ガンプラで使えるウェザリング「ウォッシング」のやり方を紹介

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  • 柚P

 

こんにちは。柚P(@yzphouse)です。

プラモデルをリアルに塗装していくウェザリング(汚し塗装)の中に、”ウォッシング”という技法があります。

”ウォッシング”というのは、washing(洗浄・洗う)という意味で、実際のガンプラに行うウェザリングでも、「一度汚してから、洗う」という工程の技法になります。

使用する塗料は、そのベースとなるガンプラの塗装によって変わってきます。今回は、ウォッシングで使用できる塗料の種類や、ウォッシングのやり方について紹介していきます。

【ガンプラ初心者】ウェザリング ウォッシング塗料の種類

使用する塗料の種類から解説してきます。基本的にウォッシングという技法では、「エナメル塗料」が使われます。

何故エナメル塗料なのかと言うと、

  • ラッカー塗料で塗装しているので、エナメル塗料を使えば下地の塗料を侵さずウェザリングが出来る。
  • エナメル塗料は、塗料の性質上、伸びがよく、下地の塗料によく馴染む。

などの理由があります。

エナメル塗料にはガンプラに使用されているプラスチックを侵して脆くしてしまう性質がありますので、ラッカー塗料で全塗装してないと、塗ったパーツが割れたりするデメリットも出てきます。

「何の塗装もしていないけど、ウォッシングがしたい!」という場合には、プラスチックを侵さない「水性塗料」をうすめて使用すれば、ウォッシングが可能になります。

実際に、水性塗料の「シタデルカラー」や「ファレホ」でもウォッシング用の塗料がラインナップされていたりします。

  • ラッカー塗料下地のキット→エナメル塗料・水性塗料
  • 未塗装の素組みのキット→水性塗料

塗料の特性を知っておけば、この辺の相性も分かってくると思います。詳しくはこちらの記事【ガンプラ初心者】プラモデル用塗料の種類「ラッカー」「エナメル」「水性塗料」の違いとは?を参考にしてみてください。

ウォッシングのやり方

さっそくウォッシングをやっていきましょう。使用するキットは、ウェザリング用で製作した「 HGUC陸戦型ジム 」です。

陸戦型ジムの製作に関する記事はコチラです。

 

ウォッシングに使用する塗料

今回使用した塗料は、タミヤエナメルカラーの「レッドブラウン」 です。このエナメル塗料を希釈してウォッシングに適した濃度に調整していきます。

ウォッシングで使用する塗料は、かなり薄めに希釈する必要があります。塗料が濃い状態でウォッシングをしてしまうと、あとの拭き取りの作業で痛い目を見ることになるので注意です。

希釈する割合ですが、感覚的には、「塗料1に対して、溶剤 10くらい」です。塗料をうすめ液で10倍くらいに薄めるというわけでね。

写真ではわかりにくいですが、かなりシャバシャバに薄まっています。塗料皿の側面に塗料の色が乗るか乗らないかくらいが丁度いいですね。これでウォッシングで使用する塗料の準備は出来ました。

ウォッシング塗料を全体に塗り広げる

先程の塗料を平筆を使用して、全体に薄く塗り広げていきます。塗料を塗り広げる時に、塗料が水たまりのように一箇所に溜まったりしないように、均等に薄く伸ばすように塗りましょう。

いくらラッカー塗料で塗装していても、パーツの隙間や表面からエナメル塗料が入り込んでしまうと、プラスチックのパーツを割ってしまう恐れがあるので、注意しながら塗装してください。

全体にエナメル塗料を薄く塗り広げてみました。写真右側が、ウォッシング塗料を塗った後、左側が未塗装のパーツです。右側の方がすこし薄いブラウン寄りの色に変わっているのが確認できますでしょうか?

この状態が、「洗浄前の汚した状態」になります。次に、ここから更にリアルな汚しにするために「洗浄」となる塗料を落としていく工程になります。

ウォッシング塗料を拭き取る

薄めたエナメル塗料を全パーツに塗ったらしっかり乾燥させましょう。塗料がしっかり乾燥していたら次は拭き取り作業です。

拭き取りには「綿棒」を使うのがオススメです。綿棒には、ウォッシングで使用した塗料のうすめ液を含ませて拭き取ります。エナメル塗料なら「専用のエナメル溶剤」「ジッポオイル」「ペトロール」などが使用できます。

エナメル溶剤の種類については 模型用の塗料を希釈する「エナメル塗料うすめ液」の種類を徹底解説!!の記事で取り上げているので参考にしてみてください.

使用する綿棒は100円ショップの安いものでもなんでも良いです。ちなみに私が愛用しているのは、ジョンソンの綿棒です。

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値段は少々高いですが、値段相応の高い品質の綿棒でして、折れにくく丈夫な紙軸に、先端の綿もしっかりと巻かれていて、簡単にはほつれることのない作りをしています。耳かき用途でも、ウェザリングの道具としてもオススメです。

綿棒で塗料を拭き取るときは、重力のかかる方向を意識して拭き取とると、よりリアルなウェザリングになります。ウォッシングでは、自然に付くサビ垂れ、雨垂れ、の薄い汚れを再現する技法です。

なので、サビがパーツの面をどのように流れていくかを考えながら塗料を拭き取っていきます。

簡単に拭き取ってみました。右側が塗料を拭き取った後です。左側が拭き取る前です。

ウォッシングで塗った塗料を拭き取ったので、左側の小汚い感じに比べ、右側の方が気持ち色が明るくなっていますね。拭き取りの作業では、表面に塗ったエナメル塗料をすべて拭き取る必要はありません。

あくまで、パーツ表面に汚れた感じの表情を作るためにやっているので、わざと拭き残してみたり、あまり汚れ無さそうな面は綺麗に塗料を拭き取ったりしてみても、説得力のある表情がついて良いと思います。

全パーツの拭き取りが終われば、ウォッシング完了です。ウォッシングをした後は、使用したエナメル塗料の色が薄く残るので、ウォッシング前に比べると全体の色が少しだけ濃くなっているのが分かります。

基本的なウォッシングのやり方はこんな感じでした。他にも、ウォッシングに使える専用の塗料があるのでそちらも紹介します。

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クレオスから販売されている「Mr.ウェザリングカラー」という商品です。始めからスミ入れやウォッシングに適した濃度に調整してあるので、蓋を開けてそのまま使うことが出来ます。

ウェザリングカラーの使い方は、基本的に先程紹介したウォッシングの方法と同じです。平筆を使用して、汚したい任意のパーツにウェザリングカラーを薄く塗装します。

塗料が乾燥した後は、専用のうすめ液で余分な塗料を拭き取ればウォッシング完了となります。このウェザリングカラーで特筆すべき点は、プラスチックを侵し難い塗料を使用しているという所です。

塗料からは有機溶剤のようなキツイ臭いは殆どしません。といっても有機溶剤は使用してあるので臭いはしなくても換気は必要です。使用されている溶剤は「第四第二石油類」で、ペトロール(テレピン油)や灯油、軽油なんかと同じ分類になります。

ウェザリングカラーで使用されている溶剤は、揮発性はあまり高くはないので、塗料の乾燥も気持ち遅めとなります。プラスチックを侵しにくいので、ラッカー塗料で塗装したガンプラでも、未塗装のガンプラでも、安心して使うことが出来ますね。

まとめ

ウォッシングの他にも、チッピングやドライブラシといった基本的なウェザリング技法もあるので、興味があれば是非そちらにも挑戦してみてください。

それでは。