかったですね。そちらのほうがアクリル板よりも安上がりですし。

使用する両面テープ

一般的なニチバンの両面テープを使ったところ、やはり糊残りが酷くテープの除去が非常に大変でした。

粘着力が強いものを選んでもいいですが、そのなかでも糊残りが少ないタイプを選ぶとよさそう。

こちらの両面テープのほうが圧倒的に後片付けが楽になのでオススメ。

照明の高さ

今回用意していたLEDバーライトを会場で使用してみたところ、少しだけ煽りっぽい照明になってしまいました。背景紙にも煽りの影が落ちちゃってますね。

これは、高さが200mmあるフィギュアに対して長さが175mmしか無いLEDバーライトを使用してるのが原因でしょう。

同じ種類のLEDバーライトで、もうすこし長い375mmサイズ(https://www.led-paradise.com/product/2094)もありますのでそちらのほうがよさそう。

この記事をそのまま真似して作る方は気をつけて選んでみてください。

配線問題

配線がぶらんぶらんでスマートじゃありません。

正面のアクリル板に、配線を隠せる切り欠きをなりを作っておけばよかったですね。

手直しだけで解決できそうなのでいずれ対策してやりましょう。

追記:LED照明のアップデート

さらに追記(2024/03/24):LED照明を改良しました。

フィギュアイベントでつかえる展示台の照明を改良して理想の形に!

照明の高さに問題があったということを前述しましたが、それについての対策をしてみました。

塗装ブースに取り付けるための照明を『塗装ブースに高性能で明るい照明を!『超高演色LED』と『アルミフレーム』で自作してみた!』で作ったのですが、実はイベント時には展示台の照明としても使い回せるよう400mmの長さで設計してました。

400mmの長さがあれば下側・上側の光をすべてカバーできるようになり、企業ブース並の圧倒的な光量で作品を照らすことが出来ます。

LEDバーの取り付けには、角型のアルミフレームに合うジョイントを3Dプリンターで印刷したものを使っています。

このジョイントも展示台で使用するジョイントをまとめたデータの中に入れておきますので使ってみてください。

以前使用してたLEDに比べて今回のものはかなり強力なLED照明になっているので、Twitterで一時期話題に上がりました「隣の卓が眩しい問題」についても対策が必要そうですね。

紙、スチレンボード、プラダン…使うものはなんでもいいですが、うまいこと遮光してお隣に迷惑をかけないよう対策を考えておきましょう。

まとめ

ワンフェス10年目手前にしてようやくそれっぽい展示台を手に入れることができました。

展示台製作にかかった費用は

  • 2mアルミ角パイプ 918円×7本=6426円
  • アクリル板 8384円
  • LEDバーライト 6110円
  • 3Dプリンタ用レジン 5000円
  • DCDCコンバーターや両面テープなど 1000円

合計で26920円でした。

ちょっと費用かかりすぎちゃいましたが、アルミ角パイプも別のお店でまとめて購入するともっと安く入手できるでしょうし、化粧板にアクリル板ではなくスチレンボードやプラダンなどの素材を選べばもっと格安で自作もできそうです。

また今回の記事で紹介した展示台は、アルミパイプをジョイントでつないでるだけなので、3Dプリンターで新しいジョイントを作ってやれば組み換えや大型化などの改造も簡単にできますね。

今後の進展があればまた紹介しようと思います。

それでは。