こんにちは。柚P(@yzphouse)です。
スミ入れとは、そういったガンプラのパネルラインの「影」を表現するために、表面のスジ彫りの溝に塗料を流し込む作業のことです。
建築物や近くにある複数の部品で作られているモノを確認してみてください。必ず光が当たる方向の関係で、影になって暗い部分と、そうでない部分があると思います。
このような影を塗料で再現することにより、平面的だったガンプラに奥行きがでて、より立体的に見えるようになります。
この記事では、そんな「エナメル塗料を使ったスミ入れ作業」を紹介していきます。
目次
エナメル塗料でのスミ入れ
エナメル塗料でスミ入れをする前に、まずは「エナメル塗料とプラスチックとの相性」について知っておきましょう。
エナメル塗料に使用されている溶剤には、パーツ表面に浸透してしまうとプラスチックの強度を著しく落としてしまうしてしまう性質を持っています。
なので、今回紹介していく「エナメル塗料を使ったスミ入れ」は、ラッカー塗料で全塗装しているガンプラ以外ではオススメできません。
素組みのガンプラでもエナメル塗料でスミ入れが出来ないことは無いですが、エナメル塗料がプラスチックに浸透してスミ入れ塗料が綺麗に拭き取れなかったり、パーツが簡単に割れてしまったりという恐れがあります。
そして、ラッカー塗料で全塗装していても安心はできません。エナメル割れは塗装していても稀に起こってしまうので油断禁物です。なので事前にパーツ破損が起きないような対策をとっておく必要があります。
基本的にプラスチックが割れ易い箇所は、パーツ同士でテンションが掛かっている部分といわれています。
ガンプラはスナップフィットで作られたキットなので、ダボや関節などテンションが掛かっている箇所が多いので割れる可能性のあるところばかりです。
対策としては、パーツを出来るだけ分解してテンションのかかっている部分を少なくする。他には、プラスチックを侵しにくいエナメル溶剤を使用する。という方法もあります。
速乾性でプラに浸透する前に揮発する「ライターオイル」や、プラへの侵食性が低い「ペトロール系溶剤」なんかがオススメですね。
このプラスチックへの侵食性などを含めたエナメル溶剤の比較は 模型用の塗料を希釈する「エナメル塗料うすめ液」の種類 まとめ で解説しているので参考にしてみてください。
スミ入れに使う道具
スミ入れ塗装をするために用意しておく道具や塗料についてです。
- 塗料皿
- 筆
- エナメル塗料
- エナメル溶剤
- はみ出し拭き取り用の 綿棒
使用する筆は、出来れば細い「面相筆」なんかが好ましいですね。細い筆の方が「はみ出しが」起きにくく、拭き取り作業が楽になります。
スミ入れをする箇所の確認
スミ入れをする前に、モールドの確認をしてみましょう。
浅いモールドがある場合は、上手くエナメル塗料が流れてくれない場合があります。浅いモールドにも綺麗にスミ入れをしたい時は、事前にタガネやニードルを使ってモールドの彫り直しをしておく必要があります。
スジ彫りについては【ガンプラ改造】タガネや針を使用した「スジボリ」を入れる方法を徹底解説!の記事で解説しております。参考にしてみてください。
実際にスミ入れをしてみよう
まずは、エナメル塗料をスミ入れに適した濃度に希釈しましょう。
塗料皿に出したエナメル塗料にうすめ液を追加して、だいたい5~7倍くらいまで薄めます。(写真では3色の塗料を混ぜたものを薄めています。)
薄すぎてもスミ入れの色がちゃんと発色しなかったり、逆に塗料が濃すぎるとスムーズに塗料が流れなかったりします。適当に希釈してダメそうなら、濃い場合は「うすめ液を追加」薄い場合は「エナメル塗料」をして調整してください。
自分でエナメル塗料を希釈して「スミ入れ用塗料」を作るのが難しい方は、タミヤから専用のスミ入れ塗料も販売されていますので、そちらをご活用ください。
塗料を希釈して、スミ入れ用の塗料が出来たら、筆を使ってスミ入れをしていきます。ガンプラのモールドが入っている部分に、塗料を含ませた筆の先を触れさせます。
そしたら、毛細管現象でモールドの溝(スジ彫り)を塗料がつーっと流れていきます。スミ入れをしたいモールドやスジ彫り全てにこの作業をやっていきます。この時、塗料がはみ出しても後から拭き取れるので大丈夫です。
塗料を流し込んだら、しっかりと乾燥させましょう。
スミ入れ塗料のはみ出しの拭き取り
スミ入れした塗料が乾燥したら、「エナメル溶剤を含ませた綿棒」を使って拭き取っていきます。綿棒は100円ショップで購入できる安いものでもいいですが、出来れば綿がしっかり巻いてあり毛羽立ちにくいものがいいですね。
私が使用しているのは、ジョンソンの綿棒と、無印良品で購入できるベビー綿棒(細いタイプ)の2種類です。
大雑把な広い面のはみ出しは、普通の大きさの綿棒でします。大きい綿棒では作業が難しい入り組んだ場所には、先の細い「ベビー綿棒」を使います。
拭き取りの作業では、綿棒にエナメル溶剤を含ませたものを使用します。綿棒に含ませるエナメル溶剤は、薄める時に使ったものがそのまま使えます。
エナメル溶剤を含ませた綿棒ではみ出しをすべて拭き取って綺麗にしていきましょう。全部拭き取れたと思ってても、以外と拭き残しがあるので入念に確認しましょう。
全てのスミ入れが拭き取れたら作業完了です。モールドに影の色が入って、立体感のある仕上がりになりました。
この後は、デカールを貼るなり、ウェザリングをするなり、そのままトップコートを吹いて完成させるなりしましょう。
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まとめ
今回はスミ入れペンは使用しない、全塗装を前提とした少し上級者向けのスミ入れ記事でした。
ラッカー塗料で全塗装した場合のスミ入れ作業は、殆どのモデラーがこのやり方をしていると思います。スミ入れペンでのスミ入れに比べて、作業効率もよく、綺麗なスミ入れが可能なので、これを気に是非エナメル塗料でのスミ入れに挑戦してみてください。