こんにちは。柚P(@yzphouse)です。
ワンランク上の完成度のガンプラを作る上では欠かせないマテリアルに、「水転写デカール」という種類のシールがあります。
水転写デカールの貼り付け方法は少し特殊で、初めて購入してみた方はどうやって貼ったらいいのか全然分からないと思います。
それもそのはず、別売りの水転写デカールには詳しい貼り付けの方法などの記載がありません。(ガンダムデカールには簡単な説明が記載されています)
というわけで、今回は苦手な方も多いと思われる「水転写デカール」の失敗しない上手な貼り方を紹介しようかと思います。
目次
水転写デカールとは?
水転写デカールとは、水に浸すことでシールの糊を溶かし、台紙から離れたシールをパーツに貼り付けて使用する。という特殊な使い方をするマーキングシールです。
このシールの呼び方は、「水転写デカール」「デカール」「スライドマーク」という呼び方をします。
水転写デカールの特徴としまして、余白が殆どなく、シール自体も非常に薄いフィルム状なので、貼ったあとも綺麗な仕上がりになるということから、上級者モデラーに愛されているシールの一つでもあります。
似てるものに「ドライデカール」という物もありますが、水転写デカールはドライデカールに比べ、位置決め作業が楽で、マークソフターなどの専用の溶剤を使用してデカールを柔らかくして、凹凸のある部分や、曲面にも貼ることができるのも特徴です。
写真の水転写デカールはバンダイからガンプラとは別で販売されている「ガンダムデカール」という商品です。
値段は一枚500円程度です。
デカールと台紙をつなげている糊を溶かす
まず、水転写デカールを貼る前に、道具を準備しましょう。
準備するのは、
- 底の深い皿に入れた水
- キッチンペーパー
- ピンセット
- 綿棒
です。
水転写デカールの使いたいマークの部分だけをデザインナイフでカットします。
台紙と一緒にマーク部分を傷つけないように注意しながら作業しましょう。
台紙ごとをカットしたら、カットしたマークを台紙ごとをピンセットで摘まんで水に数秒間だけ浸します。
水転写デカールを水に浸したら、マークが貼り付いている面を上にしてキッチンペーパーの上に置いときます。
この状態で1~2分放置して台紙の糊が溶けるのを待ちます。
1~2分経ったら、台紙とデカールをくっつけている糊が溶けていると思います。
糊がちゃんと溶けていると、デカールが台紙の上をスルスルと動かせるようになっているので分かりますね。
この台紙の糊が溶けた状態になってようやくパーツに貼付ける作業が出来ます。
小さいデカール、大きいデカールによって簡単な貼り方が別々にあるので、2つに分けて説明したいとおもいます。
サイズの小さなデカールの貼り方
まずは、比較的サイズの小さな水転写デカールの貼り方からです。
このくらいのサイズの水転写デカールは、そのままピンセットで掴んで使用すると簡単に貼ることが出来ます。
ピンセットでデカールを動かして、台紙から少しはみ出た端っこを掴みます。
ここで使用するピンセットは、できれば先端の細いものがいいですね。
ピンセットでデカールを掴んだら、デカールの糊が乾く前に、パーツの貼りたいところへ乗せましょう。
デカールをパーツ表面に乗せたら、ピンセットの先端を使って表面に傷をつけないように位置を微調整してください。
微調整出来たら、綿棒で余分な水分を拭き取ります。
このとき、綿棒で擦るように拭き取ってしてしまうと、せっかく貼り付けたデカールの位置が狂ったり剥がれたりります。
なので、必ず「押さえつける」か「デカールの上を綿棒を回転させて転がす」ように動かして拭き取るようにしてください。
こんな感じで、綺麗に余分な水分が拭き取れれば水転写デカール貼りは完了です。
サイズの大きなデカールを配置する場合
1cmを超えるようなサイズの大きいデカールの貼り方についてです。
デカール自体は非常に薄いフィルムで出来ているので、大きいデカールでは先程のようにピンセットで掴んでパーツに直接貼り付けるのは難しくなってきます。
なので、「台紙から水転写デカールをスライドさせて貼り付ける」という方法を使います。
まず、デカールを貼りたいパーツにあらかじめ水を付けて濡らしておきましょう。
