こんにちは。柚P(@yzphouse)です。
この記事では「パーツの分割」について紹介していきます。
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目次
なぜパーツを分割するのか
パーツを分割する意味は色々とあるとは思いますが、理由の1つに「フィギュアの製作を進めていくうえで分割しないと製作が困難なパーツが出てくるから」があります。
例えば「顔パーツ」と「前髪のパーツ」ですね、顔と前髪を作り込んでいくにはパーツを分割したほうが作業が進めやすくなります。
その他にも「フィギュアを複製するために必要な分割」もあります。
フィギュアをレジンで複製してガレージキットのような状態にするためにはシリコン型を製作して複製するわけですが、そのとき原型となるパーツを無理なく複製できるような形状にしておく必要があるわけです。
実際にパーツを分割してみよう
早速パーツを分割してみましょう。
上の写真はナイフでぶった切って2分割してやった腰と足のパーツです。
しかしこの状態では2分割したパーツ同士を元の位置に戻すことは難しいですよね。ですので、プラモデルで言うところの「ダボ」を作って分割したパーツ同士がはめ合わせられるようにしてやりましょう。
オスのダボを製作する
ダボの製作に必要なものはこちら。レジンブロックを削り出して製作した「角材」です。
プラ素材でダボを作ることは可能ではありますが、次の工程で使用するポリパテの溶剤分で表面が溶けたりエポパテの食いつきが良すぎてパーツ同士が剥離できなくなったりするので個人的にはオススメしません。
ですのでオス側のダボとして使う素材は「レジン製のブロック」や「金属製の角棒」などを使うのが良いでしょう。
まずはダボを取り付けたい位置にパーツを合わせてペンで印を付けます。
印の外周をナイフで切り込みを入れて、
平の彫刻刀でダボを設置する面を平らに整えてやります。
平面に整えた面にダボとなる角材を接着してやります。接着には瞬間接着剤を使っています。
はみ出た接着剤は削って綺麗に処理してやりましょう。
これでオス側のダボは完成です。
メス側のダボを製作する
続いてダボが差し込まれる側の穴を作っていきます。
反対側のパーツに先程製作したオスダボが入るくらいの大きな穴を開けておきます。
これくらい大きい穴ができれば大丈夫そうですね。
続いてオス側のダボにワセリンを塗っておきます。
受け側には隙間埋め用の「パテ」を埋め込んでいきます。ここでは柔らかめのエポパテを選んで使いましょう。
エポパテは保温庫やドライヤーなどで事前に温めておくと粘度が下がり柔らかくすることができます。
最後は2つのパーツをムニュッと合わせて、受け側のパテをダボの形状に馴染ませます。
この状態を維持したままパテが硬化するまで待ちます。硬化後ははみ出たパテを整形したら分割作業は完了です。
軽くサーフェイサーを塗装して表面に粗がなければ完成です。これが「角ダボ」を使った分割方法です。
【応用編】パーツの位置を狂わせない分割方法
今度は足の片側を分割してやります。
形状やパーツの位置関係をを大きく変えずに分割面を作りたいですね。
まず分割するパーツに1mmのドリルで穴を開けてやります。
この穴を使ってパーツを分割したあとでも金属線でパーツ同士を固定できるようにするわけです。
穴を開けた後はいつも通りにナイフやノコを使用して分割してやります。
ドリルで開けた穴が分割した面にも出てくると思いますが、これが後々「ガイド」となって活躍してくれるわけですね。
片側のパーツに先程と同じように「オス側のダボ」を作っておきます。
反対側のメス側になるパーツにはダボの入る穴を開けておきましょう、ここまでは先程と同じですね。
オス側のダボとメス側の穴が開きました。
ここまでの準備が終わったら、先程開けた穴に1mmのアルミ線を通して2つのパーツを固定してみましょう。
アルミ線がガイドになってくれるおかげで、パーツ同士を分割する前の位置で固定できるようになりました。
あとはオス側にワセリンを塗布してメス側にはパテを盛って分割面を作っていきましょう。
このパーツでは「ポリパテ」を使って分割面を作ってみました。ポリパテのほうが粘度も低くてダボを作るのには適していますね。
これで元のパーツの位置を変えずに分割面を作ることが出来ました。
ドリルで開けた穴は分割面が出来上がった後にでも埋めてやりましょう。
サーフェイサーを塗装して小傷を綺麗に処理したら完成です。
その他のパーツの分割面の紹介
分割面の作り方はどれもこんな感じで進めます。
あとは「どこを分割するか」が重要になってきますね。
分割する必要があるパーツは様々だと思いますが、参考として私が制作しているフィギュアの分割箇所を紹介しておきます。
足と長靴の分割
ここはやっとかなきゃまずいとこですよね。そもそも使うレジンの種類が違うパーツですし。
足のパーツはホワイトレジン、長靴は透明レジンで複製するのでここも角ダボを作って分割しました。
普通のフィギュアの場合でも、肌色のパーツ(サフレス)と靴や靴下(ソリッドカラーで塗装)のパーツを分けておくと塗装するときに楽になりますね。
胴体と腕の分割
できることならこのパーツは分割したくなかったのですが複製(シリコン型)の都合上、分割する以外の選択肢がありませんでした・・・。
腕は細いので、角ダボは使わずに「円筒のダボ」で分割面を作っています。
カッパの分割
フィギュアの上から着せる「カッパ」ですが、胴体パーツを袖に通さないといけないためパーツの分割が必要になってきます。
身体の上からかぶせるパーツなので分割がかなり大変でしたが、分割面はこんな感じに仕上がりました。
一段低い段落ちモールドのようなものを作って、パーツ同士をはめ込めるようにしています。
もちろん裏側は逆の段落ちモールドが作ってあります。
顔と前髪の分割
顔の製作の記事【自作フィギュアの作りかた】フィギュアの顔・髪のつくりかた。でも紹介していますが、こんな感じに仕上がりました。
前髪、顔、後ろ髪、の3パーツで構成されてます。
複雑な髪の毛(ロングとか跳ねっ毛とか)の場合だと、ここからさらに複雑な分割が必要になってきますね。
まとめ
今回紹介したのは「角ダボ」だけですが、それ以外にも「丸ダボ」や「半丸のダボ」なんか作る人によって色々とあります。
作り方は基本的にどれも同じです。「オス側を作ってワセリンで剥離処理して、受け側のパーツにパテを盛り付けてメス側のダボ穴を作る」という方法が一番簡単だと思います。
分割面の製作はそこまで難しい作業ではないので、何度も挑戦してマスターしてみてください。
それでは。