こんにちは。柚P(@yzphouse)です。
サルが始めるZBrushシリーズ最終回、今回は仕上げた原型データを3Dプリンタを使ってレジンで出力してみようと思います!
目次
前回のおさらい

初心者がはじめるZBrush!キャラクターのポージングと各部パーツの仕上げ
前回は『作って覚える!ZBrushフィギュア制作入門』の仕上げ工程を終え、無事に原型データを完成させるところまで進めました。
しかし、原型データのままでは終わらせるのは勿体ない。というわけで今回は、3Dプリンタを使って製作したフィギュアを出力してみましょう!
出力用のデータに変換する

『CHITUBOX』を使って原型データを出力用データに変換してみた。
出力用のデータは『CHITUBOX』というソフトを使って製作していきます。
詳しい使い方・設定方法については、別の記事で解説しているので、そちらを参考にしてみてください。
このフィギュア原型は、パーツ分割をしていないので一体成型で出力になります。
サポート材が付いてほしくない箇所(顔面とか)を上側に向け、天地をひっくり返した状態で配置してみました。
そして、CHITUBOXの自動サポート機能を使って出力用のサポート材を製作してやります。
これでもかと言わんばかりのサポート材が大量に生成されましたね、物も大きく複雑なので仕方ない・・・。
サポート材を取り付けれたら、データを保存します。
保存できるデータ形式にも種類がありますので、自分の3Dプリンターで運用できるファイル形式を選んでやりましょう。
私の場合は『Phrozen Shuffle XL』という3Dプリンタで出力するので、STL形式やZIP形式で保存しています。
ちなみにCHITUBOXの初期設定で、UVの照射時間やレジンの価格を登録しておけば、出力する物のコストや、どれだけの時間で作れるかを表示してくれます。便利。
3Dプリンターにデータを転送
私の所有している3Dプリンタの「Phrozen Shuffle XL」は、ローカルネットワークでパソコンと接続することが出来ます。(もちろん有線でつないでもOK)
▼Phrozen Shuffle XLを使った出力方法の詳しいやり方についてはこちらの記事を御覧ください。

3Dプリンタ『Phrozen Shuffle XL 』を買ったので動作テストしてみた
3Dプリンタとパソコンを接続して、先程製作した出力用のデータを3Dプリンタに送信してやります。
出力用のデータがアップロードされたら、3Dプリンタに液体レジンを入れ出力開始です!
使用したレジンは、Wanhaoの「WHレジン 白色」です。
出力結果
こちらが1回目の出力結果です。
UVの照射時間は9秒で、出力時間は7時間ほどでした。たしか。
なんだか綺麗に出力出来ているようにも見えますが・・・
なんと反対側が大きく剥離しちゃいました。
照射時間が足りなかったのか、レジンの収縮やその他諸々の歪みが一点に集まってしまったのか・・・原因はなんなんでしょうか。
この結果をTwitterで質問してみたところ、3Dプリントの技術に長けている強強モデラー様数名から助言を頂けました。
- ベタ面成形なので、ホロウ成形+負圧抜きの穴を設けてみては?
- 力の重心を意識した配置をしてみろ
- 低価格帯の3Dプリンタなので、そもそもZ軸の合成が足りてない
などのアドバイスを頂けました。
改善策として、この3点を変更してみました。
- 台座である「本」の中空化→ホロウ成形
- 主力データを3Dプリンタの中心に来るよう配置→力の重心を意識した配置
- ある程度の歪みは諦める!→Z軸の剛性不足
2回目の出力は上手くいってくれ~~
2回目の出力結果です。
UVの照射時間は10秒に変更し、出力時間は9時間ほどに。
層で剥離していたので、UV照射時間を少しだけ長くすれば層同士がしっかりくっついてくれるのでは?という思惑でやってみました。
結果は非常に良好でした。ほぼ完璧に出力出来ています。
ちょっとサポート材が多くて取り外すのに手間取りましたが・・・
形状がわかりにくいのでグレーサフを塗装してみたよ。
全長10センチの小さなフィギュアではありますが、細かい箇所までしっかり出力されますね。
サポート材がひっついていた表面は流石に荒いですが、これくらいなら120番程度のヤスリで磨いてやればすぐ綺麗にできるでしょう。
最後にシャーペンで瞳を描いてあげたら完成です!
終わり
はじめてのデジタル造形で製作したフィギュアが形になるというのは感動しますね!ZBrush、CHITUBOX、3Dプリンタ、何もかもはじめてだったので、ここまでくるのにかなり時間がかかってしまいました・・・。
というわけで、初心者が始めるZBrushの記事はこれにて終了です!
とはいえ、私にとってはここからがスタート、本番なんですよね。今後はさらにZBrushや3Dプリンタを活用した造形活動に力を入れていきたいと思います!
それでは。
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