こんにちは、柚Pです。
これは数週間前、わたしがELEGOOの『Saturn』という3Dプリンターを買おうと検討していたときの話です。
現在『Saturn』という3Dプリンターには3種類のバリエーションが展開されており、『S』『2』『8k』がありまして。
Saturn Sは他のモデルとの違いが分かりやすいのでいいんです、問題は『Saturn 2』とは別に似たような性能をもつ『Saturn 8k』という機種があったのです。この2つの機種の違いがいまいち理解できず私は長いこと苦しめられました。
そしてこの2機種の違いについて把握できずに迷ってる方、実はわたし以外にも意外と多いのではないでしょうか?
というわけでこの記事では、『Saturn 8k』と『Saturn 2』のどこがどう違うのか!という比較をやっていきたいと思います。選ぶときの参考にしてみてください。
それでは続きからどうぞ。
目次
『Saturn 8k』と『Saturn 2』を比較
この記事では、私がSaturn 8k を購入したのとほぼ同じタイミングでSaturn 2を購入したNORAtomii(@tototomii)さんの機体を借りて比較記事を書いていきます。取材協力ありがとうございました!
基本スペック
- メーカー:ELEGOO
- XY解像度:7680×4320 XY解像度:0.0285mm)
- ビルドプレート:サンドブラスト加工
- Z 軸:デュアルリニアレール
- Z軸精度:0.01mm~0.2mm
ほぼ一緒です。これには買い手も迷うのは当然です。
『Saturn 2』が約8万円、『Saturn 8k』が約7万円、基本スペックがほぼ同じなのに、どこに1万円の価格差があるのか?
実機を並べて比較したら、その理由がはっきり現れました。
それでは詳しく比較していきましょう!
サイズ比較
まずは外寸の比較から。
左が『Saturn 8k』、右『Saturn 2』です。
搭載されている光源などの関係もあり『Saturn 2』のほうが高さ方向に大きいですね。
- Saturn 8k:W280 × D240 × H462.5 (mm)
- Saturn 2:W306 × D273 × H567 (mm)
出力サイズ比較
『Saturn 8k』と『Saturn 2』はともに8K解像度の10インチ液晶なので、出力サイズは同じと思われがちですが・・・
- Saturn 8k:W219 x D123 x H210 (mm)
- Saturn 2:W219 x D123 x H250 (mm)
同じ液晶サイズなのでXY方向の大きさも当然同じなわけですが、高さ(Z軸方向)に違いが出ています。
Saturn 2のほうがZ方向に40mmほど高く、大きな造形が可能になっています。
プラットフォームの比較
続いてプラットフォームの作りを比較してみます。
左が『Saturn 8k』、右が『Saturn 2』です。
ネジの形状や、取り付け金具のボリュームが違いますね。
Saturn 2のほうがボリューミーな作りになっており剛性感があり安心できます。
お互いの取り付け穴のサイズも違うため、互換性はありませんでした。
レジンバットの比較
同じく、左が『Saturn 8k』、右が『Saturn 2』です。
Saturn 2のレジンバットには取手が付いていますね。
レジンバットを裏返してみます。なんだかネジの付き方が違いますね。
Saturn系のレジンバットは、『FEPフィルムを挟む金具のネジ(仮に①と呼ぶ)』と『FEPフィルムを挟んだ金具をバットに固定するネジ(仮に②と呼ぶ)』の2種類あります。
Saturn 2 のネジは、①→①→②→①→①→②・・・と付いているところが、
Saturn 8k のネジは、①→②→①→②→①→②・・・となっています。
さらにネジの数を数えてみるとSaturn 8Kのほうがが多いようです。
たたし「ネジが多い=良い」となるのかは、私もよく分かってないです。
個人的にはFEPフィルムの交換が大変なのでネジはできるだけ少ないほうが好き。
ネジの長さも微妙に違いました。
作りはほとんど同じですが、Saturn 2のほうが若干長いです。
Z軸の作りの比較
▲Saturn 8K
デュアルリニアレールで安定した出力ができそうです。
▲Saturn 2
リニアレールやZネジは同じ物を使ってるっぽいので一緒かと思いましたが、全体的になんだかゴツい印象があります。
▲Saturn 8K
全体で比較したら分かりやすいですね。
▲Saturn 2
ね?なんか太いでしょ?Saturn 2。
やはり$100.00(今だと13277円くらい)の差は大きいですね・・・
Saturn2のほうが全体の作りがしっかりしていて剛性感がありそうなので、負荷の大きい出力もこなせそうです。
UV光源の比較
▲Saturn 8K
『28個のLEDマトリックスUV光源』ということもあり、28個の四角いマスのようなUV光になっています。
▲Saturn 2
対してSaturn 2は『フレネルコリメート光源』という48個の高集積UV LEDライトを1つの大型のレンズで広げるという方式になっています。
この光源方式を採用するにはある程度の高さが必要になるので、Saturn 8kに比べると若干Saturn 2のほうが高さ方向にデカくなってしまったというわけなんですかね。
その代わり『フレネルコリメート光源』は、マトリックスUV光源に比べて安定した面光源を得られるみたいです。
ちなみにUV光源のパワーも、Saturn 2のほうが若干強いらしいです。
電源周りの比較
左が『Saturn 2』、右が『Saturn 8k』です。
Saturn 2 には、ACアダプターのコネクタだけしか付いていません。
Saturn 8kには、ACアダプターのコネクタの他にも、空冷用のファン、電源スイッチ、などが搭載されています。
正直、電源スイッチが背面にあるとすこし不便。
▲Saturn 2
それに比べ、Saturn 2の電源スイッチは正面についています。
親切!ありがたい!デザインもカッコイイ!
▲Saturn 2
ちなみにSaturn 2 の空冷用ファンの吸気口は側面についていました。
システム・ファームウェアの比較
どちらも同じものが入っていました。
- システム:EL3D-3.0.1
- バージョン:V4.5.0_1.1_EL03LCDE1/7680×4320/F32.20
筐体内のUSB端子の電源供給の比較
SaturnシリーズにはUSB駆動の『空気清浄機』が付属しているのですが、その挙動が違ったので紹介しておきます。
- Saturn 8k:出力中のみ稼働
- Saturn 2:プリンターの電源を入れた時点で常時稼働
個人的には常時稼働してくれてるほうが嬉しいですね。
プリンターの電源入れてる時点でバットにレジンを入れるし、寝てる間に出力終了して放置したときでも庫内のレジン臭を消し続けてほしいし。
電源となるACアダプターの比較
完全に一致しました。
USBコネクタ差込口の比較
どちらも右側の奥に配置されていました。
マザーボードの規格的にこの位置にUSBが付けやすいのでしょうか?
正直とても不便。正面に付けてしてほしい。ほんとELEGOOさん頼みますよ、Mars3ではできてたんだから!
まとめ
比較した感想ですが、『Saturn 2』が上位互換で、『Saturn 8k』は廉価版というイメージでした。
ただし、『Saturn 8k』が悪いというわけではありません。実際、私はSaturn 8kを買っていますが、比較で劣っていた『LCDパワーや光のムラ』『筐体の剛性』『レジンバットの規格』など、言うほど気になるような事は無く普通に使えています。
Saturn 8kは後出しで発表されたモデルということもあるので、Saturn 2の経験を生かして設計された廉価版後継機なのでしょうね。
というわけで『Saturn 2』と『Saturn 8k』の比較記事でした。
それでは。