こんにちは。柚P(@yzphouse)です。
みなさんは、プラモデルの撮影でピントを全体に合わせることができずに「ぼやっ」とした写真になってしまったという経験はありませんか?
カメラやレンズの性能にもよりますが、F値をMAXまで上げてもピントを合わせられる深さには限界があります。
この記事では、そんなカメラの限界を突破する小技を紹介したいとおもいます。
それでは続きからどうぞ。
目次
複数写真を合成する「焦点合成」の技術

本来、一台のカメラが合わせられるピントは1箇所しか無いのですが、写真編集ソフトを使えば、違う位置でピントを合わせた複数の写真を合成することができます。
これを「焦点合成」と呼びます。
焦点合成をつかえば、F値を低く設定したカメラでも被写体全体にピントが合ってるという不思議な写真を作ることができます。
一般的なカメラでは撮れない写真が出来上がるので、見る人によっては違和感をおぼえるかもしれません。
ちなみに、Photoshopを使わなくても、カメラ自体に「焦点合成」の機能が搭載されたモデルもあるようです。パナソニックとかオリンパスが出してるらしいので気になる方は調べてみてください。
焦点合成をしてみよう
それでは焦点合成をしてみましょう。

まずは焦点合成をするための素材となる写真を撮影します。
カメラを三脚でしっかり固定し、ピントの位置を少しずつずらながら写真を何枚か撮影します。

▲□がピントを合わせた位置
今回使用する写真はF5.6で撮影していますが、何パターンか試した結果、F8くらいで撮影した写真を使ったほうが合成処理が安定するような気がしました。
撮影した写真がRAWデータの場合は、扱いやすいようにjpeg形式に現像しておきましょう。
現像については【現像ソフトCapture NX-Dを使ってプラモデルの写真を綺麗に編集してみよう!】の記事で紹介しています。
Photoshopを起動

それではPhotoshopを起動して、先程撮影した写真を展開します。
合成する複数の写真をレイヤーとして読み込みたいので【ファイル→スクリプト→ファイルをレイヤーとして読み込み】を選択
レイアーを読み込み時に【ソース画像を自動で配列する】も選択しておきましょう。写真の位置を自動で調整してくれます。

レイヤーに写真が読み込まれてたらOK
次は読み込んだ写真を合成していきます。レイヤーの画像をすべて選択してやりましょう。

一番上のレイヤーをクリックしたら色が変わりますので、その状態のまま【Shiftキー】を押しながら一番下のレイヤーをクリックします。
上から下までの画像すべてが選択されました。
レイヤーの自動合成

レイヤーの選択ができたらレイヤーの自動合成を選択しましょう。
【編集→レイヤーを自動合成】をクリックします。

【画像をスタック】を選択してOKをクリックしたら合成が始まります。

合成には少しだけ時間がかかります。
焦点合成が終わったら、各写真のレイヤーにマスクが追加されるのが確認できると思います。
各写真のピントが合ってない部分に自動でマスクをかけてくれてます。賢いですね。

合成が終わりました。これで被写体全体にピントが合っている状態の写真が仕上がります。
最後に細かい箇所の仕上げをしましょう。

写真の自動整列をしたときに発生した余白(透明部分)は必要ないので、トリミングしておきます。
左側にある【切り取りツール】を使って必要な大きさにカットします。
いっしょに解像度も変更しておきたいという場合は【イメージ→画像解像度】から変更することができます。

切り取りができたら保存します。
予備としてpsd形式とjpeg形式の両方のデータを保存しておきます。
完成

焦点合成してない写真と、焦点合成した写真を並べてみたら一目瞭然です。
作品全体にピントを合わせにくい長さのある模型なんかで使える技ですので、興味があれば是非挑戦してみてください。
合成が上手くできてない場合は?

▲フロントタイヤの境目が不自然にボケている
高精度な合成とはいえ、機械が自動でやってることなので失敗している箇所もあります。
こういうところは、手作業で一つづつ修正していくしかないです。各レイヤーに追加されたマスクの範囲を調整しましょう。
あえて焦点合成しない?

焦点合成の話を書くために使ったこちらのカーモデルですが、ぶっちゃけた話このくらいの大きさならF20くらいまでレンズを絞れば、ボディ全体にピントを近くまで合わせることが出来ます。
ただし、絞り値を高くしすぎると「回析現象」という画質の劣化も起こったりもするのでほどほどに。
Photoshop以外で焦点合成をする方法は?
他にもいくつか焦点合成のできるソフトはあるようですが、有料ソフトである場合が多いです。Photoshopも有料ソフトです。
以前は「CombineZM」というフリーソフトもあったようですが、現在はDLページにアクセスできないので使えないみたいです。
一部有料ソフトは数ヶ月の試用期間があるので、その期間中で焦点合成にチャレンジしてみてもいいかもしれません。
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