こんにちは、柚Pです。
現在3Dプリンター出力品の二次硬化に活躍してくれている『SK本舗二次硬化機DIYキット』ですが、最近少しだけパワー不足を感じることが増えてきました。
3Dプリント作業では、数十時間もかかる印刷を待ち、出力品をプラットフォームから取り外したらすぐに洗浄、さらには乾燥、最後に2次硬化という長い工程を経てようやく出力品を触れるようになります。
私の環境では、洗浄と乾燥の工程のみ「超音波洗浄機」と「エアダスター」があるためサックリ終わらせらせる事ができるのですが、印刷と二次硬化の作業だけはどうしても時間がかかってしまいます。
印刷時間はどうにもならないけど、二次硬化の時間はもう少し短くできるのでは・・・?
というわけで今回の記事は「SK本舗二次硬化機DIYキット」を魔改造してパワーアップさせる内容となっています!
それでは続きからどうぞ。
目次
SK本舗二次硬化DIYキットとは
私が3Dプリンター出力品の二次硬化に使っているのは、SK本舗から販売されている「
SK本舗二次硬化機DIYキット」という商品。
手頃な価格にもかかわらず「強力UVライト」「ターンテーブル」「タイマー」などなど、二次硬化に必要な機能がすべて揃っているコスパ最強の二次硬化BOXです。
今回はこの二次硬化DIYキットをベースにして、より良い二次硬化BOXを作っていきましょう!
分解していく
それでは早速分解していきます。
正面のフタを開くとターンテーブルとUVライトの基盤が現れました。見た目は小さいですが非常に強力なUVライトが取り付けられています。
ボディとして使われているアクリルパネルは、固定用のゴムクリップを外すことで分解できます。
ターンテーブル側の基盤には、UVライト基板と正面フタのマイクロスイッチのコネクタにつながる配線がありますので忘れず取り外しておきましょう。
アルミテープで遮光&UVを反射させる
せっかく分解までして改造するので、内側にも少しだけ手を加えておきましょう。
ここで使用するのは光を遮断&反射できる「アルミテープ」です。
アルミテープを二次硬化BOXの内側全面に貼り付けておきましょう。
これで、UVの光が外に漏れにくくなり、内部で光の反射が起こりより効率的に出力品の二次硬化ができるようになったはずです。
強力UVテープLEDを増設する
続いて追加のUVライトを設置していきましょう。
購入したのはエルパラの「5050テープLED 60LED/m 非防水 UV」。
このテープLEDのUVの波長は【395-400nm】みたいですね。
3Dプリンターのレジンでよく使われているUVの波長【405nm】からは多少ズレていたので、一応光造形用レジンを使ってテストしてみましたが、普通に硬化してくれたので問題なく使えそうです。
テープLEDは「床面パネル」「側面パネル」「天面パネル」に2本づつ貼り付けていきます。
50センチごとにカットできるように作られているため、ちょうどいいサイズになるようハサミで切りながら使います。
まずはターンテーブルのある「床面パネル」から貼り付けてみましょう。ターンテーブルはプラスネジだけで固定されているので、ドライバーでネジを外せば簡単に取れます。
テープLEDを貼り付けたら配線をしていきましょう。プラスとプラス、マイナスとマイナス同士を導線で繋ぎます。
「側面パネル」の中心には既存のUVランプ基盤があるため、そこを避けるようにして両サイドに追加のテープLEDを貼り付けます。
「床面パネル」に貼り付けた2本のテープLEDの片側を「電源配線(DCコネクター)」、もう片側を「側面パネルのテープLED」に接続します。
最後に「天井パネル」の配線です。
テープLEDは同じ箇所から並列接続で増やしても問題ないように作られているため、↑写真のように「1本のテープLEDに2本のテープLEDを接続する」ということも可能です。自由に配線しましょう。
配線が終わり、再度箱を組み立て直したらひとまず完成です!
電源について
二次硬化DIYキットの電源には、2.1mmのDCコネクターが使われています。
この電源配線を加工して増設したテープLEDもまとめて制御できるようにしてもよかったのですが、そこまで改造してしまうと、いざ原状復帰したくなったとき修復が難しくなってしまいます。
ですので今回は、増設したテープLED用の電源を別で用意してみました。
分けかれた電源ケーブルは「DC2分岐ケーブル」を使って1本にまとめておきます。
電力不足について
今回使ったテープLEDの仕様書を確認してみたところ、テープLED(1m)をすべて光らせるためには14.4[W]の電力が必要になると書いてありました。
しかし、二次硬化DIYキットに付属しているACアダプターは12[W]の出力しかできません。既存のUVライトとターンテーブル、増設したテープLEDを一緒に光らせよう出力不足で使えません。
試しに付属のACアダプターだけで点灯テストもしてみました。一応すべてのLED、ターンテーブルの動作はできましたが、ACアダプターの想定を超える出力で動かしているため、使い続けていると破損や発火につながる恐れがあるためオススメはできません。
ですので、1つのACアダプターですべてのLEDを光らせたい場合は、26.4[W]以上の出力ができるACアダプターへの交換をしておくと安心でしょう。
まとめ
というわけでSK本舗二次硬化DIYキットの改造についての紹介でした。
ノーマル状態と比べるとかなり良くなりましたね。底面と天面にテープLEDを貼り付けた効果もあり、出力品をまんべんなく硬化させられるようにもなりました。
簡単にできる改造なので、興味があればぜひ真似してみてくださいね!
それでは。