こんにちは。柚P(@yzphouse)です。
皆さんは、模型の塗装をするときに「筆」を使いますでしょうか?
プラモデルで使用する筆の中には、細かい部分を塗装するための「面相筆(めんそうふで)」というものがあります。
面相筆には、模型用だけをとっても種類が沢山あるため、「どれを買っていいか分からない」なんて方も多いのではないでしょうか。しかも値段が1本数百円~数千円といった高級なものも多いので、下手なものを買って失敗はしたくはありませんよね。
というわけで、この記事では「私が使っているor使ってきた」中でオススメの面相筆を紹介していこうかと思っております。
目次
紹介する面相筆の種類
今回紹介する面相筆はコチラ。
- 【文盛堂】ハイセーブル5/0
- 【ハセガワ】 面相筆 KF5・KF106
- 【モデルカステン×pebeo】 田中流筆 10/0
- 【ハイキューパーツ】 熊野筆KMブラシ 面相筆極細M0904
- 【スジボリ堂】 面相筆エクセロン
- 【ARTETJE】 CAMLON PRO
- 【ゴッドハンド】 神ふで極面相 サイズS・M・L
- 【世界堂】 SEKAIDO LINER 10/0
- 【インターロン】水彩筆 丸 3/0号
- 【ラファエル】 コリンスキー 丸 5/0 号
- 【モデルカステン】コリンスキー模型用面相筆 OO号/S
紹介していくにあたって「どういった特徴か」「どのような用途に適していそうか」を中心にレビューをしていきます。
その内容から「自分がどのような用途で使いたいのか。」と照らし合わせて面相筆を選ぶ参考にしてみてください。
【文盛堂】ハイセーブル5/0
私が住んでいる広島でもよく見かける「ハイセーブル5/0」です。
値段と性能のバランスが良くコスパの高い筆といえるでしょう。値段は400円程度です。
プラモデル初心者の「どの面相筆がいいのか分からない。高い面相筆買うのも気が引ける。」という方にも安心してオススメできます。
穂先のまとまりもよく、細い線も描きやすいです。新品状態では数千円クラスの面相筆に負けないくらい使いやすいです。
しかし、この面相筆には弱点がありまして。安物のナイロン筆なので穂先に癖が付きやすいんですよね。耐久性に難ありです。
筆を洗うのをサボってしまうと一発でやられます。癖がついて跳ね毛が増えてきます。
穂先がパラパラになって、まとまらなくなってきたら買い替えですかね。
【ハセガワ】 面相筆 KF5
【2020/08/11追記】ハセガワの熊野筆シリーズが2019年11月にリニューアルされて再販されました。
ハセガワが販売していた「熊野筆 KF5」という面相筆です。実は現在はもう販売終了している商品で、あるとしても店舗に残っているぶんだけです。ちなみに値段は定価800円。
売ってない商品なんで紹介するんだよ!って言われそうですが、私がこの筆好きすぎてすごく再販して欲しいと思ってるんですよね、そういう願いも込めて紹介します。
この筆の外見的な特徴としては、根本が太く強めのテーパー形状になっている。という点です。
根本が太い=塗料を含むタンクが大きい=ワンストロークで長い線を描くことができる。ということに繋がります。
ほとんどの筆は根本を太くすればそれに比例して、穂先も太くなってくるんですけどこの筆は違います。
見ての通り、筆の先端はかなり細く尖らせることができます。力の入れ加減で「細い線」も描けるし、筆を強めに押し当てると「太い線」も描くこともでき、幅広いコントロールがとてもしやすいです。
筆の毛にはコリンスキーを使っているそうです。コリンスキーはイタチの一種ですね。
動物の毛を使っている筆は「有機溶剤」には弱いとされていますが、ちゃんとメンテナンスをしながら使い続ければ、ナイロン筆と同じくらい長持ちします。
さらに、動物の毛はナイロン毛とは違い「毛の先端に癖がつきにくい」という特徴もありますね。
「耐久性」「使いやすさ」「穂先の細さ」どれをとっても満足のいく最高の面相筆です。もし店舗で見つけることができたら是非買ってみてください。
再販された面相筆 KF106
ハセガワの熊野筆シリーズが帰ってきましたので紹介しておきます。
値段は、前モデルの2倍くらい高くなって、1400円くらいになりました。高級面相筆の仲間入りですね・・・
▲左側KF106 右側KF5
前モデルの穂先と比べると、形状も若干変わっているみたいです。少し細身になりましたね。
