フィギュアイベントでつかえる展示台の照明を改良して理想の形に!

モデラー

  • 柚P

 

こんにちは、柚Pです。

約1年前、ワンダーフェスティバル2022冬に参加するため新しい展示台の製作をしたのですが、いざ使ってみると不満要素がたくさん見つかってしまいましたので、今回はその対策をしていきたいと思います。

それでは続きからどうぞ。

 

これまで使っていた展示台

以前書いた記事『ワンフェスでも使えるフィギュア展示台をアクリル板とアルミフレレームで自作してみた!』で作り方を紹介した展示台はこちら。

アルミ角パイプをフレームにアクリル版を貼り付け、175mmのLEDライトバーの照明を取り付けた簡易的な作りになってます。

実際に使うまではこれで大丈夫だと思っていたのですが、いざイベントで使ってみると不満・改善点がたくさん見つかりました。

  1. 照明の背が低いため、大きなフィギュアだと煽り気味のライティングになってしまう
  2. 照明が底面1点でしか接着(両面テープ)されていないため外れやすい
  3. 配線むき出しでダサい
  4. 調光器とカメラ(撮影)の相性が悪い

今回はこれらの問題を解決するため、いろいろな試行錯誤していきます!

新たな照明の検討

私が作るフィギュアのスケールは1/7が多いため、身長160cmの女の子キャラなら23cmくらいの大きさになります。なので新しい照明の高さは23cm以上は欲しいところ。

というわけで、こんな形状の照明を考えてみました。

L字の展示台に対して、逆L字で固定するタイプの照明です。

これなら「配線がむき出しでダサい」「底面1点でしか接着されているので外れやすい」という問題も一緒に解決できそうです!

照明の製作に必要なパーツを選ぶ

おおまかな形が決まったところで、必要なパーツの選定をしていきます。

アルミ平棒

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まず、テープLEDを貼り付けるためのアルミ平棒を選びます。

展示台が底面390mm、高さ380mmなので、それに合わせた770mmのアルミ平棒が4本必要ですね。

テープLED

テープLEDには演色性能の良いものを選びました。

購入したのはエルパラさんの『2835高演色テープLED5000K』というテープLED。Ra95+なので最強。

テープLEDの仕様を確認してみたところ、電圧は12V、1mを点灯させるのに1Aの電流を流してやる必要があるみたいです。

12Vで1Aなので消費電力は12Wですね。イベント中の照明はすべてモバイルバッテリーで運用するつもりなので、消費電力の大きな照明にならないように注意しないといけません。

今回は2mのテープLEDを4本に分割した「消費電力6WのLED照明」を4本作ることにしました。

電源パーツ

モバイルバッテリーを電源として使っていくわけですが、以前の記事で紹介した『DCDCコンバーター』では最大出力電力が8Wしかなく少々出力不足です。

このままではモバイルバッテリー1つでLED照明1本しか点灯させられないので効率がとても悪い。

そこで、Nimbus様(@nimbus_gtr)が超有用な記事を書かれてるのを思い出しました。どうやら以前私が書いた展示台の照明の記事を読んでくださり、さらに自身でアップデートしたものを作られてるみたいです。

この記事を読んでみると面白いことが書いてありました、なんとUSB type-C PD出力が使える『トリガーケーブル』なるものがこの世の中にはあるようです。(知らなかった)

トリガーケーブルには『ワタシに12Vを出力しろ』とモバイルバッテリーに命令が出せるチップが内蔵されているので、差し込むだけで簡単に12V出力を取り出すことができるみたいです。

ありがたいことに出力側の端子もDCコネクター(2.1mmジャック)になっています。

これでモバイルバッテリーから12V1.5A(18W)の出力ができるようになり、6Wの照明を3本(18W)まとめて光らせることができます!

ちなみに私のモバイルバッテリーでは18W出力が限界なのですが、なかには30W以上が出せるモバイルバッテリーもあるようなのでLED照明をまとめて4本光らせることも一応可能です。

もっとまとめてLEDを光らせたい場合は、大量にモバイルバッテリーやトリガーケーブルなんかを買わずに「ポータブルバッテリー」を購入すると逆にお得だったりします。

なかにはDC12Vを2.1mmDCジャックで直接出力でき、トリガーケーブル不要で運用できるポータブルバッテリーもありますね。

ポータブルバッテリーも大量の電力を蓄えられ出力もできる家電ですので、モバイルバッテリー同様に有名メーカーの商品を選ぶようにしましょう。

最近だとJackeryやEcoFlowなんかが有名どころでしょうか。

配線まわり

今回の照明では消費電力の大きいLED照明を4本も使うわけですが、すべてを点灯させようとすると1つの電源に24Wの出力を強いることになります。

しかし私が持っているモバイルバッテリーは最大で20W出力までしか対応していません。ですので臨機応変に電力消費を分担させられるよう『DC分岐ケーブル』もいくつか買っておきました。

それから、テープLEDの配線用の『黒黒2P平行線』も3mほど買っておきます。

LED照明側の電源配線用に『メスのDCコネクター』も必要な分だけ買っておきます。

半田付け道具

テープLEDと配線は半田ごてで接続していきます。

材料が揃いました

アルミ平棒、テープLED、配線、トリガーケーブル、モバイルバッテリー、の準備ができました。

それでは組み立てていきましょう!

