こんにちは。柚P(@yzphouse)です。
ラッカー系塗料の濃度を調整するには、ラッカー塗料専用のうすめ液を使う必要があります。
そんな「うすめ液」にも、乾燥の早いもの、リターダー入りにもの、低臭タイプ、メタリック用、と様々な種類がでています。
使う塗料の種類や使用感などに合わせて上手に使いこなしましょう。
目次
ラッカー塗料用うすめ液
主に「筆塗り塗装」や「エアブラシで吹き付ける時の濃度調整」、「筆やエアブラシなどのツールの洗浄」として使われます。
クレオス Mr.うすめ液
- 値段 800 円
- 内容量 400 ml
クレオスから販売されている「Mr.うすめ液」です。いちばんポピュラーなラッカー系薄め液ですね。
専用と書いてありますが、ガイアノーツ、フィニッシャーズ、などのラッカー塗料全般を薄めることもできます。
樹脂を侵す力が弱いので、他のうすめ液に比べるとプラモデルに優しいです。
浸食性が弱い特性を利用して「ABS樹脂への塗装」や「塗装が失敗したときのドボン」などで使う事もできます。
また、人体に対して毒性の強い有機溶剤があまり使われていないらしいので、比較的安全な薄め液と言えるのではないでしょうか。
T-01 ガイアカラー薄め液
- 値段 1400 円
- 内容量 1000 ml
ガイアノーツから販売されている「ガイアカラー薄め液」です。量あたりの値段が安いのが良いですね。ちなみに私が愛用している薄め液もこれです。
こちらもMr.カラー、フィニッシャーズ、等のラッカー塗料にも使えます。
少しだけ溶剤の力は強めです。プラスチックの表面も少し溶かしてしまうので「塗料落とし」の用途にはできるだけ使わないようにしましょう。
フィニッシャーズ ピュアシンナー
- 値段 700 円程度
- 内容量 250 ml
フィニッシャーズが販売しているフィニッシャーズ専用のうすめ液「ピュアシンナー」です。
他メーカーのうすめ液より乾燥時間が早く、溶剤分が強いのが特徴です。
シンナー自体の値段は高いですが、薄め液としての性能が良いので、こだわりの強いモデラーが愛用しているイメージです。
タミヤ ラッカー溶剤
- 値段 700 円程度
- 内容量 250 ml
タミヤから販売されている「タミヤ ラッカー溶剤」です。
ラッカー系塗料全般の希釈に使えますが、特にタミヤカラーとの相性が良いですね。
クレオスの薄め液と同じように、プラスチックに対しての攻撃性が弱いため、はみ出た塗料の拭き取りなんかにも使いやすいです。
FOK アクセルS35シンナー 3kg
- 値段 2350 円
- 内容量 3 Kg(約3000ml)
藤倉応用化工株式会社(FOK)で販売されている「アクセルS35シンナー」です。
2350円で3Kgも入っています。
噂では、アクセルS35シンナーの中身はフィニッシャーズのピュアシンナーと同じものとも言われていますね。メーカーから公式に言われている情報ではないのですが、フィニッシャーズ自体他メーカーのOEMが多い(ポリパテやラッカーパテ等)ので可能性としては高いのではないでしょうか。
私も一時期はこのシンナーを愛用していました。全て使い切るまでに3年くらい掛かりましたが・・・。内容量、値段、どれをとってもここで紹介するシンナーの中で一番コストパフォマンスが高いです。
ただし、このアクセルS35シンナーは、藤倉応用化工の公式HPのみでの販売となっています。
クアトロポルテ ティーポマルチシンナー
- 値段 2200 円
- 内容量 1000ml
奈良県奈良市に店舗をかまえる、オートモデル中心のセレクトショップ「クアトロポルテ」が販売しているうすめ液「ティーポ マルチシンナー」です。
オートモデル中心のショップなだけあって、車のボディなどの塗装で使いやすいようなセッティングのうすめ液だと感じます。
すこしトロっとした薄め液でレベリング効果も高く、塗料が乾燥した跡にペーパーやコンパウンドで磨き出しをしなくても、塗りっぱなしでかなりの光沢感が作れます。
ただし、私のような「ガンプラなどのメカを中心を作っているモデラー」には、いまいち不必要な性能か?とも感じます。
希釈した塗料がトロっとしてるので「グラデーション塗装」は通常の薄め液と比べると少しだけ難しかったりします。
このシンナーは塗料の光沢感を生かしたい塗装をするときに有効ですので、カーモデルやバイクモデルなどの「塗装面の光沢を最大限活かしたい作品」で力を発揮してくれるでしょう。
