こんにちは。柚P(@yzphouse)です。
ガレージキット製作で何度か自作のシリコーン型を使用して複製をした経験のある方なら、1度は「型からのレジン漏れ」で悩んだことはありますよね。
レジン漏れが起こってしまうと、型の中のレジンが外へ出て無くなってしまうため、まともなパーツが作れないどころか「レジンが硬化するまでその型が使えない」「レジンが無駄になる」と悪いことばかり引き起こしてしまいます。
このレジン漏れの対策として、「シリコン型の余白を広めに確保しておく」という確実で一番有効的な方法があります。
しかし個人で複製をしている方からすると、シリコンはできるだけ節約したいもの。金銭面での負担を増やしたくないという理由で型にパーツを詰め込んで「余白がほとんど取れていない型」を作ってしまいがちです。
というわけでこの記事では、私がいつも行っている「シリコン型の余白が小さくてもレジン漏れが少なく出来る小技」を紹介しようと思います!
目次
レジンが漏れる理由とその対策について
まずは、シリコン型の断面図を見てみましょう。
今回は最も一般的な「常圧の2面型」で説明をしていきます。下側にレジンが流れる湯口がある型と思って見てください。
シリコン型の常圧2面型の製作については【フィギュア複製を徹底解説!ガレキの原型パーツを粘土埋めしてみよう!】や【フィギュア複製を徹底解説!シリコンを使ってレジンを流す型を作ってみよう!】で紹介しています。
シリコン型を使った量産作業を経験したことのある方なら想像しやすいと思いますが、シリコン型は使用回数が増えていくにつれてゴムが劣化し、型の端が反ってきます。
型自体は軟質な素材で作られているため、型を締め付ける力をより強くすれば強引に隙間も埋めることもできます。しかし、締め付ける力を強くしすぎると、型が歪み「型ずれ」や「パーツの形状不良」にも繋がる恐れがでてきます。
ですので理想の安定した型というのは、できるだけ適度なクランプ力で使えて、なおかつ隙間からの漏れにも強い型である必要があります。
ここで、右側の「レジン漏れ対策済みの型」の見てみましょう。
対策済みの型では、少し大げさですがこんなイメージになります。
湯口の下側に「四角」の漏れ止めを設置した型では、クランプ力が弱くて型に隙間ができたとしても「漏れ止め」の箇所で、クランプ方向とは違う「縦方向」でシリコーンが噛み合うことでレジンが漏れるのを防いでくれます。
さて次は、この「漏れ止め」を実際にどうやって作っていくかについて説明していきましょう。
レジンの漏れ止めの作り方
作り方はとても簡単。
ここでは「タミヤの3mm四角棒」を使っていきます。
角棒はシリコン型を製作する「粘土埋め」の段階で、下側と側面に貼り付けておきます。
自身が「ここから漏れそうだな」「漏れてきたら嫌だな」と思うラインに繋げて配置します。
角棒の配置ができたら、そのままシリコーンゴムを流します。これで片側の型ができましたね。
このとき裏面の粘土を剥がしてもうもう片側の型を作っていくわけですが、ここで忘れてはいけないのが「粘土と一緒に漏れ止めの角棒も取り除いておく」という事です。
角棒を取り除くのを忘れてたら漏れ止めの意味が無くなりますね、角棒のところに無駄な四角い穴が出来てしまい逆にレジンが漏れやすい型が出来上がってしまいます。
漏れ止めの角棒を取ったら、反対側にシリコーンを流して2面型を完成させましょう!
このように片側に「凸」もう片方に「凹」が出来ていたら成功です!
実際の「レジンの漏れ止め」の効果について
実際に「漏れ止め」を設けているシリコン型で複製した型を確認してみましょう。
この型には「コの字」の漏れ止めを作っています。
最下部の湯口から漏れたレジンがバリになっているのが分かりますでしょうか?
しかし、漏れ止めを設けている部分からバリは無くなっています。つまり「漏れ止めの位置でレジンが止まってくれた」という事ですね!
作りたてのシリコーン型では歪みは少ないのでレジン漏れは起こりにくいですが、使用を続けて型が歪んできた後半戦で今回の「漏れ止め」は活躍してくれます。
「シリコーンゴム」「レジン」「時間」を無駄にしないためにも、事前の対策をしっかりして安定した複製をしましょう!
まとめ
上手なシリコン型を作るためにはたくさんの知識や経験が必要になってきます。実際に私もシリコン型を使った複製でいろいろな失敗をしてお金と時間を無駄にしている一人です。
しかし「失敗したらダメ」「失敗しそうだから挑戦しない」という考え方はいけません。「失敗したから次はどうすればいいのか?」を考える事で、今回紹介したような小技をあみだすことだってできます。
このブログ以外にも、上手に複製できる「小技」や「複製の失敗例」をネットで公開っている人はたくさんいます。
たくさんの経験を聞き、考え、自分で試し、コツコツと経験を積んでいけば、自然と上手なシリコン型が作れるようになっているはずです!
それでは。
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