アルミ平棒の加工

まずアルミ棒に390mmと770mmの位置に印を付けておきます。

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金属用ノコギリで770mmサイズにカットします。

切断したアルミ平棒の端には、鉄工用ドリルで5mmの配線用の穴を開けておきます。

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バリは面取りカッターで取り除いておきましょう。

最後に390mmで印をした中間を直角に折り曲げ、アルミ平棒の加工は終了です。

テープLED貼り付け

テープLEDは50mmごとにカットできるように作られていますので、350mmと150mmの2本になるようハサミでカットしておきます。

アルミ平棒を直角に曲けた箇所は、必要な分だけ隙間を開けてテープLEDを貼り付けます。

私は380mm側(高さ方向)に350mmでカットしたテープLED、390mm側(奥行方向)に150mmのテープLEDを配置しました。

このあたりは自分の好みのライティングになるよう調整してみてもいいですね。

配線をハンダ付けする

分かれたテープLEDは導線で繋ぎます。

150mmのテープLEDには電源用の配線を接続します。

このときアルミ平棒にあけた穴に配線を通しておきましょう。

電源用の配線にはモバイルバッテリーと接続するためのDCコネクタを取り付けます。

配線とアルミ平棒を固定

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垂れ下がった配線とアルミ平棒を接着剤で固定してやりましょう。

ここで使用するのはセメダインSUPER X2。

しっかり固定されるまでマスキングテープで仮止め。

数時間後、マスキングテープを剥がして接着されてたらOK!

フレームと接続するジョイントの製作

展示台では10mmのアルミ角パイプを骨組みとして使っているため、それに対応するジョイントを使って照明を固定していきます。

このジョイントパーツは3Dプリンターで印刷したものです。

STLデータをBOOTH(https://yzpshop.booth.pm/items/3667423)で無料公開しているので、よければ使ってみてください。

アルミ平棒をネジで固定できるように作ってあるため、接着剤を使わず設営・撤収ができるようになっています。

完成!

これらを組み合わせたら新しい照明の完成です!

シンプルなデザインなので展示品の邪魔にもならずいい感じですね。

連続点灯時間の検証

イベントで運用するためには何時間連続で点灯させられるかも重要です。というわけで計算していきましょう。

モバイルバッテリーの1セルあたりが3.7[V]で20000[mAh]の容量なので、74[Wh]出力できるということがわかります。

6[W]の照明を3本まとめて点灯させると18[W]の電力を消費します、つまり74[Wh]÷18[W]=4.1[h]で、単純計算で4時間ほど連続点灯させられそうです。とはいえ内部でいくらかの電力損失があるため、正確な数値は実際にテストして計測するのが一番手っ取り早いです。

というわけで点灯テストをしてみたところ、20000mAhのモバイルバッテリーをMAX出力で運用したところ約3時間ほど連続点灯させることができました。

しかし、開催時間の長いイベントで使うためには圧倒的に点灯時間が足りません、なので20000mAhのモバイルバッテリーを1つ追加するというパワーで解決しておきました。これで6時間は点灯させられます。

それでも足りない照明の電源は、友人のモバイルバッテリーを借りるなりしてなんとかすることにしましょう。

調光について

いままでテープLEDの光量を変化させるため専用の調光器を使っていたのですが、このタイプはLEDを高速で点滅させることによって光の量を調整しているため、カメラで撮影すると↑のような縞模様、「フリッカー現象」が起こってしまいます。

これでは不特定多数のお客さんが展示物を撮影してくれるイベントの照明としては不向きです。

なので、

Amazonで売られていた「PWM対応 スピードコントロラー」というものを使って調光をしてやることにしました。

スピードコントロラーなので、本来はDCファンの回転スピードを調整するためのパーツですね。

4.5-35Vが入力側(モバイルバッテリー)で、MOTORが出力側(テープLED)になっているので、LEDと電源への配線がしやすいようDCコネクターを接続しておきます。。

スピードコントローラーを間にかませることで、フリッカー現象が起こること無くテープLEDの調光が可能になりました!

まとめ

というわけで新しい照明の紹介でした。

まだ実際にイベントでの運用はできていませんが、かなりいいものには仕上がったと思います!

もし興味があれば真似してみてくださいね!それでは来年のWFで会いましょう!