こんにちは。柚P(@yzphouse)です。
みなさんはプラモデルの製作で使用している「ニッパー」のメンテナンスをしたことがあるでしょうか?
なんのメンテナンスをしなければ、可動部に「ガタ」が発生してしまって動きが渋くなる原因になったり、金属の表面が錆びてきて汚らしくなったりしてきます。
というわけで、この記事では「ニッパーの定期的なメンテナンス」についての方法を紹介していきます。
目次
ニッパーの定期メンテナンス
ニッパーは、金属で作られている工具なので時間が経つと必ず錆びてきます。
しかも、ニッパーは手で触れる工具でもあります。手で触った油によって表面が錆びてきて、最終的には「全体が真っ茶色になったニッパー」になってしまっているという方も多いのではないでしょうか。
そうならないためにも、日頃から「錆びさせないためのメンテナンス」をしてやる必要があります。
つまるところ「防錆(ぼうせい)」をするという事ですね。
そこでコチラの商品。
「ニッパーメンテナンス油セット」です。
アルティメットニッパーで有名なゴッドハンドさんが販売している商品ですね。「ニパ子汁」なんて言われてたりします。
この商品には、ニッパーをサビから守る「防錆油」と、ニッパーの動きを良くする「潤滑油」の2種類の油がセットになっています。
マニキュアのような可愛い容器に入っています。今回はこれを使用してメンテナンスを進めていきましょう。
メンテナンス油を使用する【錆止め】
油を塗る前に、まずは汚れを落とします。
メンテナンス油のセットの中に「歯ブラシ」が入ってると思うので、それを使ってニッパーの周りにまとわりついた細かい削りカスを綺麗に取り除きます。
汚れが取れたら、「防錆油」を塗っていきます。
サラサラな油なので少ない量でも薄く塗り拡げることが出来ます。
刃先も忘れずに塗ります。
刃先が錆びてしまったら、切れ味が落ちてしまう原因にもなりますので。
防錆油を塗り込んだら、数分乾かします。
そして、表面の防錆油が揮発して馴染んだら、キッチンペーパーなどのホコリの出にくいウエスで軽く拭き取ってやります。
これで「ニッパーの錆止め」は完了です。
メンテナンス油を使用する【潤滑油】
防錆が終わったら、次に可動部に「潤滑油」を流し込んでいきます。
流し込むポイントはここの2箇所。
表と裏から潤滑油を塗り込んで、板の間に流していきましょう。
この可動部の「隙間」に流しこむイメージです。
潤滑油を流し込んだら、ニッパーを「ぐにぐに」と何回か握ってやって潤滑油を可動部になじませてください。
ある程度までニッパーをにぎにぎして潤滑油をなじませたら、最後にはみ出た潤滑油をキッチンペーパーで拭き取ります。
これで潤滑油の作業も終了です。
最後は「刃先保護キャップ」をハメ込んで保管しておきましょう。
できるだけ外気に触れさせないというのも、サビ防止の1つだと思います。
ここからが本番。ニッパーを徹底的にメンテナンスする。
さて、ここまでのメンテナンスなら「俺もそれくらいやっとるわ!」の一言で終わっちゃいそうなんです。
なので今回は「徹底的なメンテナンスの方法」も一緒に紹介しようかと思います。
ここで紹介するメンテナンスの種類は2つです。
- 薬品を使用してニッパーのサビを落とす。
- ニッパー調整台を使用して可動軸の「ガタ」をとる
それではやっていきましょう。
ニッパーのサビをとる
「メンテナンス油塗ろうにも、もう自分のニッパーはサビだらけなので意味がない!」と思っているそこのアナタ。
じゃあサビを落とせばいいじゃない。
というわけで、紹介する商品がコチラ。
田中インポートさんの「サビとるん」です。
ちなみに私は、ゴッドハンド公式通販から【サビとるん】を購入しました。
1リットルのやつが売られてますね。
かれこれ7年目くらいになる、グッスマニッパーです。使い始めた頃は、ニッパーメンテナンス油なんて商品無かったのでノーメンテで使い続けていました。
サビサビなので、こいつで錆取りの実験をしてみたいと思います。
サビとるんを紙コップに注いで、ニッパーを漬け込んでみます。
商品説明によると「30分以上漬け込まないこと」と注意書きがあったので、タイマーを30分でセットしてサビが落ちるのを待ちます。
30分後です。
「あんまり変わってないじゃん」
赤錆が、黒錆になった感じでしょうか。流石にいちどサビてしまったら、新品のような光沢まではかえってきませんね。
とはいえ、表面は荒れていますが、サビ自体は無くなっているので「金属磨き」で軽く磨いてやれば金属感が簡単にかえってきました。
つや消しのシルバーっぽい仕上がりになりましたが、最初と比べるとかなりマシになりました。
ついでにニッパー調整台のサビ取りもしてみた
ついでに、これから使う予定の「ニッパー調整台」もサビサビだったので、サビとるんに漬け込んでみました。
おお!こっちはサビも綺麗になくなって綺麗な金属感が戻ってきました。
ただし、金属を腐食させていたサビがなくなった表面はなんだかボツボツしてて汚いままです。
サビとるんは「サビをもとの金属に戻す」というよりは「サビを溶かして除去する」という商品のようです。
なのでサビた工具を入れてサビがなくなったとしても、「つや消し」のような表面に仕上がりがちです。それが気になるかたは、最後に金属磨きで磨いてやって光沢感を出してやりましょう。
ニッパーのカシメを調整する。
長いこと使い続けているニッパーって、カシメの部分がガタガタになってたりしませんか?
