格安で購入できる高性能FDM方式(熱溶解方式)3Dプリンター『ELEGOO Neptune3 Plus』の紹介!

モデラー

  • 柚P

 

こんにちは、柚Pです。

今回は3Dプリンター関連の代理店業務や商品の販売を行っているSK本舗様より、ELEGOOのFDM方式3Dプリンター『Neptune 3 Plus』のご提供をいただきましたので、そちらのレビューをやっていこうと思います!

実はわたくし、光造形の3Dプリンターのほうは長いこと触っているのである程度の知識があるのですが、熱溶解方式、いわゆるFDM方式の3Dプリンターは一度も触ったことがなく知識が皆無なんですよね。

完全初心者な私がどこまで Neptune3 使いこなせるのか、ぜひ皆さんの参考にしてみてください!

それでは続きからどうぞ!

ELEGOO Neptune3 Plus とは

Neptune 3 Plusは、SK本舗をはじめとする各通販サイトで購入することができます。

Neptune3には、『PRO』『Plus』『MAX』の3種類のバリエーションがあります。ちなみにこの記事で紹介するモデルは、真ん中のグレードである『Plus』ですね。

Neptune3の特徴

どのモデルも基本的なスペックはほぼ同じで、大きな違いは、価格と『印刷可能サイズ』ですね。

大は小を兼ねるという言葉があるように、設置場所に困ってない限りは大きいモデルを選んでおくと安心です。

その他の特徴としては、

  • オートレベリングの精度が高い
  • 非接触型のレベリングセンサー
  • 印刷精度が高い
  • PEI製シートが標準搭載
  • 印刷設定をリアルタイムで調整可能
  • LED照明があるため暗い環境でも使いやすい

などが挙げられます。

開封して中身を確認してみよう

ここからは写真多めで勢いよく紹介していきますよ!

というわけで、SK本舗からNeptune3が届きました!

いつもの作業机が狭く感じるくらい大きいですね!

どうやらSK本舗でFDMプリンターを購入すると『積層型3Dプリンター クイックスタートガイド』という小冊子がもらえるようです。

私のようなFDMプリンター初心者にはありがたい情報がたくさん詰まっていますね。これで専門用語もバッチリです。

さらにスポンジを開いていくと、3Dプリンター本体が硬めのスポンジで頑丈に包まれていました。

これはプラットフォームのパーツですかね。

とりあえず全てのパーツを出してみました。

本体パーツの他にも、組み立て用のネジや六角レンチも付属していますね。

別途こちらで工具を用意したりする必要は無さそうです。

クイックスタートと説明書等も付属していましたので、中を確認しながら組み立ててみましょう!

といきたいところでしたが、全て英語で書かれているので何も分かりませんでした。

しかし!今回はSK本舗のサポートがあるので安心です!

購入後のメールにて日本語版のマニュアルのPDFを送ってくれてました。読みやすいようにA4用紙に印刷したら、改めて組み立てスタートです!

Neptune3の組み立て

まず、台座となるプラットフォームを安定した机に設置します。

その台座に、Z軸方向に伸びるコの字のパーツをネジ止めしていきます。

この組立作業は絶対2人以上でしたほうが絶対楽なのですが、残念なことに周りには私一人しかいません。

ですので少し不安定ではありましたが、台座をずらして机の裏側にアクセスできるようにすることで本体とのネジ止めを行いました。


同じ要領で、Z軸の補強のバー(タイロッド)も取り付けます。

これでZ軸の剛性と精度爆上がりです。

操作パネルもネジ3本で簡単に固定!

フィラメントのセンサーもぽん!



ヘッドをコントロールする配線、XYZのモーターへの配線も~



ぽぽんぽん!っと。刺さるようにしか刺さらないので超簡単ですね。もはや説明書は見ていません。

こんな感じでサクッと完成!!

組み立ててみるとさらに大きくなりましたね。

続いて印刷を始めるための微調整をしてやりましょう。

各部の調整

はじめての印刷をする前に、プリンターの調整やレベリングの設定をしておきましょう。

XY軸の調整

取説をよくよく確認してみると「出荷時の影響でX軸とY軸のレールにガタが出てる場合がある」ということなので一応確認してみます。

ノズルのパーツを手で揺らしてみて、動きを確認してみます。

「ガタガタガタ・・・」

私のやつは普通にグラグラでした。調整しましょう。

ノズルの調整は裏側からできます。

付属のレンチでローラー裏側にあるナットを回してノズルキットのガタが無くなるよう調整しておきます。

このようにレールとローラーに隙間が空いてると、印刷精度が悪くなってしまうため、組立時には必ず確認するようにしましょう。

Y軸のローラーはプラットフォームの裏側にあります。こちらも同じように調整しておきます。

言語設定

XY軸の調整が終わったらプリンターの電源を入れてみましょう。

プリンターを起動したとき、操作画面がすべて英語表記になっているので、日本語に変更したい場合は【 Setting → Language → 日本語 】で変更できます。

