こんにちは。柚P(@yzphouse)です。
スジボリ堂のBMCタガネを愛用し続け早数年、研ぎ直しを繰り返すうちに刃先も減ってきたので、そろそろ新しいBMCタガネが欲しくなってきました。
だがしかし、近所の模型店をまわってみるもどこにも売ってない。今やBMCタガネはかなりの人気商品となっており品薄状態がずっと続いているらしい。
公式通販を覗いてみるも、どのサイズのタガネも売り切れ。公式Twitterでは抽選販売をしているというつぶやきもあったが、次回いつやるかもよくわからない状態。
うーん困った、Amazonでも売られてるけど正規の6倍くらいの価格になってるし・・・。ここでは絶対に買いたくない。
BMCタガネが手に入らない・・・そうだ!ファンテックのスジ彫りカーバイトをうまいこと改造してBMCタガネみたいに使えるようにすればいいのでは?
というわけで今回は、ファンテックのスジボリカーバイトのオリジナル持ち手を作ってみたので紹介していきます!
目次
ファンテック スジ彫りカーバイトとは
ファンテックのスジボリカーバイトは、3.2mm軸の金属棒で作られたスジ彫り用のタガネです。
基本的に刃先のみで売られているので、ちゃんと使うには3.2mmの棒がつかめるピンバイスや専用の持ち手が必要になります。
ファンテックから「斬技ホルダー」という専用の持ち手もでていますが、この持ち手ってあんまり好きじゃないんですよね私。
小さな刃先に対して大きなグリップというのがどうも苦手でして。BMCタガネでも専用のホルダーが出ていますが、そういうのは一切取り付けずに使っています。
模型作業中は机の上が工具だらけになりがちなのでコンパクトな工具がいいんですよね。
普通のピンバイスに取りつけるのもなんか違う。
BMCタガネの形状とコンパクトさに慣れてしまった私からしたら、これでは重いし丸いしで作業に集中できない!
「あー!BMCタガネみたいな形状のホルダーがあればいいのになー!!」
3Dプリンタで作ってみました。
無いなら作ればいいじゃない!それがモデラーってもんでしょ!というわけでfusion360を使ってサクッと作ってみました。
BMCタガネの形状丸パクリでもよかったのですが、スジ彫りカーバイトの軸径3.2mmの時点で既にBMCタガネよりも太いのでそれは無理そう。
というわけで完全にオリジナル設計の、厚み4mm全長70mm穴径3.2mmの棒を作ってみました。
BMCタガネの完成度に比べると、3Dプリント品なので強度も無いし重量バランスも微妙になっちゃいましたがピンバイスの持ち手なんかよりは全然良い。
ただ、持ち手の剛性が無いので少し力を入れると若干しなるのが気になりますね、タガネの入っていない箇所に3mmのステンレス線を芯として入れれるようにしておけばよかったかも?
スジ彫りカーバイトの持ち手の作り方を紹介
まず3Dデータから作りました。
fusion360を使い慣れてる方なら5分くらいで作れそうな形ですね。ちなみに私はこれ作るのに2時間くらいかかりました。
▼今回制作したデータはBOOTHで公開しているので、興味がある方はDLして使ってみてください。
https://yzpshop.booth.pm/items/3383358
プリントではSK本舗の「高靱性レジン グレー」を使用。手に持つ道具なので出来るだけ強度があるレジンのほうがいいかもなので。
SK本舗の高靱性レジンは太りやすいという特性もあるみたいなので、スジ彫りカーバイトを差し込む穴は3.2mmより少しだけ大きめに設計しました。
ちなみに露光時間はsonic mini 4kで0.05mmピッチの1.8秒くらい。
収穫
立派に成長しましたので収穫をしていきます。
洗浄後はしっかり二次硬化をしておきましょう。
整形
二次硬化が終わったらサポートから取り外して磨いていきます。
綺麗に仕上げるプラモデルでもないので、240番のヤスリを使ってサポート痕や積層痕をガリガリ削っていきます。
表面が綺麗になりました。
スジ彫りカーバイトを取り付ける
スジ彫りカーバイトを持ち手に取り付ける前に、カラータグを取り外しておきます。
カラータグは刃先の幅がひと目で分かるので便利ですが、よりBMCタガネの形状に近づけるための犠牲になってもらいましょう。
これでBMCタガネの持ち手部分と同じくらいの深さまで、自作持ち手を差し込めるようになります。
接着する
スジ彫りカーバイトと持ち手の接着には「メタルロック」を使います。
普通のエポキシ接着剤でもよさそうですが、あとから金属部分だけ外れたという事が起きても面倒くさいので。
メタルロックは2液混合タイプの接着剤なので、ヒケることも硬化不良が起きる心配もありませんね。
持ち手の穴に接着剤を塗り込みタガネを挿入。
余った接着剤は持ち手に設けた空気抜き用の穴から出てくるので綺麗に拭き取っておきます
持ち手をコーティングして完成
SK高靱性レジンは水洗いタイプなので、出力後も水分にめっぽう弱いという特性があります。
使用中に手汗を吸って持ち手が劣化し表面にクラックが入るという恐れもあるので事前にコーティングしておきます。
塗料は伸縮性や耐久性の高い「ウレタンクリアー」を使用。
さらに刃先の幅がわかるようマークも入れてみました、上が0.4mmで下が1.2mmです分かりやすいでしょ。
研ぎ直しも出来るようになった
持ち手の面をフラットに作ったので、タガネ研ぎ直し用の治具にも取り付けられるようになりました。
これはありがたい。
まとめ
というわけでファンテックスジ彫りカーバイトの持ち手自作についての紹介でした。
今回はBMCタガネが手に入らないために仕方なくスジ彫りカーバイトの持ち手を自作してみましたが、やはり全体的な完成度は本物のBMCタガネには敵いませんね。
BMCタガネが欲しい・・・BMCタガネがお店で買えるようになる日は帰ってくるのだろうか・・・。
それでは。