神ヤス・スポンジナイト・セリアのスポンジヤスリの違いとは?目には見えない差を徹底比較してみた

モデラー

  • 柚P

 

こんにちは。柚P(@yzphouse)です。

プラモデルの表面処理で大人気なゴッドハンドの「神ヤス」ですが、最近は似たような商品も増えてきたように思えます。

今回は、そんな神ヤス式(勝手に命名)のスポンジやすりを販売している、アルゴファイル「スポンジナイト」、セリア「スポンジやすり」が神ヤスとどのように違うのか比較してみたいと思います。

 3種類に違いはあるのか

どれも同じような見た目をしているので、OEMかなにか?と思う人もいるでしょう。

結論から先にいうと、神ヤス・スポンジナイト・セリアスポンジヤスリ、どれも別物でした。(当たり前ですが)

具体的な違いについて詳しく見ていきましょう。

ゴッドハンド 神ヤス

まずは、おなじみゴッドハンドの「神ヤス」です。

全番手がアソートになった商品や、10mm厚の神ヤスなど、現在でも新商品が出続けている人気商品ですね。

ヤスリにはコバックスの「フレックスクロス」が採用されています。耐久性・柔軟性の高い高級布ヤスリですね。

フレックスクロスはスポンジ無しタイプでも売られていますね

アルゴファイル スポンジナイト

アルゴファイルのスポンジナイトです。

神ヤスと大きな違いは「番手刻印の有無」でしょうか。※白いインクで番手の刻印がされているものもあります。

番手の確認はスポンジ部の色でおこなえます。

スポンジの色が神ヤスと一緒に見えますが、同じ色が使われているのは400番600番800番の3種類だけで、それ以外の色は神ヤスとは違うようです。

スポンジナイトと神ヤスと混同して使うと、番手がごっちゃになりそうですね。

使用されているヤスリは神ヤスと同じくコバックスの「フレックスクロス」のようです。

セリア スポンジやすり

100円ショップで神ヤスが売ってる!と一時期話題になったこちらの商品。

完全に神ヤスを意識しして作られたようなデザインをしていますね。

説明では空研ぎ・水研ぎどちらでも使用できるとのことです。

使用されているヤスリはこちら。どこのメーカーのものを使っているのでしょうか。

神ヤスやスポンジナイトで使用されているフレックスクロスの母材は布ですが、こちらの母材は紙が使われているためヤスリ面の柔軟性は他と比べてあまり良い方ではありません。

