マスキングゾルの性能比較!プラモデルを上手に塗り分けられる便利なアイテムを使いこなせ!

モデラー

  • 柚P

 

こんにちは。柚P(@yzphouse)です。

プラモデルを綺麗に塗り分けるために必須なマスキング作業、みなさんは好きですか?

綺麗に塗り分けられたら嬉しい反面、失敗してしまった時は一気にテンション下がりますよね。

というわけでこの記事では、失敗しない綺麗なマスキング作業における強い味方「塗装用 液体マスキング剤」について詳しく紹介していきます!

それでは続きからどうぞ。

塗装用 液体マスキング剤とは?

「液体マスキング剤」というのは、塗料に侵されない特殊な膜を作ることができる液状のマスキング剤です。

メーカーによって呼び方(商品名)が違いますね、クレオスは「マスキングゾル」、グッドスマイルカンパニーは「マスクゾル」、ガイアノーツは「マスキングコート」、ハセガワは「マスキングリキット」。

今回は紹介してませんが、ホルベインの「マスキングインク」なんてのもあります。

マスキング液の種類

大まかに2種類に分けて説明していきます。

ゴム系マスキング剤とは

1つめは「ゴム系」のマスキング剤です。

クレオスの「Mr.マスキング・ゾルNEO」や、グッドスマイルカンパニーの「マスクゾル」がゴム系ですね。

ゴム系の特徴は、

  • 粘度が低く粘りもないので塗りやすい
  • 乾燥が早い(気がする)
  • 塗った箇所の視認性が良い
  • 剥がしやすい

などがあります。

また、マスキングの境目の塗り分けが綺麗に仕上がりにくいというデメリットもあるので、使いどころには注意しましょう。

ゴム系の上手な使い方

ゴム系のマスキング剤は塗り分けの境目が綺麗に仕上がりにくいので、境目だけを細切りのマスキングテープでカバーしてやるとパーツを綺麗に色を塗り分けることができます。

写真で使っているのはハセガワの0.2mm幅のクレープ紙ですね、きついカーブにも対応できる柔軟性のあるマスキングテープです。

塗り分けたい縁をマスキングテープで囲ったら、内側にマスキング液を塗って保護してやります。

液体マスキング剤の乾燥後、別の色を塗ってやります。

塗料が完全に乾いた後、フチに貼ったマスキングテープと内側の液体マスキング剤を慎重に剥がしてやります。

綺麗に塗り分けられました。

このように細切りマスキングテープと液体マスキング剤を使えば、複雑な曲面でも綺麗に塗り分けることができます。

ビニール系マスキング剤とは

ビニール系マスキング剤には、クレオスの「Mr.マスキングゾル改」、ガイアの「マスキングコートR」、ハセガワの「マスキングリキットNEXT」がありますね。

主にポリビニールアルコールという成分が使われています。

ビニール系の特徴は

  • 塗膜が硬く仕上がる(乾燥後の柔軟性はほぼ無い)
  • 色が半透明なものが多い
  • 乾燥時間は長め
  • マスキング剤の境目の塗り分けが綺麗に仕上がる
  • 乾燥後にカットができる

などがあります。

液剤の粘度が高いものが多く塗りにくさがある反面、乾燥後に作られる保護膜がしっかりしているため後からナイフでカットすることができます。

飛行機模型の「キャノピー」の塗り分けにもおすすめですね。

ビニール系の上手な使い方

こちらはタミヤのF-4BファントムⅡのキャノピーですね、このパーツの窓部分をマスキングしてみましょう。

まずは、マスキングしたい箇所全体にマスキング剤を塗りたくります。

ビニール系マスキング剤は、この後に行う「保護膜のカット」での視認性が悪くならないように、液剤の色が薄めのものが多いです。ですので塗り漏れが無いよう確実に塗布していきましょう。

マスキング剤が完全に乾いたら、新品の刃に交換したナイフを使って塗り分けラインに切り込みを入れてやります。

ナイフでカットできたら、はみ出した余分なマスキング剤の膜を丁寧に剥がして作業完了です。

このようにビニール系マスキング剤を使えば、マスキングテープでは苦手とされている曲面のシビアな塗り分けにも対応することができます。

メーカーごとにマスキング剤を紹介

ここまではゴム系とビニール系の違いを紹介してきましたが、次はメーカーごとの違いや特徴について紹介していきましょう。

Mr.マスキング・ゾルNEO

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モデラーやってたら一度は使ったことがあるでしょう、クレオスのマスキングゾルNEOです。