前モデルと比べても謙遜無いくらいの高いクオリティになっており、ラッカー系塗料を使ったリタッチ作業などに使いましたが使い心地も良かったです。
【モデルカステン×PEDEO】 田中流筆 10/0
ボークスで発見してから気になっていたので購入した「田中流筆」です。エアモデルの筆塗り塗装で有名な田中克自さんが監修された面相筆ですね。
穂先もかなり鋭く尖っていて毛のまとまりも良く、毛の硬さもほどよく穂先がしなやかに曲がってくれます。
コシも強いので細い線もブレずに描きやすい筆でした。
毛の色からしてコリンスキーっぽい印象を受けますが、こちらは「ナイロン」を使った筆のようです。ナイロン筆は癖が付きやすいイメージがあるので耐久性が気になるところ。
あと、筆の柄の部分がむき出しの木なのが個人で気に残念なポイントですね。塗装作業中に柄に塗料が付いてしまったら、シンナーで綺麗に拭き取れ無さそうです。
【ハイキューパーツ】 熊野筆KMブラシ 面相筆極細M0904
ハセガワのKF5の販売が終了してから数年後、熊野筆というワードにつられて購入したハイキューパーツさんの「面相筆極細M0904」です。
KF5の後釜になってくれるか?という期待を込めて2本も購入しちゃいました。値段は1本950円。
ちなみに「熊野筆」というのは筆を製造している会社の名前ではなく、広島県安芸郡熊野町で正規の工程を経て作らた筆全般を「熊野筆」と呼ぶみたいです。なので熊野筆ブランドの筆を作っている会社は複数あるようです。
穂先を見てみましょう。
初めて使った感じは「そこまで尖らない面相筆」というイメージでした。しかし毛の先端はしっかり揃えてあるので「めちゃくちゃ細い平筆」のような使い心地でした。
穂先はそこまで尖ってくれないのでアイペイントのような細い線を描く用途には向いてないように感じました。
細い線は苦手ですが塗料の流れ出しも良いので、ガンプラなどの細かい部分塗装にやリタッチには最適な面相筆と言えるのではないでしょうか。
またメーカの商品説明にかかれていた「模型用の有機溶剤ラッカー・エナメル・アクリル塗料にも強い」ですが、
私の体感だとそこまで強いとは思えませんでした、頻繁に使ってると他の筆と同じように普通に劣化しました。
【スジボリ堂】 面相筆エクセロン
スジボリ堂の「エクセロン」という面相筆。値段は定価で700円。
エクセロンのシリーズで一番細い筆を買いましたが、私が購入したものはハイキューパーツの面相筆M0904と同様に「穂先がそこまで尖らない」面相筆でした。
特殊なナイロン毛を使っているようで「油性塗料への耐久性があり」「しなやかで適度なコシ」があるみたいです。
実際に使ってみた感じも、他メーカーのナイロン筆に比べると非常に柔らかく軽い力で穂先をコントロールできる面白い筆でした。
この筆に使用されているナイロン毛は、特殊加工がされており穂先がまとまらなくなってきたら「熱めのお湯につけて矯正することができる」そうです。
【ARTETJE】 CAMLON PRO 10/0
模型業界ではあんまり聞いたことないメーカーだとは思いますがARTETJE(アルテージュ)の「CAMLON PRO」です。値段は700円ほど。
模型店ではなく画材店などで手に入れることができます。世界堂でも取り扱っていますね。
値段と性能のバランスが良く、安定して入手もできるので長く使う相棒として選ばれることも多いようです。
筆の種類も多く穂先のまとまりが良く細い線も描きやすい良い筆です。
サイズのバリエーションがいくつかあり、【100/0】といったかなり細い面相筆や、【5/0】のような太めの面相筆なんかもあります。
▲右から、100/0、10/0、5/0、というサイズ。
ガンプラのスミ入れ、塗装のリタッチ、フィギュアの面相、どんな作業にも対応できそうな万能な筆ですね。
【ゴッドハンド】 神ふで極面相 サイズS・M・L
ゴッドハンドの「神ふで極面相」です。
ゴッドハンドが展開している筆シリーズの「神ふで 面相筆」よりも更に細さを追求した「神ふで 極面相」です。
値段はS・M・Lともに1000円ほど。
まずはLサイズから。
ゴットハンドの神ふでに使われている特殊ナイロン毛は、「熱いお湯につける」と毛のバサつきを矯正できるみたいです。
続いてMサイズ。
フレームアームズ・ガールやメガミデバイスといった1/10スケールの美少女フィギュアのアイペイントでは、このサイズを使うことが多いです。
