こんにちは。柚P(@yzphouse)です。
SNSやweb・雑誌のコンテストなどで必要になってくるプラモデル撮影の技術。
そんな綺麗に撮影されたプラモデルの写真は色々なところで見ることができますが、実際にどのような環境で撮影されているかまでは意外と知らないものです。
というわけでこの記事では、私が使用している撮影ブースや撮影機材を例にして、「ガンプラ・プラモデルの完成写真の撮り方」について詳しく解説していこうかとおもいます。
目次
使用する道具について
ガンプラ・プラモデルを綺麗に撮影するためには、いくつかの道具が必要です。
背景紙
まずは、完成品を撮影するための撮影ブースを準備しましょう。
使用する背景には、「紙」「布」「PVC製背景」などが使えます。私は紙やPVC製の背景紙をよく使っています。
そのほかにも、
- 独特な模様が特徴の、レザック紙やアトモス紙や和紙
- 美少女フィギュアなどの可愛さを引き立てるハートや星のようなカラフルなプリントペーパー
- 高級感を醸し出す大理石調のプリントーペーパー
- 光沢感がおしゃれなサテン生地
といった色々な用紙が背景として使えますので、作品に合うものを探してみてください。
三脚
カメラの手ブレを抑えるための三脚も用意しておきましょう。
ISOを下げたり、F値を絞ったり、露出を上げたりするとシャッター速度は非常に遅くなり「手ブレ」が起きやすくなります。
はじめは安いもので十分です。2000円程度で購入できるので持ってない方は必ず購入しておきましょう。
カメラ本体
SONY(ソニー) APS-C ミラーレス一眼カメラ α6400 パワーズームレンズキット(同梱レンズ:SELP1650) ブラック...
最後にカメラですね。これが無いと始まりません。
使用するカメラは、大型の一眼カメラでもコンパクトカメラでもスマホでも写真が撮れればなんでもいいです。
SONY(ソニー) マクロ フルサイズ FE 50mm F2.8 Macro デジタル一眼カメラα[Eマウント]用 純正レンズ SEL50M28
レンズが交換できるタイプのカメラをお持ちなら、焦点距離が50mm程度の「マクロレンズ」という種類の単焦点レンズがあると便利です。
マクロレンズは接写も可能なので、完成品写真の撮影以外の物撮りでも使いやすくオススメです。
環境を整えよう
道具が揃ったら、次は写真を撮れる環境を準備しましょう。
自然光を使用する
まずは、一番手軽な方法から紹介します。
光源になる専用のライトを持っていないという場合は、窓から入ってくる自然光を利用してみましょう。
身近な光源でもあり、導入コストが0円という手軽さもあります。

ガンプラ撮影の技術!「自然光」を使って数倍カッコよく魅せる撮影テクニックとは?
自然光を使った撮影は、ジオラマなどのリアル系の模型で映えますね。自然の影が落ちてくれるので「サイズ感をごまかせる」効果もあります。
太陽光を使うメリット
- 演色性の高い光なので、色鮮やかな写真が撮れる
- 強い光なので撮影難易度が低い
- 窓全体の”面”で光っている光源なので安定している
デメリット
- 光源の位置が調整できない
- 太陽が出ていないと使えない
- 雲の動きによって光の強弱が変わったりする
- 部屋の間取りによっては太陽光が入ってこない
などがあります。
撮影用ライトを使用する
機材に投資出来るのならば、「撮影用ソフトボックス」を使うのもおすすめです。
もちろん「デスク用のスタンドライト」や、「クリップライト」でも問題なく使えます。
▲プラモデル撮影でよく使用されている簡易撮影用ライトの「フォトラ」。
雑誌等で活躍している有名プロモデラーにも多数の愛用者がいるみたいです。折りたたみ式の”レフ板”も付いていてちょっとした物撮りから本格的な撮影まで幅広くこなせるライト。
▲ホームセンターなどで購入できるようなクリップライトでも撮影の光源としては十分に使えるでしょう。
NEEWER 2パック LEDビデオライトとスタンドキット リモコン付き 18インチLEDパネルライト 撮影用ライト 45W...
▲本格的なカメラマンが使用している撮影用ライト。中華製なら数万円程度の値段で購入することができます。
プロ用になると数十万しますが、趣味ユースなので有名中華メーカーのものでも十分でしょう。
ソフトボックスやLEDパネルライトの使用レビューについては、別記事で詳しく解説しているので興味があればご覧ください。


カメラの細かい設定について
本格的な一眼カメラを使って写真を撮る方は、撮影の基礎知識を理解しておく必要があります。
- 絞り(F値)
- シャッター速度
- ISO感度
- 露出
- ホワイトバランス(WB)
- セルフタイマー
これらのワードががよくわからない方は、別の記事で詳しく解説していますので参考にしてみてください。