ギュッとつまんで磨くような使い方をしてしまうと、ヤスリ面が割れてしまうので注意です。

スポンジの耐久性について


▲左からスポンジナイト、神ヤス、セリアスポンジやすり

どれも同じような見た目、触り心地をしていますが、長時間使うと違いがはっきり出てきます。

今回は違いが分かりやすいように、スポンジ表面を爪で引っ掻いたりして負荷を与えてみました。

結果としては

スポンジナイト>神ヤス>セリアスポンジヤスリ

の順で耐久性があるように感じました。

また、セリアスポンジヤスリの材質欄をよく見ると「発泡ポリエチレン」と書かれているのが確認できました。

スポンジナイトと神ヤスに使われている材質は「発泡ウレタン」のはずだったので、セリアの商品は見た目が同じでも使われている材質は全くの別物のようです。

値段の違いについて

神ヤス2mmは5枚入り604円なので、一枚あたりの値段は120.8円です。

この中で一番値段の高い神ヤスですが、これから行う検証を見たらその値段にも納得できるでしょう。安心のゴッドハンドクオリティです。

スポンジナイト2mmは6枚入り418円なので、一枚あたりの値段は69.7円です。

フレックスクロスを使っているにもかかわらずこの値段です。かなりのコスパの高さがありますね。

セリアスポンジやすり2mmは3枚入り110円なので、一枚あたり36.7円です。

圧倒的な値段の安さです。ちょっと暇だしプラモデルでも作ってみようかな~という方にもよさそうです。

ヤスリとスポンジの接着強度

新品のヤスリを短冊状にカットして、スポンジとヤスリが剥がれるかどうかのテストしてみます。

神ヤス

ヤスリとスポンジがしっかり接着されていて、剥がれる気配が全くありません。

スポンジが裂けるレベルで強力に張り付いています。

神ヤス磨のほうも同様の結果になりました。

スポンジナイト

スポンジナイトは新品にもかかわらずあっさりと剥がせてしまいました。

実際に私が使っているときも、小さくカットしたスポンジナイトのフチがよく剥がれていたので予想通りな結果といえます。

スポンジとヤスリの接着はあまり強くないようです。

セリアスポンジやすり

セリアのスポンジやすりは、意外にも強力に張り付いていました。

しかしヤスリの母材が紙なため、そこから境目が裂けてしまったという結果に。普通に使っていたら剥がれることはなさそうですけどね。

水研ぎの比較

つぎに水研ぎをしてみます。

先ほどと同じように、短冊状に切ったヤスリを用意しました。

スポンジに水がつくことでヤスリにどのような悪影響があるか見ていきましょう。

神ヤスで水研ぎ

ヤスリがくたびれるまでパーツを磨いてみます。

使用後はスポンジ部が大きく萎んでしまいました。

水研ぎ後に、スポンジとヤスリが剥がれるかも試してみましたが、接着の強さは健在でした。

同じように「神ヤス磨」でもやっていきます。

こちらも使用後にはスポンジが大きく萎んでしまいました。またヤスリの接着は剥がれませんでした。

スポンジナイトで水研ぎ

続いてスポンジナイトを使ってみます。

使用感は神ヤスとほとんど同じように思えます。

使用後です。

やはりスポンジとヤスリの接着が剥がれてしまいました。

しかし、神ヤスのように水研ぎでスポンジが大きく萎むということは無いようなので、スポンジ単体の耐久性をみるとスポンジナイトに分がありそうですね。

セリア スポンジやすりで水研ぎ

最後にセリアのスポンジヤスリです。

使用後です。

紙やすりがスポンジから剥がれており、ヤスリ面の砥粒の摩耗も激しいのが確認できます。

水研ぎ後にヤスリ面があまりにも綺麗に剥がれるため「もしかして水に弱いのか?」と思い、まるまる1枚水に浸けて剥がしてみました。

綺麗に剥がれましたね・・・。

しかし、400番(青スポンジ)以外のヤスリで同じような結果になるのか試してみたところ、どうやらすべてが水で剥がれるというわけでは無いようです。

同じパッケージに入っていた240番で試してみたところ、こちらは綺麗に剥がすことができませんでした。

値段も安いので個体差があったりするんでしょうかね?

神ヤスは水研ぎしたらインク溶ける?

水研ぎといえば神ヤスには大きな問題がありました。

以前の神ヤスでは、長く使用していると水や手の油分の影響で、スポンジの印字が溶けてくるんですよね。

インクが溶ける性質があるせいで「スポンジに印字がされていないスポンジナイトを愛用している」って方が出てくるほどに、水研ぎ勢にとってこれは大きな問題でした。

粗削りで使うヤスリならまだしも、塗装後の研ぎ出しに使うような神ヤス磨きでも同じような現象が起きてしまいます。

私もこれが理由で、神ヤス磨きを研ぎ出しで使わない時期もありました。

実はこの「水や手の油分でインクが溶け出す現象」については、ゴッドハンドの方も問題だと思ったみたいで、現在は改良された水に強いインクが使われているみたいです。


マイナーチェンジ過ぎて気づいてない方も多いはず。

パッケージもデザインも何も変わってないので見分けが付きませんからね。

ちなみに、先程の写真は左側が対策済み新製品、右側が旧製品です。違い分かりましたか?

まとめ

同じような見た目をしていても、実際に使用してみると違いがよく分かりますね。

この記事は「どれが一番性能が良いスポンジやすりか?」を伝えたいわけではなく、「どのスポンジやすりが自分に最適なのか」を理解してもらうために書いています。

高い品質の物が欲しいなら神ヤス、ラフに使いたいから耐久性よりもコスパ重視のスポンジナイト、コロナ禍で暇だから久しぶりにプラモでもつくろうかという方にはセリアのスポンジやすり、など使う人によって求める要求も様々でしょう。

どれを買うのがいいのか迷った時に、この記事を読みながら自分にあった商品を選んでみてください。

それでは。