サンドブラスター導入!重曹ブラストで3Dプリンタ出力品の表面処理をしてみた

モデラー

 

こんにちは。柚P(@yzphouse)です。

細かい砂粒を空気の力でぶつけることで対象物の表面処理をするサンドブラスト、最近ではプラモデルや3Dプリンター出力品の表面処理でも使われるところをよく見かけます。

かくいう私も、出力品の表面処理でサンドブラスターを使用している一人です。

というわけで、これからサンドブラスターの導入しようか検討している方に向けた使用感のレビューなどをしてみようとおもいます!

サンドブラストに必要な道具の紹介

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サンドブラストをするためには「ブラストキャビネット」という箱が必要です。

たまにブラストキャビネットを自作している方を見かけますが、自作する手間や材料費を考えると普通に買ったほうが安い気がしたので私は普通に市販品を買って使ってます。

ブラストキャビネットを自作するためには、外箱、フィルター、ゴム手袋、ブラストガン、エアホース、エアカプラーなどが必要になってきます。すべて揃えるとなると10000円に近い金額になりそうですね。詳しくは「ブラストキャビネット 自作」で検索!

ちなみに私が購入したブラストキャビネットは型落ち商品だったのか、新品で12000円ほどの格安で手に入れることができました。

このブラストキャビネットは模型用途としては少し大きすぎですが、探せばもっと小型なものもあるようです。イリイの軽量サンドブラスト TR-313SBとかもよさそう。

コンプレッサー

ブラストキャビネットだけではサンドブラストできません。サンドブラスターに空気を送る「コンプレッサー」が必要です。

模型用コンプレッサーではパワー不足ですので、強力なものを用意しておきます。

ちなみに私が使用しているコンプレッサーも力不足感がありますが、ギリギリ使える性能です。

  • 吐出空気量:45/49L/min
  • タンク容量:6L

参考までに性能を書いておきますが、このコンプレッサーの性能では力不足です。

ちゃんと使いたいなら最低でも吐出空気量は70L程度、タンク容量もこれの2倍くらいはほしいですね。

▲個人的には、これくらいの性能のコンプレッサーが丁度いいと思います。私もこれほしい。

  • 吐出空気量:70L/min
  • タンク容量:17L

▲ここまでいけばストレスフリーで作業できそうです。最強です。

  • 吐出空気量:162L/min
  • タンク容量:17L

サンドブラスターの組み立て

SB-07は組み立て済みの状態で届くので、組み立てが必要な箇所はフィルターとブラストガンのみとなります。

付属パーツはこれだけ。

シールテープも入っているので、コンプレッサーと砂さえあればすぐに作業できそうです。

ノズルは数種類入っていたので、一番細い4mmのノズルを装着してみました。

ブラストガンを説明書通りに組み付けていきます。

カプラーを締め付ける工具が必要なので、モンキーレンチなんかを用意しておくといいですね。

気休め程度の小さなフィルターを取り付けます。

底面の金網を敷いたら完成です。(私は金網は邪魔だったので捨てました)

メディアの投入

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ブラストキャビネットにメディアを入れます。

本来のサンドブラストなら、ガラスビーズやアルミナなどが使われますが、今回は模型の表面処理用途で使用するため「重曹」をメディアとして投入します。

吸上式のブラストキャビネットなので、底面に重曹を投入します。

このくらいの大きさですと、メディアは4kgくらい必要ですかね。

重曹をメディアとして使用するメリットは

  • 安い
  • お湯で溶ける
  • 切削力が弱い

などがあげられます。

通常の使用するようなアルミナの粉でサンドブラストをすると、対象物表面にメディアが食いついてしまいパーツの清掃に時間がかかってしまいます。

しかし、重曹の性質を利用すれば、パーツをお湯に浸けとくだけでメディアの除去が容易に行えます。

また重曹なら切削力も弱いため、プラスチック樹脂を削りすぎるという心配もありません。表面処理や塗装などのデリケートな作業が必要な模型のパーツにはぴったりですね。

ブラストキャビネットを少し改良

ブラストキャビネットで使っていく中で気になった箇所がいくつかあったので改良してみました。

ブラストガンから水を吹く問題

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サンドブラストの作業では、高圧力の空気を使いまくるので、コンプレッサーのエアーホース内に水がたまります。

