こんにちは。柚P(@yzphouse)です。
プラモデルを塗装するときには、筆やエアブラシを使用して塗料を塗ってますよね。
その塗装作業に欠かせないのが道具のひとつに、「塗装ベース」というものがあります。「塗装用スタンド」とも言ったりもします。(この記事での名称は塗装ベースで統一します。)
筆やエアブラシでプラモデルを塗装する時に、パーツを直接手で持って塗装なんてしたら、指紋が付いたりして大変です。そしてさらに、塗料が乾くまでパーツを持ち続けていないとけません。
パーツ総数が100個を超えるようなプラモデルで、そんな面倒くさいことやってられませんよね。そこで、自分の代わりに塗装が乾燥するまでパーツを持っていてくれる便利な塗装ベースがさえあれば、こんな悩みは解決なわけです。
ちなみに、各模型メーカーからも「プラモデル専用の塗装ベース」「持ち手クリップ」を販売しているわけなんですが、どうも値段が高かったりして手が出しづらいですよね。
そんなわけなので、この記事では塗装作業で役に立つ塗装ベースを格安で自作してみましょう。
目次
プラモデル塗装 塗装ベースを作る
塗装ベースと言っても、人によって使ってる素材は様々です。
その中から私のモデラーの友人が使っているものや、ネットで見かけたものを簡単にまとめてみました
- 【発泡スチロール】ゴミが出やすく、発生したゴミも静電気でパーツや体に付着して厄介。
- 【市販の塗装ベース】専用で作られてるだけあって便利だが、導入コストが高い。
- 【油粘土】どこにでも持ち手を挿せる自由度はあるが、パーツを塗装ベースに落としたら粘土の油が付着する可能性がある、粘土なので重いパーツを保持し続けられない。
- 【レンガ調の発泡スチロール】ゴミは発生しにくいものの、表面のコーティングが固く持ち手が刺しにくい。
- 【メッシュ状の四角いバスケット】は持ち手を保持する穴が大きいのでかなり不安定です。持ち手ごとパーツが落ちる可能性もあります。
- 【猫の爪研ぎ】一定の太さの持ち手しか取り付けられない。湿気にも弱いです。
この中で、安く手に入り、ゴミの発生も無く、使いやすい塗装ベースはなんだ?と考えてたどり着いたのがコチラ。
猫の爪研ぎです。
ゴミが出にくく、持ちての穴は既に空いているので使用し続けても比較的綺麗なまま維持できる特徴があります。
デメリットはハニカムの穴に合ったサイズの持ち手しかさせないという点だけです。このデメリットも、「持ち手」も含めて自作していくので問題ないですね。
さて、この猫の爪研ぎとは、ダンボールの断面のハニカムを縦に繋げて平たくしたような商品なわけですが「コレどっかで見たことあるなあ」なんて思いませでしたか?
実はこの「ダンボールのハニカム」を使用している塗装ベース、模型メーカーも販売してたりするんです。
例えばコチラ。これはクレオスが販売しているネコの手ステーションという塗装ベースです。どうみても猫の爪研ぎです。
このネコの手ステーションも非常に使いやすくて便利な商品ですが、1つで500円近くします。
そこでペットショップやホームセンターで売られている猫の爪研ぎを使って塗装ベースを使って格安で作っていきます。
塗装ベースの製作
こちらが、ホームセンターで購入してきた「猫の爪研ぎ」です。写真では2枚しか写っていませんが、これが全部で3枚入っていました。
値段は3枚セットで300円程度です。市販の塗装ベースと比較して、すごく安いですね。
▲こちらは私が購入したのとは違う商品ですが、同じくらいの値段で売られています。
早速、この猫の爪研ぎを塗装ベースとして使いやすいよう、小さいサイズに加工していきましょう。
このままでは長すぎて非常に使いづらいので、適度な大きさにカッターで切って小さくします。私は全長を測って、ちょうど半分になるところを切りました。
最後に、塗装ベースに差し込んだ持ち手が下まで突き抜けないように、底の部分をガムテーブで塞いでおきましょう。
これで、「持ち手」を差し込んでも塗装ベースを貫通して落ちる事はなくなりました。
これで「塗装ベース」は完成です。
製作時間は10分程度でしょうか。このサイズの塗装ベースがたった300円で6つもつくれました。これだけ量があれば、塗装ベースで困ることはないでしょう。
プラモデル塗装 持ち手のクリップを作る
今度はプラモデルのパーツを保持してくれる持ち手について少し考えてみましょう。
持ち手も人によって様々な物を使っていますね。
- 「目玉クリップ」でパーツを固定するタイプ
- 竹串に電気工作で使用する「ワニ口クリップ」をつかってパーツを固定するタイプ
- 模型メーカーが市販している持ち手を使っている
などなど・・・
持ち手に関しては、パーツによって相性があるので「この持ち手を持っておけばどんなパーツにも対応ができる」っていうのがありません。
なので今回は、どちらかと言うと「汎用的に使える」というのを前提として、竹串に電気工作で使用するワニ口クリップを固定しているものを自作で作っていきます。
同じタイプの「持ち手」は各模型メーカーからも販売されています。自作するのが面倒くさい場合はそちらを買うといいですね。
▲こちらもGSIクレオスさんから発売されているネコの手持ち手棒です。
見ての通り、竹串の先にワニ口クリップを付けただけの商品です。