購入に関してですが、Amazonや楽天では売られていませんので、ヨドバシやジョーシン、Gパーツなどで入手することができます。
うすめ液 リターダー入り
通常のラッカー塗料うすめ液に、乾燥遅延添加剤(リターダー)が入れてあるタイプのうすめ液です。
リターダーが入ることによって、”筆ムラ”を抑えれたり、エアブラシ塗装時も乾燥後の光沢が増したり、湿気が多い日で起こりがちな”かぶり減少”を抑えるといった効果が期待できます。
リターダーが入ることによって、塗料自体の乾燥時間は長くなるので作業効率は悪くなります。
クレオス Mr.レベリングうすめ液
- 値段 900 円
- 内容量 400 ml
クレオスが販売しているリターダー入り薄め液の「Mr.レベリングうすめ液」です。
使用感はクレオスの普通のうすめ液とあまり変わりません。リターダーが入っているので乾燥時間は遅くなっているものの、全然乾燥してくれないという事も無く、丁度いい具合で調整されています。
パッケージには、”エアブラシ専用のうすめ液”と記載されていますが、筆塗りで使う塗料の希釈でも普通に使えます。というか、うすめ液に、エアブラシ専用、筆塗り専用、なんてものはありませんので好きに使いましょう。
T-06 ブラシマスター
- 値段 1500 円
- 内容量 1000 ml
ガイアカラーが販売しているリターダー入りうすめ液の「T-06ブラシマスター」です。
クレオスのレベリングうすめ液とほとんど同じような性能ですが、ガイアカラーのうすめ液をベースにしているので、少しだけ溶解力が強いです。
クレオスとガイアのうすめ液でどちらを買おうか迷っている方は、値段、とシンナー自体の匂いの好みで決めてみてはどうでしょうか?
ガイアの方が値段が安くコストパフォマンスは高いです。クレオスの方は、値段が高い分、どこの模型店でも手に入りやすく、シンナーの匂いもコチラのほうが好みという人も多いようです。
T-07 モデレイト溶剤
- 値段 1600 円
- 内容量 1000 ml
先程紹介した「T-06ブラシマスター」に、香料を添加して匂いを抑えたモデルです。
塗装作業で臭いが気になる方、家族と同居していて臭いで迷惑をかけたくない方なんかにオススメです。
ただし、臭いが少ないからといって身体にも優しい、というわけでは無いのでモデレイト溶剤を使う時も部屋の換気はしっかりと行いましょう。
うすめ液 特殊タイプ
通常のうすめ液やリターダー入り薄め液とは別に、モデラー目線で改良された、「特殊なラッカー塗料うすめ液」があります。
パーツへの定着力を強めたもの、乾燥時間を大幅に早くしたもの、メタリック塗料に特化したものなどが販売されています。
ここで紹介するうすめ液は、一部のシチュエーションに特化した物なので、あると便利なうすめ液と言えます。
クレオス Mr.ラピッドうすめ液
- 値段 800 円
- 内容量 400 ml
クレオスが販売しいる「Mr.ラピッドうすめ液」です。
名前の通り、揮発性の高いうすめ液になるように成分が調整してあるので、塗料の乾燥時間を大幅に短くすることができます。
乾燥時間が早いので、隠蔽力の弱いカラーでの使用で高い効果を発揮してくれます。例えば、イエロー系、レッド系、クリアカラー系、といった隠蔽力の弱い塗料は、エアブラシ塗装でも何度か塗り重ねないと綺麗に発色してくれません。
そういう場合にMr.ラピッドうすめ液を使用すれば、短時間に塗料が乾燥してくれるので作業効率のアップに繋がり無駄な塗料の消費も少なくなります。
逆に、元々の乾燥時間の早いつや消し塗料(マットブラック、ジャーマングレーなど)などの希釈にはあまり適していません。溶剤の揮発が早すぎて塗装面が白けたり、表面がボソボソになったりする原因になります。
NP003 プロユースシンナー
ガイアノーツ モデラーズプロデュース NAZCAシリーズ プロユースシンナー 特大 1000ml 模型用塗料 NP 003h
- 値段 1800 円
- 内容量 1000 ml
ガイアノーツが販売している、「NP003プロユースシンナー」です。
”NAZCA”という、プロモデラーに向けたラインナップをしているブランドの商品の一つですね。
このプロユースシンナーは、通常のシンナーより揮発性が高くしてあり、乾燥時間も短くなっています。
