こんにちは。柚P(@yzphouse)です。
この記事では、最近購入して良かった物の1つから「ウェーブ キャスティングウォール」の商品紹介をします。
シリコン型の枠は、今まで「ブロック型」の型枠が一般的でしたが、このキャスティングウォールはその常識を変えてくれる素晴らしい商品です。
というわけで、早速使用したレビューを書いていきます。
目次
ウェーブ シリコン型用の型枠「キャスティングウォール」
キャスティングウォールの仕様と特徴について
この型枠の特徴は、ブロック型の組み立て式とは違い、8枚の板を1セットとして組み立てるタイプの型枠になります。
板の端に設けられてた「スリット部」に板同士を直角に差し込んで、四角の枠を作るという仕組みですね。
このスリットは、型枠の大きさを変えれるように一定間隔で空けられています。しかし、このままだとスリットの隙間からシリコーンゴムが流れ出てしまいます。
このスリットの隙間は、付属の黒色のパーツ「スリットのフタ」を差し込んで塞ぐことが出来ます。使わない余計なスリットはこのパーツを差し込んで塞いでおきましょう。
「スリットのフタ」のオモテ側は手でも外しやすいように滑り止めのギザギザがついていますが、このフタのウラ側はシリコーンゴムと接する面になるので”つるつる”になっています。
複製で使用する時は、このつるつるの面が内側になるようにして使いましょう。
全部のパーツを組み立てた状態がコチラ。クリアー素材なので、粘土埋めした部分やシリコーンゴムを流した後でも中の確認がしやすくなってます。これはありがたい。
ちなみに、写真のはキャスティングウォールを2段に重ねてある状態です。
複製のやり方を知ってる方なら理解できるかと思いますが、これは片面のシリコーンを流した後、粘土を取り除いた後の裏側にシリコーンゴムを流すため型枠を追加出来るような仕組みとなっているからですね。
この複製手順がイマイチ想像出来ないという方は、コチラのシリコン型製作の記事を参考にしてみてください。この記事内でもキャスティングウォールを使用してシリコーン型を製作しています。
フィギュア複製を徹底解説!ガレキの原型パーツを粘土埋めしてみよう! フィギュア複製を徹底解説!シリコンを使ってレジンを流す型を作ってみよう!キャスティングウォールを実際に使ってみた。
というわけで、キャスティングウォールを実際に使ってみました。
購入してから、6つほどのシリコーン型をこの型枠を使用して作りました。その中で気になった点、良かった点についてまとめてみました。
気になった点「パーツ同士の隙間」について
気になった点その1です。「パーツ同士の隙間」について。
既に、TwitterやSNSで「他の人のキャスティングウォールの使用レビューを見た。」という人は、結構この点が気になっているのではないでしょうか?
特に上と下の型枠をつなぎとめる部分ですね。
そう、ここです。
上下の型枠が、台形型の貧弱なジョイントで繋ぎ止められているのが分かりますでしょうか?