プラットフォームを手動でレベリング

プラットフォームのレベリングは、ホーム画面の『レベリング』のページから行えます。

レベリング作業を始める前に、プラットフォームの上にコピー用紙を一枚敷いておくことで、ノズルに無駄なダメージを与えずに済むみたいなので、真似して敷いておきます。

レベリング画面に入ると、ノズルがプラットフォームに接触するギリギリまで自動で下がってきました。ちょっと怖いですね。

ノズルが動く数値を『0.01mm』もしくは『0.1mm』に設定し、『▲』『▼』のボタンを使って、プラットフォームとノズルの間に挟まれたコピー用紙が適度な力で動かせるくらいに調整します。

ノズルの基準の高さを設定したら、続いて『マニュアル』のボタンを押し、アシストレベリングの画面に入ります。

ここからマニュアルでのプラットフォーム調整(6点)を行います。

①~⑥までの基準点があるので、順にタップして各ポイントの高さ調整をしていきましょう。

①~⑥までの基準点の高さは、プラットフォーム裏にある手回しできるタイプのネジを回して調整します。

ここも先程と同じく、コピー用紙が適度な力で動かせる程度の圧力で挟まれているかを基準に微調整しましょう。

プラットフォームを自動でレベリング

手動でプラットフォームの調整ができたら、続いて3Dプリンターに自動でレベリング(49点)してもらいましょう。

ホーム画面から【 レベリング → 計測 】をタップしたら、プラットフォームとノズルの加熱が始まります。

プリントするわけでもないのに加熱されるのは、熱膨張によるプラットフォーム・ノズルの変形も考慮しないといけないためでしょうか。

加熱が終わると、自動レベリングが始まります。

このとき、手動レベリング作業で使ったコピー用紙は外しておきましょう。レベリングセンサーの誤動作の原因になるそうなので。

なんとこのELEGOO Neptune3には『非接触型レベリングセンサー』が搭載されているので、プラットフォームに触れること無く自動レベリングを行うことが可能なのです!

ちなみに非接触型の何が良いのかというと、漏出したフリラメントがレベリングの邪魔をしたり、ノズルでプラットフォームを押し込んでしまったりするといった悪影響がでないそうです。

モデルの印刷

印刷を始める前に、フィラメントをセットします。

はじめての印刷なので、まずはNeptune3に付属しているフィラメント(PLA)と、マイクロSDカード内に入っているモデルを使用しましょう。

付属のフィラメントをハンガーに引っ掛け、フィラメント検出スイッチにも忘れず通しておきます。

ノズルキットの頭から飛び出てるプレートを押しながら、フィラメントを一番奥まで差し込みます。

ホーム画面の【準備】から【押出し機】をタップし、差し込んだフィラメントを使えるよう準備しておきます。

押出し機のページから【ロード】をタップ。

ノズルを加熱するか聞かれるので【確認】をタップ。

加熱が終わると、前のページに戻るので再度【ロード】をタップして、フィラメントをノズルから出してみます。

白いフィラメントを差し込んだのに、なぜかノズルからオレンジ色の樹脂が出てきました。出荷前のテストで使っていたフィラメントでしょうか?

ノズルから出る樹脂が完全に白いフィラメントになったら印刷準備完了です!

付属のSDカードに入っているブッダを印刷してみる

まずは付属のマイクロSDカードを本体に差し込みます。

ホーム画面から【プリント→EN3P_The Buddha】をタップし、【確認】を押したら印刷が開始されます。

ランニング画面に移り変わったら、プラットフォーム→ノズルの順番で加熱がはじまります。

印刷中の画面では、進行度や各部温度、冷却用ファンの動きなどが確認できます。また、右上の設定画面を開くとリアルタイムで温度・ファン・印刷速度の微調整などを行うこともできます。

【Led】のボタンをタップすると、レール上部が光ります。

室内の光が届かない押し入れなどで作業している方にはありがたいですね!

印刷中。

日頃から光造形機ばかり使っているので、印刷途中を観察できるのはなんだか楽しいですね!

印刷物の中身はスカスカかと思いきや、バッテンのような補強を入れてくれてるんですね。

印刷が終わりました!意外と綺麗に出力できましたね!

プラットフォームの温度が下がったらペリッと剥がしましょう。

PEI製のシートが標準搭載

そうそう、説明し忘れていましたが、実はNeptune3には剥離性・定着性ともに高いPEI製シートが標準搭載されています。

プラットフォームのシートまるまる外せるので、大型モデルの取り外しも簡単にできますね!

スライサーソフト『ELEGOO Cura』

オリジナルのモデルを印刷するためには、スライサーソフトというのが必要になってきます。

Neptune3では付属のマイクロSDカード内に『ELEGOO Cura』というカスタムされたスライサーソフトが入っていますので、今回はそちらをインストールして使ってみます。

PCでマイクロSDカードを読み込んで【Softoware and USB Driver】の中にある【ELEGOO Cura.exe】からインストールできます。

インストールが終わったらなんだか色々確認されるので、適当に進めていきます。

自分の使っている機種を選択します。私の『ELEGOO Neptune3 Plus』もちゃんとありますね。

基本設定が終わったら、ホーム画面に飛ばされます。いつものことながら英語なので何も分かりませんね!!