さらに、強い溶剤が使用されていて、プラスチックへの食いつきも強化されています。
T-09 メタリックマスター
- 値段 1200 円
- 内容量 500 ml
ガイアノーツから販売されている「T-09メタリックマスター」です。メタリックカラー専用の薄め液ですね。
詳しい成分についてはわかりませんが、メタリックやパール塗料に含有されている金属粒子を細かく分解してくれる能力があるみたいです。
メタリックマスターを使用した塗料の違いは、見た目でもはっきり分かるくらい顕著に現れるので、使ってみるとけっこう面白いですよ。
ラッカー塗料 ツールクリーナー
ラッカー塗料が付着したツールは水で洗うことは出来ないので、ラッカー用のうすめ液で洗浄する必要があります。そんなラッカー塗料の洗浄に特化した溶剤に「ツールクリーナー」というものがあります。
ツールクリーナーは、非常に強い溶剤なので塗料の希釈には使えませんが、ガチガチに固まった塗料でも強力に落としてくれる溶解能力を持っているので、道具の洗浄では非常に活躍してくれます。
強い溶剤が使われているので、揮発性が非常に高く、臭いもキツイものが多いので取扱には注意しましょう。
クレオス Mr.ツールクリーナー改
- 値段 800 円
- 内容量 400 ml
クレオスが販売している「Mr.ツールクリーナー改」です。
強い溶剤で、固まった塗料を強力に溶解してくれます。
塗装が終わったエアブラシや、塗料皿の洗浄で使用しましょう。
ただし、ゴムやプラスチックを侵す力も強いので、エアブラシの洗浄に使うときは短時間で済ませるようにしましょう。
T-04 ツールウォッシュ
- 値段 1500 円
- 内容量 1000 ml
ガイアノーツが販売している「T-04ツールウォッシュ」です。
基本的にはクレオスのツールクリーナーとほとんど一緒です。こっちのほうが容量に対して値段が安いので、私はこちらを愛用しています。
臭いは、クレオスのツールクリーナーのものとは少し違いますね。こっちのほうが若干マイルドかも?
そしてこちらも同様にプラスチック、ゴムを侵す力が強いので注意して取り扱いましょう。
クアトロポルテ ティーポウォッシュ シンナー
- 値段 1700円
- 内容量 1000 ml
うすめ液の方でも紹介した「クアトロポルテ」が販売している「ティーポウォッシュ シンナー」です。
通常のツールクリーナーで使用されている低品質な洗浄用シンナーよりも、高品質なシンナーを使うことによって洗浄力をあげているようです。
洗浄力が上がることで、一回に使用するツールクリーナの量も減らせるとのこと。
実際に私も使用してみてところ、クレオスやガイアのツールクリーナよりも、もう「ワンランク洗浄力が高い」と感じられました。
溶媒液
溶媒液は、ラッカー塗料を完全に乾燥させてしてしまった時に使用する薄め液です。
完全に乾燥してしまった塗料は、通常のシンナーやツールクリーナーでは再利用できるような状態に戻す事ができませんので注意しましょう。
クレオス Mr.カラー専用 真溶媒液
- 値段 600 円
- 内容量 250 ml
瓶の中で完全に固まってしまった塗料を復活させられる、うすめ液「新溶媒液」です。
中でカリカリに固まった塗料瓶を復活させる用途ではもちろん、粘度が濃くなってしまった塗料の希釈にも使えます。
「新溶媒液」には、通常のラッカー系うすめ液には無い成分が入っているため、完全に固まってしまった塗料を通常の塗料のように復活させることができます。
こちらも強い溶剤なのでプラスチックやゴムを侵します。溶媒液がパーツに着くとパーツ表面を溶かしてしまうので注意して取り扱いましょう。
まとめ
ラッカー塗料の希釈、道具の洗浄は、通常のうすめ液だけですべての事が行えます。
しかし、乾燥時間、塗料の食いつき、道具の洗浄に特化したものなどを上手に使いこなすことで、作業性の向上や、ワンランク上の仕上がりを目指すことができます。
また「もっと乾くのが早ければ」「筆ムラを抑えたい」など、今まで不満に思っていたところを解消してくれるかもしれません。
是非この記事を参考に、いろいろなうすめ液を使用して、新しい発見をしてみてください。
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