こんにちは。柚P(@yzphouse)です。
ガンプラを改造したことがある人は、誰しもが一度は挑戦して、苦い失敗を経験してしまうスジボリ作業。
苦手意識を持っている方も少なくはないと思います。
というわけでこの記事では、「より簡単で綺麗にスジボリが出来る工具」について5種類ほど紹介したいと思います。
それぞれの使い方が違ったり、得意不得意があるので、これを機に自分に合った道具を選んでみましょう。
目次
スジボリに使用する工具
こちらが、今回紹介するスジボリ道具です。
左から順番に
- けがき針(ニードル)
- タガネ
- エッチングのこ
- スジボリ用目立てヤスリ
- デザインナイフ
となります。
それでは順番に説明していきましょう。
けがき針【ニードル】
けがき針(ニードル)は先端が「針」になっているスジボリ道具です。
この針の先端でパーツにV字の溝を掘ってスジボリを作ります。
先端が針なので、この工具自体には進行方向はないので、どの方向に動かしても使うことができます。
全方向に対応可能なので、他のスジボリ工具では苦手な「曲線」「円」などのスジボリを得意としている道具ですね。
もちろん真っ直ぐなガイドを使ってやれば、直線のスジボリも可能です。
彫る時はガイドとなるテープやプラ板などを用意してスジボリ作業しましょう。
スジボリのやり方については【ガンプラ改造】タガネや針を使用してスジボリを入れる方法記事で紹介してるので参考にして下さい。
ニードルは昔から使われているスジボリ工具の1つです。なので模型メーカーからもいくつかの種類のけがき針が発売されています。
私が愛用しているけがき針はハセガワトライツールの「モデリングスクライバー」とシンワの「ペンシル型のけがき針」です。
モデリングスクライバーは値段が少し高いですが、先端の精度が高く、軸の太さ、針の重さが丁度良く、手によく馴染むので非常に使いやすいです。
また、パッケージ内に「研ぎ直し用の砥石」も付属しているので、針の先端が摩耗してきてもその砥石を使って自分で研ぎ直しをすることが出来ます。
針の本体もボディがグリップのゴムと金属の一体成型の針だけなので、汚れてもメンテナンスがし易いという特徴もありますね。
この工具は模型店ではなく、主にホームセンターで手に入れることができます。
ニードルの先端には、鋼材に印を付けれるように「超硬」が使われています。
超硬とは、金属を加工するための刃物などに使用されている合金ですね。普通の鉄なんか比べ物にならないくらい硬い金属です。
なので、プラスチック相手で使用していても摩耗して針の先端がダメになることが殆どありません。
万が一針が折れたり、摩耗してしまった場合でも、替芯が2本セットで売っているので比較的安価で針を交換することも可能です。
模型で使用するときも「針の硬さ」「針先の鋭い角度」を生かして簡単にシャープなスジボリを作ることができます。
BMCタガネ・スジ彫りカーバイト
写真の左が、ファンテックの「スジ彫りカーバイト(0.5mm)」。右側の3本はスジボリ堂の「BMCタガネ」です。
タガネとは元々、金属や岩石を削るノミのような形の工具の名称です。そのタガネという工具を、模型サイズにまで縮小して、スジボリ道具にしたものが模型用として売られています。
先端の形状は 「スジ彫りカーバイト」「BMCタガネ」 共に、鋭い平ノミのようになっていています。
先端の刃でパーツをなぞることによってスジボリを作ります。刃先には超硬(タングステン鋼)が使われていて、耐摩耗性に優れています。
タガネの最大の特徴は、「刃先の幅にバリエーションがある」という事です。
細いスジボリには幅0.1mmを使用して、0.5mmや1.0mmという太い幅のタガネを使用すれば、幅の広いスジボリも作る事もできます。。
太さの違うスジボリを使いこなせば、ディティールアップの表現の幅も格段に広げることが出来ます。
スジボリの以外にも、彫刻刀のように使用することもできます。BMCタガネでは、太い幅で最大「4.0mm幅のタガネ」が発売されています。
スジボリ道具:エッチングノコ
これは、雲母堂本舗(きららどうほんぽ)から発売されている「ライナーソー」という、デザインナイフに装着するタイプのエッチングノコです。