濡らしておくことでデカールを乗せた時に、パーツ表面とデカールの間に水があるおかげで位置の調整が楽になります。
そしたら、デカールの台紙ごと貼りたい部分へ持っていきます。
先程と同じように、ピンセットや綿棒を使って、デカールの端を台紙から少しはみ出させます。この状態で、簡単に位置決めをしておきましょう。
貼り付ける位置が決まったら、デカールの端とパーツを綿棒で押さえておいて、そのまま台紙だけを引っ張って抜き取ります。
そうするとパーツにデカールを綺麗に乗せることができます。
あとは、先程の手順と同じように、ピンセットで位置の微調整をして、綿棒で余分な水分を拭き取れば貼り付けの完了です。
複雑な凹凸、曲面のあるパーツにデカールを配置するには
デカールは非常に薄い素材でできていますが、そのフィルム自体には柔軟性がほぼ無いため、そのままでは曲面や凹凸のある部分の貼り付けができません。
なので、曲面や凹凸部に貼り付けたい場合は、デカールを溶かして柔らかくしてくれる専用の溶剤の 「デカール軟化剤」を使用すれば貼り付けることが可能になります。
デカール軟化剤も色々なメーカーが販売していますが、今回は比較的手に入りやすいクレオスの「マークソフター」と「マークセッター」を用意しました。
この2種類の違いを簡単に説明すると、
■マークソフター
デカールを柔らかくする成分だけが入っている。
■マークセッター
デカールを柔らかくする成分+デカールの定着をよくする糊が入っている。
どちらもデカールを柔らかくする成分が入っているので、丁寧に素早く作業を行わないとデカールが柔らかくなりすぎて使えなくなってしまいます。
と言っても、ちゃんとしたやり方さえ知っていれば失敗することは少ないと思うので、「軟化剤を使用したデカール貼り」にも、ぜひ挑戦してみてください。
マークソターを使用した曲面へのデカール貼り
曲面へのデカール貼りをするにあたって用意したのは、机の上に転がっていた直径7cmほどのボールです。このボールを曲面のパーツに見立てて、デカールを貼っていきます。
まずはじめに、デカールを貼る位置に、あらかじめマークソフターなどの 「 デカール軟化剤 」を塗っておきましょう。
そして、デカール軟化剤を塗ったところにデカールを配置していきます。
デカールを貼ったすぐは、まだ曲面に馴染んで居ないのでシワシワな状態です。
この状態で、軟化剤がデカールに染み込むのを少し待ちます。
マークソフターに長時間浸けすぎると、デカールがしわしわになり過ぎて使えなくなってしまうので、様子を見ながら作業を進めてください。
ある程度柔らかくなってきたら、綺麗な平筆を使ってデカールのシワを撫でて伸ばしていきましょう。
同時に、パーツに塗布したマークソフターを平筆で吸い取りながら作業を進めます。平筆の水分はキッチンペーパーやティッシュで適度に拭き取りましょう。
デカールが曲面に馴染んできたら、最後にデカールの水分を綿棒で吸い取ります。
綿棒はデカール表面中心から端に向かう方向でコロコロと転がしながら圧着させていきます。
シワが無くなって、曲面にデカールが定着すれば貼り付け完了です。
作業のポイントとしては、軟化剤を使用してすぐのシワを伸ばす作業には、綿棒よりは平筆を使ったほうが簡単だというところです。
初めから綿棒でやってしまうと、デカール軟化剤を吸収しすぎてしまったり、デカールが綿棒にひっ付いてしまったりという事故が起こりやすいのであまりオススメはしません。
綿棒を使用するのは最後の水気を拭き取る工程だけです。
それから、シワを伸ばす作業で使う平筆は、コシの強いナイロン毛のものがオススメです。
おわりに
水転写デカールは、「プラモデルを始めたばかりの初心者モデラーには難しい」と思って手を出していないなんて人もいるのではないでしょうか?
実は私も、初めて水転写デカールを使った時は、ロクな貼り方も知らずに失敗ばかりしていました・・・。
今ではちゃんとした水転写デカールの貼り方を知り、失敗もほとんどしなくなりました。
腕が良くないとデカールを綺麗に貼れないなんて事は無いので、デカール貼りが苦手な方も、この記事を参考に「失敗しないデカールの貼り方」をマスターしてみてください。
それでは。