このカシメ部分に「ガタ」が発生していると、パーツが上手く切れなかったりする原因にもなります。あと不安定な工具は使ってて気持ちいいものでも無いですしね。
というわけで、ゴッドハンドが販売している「ニッパー調整台」を使用してカシメ部分の調整をしてみます。
使うのはコチラ。ニッパー調整台です。
ゴッドハンド公式通販のみの販売となっているみたいです。しかも現在は品切れ中。コチラから購入できます。
ワンフェスなどの模型イベントでもたまに売られてたりしてますよね。私はそこでトライアル版を購入しました。
用意するのは、
- 硬い床・大きな音を出してもいい場所
- ニッパー調整台
- ハンマー
- 調整したいニッパー
です。
「硬い床・大きな音を出してもいい場所」はなかなか難しいと思うので、近くに住宅の少ない「大きめの公園」に行って作業するのがオススメです。
作業する床は、コンクリートなどの固くて割れないところを選びましょう。
ニッパー調整台とハンマーは、商品を購入するとセットで付いてきます。
それから、はじめてこの調整作業をする時は「練習用ニッパー」を使って練習しましょう。本番で愛用しているニッパーがダメになったら嫌ですしね。
カシメ部分の構造を知ろう
カシメ部分のガタを調整をする前に「どうしてハンマーで叩いて調整するの?」という理屈を説明しておきます。
この一般的なプラモデル用ニッパーですが、「可動軸がどのように作られているか」を意外と皆さん知らないのではないでしょうか。
説明するより見てもらうほうが早いと思いましたので、グラインダーで可動部をサクッと切ってみました。
断面を見てみましょう。
はい、こんな感じになっています。
下側の板に可動軸が圧入されて固定されていて、上側の板は可動軸がテーパー状に広がることによって押さえられています。
この上側にある「テーパー状に広がっている可動軸のピン」をハンマーで叩き込んで、カシメ部分を締め込んで調整していくという理屈です。
ニッパーのカシメ部分を締め込む
切断してないニッパーで見てみるとこの部分です。刃の裏側の「穴の空いている軸」の側です。
ニッパーのカシメを締め込む時は、ニッパー調整台は穴の空いていない「平面」を使いましょう。
可動軸の円周を丁寧に叩き込んでいきます。
ある程度叩いたら、ガタを確認しましょう。
ニッパーのグリップを両手で持って、ねじってみます。そしたら「カタカタ」と可動部がブレるような動きを感じれると思います。それが「ガタ」です。
この「カタカタ」が無くなるまで、カシメ部分を叩いて締め込んでいきます。
強い力で一気に叩いてしまうと「締め込みすぎ」で、ニッパーがスムーズに開かなくなるので様子を見ながら丁寧に叩きましょう。
ニッパーのカシメ部分を緩める
調整作業を丁寧にやっていれば、ニッパーのカシメ部分を緩めるという作業はほぼ発生しないとは思いますが、万が一「締めすぎて動かなくなった!」という場合の救済方法です。
カシメ部分を緩める時は、ニッパー調整台の「穴の空いている側」を使用します。
この穴の上に、可動軸の中心が来るようにニッパーを置いてください。
緩める時に叩くのは、刃が奥に向いている「ニッパーの表側」です。
そして可動軸が圧入して固定されている、上下の2点を中心に叩きます。そうすると、可動部に隙間ができ「カシメ部分を緩める」ことができます。
この「カシメ部分を締め込む」と「カシメ部分を緩める」をマスターすればニッパーだって一生モノの工具になること間違いなしです!
動画も用意してみました。
写真だけだと作業が分かりにくいと思いましたので、動画も用意してみました。
こんなかんじでニッパーのカシメ部分を調整します。
まとめ
プラモデルを製作するためには「ニッパー」は必要不可欠なアイテムの1つです。
この記事を参考に、きちんとした方法でメンテナンスをしてやり大事に使い続けてやりましょう。
それでは。