ちなみにL・Mサイズともに、穂先が細すぎるので「塗装のはみ出しなどのリタッチ作業」には少し使いにくいと感じます。リタッチ作業をする場合は普通の神ふでLサイズの面相筆がおすすめ。
神ふで極面相シリーズは「究極に細い線や極小の点を描く筆」だと思って使いましょう。
最後にSサイズ。
ここまで細くなってくると私にも使いこなせません。てか使うシチュエーションが滅多にない。
ガンプラに付属している1/144・1/100スケールのフィギュアや、戦車模型での1/35や1/48スケールのフィギュアの「アイペイント」なんかの作業をする人にはオススメできそう。
使いこなすのが非常に難しいので、”上級モデラー向けの究極の面相筆”と言えるでしょう。
私が使った感じだと
- マスキングはみ出しなどのリタッチ作業・部分塗装→Lサイズ~それ以上の大きい面相筆
- 1/7スケールのスケールフィギュアのアイペイント作業→Lサイズ
- FAガール・メガミデバイスなどの小スケールフィギュアのアイペイント作業→Mサイズ
- 1/35スケールなどの極小アイペイント作業→Sサイズ
- 小スケールフィギュアのアイペイントで虹彩などの細かい書き込み→Sサイズ
が適しているような気がしました。
【世界堂】 SEKAIDO LINER 10/0
世界堂で購入した面相筆です、SEKAIDO LINERですね。
緑の柄とお尻のオレンジ色というバッタのような色が特徴的な筆です。
値段は300円で非常に格安。
この値段の筆にしてはクオリティが高く、プラモデルの筆塗り塗装をはじめて行うという方にもオススメできます。上級者モデラーでも「雑に使える高品質な筆」として何本かストックしておくというのもアリでしょう。
面相筆以外にも沢山の種類・形状が用意されています。面倒筆をはじめ、平筆、丸筆、斜筆、平丸筆・・・などなど。選ぶだけでもワクワクしますね!
もし世界堂に行く機会があればこの筆を探してみてください。
【インターロン】水彩筆 丸 3/0号
世界堂で購入した、インターロン 水彩筆 丸 3/0号 です。
値段は370円と安いです。
豚毛に似せてカール加工をさせた特殊なナイロン毛で、天然毛のような疑似キューティクルをナイロン毛に施している。という特徴があるらしい。
それだけ聞くと、凄い筆なのか!?ってなりますが、使った感じは普通の筆と特に変わらずといった印象でした。
とはいえ値段も安いし穂先のまとまりもかなり良いので、リタッチ用の筆やスミ入れ用の筆として使うのには良さそうです。
とてもいい筆でしたが、個人的には近所で気軽に入手出来るお店が無いという大きな理由があったためリピート買いすることは無さそうです。
【ラファエル】 コリンスキー 丸 5/0 号
こちらも世界堂で購入した、ラファエルという名前の面相筆。大天使の名前が付いてるので強そう。
値段は1500円もするので、かなり高級な面相筆の部類ですね。
商品名にも書いてあるとおり、穂先はコリンスキーが使われています。
ラッカー塗料を使ったリタッチ作業でも穂先のまとまりが非常によく快適に作業が出来ました。さすが値段が高いだけある。
個人的にかなり気に入ってる面相筆の一つになりました。この記事で紹介した筆のなかで一番好き。また世界堂行く機会あったら数本まとめて買い溜めておきたいくらい。
しかし値段も高く模型店で販売されているような筆でもないので、万人にオススメはできるような筆ではないかもしれません。「最高級の面相筆を体験してみたい」という方は探して使ってみてはどうでしょうか。
【モデルカステン】コリンスキー模型用面相筆 OO号/S
これで最後です、一部のSNSで少しだけ話題になってたモデルカステンのコリンスキーOO号/Sです。値段は2000円と、今回紹介した筆の中では一番高いですね。
穂先の形状は「根本が太く先端が細い」と私も好きな形状をしてます。塗料の含みも良さそう。
他の筆に比べると太めの面相筆に見えますが、先端のまとまりがかなり良いので針のように尖らせることもでき細い線から太い線まで自由自在に描くことが出来ます。
アイペイントなどの強弱が必要な塗装にも適してそうですね、汎用性も高そう。
しかしこの筆も値段がかなり高い部類ですので、簡単なリタッチやスミ入れに使う筆としてはオススメ出来ません。オーバースペックな気がします。
本当にシビアな面相作業が必要になるようなパーツの塗装で使用する「最終兵器」として持っておくのがいいかもしれませんね。
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