こんにちは。柚P(@yzphouse)です。
プラモデルで使われている塗料には「水性塗料」「エナメル塗料」「ラッカー塗料」など種類があります。
この種類によって含まれている成分というのは大きく変わってきます。
塗料の相性によっては塗り重ね出来ないものもあるため、相性を知らないまま種類の違う塗料で重ね塗りをしまうと「下地に塗った塗料が溶け出して綺麗な塗装が出来ない」なんて事も起こります。
そのような事故が起こらないよう、塗料の特性を覚えて適切な塗料選びを出来るようにしてみましょう!
目次
塗料の種類について知ろう!
まず、プラモデルの塗装でよく使われている3種類の塗料について知っておきましょう。
水性アクリル塗料
プラモデル塗料で使う「水性アクリル塗料」の違いをメーカー別に徹底比較!プラモデル塗料で使う「水性アクリル塗料」の違いをメーカー別に徹底比較!
「水性アクリル塗料」は、水溶性の溶剤が使われている塗料で、道具を水で洗ったり水で薄めたりできる比較的安全な塗料です。
代表的なものではクレオスの「水性ホビーカラー」、タミヤの「タミヤカラー アクリル塗料」などありますね。
水性塗料の特徴は、水で洗浄や希釈ができ気軽に使用できて安全、しかし耐溶剤性はほ無く塗膜も比較的弱めです。。
ですので、このあと紹介する「エナメル塗料」「ラッカー塗料」といった溶剤の強い塗料を水性塗料の上から塗ることはオススメできません。
逆に、下地が「エナメル塗料」「ラッカー塗料」の場合は上から水性塗料を塗っても下地を侵す心配はほぼありません。
また、似たような水性塗料として「エマルジョン系塗料」があります。クレオスが販売している「アクリジョン」シリーズがそれに当たります。
アクリジョンは塗料が乾燥する前なら水で洗浄することができますが、塗料が1度乾いてしまったら強めのラッカーシンナーでも溶かすことはできないくらい耐溶剤性が高くなります。
ですので、アクリジョンを使用する際は専用の薄め液・洗浄剤を必ず用意しておきましょう。
さらに、「ファレホ」や「シタデルカラー」も水性塗料の仲間ではありますが、タミヤやクレオスとは乾燥後の性質が若干違うので注意して使い分けてみてください。
エナメル塗料
プラモデル用塗料のエナメル塗料とは?その違いをメーカー別に徹底比較!プラモデル塗料で使う「エナメル塗料」の違いをメーカー別に徹底比較!
エナメル塗料は「石油系の有機溶剤」をベースとした塗料の種類です。
塗料の伸びが良いのという特徴があり、プラモデルではスミ入れや筆塗り塗装などでよく使われています。
油性の塗料なので水を使って道具の洗浄は出来ません。ですのでエナメル塗料やラッカー塗料の薄め液などで道具の洗浄ができます。
また、エナメル塗料はラッカー塗料よりも弱めの溶剤が使われているので、ラッカーの上からエナメル塗料を塗ることも可能です。
この特性をうまく使えば、『ラッカー塗料の下地の上からエナメル塗料で墨入れ・部分塗装をする』ということも可能です。もちろん、エナメル塗料専用の薄め液を含ませた綿棒で、はみ出した塗装箇所の拭き取りも可能です。
ラッカー塗料
プラモデルの塗料の違いをメーカー別に比較!「ラッカー塗料」編プラモデルの塗料の違いをメーカー別に比較!「ラッカー塗料」編
プラモデル用の塗料の中では一番強力な有機溶剤を使用しているのが「ラッカー塗料」です。日本では一番よく使用されている塗料ですね。
溶剤に揮発性の高いシンナーが使用されているため、使用中はかなりシンナー臭がしますが、その代わり「発色が良い」「乾燥時間が非常に短い」「塗膜がとても強い」といった特徴があります。
塗料乾燥後は強い塗膜になるため、この上から「水性塗料」「エナメル塗料」のどちらを塗装することも可能です。
逆に「水性塗料」「エナメル塗料」の上から「ラッカー塗料」を塗ってしまうと下の塗料を溶かしてしまう可能性があるので注意が必要です。
塗料の相性について
塗料を紹介した時点で軽く説明しましたが、塗料同士には相性というものがあります。
ここでいう塗料の相性というのは、塗料に含まれている「シンナー(有機溶剤)」の強さの違いによるものです。
3種類のシンナーの強さを簡単に比較すると、
水性アクリル塗料 < エナメル塗料 < ラッカー塗料
という関係になります。(必ずしもこういう関係になるわけでもないですが・・・)
ですので溶剤に弱い水性塗料の上から溶剤が強いラッカー塗料を塗ると、「下に塗った水性塗料が溶け出す」という事も起きてしまいます。
ただし「筆塗り」と「エアブラシ塗装」といった塗り方1つで、重ね塗りの良し悪しが変わってきますのでそちらも簡単に解説しておきます。
筆塗り塗装での相性
筆塗りでは、穂先で塗装面を撫でて塗装するという技法なので、水性塗料やエナメル塗料の上からラッカー塗料を塗ると下の塗料を簡単に溶かしてしまいます。
ですので筆塗りで弱い塗料の上から強い塗料を塗ることはオススメできません。
筆で塗装面を撫でるという行為が『下地を溶かす』という特性を大きく出してしまうというわけです。
エアブラシ塗装での相性
エアブラシでの塗装は、塗料をミスト状にして吹き付けられるので、下地の塗装が弱くてもある程度は強い塗料を重ねて吹き付けることが可能です。
ガンプラのスミ入れ後のトップコートもこの例にあたりますね、エナメル塗料や水性塗料でスミ入れした上からラッカー塗料を塗装をしても問題ないのは、エアブラシでミスト状の塗料を吹き付けることで下地に負担をかけないからです。
ただし、可能とは書きましたが、極端にラッカー塗料を厚塗りしすぎたりすると、エナメル塗料が溶けて滲みが出てしまう恐れもあるので加減は必要です。
昔の模型誌やプラモデル情報サイトでは「水性塗料やエナメル塗料の上にラッカー塗料は塗装出来ません」と書いているとことが多いですが、厚塗りをしすぎない事さえ注意しておけば塗料の種類関係なく塗り重ねが可能です。
それでも塗料の相性など不安な場合は、ランナーの切れ端などをつかってテストしてみるといいですね。
まとめ
複雑な塗装を経験すれば、自然に種類の違う塗料も使いせるようになってきます。
水性塗料、エナメル塗料、ラッカー塗料、の3種類の相性は、プラモデルの塗装が上達するための必須知識になるのでしっかり覚えておきましょう!