ノコ状になったパーツを中心に、その側面を2枚でノコ部を挟み込んで刃の強度を確保している、という構造をしています。
実は私がスジボリをする際には、この道具の出番はあまり無いんです。普通のパーツにスジボリを入れる時は、「タガネ」や「けがき針」のほうが圧倒的に使いやすいですからね。
しかし、この鋸状の刃がどのスジボリ道具より使いやすくなるシチュエーションもあります。
例えば、ガンプラを改造したとき。元がプラスチックのパーツに、パテや瞬間接着剤を使って改造したり、上からプラ板を接着したりしますよね。
そんな複合素材のパーツには必ず、元のパーツの「プラスチック部分」と、改造で使った「パテ・瞬間接着剤」といった違う素材の境目ができているはずです。
そういった、「硬さや粘りの違う材料同士」のスジボリを綺麗に彫ることが出来るのが、このエッチングノコです。
細かいノコ刃のお陰で、違う素材同士の境目で引っかかることが無く、安定したスジボリが行えます。
スジボリ道具:目立てヤスリ
ゴッドハンドから発売されている「スジ彫りヤスリ」です。
普通の目立てヤスリとは違い、コチラはスジボリ専用に開発された極小の目立てヤスリとなっております。
普通の目立てヤスリも、模型のスジボリ道具といて有名ですが、ガンプラで使用するぶんには大きすぎて使う人は少ないです。
そこで、ゴッドハンドが「もっと精密なスジボリ専用の目立てヤスリがあれば」ということで開発したのがこの工具。このスジ彫り用ヤスリは目立てヤスリとは少しだけ違うところがあります。
この目立てヤスリは、より細いスジ彫りが出来るように、片面にしかヤスリの刃をつけていません。
片側にしかヤスリ目が付いていないので、けがき針やタガネで彫ったのと同等の細いスジボリが作れるようになっています。
さらに、先端の角が落としてあるので、視認性も良くなっています。
ヤスリの刃の向きも、スジボリをするときに引っかかりにくいような角度で付けられています。このあたりもスジボリ工具として使いやすいようにちゃんと考えられているんですね。
そして、先ほど説明したエッチングノコと同じように、プラスチックとパテという色んな種類の素材が混在するパーツにも綺麗なスジボリを作ることも可能です。
ここまで良いところばかりの「筋彫りヤスリ」ですが、やはり、一番のネックとなるのはこの工具の値段ですよね。
高いクオリティの工具ではありますが、職人さんが1本1本手作りしているだけあってそれなりの製造コストがかかっているのでしょう。
ですが、値段以上の使い心地、安定した品質、スジボリのクオリティは他の工具には出せないものがあります。お財布に少し余裕があるという方、ガンプラ改造の質を上げたいという方には是非使って欲しい工具ですね。
スジボリ道具:デザインナイフ
最近では、100円ショップでも見かけるようになった普通のデザインナイフです。
スジボリとなると、けがき針やタガネという「専用の工具」に目が行きがちですが、実はこのデザインナイフでもスジボリをすることは可能なんです。
隅になっている箇所に刃の先端を突き立てて、ゆっくり横に移動させて削ればスジボリをすることが可能です。
先端は鋭く尖っていて綺麗なV字の溝が彫れるため、細くてシャープな線を作ることが出来ます。
ただし、気軽にスジボリが出来る反面、直進安定性が殆ど無いのでブレやすいです。ガイドを作ったスジボリも不得意ですね。先端が鋭い刃物なので柔らかい塩ビのガイドテープでは食い込んでしまっうのであまり使えません。
ナイフの刃の先端は非常に脆くデリケートなので、少し力を入れすぎただけでも折れたりしてスジボリには使えなくなってしまいます。
デザインナイフを使用してスジボリをする場合は角度のあるL字の隅や、元々スジボリがされているところの彫り直しという軽作業を得意としてます。
まとめ
スジボリ道具というワード中にも様々な道具の種類があり、使い方も違えば形も様々です。
「けがき針を使ったけど上手くスジボリできなかった」という人も、それ以外の道具なら、自分と相性が良くて綺麗ななスジボリが出来るようになるかもしれません。
これを機に、使ったことのない新しいスジボリ工具に挑戦してみるのも面白い発見があるかもしれませんよ。
それでは。