お値段も200円とリーズナブルで、私も昔から愛用しているマスキング剤の1つです。

ブラシ付きの容器に入っているので、キャップを外したらすぐ使うことが出来ます。便利ですね。

また25mlの小瓶で売られてるのもGOOD。

ゴム系の液体マスキング剤は、蓋を開けっ放しで使ってると中身がどんどん硬化してすぐ寿命がきてしまうのですが、Mr.マスキングゾルNEOのような小量サイズだと私みたいな蓋開けっ放しズボラモデラーでも使い切りやすいです。

液剤を塗布したらこんな感じ。

不透明の明るいグリーンなので、塗った箇所の視認性はかなりいいですね。ちなみに乾燥後は半透明の緑色になります。

パッケージに正面に「カッターでの切り出しは出来ません」と書かれていますが、試しにカットしてみました。

新品の刃のナイフを使ったので切れないことはなかったですが、やはり刃と膜が引っかかるような感じで気持ちのいいカットは出来ませんでした。

テストピースにマスキングゾルNEOを塗布したものにラッカー塗料を塗ってみました。

マスキングゾルNEOは、液剤乾燥後の保護膜があまり強くはないので、単体で使用するとマスキング剤を剥がすのが少し大変。

また、ラッカー塗料とゴム系マスキング剤同士は定着しないので、塗装の境目がめくれ上がり綺麗に仕上がりません。

マスキング剤の表面の塗料も剥がれて粉状になったものがテストピース表面に落ちちゃっているのも確認できますね。

このようなゴム系のマスキング剤はマスキングテープ同士の隙間埋めなどで使うのが良さそうです。

マスクゾル

MSS-50 マスクゾル

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最近再生産がかかったので手に入れやすくなったグッドスマイルカンパニーのマスクゾルです。

定価は756円と一見高そうに思えますが、60mlと大容量なので先程紹介したMr.マスキングゾルNEOとたいして価格差はありません。

Mr.マスキングゾルNEOとは違い、こちらの商品に塗布用の専用ハケは付いていないので別途用意しておく必要があります。

爪楊枝や穂先がダメになってもいい安物のナイロン筆を用意しておきましょう。

こちらも塗布した箇所がわかりやすい明るめのグリーン系の液剤ですね。

塗った感じ、光沢面への塗布が少し苦手なのか弾かれやすいような気がします。

こちらも乾燥後のカットは推奨されていませんが試してみました。

Mr.マスキングゾルNEOと同じように引っかかりがありスムーズなカットは出来ませんでしたが一応切れました。

マスクゾルも塗り分けのフチは綺麗に仕上がりませんでしたね、これはゴム系マスキング剤の宿命なのでしかたないです。フチを綺麗に仕上げたかったらマスキングテープを活用しましょう。

保護膜の剥がしやすさは、同じゴム系であるMr.マスキングゾルNEOと比べると、マスクゾルのほうが高い引張強度があるので安定して剥がれてくれる印象です。

千切れにくいので、細かいモールドやスジボリのあるパーツでも「ゴム系マスキング剤がモールドに入り込んで取れなくなった」なんてことも起こりにくいです。

単純な能力や使いやすさだけで言えば【 Mr.マスキングゾルNEO < マスクゾル 】なのですが、このマスクゾルには欠点もあります。

まず、臭い。超臭い。

ラッカー塗料系の臭いではなく、どちらかというと人を不快にさせるような臭い。アンモニア臭?のような鼻を刺すような独特な刺激臭。

とはいえ、この臭いを我慢してでも使いたいと思えるくらいマスクゾルはゴム系マスキング剤としての性能が高いことも事実。

もう1つの欠点は「最後まで使い切れない」という点。

模型製作が仕事のフィニッシャーなら余裕で使い切れるのかもしれませんが、私のような数ヶ月に1体のペースでしか模型を作らない人間には使い切ることが非常に難しい。管理の仕方にも問題があるのでしょうが・・・