ホース内に溜まった水は、ブラストガン内部の重曹を固めてしまうので、ノズルの詰まりの原因にもなります。

というわけで、水抜き用のエアーフィルターを買ってきました。

組み立てました。

この状態だとオス側のカブラーしかついておらず使いにくいので、メス側のカブラーも別途用意しておくといいですね。

エアーフィルターはサンドブラスターとホースの中間に接続して使用します。

手袋ゴツすぎ問題

ブラストキャビネットの手袋は、ガラスビーズやアルミナの粉を吹き付けるためかなり頑丈なものが取り付けられてます。

絶対に破れないぞ!という強い意志を感じる頼もしいゴム手袋ではありますが、これでは小さいパーツをつまむような精密な作業には向いていません。

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というわけでホームセンターで薄手のゴム手袋を購入してきました。

既存のゴム手袋は金具で止まっているだけなので、プラスドライバーを使えば簡単に取り外すことができます。

別途購入してきた薄手のゴム手袋を少しだけ加工して取り付けます。少しキツいですが無事に装着できました。

これで作業性が格段に上がりました。

気になる耐久性ですが、何時間か連続で使用しても重曹のサンドブラスト程度では破れそうになかったです。もし破れたとしても500円程度で新品を購入出来るので安心。

3Dプリンター出力品に重曹ブラスト

準備が長くなりましたが、早速重曹を使ったサンドブラストをしてみます。


▲sonic mini 4K で出力

Z軸0.05mm XY解像度0.035mm のプリンターを使った出力品を用意しました。

そもそもの解像度が高いのでぱっとみどちらが重曹ブラストしたものかわかりませんね。ズームしてみましょう。


▲重曹ブラスト前

出力品の表面状態がわかりやすいようサーフェイサーを塗装しています。

全体的に綺麗ですが、所々に線のような積層痕が確認できますね。


▲重曹ブラスト後

出力品の表面は重曹で削られ完全なつや消しになっています。重曹ブラスト前に比べると積層痕も目立たなくなってますね。

さらに詳しく表面を確認してみる


▲重曹ブラスト前

写真をズームすると肉眼では見えなかった小さな積層痕が確認できます。


▲重曹ブラスト後

重曹ブラストしたあとの出力品の表面では、肉眼で確認できなかった小さな積層痕が綺麗に無くなっています。

しかし、写真右下にある肉眼で確認できる大きな積層痕は消しきれていないようです。また、細かいモールドのエッジも少しだけ丸まっていまいました。

まとめ

結果だけでいうと重曹ブラストでの積層痕の処理は可能です。

しかしこれは肉眼で見えないレベルの積層痕の話です。メディアの粒の大きさに適した小さな積層痕しか消すことができませんでした。

「じゃあ重曹では大きな積層痕は削れないのか」と言われると、これもまた違います。細かい重曹の粒をパーツにぶつけているので、積層痕の形状を維持したまま全体の表面を軽く削ってくれています。

メディアの粒の大きさや種類を変更すれば大きな積層痕を消す事も可能だとは思いますが、その分切削力も上がり細かいモールドを破壊してしまう可能性もでてくるのでバランスが難しいところですね。

ちなみに積層痕消し以外でも、業者出力品でおなじみ「アクリル樹脂」の表面処理でも重曹ブラストは活躍してくれます。

インクジェット方式で印刷されたアクリル樹脂のサポート面ってかなりガビガビでベトベトなので、サンドペーパーを使った表面処理がとても大変なんですよね・・・。

そういう出力品の表面を楽にひと皮剥いてあげられるのもサンドブラストのいいところです。

個人的にはメーカーのテスト出力品の磨き案件なんかを担当している方にこそ重曹ブラスト導入を勧めたいです。重曹ブラストでアクリル樹脂のガビガビとおさらばしませんか?

というわけで重曹ブラスト紹介でした。

それでは。