そして、この交互に差し込まれてる台形型のジョイントの間に、先程説明したスリットに差し込む「フタパーツ」を逃がすためのスペースが設けられています。この部分が上下の型枠同士の「隙間」を発生させているわけです。
幅2.0mm、高さ0.5mm 程度のわずかな隙間ですが、シリコーンゴムは非常に流動性の高いので、この隙間からでも余裕で漏れてきます。
さらに、この隙間が一箇所だけなら何とかなりそうですが、この隙間は黒のフタパーツが差し込まれるスリット部分のすべてあります。
「流したシリコーンゴムがこの隙間から全部流れ出てきて、キャスティングウォールがまともに使えなかった」なんてのをTwitterなどで見かけることも多かったです。
そして、これが実際に私が使用した時の写真です。
Twitterで「漏れる」という前情報を知っていたので、このような結果になる事は分かっていましたが、とりあえず検証も兼ねてなのでワザと何の対策も取らずに使ってみました。
型枠の隙間に対して、シリコーンゴムをそこまで高い位置まで入れていませんが、普通に隙間から漏れてきています。Twitterで見た情報通りです。
とはいえ、この”漏れ”は絶対に防げないという致命的な問題でもありません。
漏れると分かっているなら事前に「マスキングテープ」などで隙間を目張りして塞いでやればいいだけの話です。
さらに、「目張り」という目的以外にも、上下の型枠の隙間をマスキングテープを貼り付けて固定することで、「型枠同士が不意に外れないようにする」という効果もあります。一石二鳥です。
型枠同士を繋げているジョイントもそこまで強く固定できるような作りになってないので、片方だけを持ち上げたり、ちょっとした衝撃なんかで簡単に外れてしまう恐れがあります。
シリコーンゴムが硬化前に上下の型枠が外れたらもう隙間どころの話ではありません。全部流れ出します。
こういう事故を防止する対策としても「上下の型枠の隙間をマスキングテープで目張りして使用する」という運用方法をとったほうが良さそうです。
良かった点「パーツ数が少なく組み立てが簡単」
続いて良かった点についてです。
パーツ数が非常に少なく組み立てがとても簡単です。私がキャスティングウォールを気に入った一番の理由がこれですね。
ブロックタイプは1つの型枠を作るのに、何十個というブロックを組み立てる必要がありますが、それに比べてキャスティングウォールは全部で4パーツしかありません。
それから、組み立てが簡単ということは「分解するのも簡単」という事でもあります。
シリコーンゴムが硬化して、型枠を分解して取り外す時も凄まじく簡単でスピーディーです。シリコーン型に貼り付いたキャスティングウォールを少し力を入れて”ベリッ”と剥がすだけ。
この作業性の良さに慣れてしまったら「ブロックタイプの型枠」には戻れません・・・今までありがとうクレオスのMr.型取りブロック・・・
良かった点:その2「シリコーン型の掃除が楽!」
ブロックタイプの型枠でシリコーン型を製作したら、側面がブロックの隙間に流れ込んだ「バリ」で汚くなっていたことはありませんか?
このシリコーンゴムの薄いバリって、かなり柔らかいので綺麗に除去するのがとても難しいくて、除去するのにも非常に時間がかかるんですよね。
しかし、このキャスティングウォールはそんな問題も解決してくれます。
見てくださいこの綺麗な豆腐を。
先程も説明したとおり、キャスティングウォールはパーツ数がとても少ないため、型枠の組み立てでどうしても発生してしまう「パーツ同士の隙間」がほとんどありません。
スリットを塞ぐフタのパーツの合いも非常に良く、流動性の高いシリコーンゴムでも完全にシャットアウトしてくれてるので、バリの発生もほぼありません。
キャスティングウォールを使用していて、唯一バリが発生してしまうというところは、「上下の型枠の合わせ目」「角をつないでいる接続部分」の2箇所くらいでした。すごく少ない。
さらに素晴らしいのが、キャスティングウォールで発生するバリは、ブロックタイプの型枠で発生してしまうような「縦と横の交互に入ったバリ」ではなく「型に対して真っ直ぐなバリ」なので、バリの除去も新品のカッターひと撫でしてやれば一瞬で綺麗になります。
「組み立ても簡単」「バリの発生も少ない」と、今までの型枠の商品には無かったとても便利なアイテムですね。
まとめ
ワンダーフェスティバルを始め、C3、トレフェス、ホビーラウンド、GWCと、最近ガレージキットイベントも増えてきて、それに比例して複製作業をする機会も増えてきてるのではないでしょうか。
「フィギュアやロボ原型を作るのはとても楽しい」という人が多い一方、「複製作業は苦手・・・」という人も同じ様に多いのではないでしょうか。
今回紹介した「キャスティングウォール」を使えば、面倒くさい複製作業も少しは楽になるかも知れません。興味があれば是非導入してみてはどうでしょうか。
それでは。
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