ELEGOO Curaの日本語設定

ウィンドウ上部の【Preference】の【Language】の欄から【日本語】に変更します。

アプリケーションを再起動して無事日本語に書き換えられてたらOK!

印刷用データを作成する

印刷したいモデルをドラッグ&ドロップ、もしくは左上のフォルダアイコンから読み込みます。

使用するフィラメントの種類は、ウィンドウ上部にある【Generic PLA】から選ぶことができます。

印刷の設定は右上に表示される『プリント設定』から変更することができます。

プロファイルでは、積層ピッチの大きさを変えられます。

インフィルは、印刷するモデルの内部密度の調整です。

そのほか詳しい印刷設定は【カスタム>】の欄から設定することができます。

プリント設定ができたら、右下に出てくる【スライス】のボタンを押して出力結果のプレビューを確認します。

問題なければ、左下の【Save as TFT file】をクリックしてマイクロSDカード内に保存しましょう。

これで印刷用のデータは完成です。

応用編

ここまででNeptune3の基本的なセッティングと印刷をしてきましたが、ここからは応用編ということで、フィラメントを交換してみたり、いろんなモデルを出力してもっと使いこなしていきましょう!

SK本舗 FFF方式3Dプリンター用フィラメント(PLA) を使ってみる

実はNeptune3の提供と一緒に、SK本舗特製の新色フィラメント2種類もいただいてました。

私がもらったのは汎用性が高そうな色の『Slate Blue- 月白色 –』と『Midnight Blue- 夜空色 –』の2色。

不透明度の高いオフホワイトとダークグレーなので、どんなモデルにも合わせやすそうですね。

というわけでうちのブログではいつもお世話になっているテストモデル、じゅごんさん(@Jugon_Sushi)製作の『ローポリ狐』を出力してみました。

サポートが多い&モデルが大きいというのもあり、出力時間は12時間ほどかかりました。

Slate Blue- 月白色 –

  • フィラメントタイプ:PLA
  • ノズル温度:200℃
  • ホットベッド:60℃

マットタイプで不透明度の高いフィラメントということもあり、形状確認もしやすそうですね。

紫がかったオフホワイトもおしゃれで良い!

Midnight Blue- 夜空色 –

  • フィラメントタイプ:PLA
  • ノズル温度:200℃
  • ホットベッド:60℃

こちらはミッドナイトブルーということですが、若干赤みのあるダークグレーにも見えますね。

同じく不透明度も高めなフィラメントなので、モックなどの印刷にも最適でしょう!

ただしPLAフィラメントなので、出力品の強度はそこまでありません。(机から落としたら壊れた)

SUNLU ABSフィラメント

楽しくなってきたので出力難易度の高いと言われている『ABSフィラメント』を使ってみます。

ABSフィラメントは熱による収縮が大きいため、庫内温度を調整できる箱型の3Dプリンターや、Neptune3のような出力開放されているタイプでも『エンクロージャー』と呼ばれる保温箱が必要と言われていたりします。

しかし実際どうなるのか、私はFDM初心者なのでよく分かりません。

というわけでノーマルNeptune3でABSフィラメントチャレンジ、いってみましょう!

  • フィラメントタイプ:ABS
  • ノズル温度:240℃
  • ホットベッド:100℃

なんとか印刷できました!

が、実際は熱収縮で出力中に反ったりしたのでモデルの精度は出せませんでした。少し曲がってたりするし。

室温20℃で大きく歪んでいたので、これはたしかにエンクロージャーが欲しくなる・・・。

Amazonで検索すると色々なエンクロージャーが出てきますが、Neptune3 Plusのサイズに合いそうなものは残念ながら無さそうです。(Neptune3 Proなら入りそう)

とはいえ、私が今使っているのはFDMプリンター。強度部品も自力で出せるので、また時間があるときにエンクロージャーも自作するとしましょう。

Longsell ポリカーボネート(PC)フィラメント

このNeptune3の使用可能フィラメントの中にポリカーボネート(PC)の表記はありませんでしたが、印刷できるか試してみます!

ちなみにポリカーボネートフィラメントも、高いノズル温度が必要だったり、他の樹脂に比べ糸引きが多かったりするらしいので出力難易度は高い方みたいです。

  • フィラメントタイプ:ABS
  • ノズル温度:260℃
  • ホットベッド:100℃

というわけで印刷してみました。ノズル温度もホットベッドの温度もこの機種で使える最大でしたが問題なく出力されてるように見えます。

難易度が高いと言われているPCフィラメントでしたが、むしろABSフィラメントよりも綺麗に印刷できましたね。

部品の強度も問題無さそうです!これは使えるぞ!

ちなみにここで印刷しているのは『ワンフェスでも使えるフィギュア展示台をアクリル板とアルミフレレームで自作してみた!』で紹介している展示台のフレームジョイントです。

おわりに

というわけでELEGOO Neptune3 Plus のレビューでした!

FDM方式プリンター初心者の私でも簡単に使いこなせる優秀な機種でしたね。

まだまだ作りたい物がたくさんあるので、これからもうちでゴリゴリ仕事してもらいましょう!

それでは。