3Dプリンターのリリースフィルムの交換をしてみよう!ELEGOO Saturn 8K 編

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  • 柚P

 

この記事ではELEGOO Saturn 8Kを例に、レジンバットの「リリースフィルム」の交換方法について解説していきます。

 リリースフィルムの交換時期について

まずはリリースフィルムの表面を確認してみましょう。以下のような不具合が出ていたら交換時期です。

  • 光にかざしたときに見える小キズが多い
  • フィルム全体が白濁してきた
  • 取れない打痕や凹凸がある
  • フィルムが破れておりレジンが漏れる

不具合が確認できた場合でも、印刷が正しく出来ている間は使い続けても大丈夫です。

とはいえ、あまりにも酷いと印刷の失敗にも繋がることがあるので、気になる場合はリリースフィルムの交換をしてしまいましょう。

用意する物

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使用する道具は、六角レンチ、千枚通し、カッター、の3種類だけです。

あとは清掃用に、ウェットティッシュやニトリル手袋も用意しておくと便利に使えるでしょう。

リリースフィルム

交換用のリリースフィルムも準備しておきます。

今回はSK本舗が販売している「nFEPフィルム」を貼り付けてみます。

購入する際は、そのフィルムが交換するレジンバットに適合するサイズかの確認も忘れないように。

 電動ドライバーがあると便利

ELEGOO Saturn8Kのような大型機のレジンバットのフィルム交換作業では、大量のボルトを付けたり外したりしなくてはいけません。(約48本)

六角レンチを手回しで使っても作業自体は出来るのですが、これがけっこう大変。

今後も頻繁にリリースフィルムの交換をするという方は、「充電式電動ドライバー」を持っておくと大変便利に使えます。

ドリルドライバーやインパクトドライバーではパワーがありすぎて、レジンバットのネジ穴を壊してしまうので使わないように!

ちなみに、私はVESSELのスピードを3段階切り替えできるタイプのものを愛用しています。

リリースフィルムを交換してみよう

それでは、3Dプリンターからレジンバットを取り外して、フィルムの交換を進めていきましょう。

裏面のボルトを取り外す

まずはレジンバットを裏返し、金具を固定しているボルトを全て取り外してやります。

ここでは2.5mmと3.0mmの六角ビットを使いました。

24本のボルトを取り外すと、フィルムを固定している金具を外すことができます。

金具を裏返すと、さらに24本のボルトが現れます。

2mmの六角ビットを使って全て取り外します。

ボルトをすべて外したら、リリースフィルムを挟んでいた2枚の金具を分解することができます。

新しいリリースフィルムを挟み込んで組み立て

全てのパーツを分解できたので、新しいリリースフィルムを用意して、先ほどと逆の手順で再度組み立てていきましょう。

フィルムを用意する

使用するフィルムの種類によっては、表面に「保護フィルム」が貼り付けられている場合があります。

SK本舗のn-FEPフィルムには、裏表両面に保護フィルムが付いているようでした。この場合は、真ん中がn-FEPフィルムの本体となります。

保護フィルムとリリースフィルムがごっちゃにならないよう、しっかり取扱説明書を確認しながら作業を進めましょう。

フィルム固定金具で挟む

新しいフィルムが用意できたら、逆の手順で、先程取り外した金具で挟みます。

このとき、裏表があるリリースフィルムを使っている場合は、配置する向きに注意しましょう

フィルムを固定するボルトを差し込む穴があるほうが、「レジンが入る側」になります。

フィルムを金具で挟んだまま、周囲にボルトを取り付け固定してやります。

ボルトが入りにくい場合は、千枚通しを使ってフィルムに穴を開けてやるとスムーズに作業できます。

伸縮性が無いフィルムを使う場合

一部のFEPフィルムやn-EFPフィルムには、伸縮性がそこまで無いものがあります。(ACFフィルムは伸びてくれる物が多いのでこの作業は不要)

伸びが少なく硬いフィルムを使う場合は、フィルムをボルトで固定する前に、内側にコインを2~4枚ほど重ねたものを仕込んで、「フィルムの伸び代」を確保しておいてやるといいでしょう。

レジンバットに固定する

最後にフィルムとレジンバットの枠を合体させててやります。

ボルトを差し込む穴に、千枚通しで穴を開けておきましょう。

フィルムにテンションを掛けながら、ボルトを締め込んでいきます。

ボルトを締め込むときは、できるだけ”対角”かつ、数回に分けてゆっくり締め付けるようにします。

ボルトで固定している最中に、「フィルムが張りすぎて破れそう」と感じたときは、ヘアドライヤーで少しだけ温めてやるとフィルムが緩くなり、締め込みやすくなります。

余分をカッターナイフでカット

金具の固定が終わったら、余ったフィルムをカットしておきます。

新品に交換したナイフでフチをなぞり、丁寧にカットしてください。

はみ出したフィルムの処理が甘いと、レジンバット取付時に正しく平面が出せなくなり、そこから印刷ミスにも繋がります。

綺麗にカットできたら交換作業は終了です。お疲れ様でした!

プラットフォームのキャリブレーションをしよう

例えば、FEPフィルム(厚さ約0.15mm)から、ACFフィルム(厚さ約0.3mm)に交換した時、フィルムの厚みが変化した分、プラットフォームとの距離が変わってきます。

ですので、違う銘柄、違う厚みのリリースフィルムに交換した際は、プラットフォームのキャリブレーションもやり直しておいたほうが気持ちよく作業ができるでしょう。

※同じ銘柄でのフィルム交換でしたら、この作業は必要無いと思います。

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