1本あたりの値段は22円程度になります。しかし、この値段なら「もっと安い部品を探してきて自作することが出来るのではないか?」というわけで、格安で作ってみましょう。
「持ち手」の部品を手に入れる
まず用意する物は、
- ワニ口クリップ
- 竹串
です。
「ワニ口クリップ」と「竹串」は身近なとこだと、100円ショップのダイソーなんかで売っています。
しかし、単純に「100円だから安い!」なんて考えてはいけません。もっと貪欲に追求して更に安いものを探していきましょう。
ダイソーで売られているワニ口クリップは、大小の2種類の大きさのセットでワニ口クリップが8つ入ってます。単純に計算して、108円で8つなので、クリップ1つあたり、12.5円という計算になります。
そこで、ネットから新たに探してきたのがコチラ。
このワニ口クリップは、1098円で100個入りです。1つあたりの値段は、10.98円になります。
ということは、この商品のほうがダイソーのワニ口クリップより安いということになります。
100個も使わないだろ?なんて思うかもしれませんが、ガンプラなんかは、総パーツ数が300もあったりします。
本格的に全塗装をしたいという方は、持ち手も100個ぐらいは持っておかないとスムーズな製作はできません。
次は竹串についてです。これは選びだしたらキリがなさそうなので、「180本入り13.5cmの竹串」を100円ショップで買ってきました。
竹串を選ぶ時は、長さが短めの10センチ前後のものが扱いやすくてオススメです。長い竹串にすると、重いパーツを持たせた時に竹串が重さに耐えれなかったり、高さがあるのでドライブースに入れにくかったりします。
この竹串にワニ口クリップをくっつけるので「持ち手」を作ります。
「ワニ口クリップ10.98円+竹串0.55円」なので一本あたりの単価は11.53円となりますね。自作すれば、クレオスの「1本あたり22円」の半額くらいで作れるという事がわかりました。
持ち手のクリップを製作する。
さて、ここからが非常に面倒くさい組み立て作業です。
作り方はいたって簡単。ワニ口クリップの下側に、竹串を写真のような形に入れます。
竹串を入れたら、ワニ口クリップの端の飛び出ている突起をペンチやプライヤーで潰してカシメます。こうすることによって竹串がワニ口クリップに挟まれて固定されるわけです。
カシメた部分はこんな感じになります。これでガッチリ固定されてるようなら「持ち手」は完成です。
少しぐらついてて不安なようなら、「ゴム系接着剤」や「瞬間接着剤」「グルーガン」などを接合部に流し込んでガッチリ固定させてやれば緩みは無くなります。
この作業をひたすら続けて、持ち手を作り続けます・・・。この作業が一番大変。
全てのクリップと竹串を合体させたら完成です。この「持ち手」は先程製作した塗装ベースに差し込んで使用して下さい。
その他オススメのパーツの持ち手
おまけとして、今回製作した「塗装ベース」ワニ口クリップ以外の便利な持ち手も紹介します。
爪楊枝
どこのご家庭にも置いてある普通の爪楊枝です。竹串でも代用できます。
使い方は簡単で、保持したいパーツに「Φ0.5mmドリル」で穴を開けて、その穴に爪楊枝を刺して固定するという超簡単な持ち手です。パーツにあける穴は、組立時に見えなくなったり、目立たないところに穴を開けましょう。
クリップつかめる部分が無いような小さいパーツでよく活躍してくれます。汚れたらそのまま使い捨てに出来るというのもオススメできるポイントの一つですね。
ペインティングニードル
ハイキューパーツが販売しているペインティングニードルという商品です。先程の「爪楊枝」の上位互換のような商品になります。
使い方は「爪楊枝」と同じです。Φ0.5mmほどのドリルでパーツに軽く穴を空けて、その穴に「ペインティングニードル」の先端を差し込んで固定します。
爪楊枝や竹串では保持できない「重いパーツ」も、金属製の軸でしっかりとパーツを保持してくれます。しかも、塗装で使用して汚れてきても、シンナーに漬けておけば汚れを洗浄することも出来ます。
爪楊枝や竹串のようにすぐ摩耗して捨てるような事はないので、環境に優しく、長く使い続けられる道具でもあります。
「重たく大きなレジンパーツ」でも難なく持てるのでガレージキットを塗装する人にもオススメできます。
ラバーブル・タック
粘着性のある練り消しのような性質を盛ったブルタックという商品です。
「飛行機のキャノピー」や「カーモデルのヘッドライト」など、ワニ口クリップで掴めるところも無く、ドリルで穴も開けられない、というパーツで重宝します。
使い方については、こうするのが正解と言うのはありません。
私はブルタックを割り箸に貼り付けて、そこにパーツを固定するという使い方をしています。
このように、いろんな種類の持ち手を用意しておけばどんなパーツにも対応出来るようになります。気になるのがあれば是非使ってみてください。
まとめ
学生モデラーからしたら「プラモデルのキットを買うだけでも大変だから、工具は最小限の出費で抑えたい・・・」なんて人にも多いかと思います。
今回の塗装ベースはベース300円、ワニ口クリップ1000円、竹串100円、の 「合計1400円」で全て作れるのでそこまで高い出費では無いと思います。
既に塗装ベースを持っている方も、「自分が使っている塗装ベース本当に使いやすいのか?」というのを考えてみて、これを気に新規に作り直してみてはいかがでしょうか?
それでは。