プラモデルの写真を撮ってみよう
ここまでの機材を揃えて、カメラの設定を調整できるようになれば、あとは写真を撮るだけです。
撮影ブースの準備
それでは撮影ブースを準備していきます。
ここで使用するのは、木材で出来た折りたたみ式の机です。ホームセンターで2000円くらいで売られてます。
これらを組み立てて、900×900mmの机を用意します。
背景紙を固定する用の金網を設置します。
▲背景紙を固定するだけなので、このようなPOPスタンドを使ってもいいですね。
背景紙をL字に配置します。
背景紙のフチは浮き上がらないよう、クリップか養生テープで固定しておきましょう。
ライティングについて
ライティングについてですが、私は「3点照明」というセッティングを使うことが多いです。
- 被写体をメインで照らすライト(キーライト)
- キーライトでできる影を落ち着かせるライト(フィルライト)
- 背景だけを照らすライト(バックライト)
の3箇所に設置しています。
細かい位置は撮影する物に合わせて微調整したりもします。
背景だけを照らすバックライトは、特に「白背景」を使った撮影で有効な手段です。
作品を照らしてる光よりも強い光を背景に当ててやると、写真を現像したときに背景の白さがより強くなります。
やりすぎてしまうと逆光みたいになって変な感じになるので上手く調整しながら撮影しましょう。
撮影時は、撮影用ライト以外の照明は消しておきましょう。
室内照明を消しておけば、撮影中に余計な光の邪魔が入らなくなり、撮影ライトの調整もしやすくなります。
プラモデルの配置について
撮影ブースの奥行きの広さにもよると思いますが、基本的には、立ち上がっている背景からできるだけ離した位置に置くようにします。
こうすることで、背景の圧迫感が無くなり、奥行き感のある写真を撮ることができます。
カメラを同じ位置に固定したまま、作品の向きだけを変えて撮影をします。
「正面」「側面」「背面」「斜め」などの色々な角度から写真を撮ってみましょう。
他にも、注目してほしいポイントを接写したり、上から撮影してみたり、アオリ気味で撮影してみたりしてカッコいいと思える角度を探してみましょう。
撮影中に背景の色が合わないと感じたら、思い切って別の色の背景紙にしてみるというのも手ですね。
黒背景を使えば、カッコいい・クールといった「かっちり」とした印象を強めることも出来ます。
無難に使える背景色として「白」「黒」「グレー」の3種類を用意しておけば安心ですね、作品のカラーに合わせて臨機応変に対応していきましょう。
カメラ設定や位置やズーム距離について
プラモデルを撮影するときは「絞り優先モード」を使うのが簡単でおすすめです。
この写真だと、絞り(F値)はF10くらいです。
ガンプラなどのキャラクターモデルを撮る時は、カメラの高さを「被写体のと同じくらいの高さ」にしてやると良い感じになります。
ただし、この高さだけが正解という訳ではないので、色んな角度で撮影してみて「自分がいちばん良いと思える角度・高さの写真」を見つけてみてください。
アクリル板の反射で作品の高級感アップ
背景紙の上に光沢のアクリル板を置くことで、反射を生かした高級感のある写真を撮ることも出来ます。
被写体が床に反射することで、普通の背景紙で撮影するものよりも高級感のある写真になります。
カーモデル・バイクモデルなどの撮影におすすめですね。
どのくらいの枚数撮影すればいいの?
私の場合、1作品の撮影だけ50枚~100枚ほどあったりします。
その中から写りの良い写真だけをピックアップしていき、10~20枚の良い写真だけを残していきます。
ちなみに、プロのカメラマンさんに聞いた話だと、仕事で使う必要な枚数と構図をあらかじめ決めておいて、その数ピッタリの枚数を撮影するんだとか。
そのほうが、写真を選んだりする時間や手間が少なくなるので仕事も早くなる・・・らしいです。私には真似できません。
写真をPCやスマホに取り込んで「現像」してみよう
撮影した写真をそのまま使ってもいいのですが、一眼カメラで撮影したデータなら「現像ソフト」を使ってパソコンやタブレットで微調整を入れてあげると、より良い写真に仕上げることができます。
※PCやタブレットでの現像作業では、”RAW”の写真データで扱うことを推奨しています。RAWデータでは、jpegでは出来ない細かな微調整も可能です。

現像ソフトCapture NX-Dを使ってプラモデルの写真を綺麗に編集してみよう!
「Capture NX-D」はニコンのカメラで使える現像ソフトです。他にはAdobeのLightroomなんかも有名ですね。
各カメラに付属している専用ソフトがあるので、取扱説明書やメーカーHPで調べてみましょう。
現像ソフトでは、撮影した写真を細かく調整することができます。
- 明るさ調整
- ホワイトバランス補正
- 色味調整
- リサイズ
- トリミング
- 傾き調整
他にも色々な便利な機能があります。
調整が終わったら、写真をjpeg形式に出力してみましょう。このとき画像サイズも指定できるので、自分が必要な解像度を指定しておきます。
「開始」のボタンを押すとjpeg形式に変換が始まり、指定した保存先に画像が出力されます。これで現像作業は完了です。
現像ソフトはかなり便利なツールなので是非使ってみてください。
奥行きのある作品を綺麗に撮影する方法
奥行きがある被写体の全体にピントを合わせたい場合は、画像編集ソフトを使った「ピント合成」をしてみましょう。

プラモデルの写真のピントが合わない問題を解決!Photoshopを使ったピント合成技術
この記事では、Adobe社の有料ソフト「Photoshop」を使用してピント合成のやり方を解説しています。
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