こんにちは、柚Pです。
みなさんは模型店での買い物中に、パッケージが色あせているプラモデルや、青く変色した店内ポスターなんかを見かけたことはあるでしょうか?
プラモデルのパッケージ印刷などに使われているインクは、店内の蛍光灯や店外からの太陽光を長時間浴びることで退色を起こすことがあります。
退色の大きな原因は、太陽光や蛍光灯に含まれている「紫外線(UV)」からくるものです。
紫外線は印刷に使われているインク以外にも、模型用の塗料やプラスチック樹脂にも大きな影響を与えてきます。
というわけでこの記事では、模型メーカーGSIクレオスが販売しているプラモデルを紫外線から守ってくれる塗料「Mr.スーパクリアー UVカット」を紹介したいと思います!
目次
Mr.スーパクリアー UVカットとは?
紹介するのはクレオスが販売している「Mr.スーパークリアー UVカット」という無色透明のトップコート塗料です。
紫外線をカットして下地の塗料や樹脂を保護する能力をもっており、瓶タイプと缶スプレータイプ、光沢、つや消し、の4種類あります。
このMr.スーパークリアー UVカットという商品は、かなり昔から販売されているため使ったことある方も多いでしょう。
しかし、使たことのある皆さんでも実際のUVカット効果を実感できたという方は少ないのではないでしょうか?
かくいう私もUVカットクリアーを使ったことはありますが、効果の程はイマイチ理解できてないままです。
それならば検証してみてばいいじゃない!というわけで、1年かけた大掛かりな検証をしてみました。
検証用のテストピース製作
犠牲になってもらうのはこちらの塗料。
クレオスのGXカラーの基本色を4色、ガイアカラーからニュートラルグレーⅤ、残りはクレオスの8番シルバーと9番ゴールドを順番に塗装しています。。
塗装したテストピースをいくつかに分割しまして、さらに上から各種トップコートを塗装します。
使用したトップコートは
- クレオス 113 Mr.スーパークリア3 UVクリアつや消し
- クレオス 112 Mr.スーパークリア3 UVクリア光沢
- クレオス 100 Mr.スーパークリア3 光沢
- クレオス 182 スーパークリアーつや消し
- クレオス 181 スーパークリア半光沢
- クレオス 114 スーパースムースクリア
- ガイア 008 フラットクリアー
- クレオス 102 水性プレミアムクリアー半光沢
- トップコート無し
の9種類です。
検証方法
検証方法は簡単です。紫外線(太陽光)に当たりやすい窓にテストピースを直接貼り付けて放置するだけ。
太陽光は蛍光灯とは比べ物にならないくらい強力な紫外線をもっているため、すぐに変化が現れることでしょう!
比較用として同じテストピースをもう1セット用意しておいたので、片方は光の届かない押し入れの奥にしまっておきましょう。
検証開始から1年後
去年の夏(7月)から開始した今回の検証ですが、なんと一年以上放置してしまいました。
色の種類関係なく全体的に彩度が下がっているように見えます。しかし日焼けしたプラモデルの箱のように色が認識できなくなるほどの劣化はみられませんでした。
使われている顔料が強いのか、UVカットをせずともある程度の色味を保持できる性能をもってるのかもしれません。GXカラー恐るべし。
全体を確認してみましょう。比較してみると主に黄色が薄くなっているようです。
それでは気になるUVカットクリアーの結果も確認してみましょう。
UVカットクリアーのテストピース
▲UVクリアー光沢
▲UVクリアーつや消し
おぉ!黄色の彩度が若干落ちていますが、全体的に綺麗な色味を保持できています!
紫外線をしっかり防げていなければこのような結果にはならないでしょう。
他のテストピース
UVカット効果の無いトップコートの変化も見てみましょう。
数が多いので一気に紹介します。
▲クレオス スーパークリアー3 光沢
▲クレオス スーパークリアーつや消し
▲クレオス スーパークリアー半光沢
▲クレオス スムースクリアー
▲ガイア フラットクリアー
▲クレオス 水性プレミアムクリアー半光沢
▲トップコート無し
UVカットクリアーのテストピースと比べると、黄色の部分とホワイト(無塗装)の箇所がより大きく変色しているようにみえます。
塗装してない箇所(白色)も黄色く黄変しているのも気になりますね。
ここにホワイトの塗料を塗装しているわけではないので、紫外線による樹脂の劣化による変色なのかもしれません。
ここでもう一度UVクリアーのテストピースを確認してみましょう。
樹脂の黄変もほぼみられず、塗料の退色も少ないのでUVカットの効果は大いにあったと言えるでしょう!
結果:UVカットクリアーの効果は高い
1年以上野外に放置していたためUVカットクリアーを塗装していても多少の影響は出てしまいましたね。
しかし無対策のテストピースと比べたことで、紫外線の影響を大きく防いでくれていることも分かりました。
今回は紫外線による退色が比較的起こりにくい顔料系で検証しましたが、次回は染料系の塗料や蛍光塗料、デカールの劣化にどのように影響してくるかも試してみたいですね。
時間をかけて製作したプラモデルが1年で退色してしまったら悲しいです。長時間紫外線を浴びるような環境に飾る作品を作るときは、ぜひUVカット効果のあるトップコートを使ってみてはいかがでしょうか。
それでは。