高確率で使い切る前に液剤の粘度が高くなりダメにしてしまいます。瓶に小分けにするなどの対策が必要です。

最後に「安定供給されてないので在庫が無い事が多い」です。人気商品なのですぐ無くなります。

最近再生産されたので私の地元の模型店ではまだまだ手に入れられますが、関東圏などの模型ユーザーが多い地域だと一瞬で在庫が無くなります。

このマスキング剤に興味がある人は、模型店で見つけたらすぐ買ったほうがいいですね。次の再生産が何年後になるのかわからないので。

Mr.マスキングゾル改

こちらもかなり昔から販売されているクレオスのMr.マスキングゾル改ですね。マスキングゾルNEOと似ているので間違えやすいのでパッケージをよく確認して買いましょう。

Mr.マスキングゾルNEOと同じく、キャップにハケが付いているので使いはじめやすいです。値段も安いのではじめてのビニール系マスキング剤としてもオススメできます。

塗布した感じは半透明のグリーンですね。乾燥すると透明なグリーンになります。

この記事で紹介するビニール系マスキング剤の中では、Mr.マスキングゾル改が塗布した箇所の視認性が一番高いですね。

ビニール系マスキング剤は保護膜が非常に強いので乾燥後にナイフでカットすることも出来ます。

波状に切り込みを入れても、引っかかりもなく保護膜のフチが浮いてくることもありませんでした。かなり安定していますね。

テストピースに塗装してみました。

マスキング剤で塗り分けたフチも綺麗に仕上がっています。

ゴム系マスキング剤とは違い、ビニール系マスキング剤は塗膜が伸びたりせず保護膜に塗られた塗料も剥がれないため塗り分けのフチが綺麗に仕上がります。

ちなみにマスキングゾル改は木工用ボンドみたいな匂いがします。悪い匂いではない。

マスキングリキッドNEXT

以前販売していたオレンジ色の液体マスキング剤のマスキングリキッドの改良版でもある、ハセガワのマスキングリキッドNEXTです。色が青くなりましたね。

こちらもキャップにハケが付いているので、そのまま使うことができます。

色は半透明の薄いブルーなので、どこに塗ったか少しわかりにくいですね。

ビニール系なので乾燥後にカットすることも可能。

色が薄く透けやすいので、キャノピーのマスキングをする時のカットラインを決めるためのモールド確認もしやすそうです。

色を塗ってみました。

使い心地はMr.マスキングゾル改とほぼ変わりませんね、とても使いやすいです。

ハセガワのマスキングリキッドNEXTのほうが液剤の色が薄いので、乾燥後のカットのしやすさに特化している感じでしょうか。

逆にMr.マスキングゾル改は塗りやすさ(視認性の良さ)にふってる感じ。

塗り分けのラインも非常に綺麗に仕上がりました。

フチにマスキングテープが使用できないような箇所にはビニール系マスキング剤を使うのがよさそうですね。

マスキングコートR

最後はガイアノーツのマスキングコートRです。

他のビニール系マスキング剤と比べて「定着力」と「粘度の高さ」があるのが特徴です。

キャップに塗布用のハケは付いていないので、筆や爪楊枝を用意しておく必要があります。

また、粘度が高いせいか糸を引いちゃうときもあります。

色は紫色でとても綺麗ですね。

微妙な差ではありますがマスキングコートRは、マスキングリキッドNEXTよりも少しだけ色が濃い気もします。

ナイフによるカットも問題なく行えます。

保護膜の接着力が強いので安心してナイフの刃を入れることが出来ました。

塗ってみた感じも他と変わりませんね。

仕上がりの差で言えばどのビニール系のマスキング剤も同じですが、使用感に若干の違いがあります。

マスキングコートRは他のものと比べて乾燥後の接着力が強いため、面積の小さい塗り分けなどで活躍してくそうです。ほかにも作業途中で絶対に剥がれてほしくないような光沢面へのマスキングでも安心して使うことが出来ますね。

逆に接着力が強いせいで下に塗ってある塗膜が一緒に剥がれてしまったりなんて事も起こります。

ですので、塗膜が弱い塗料を使っている箇所や、マスキング剤が食いつきやすいつや消し塗装の上に塗るというのは避けたほうがいいですね。

まとめ

液体マスキング剤を使いこなせるようになると、複雑な曲面のマスキングも綺麗に仕上げることができます。

各商品の特徴や違いをうまく使い分けて、これまでと違うワンランク上のマスキング作業にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

それでは。