こんにちは、柚Pです。
ワンダーフェスティバルなどの立体造形イベントで取り扱われているガレージキットですが、個人生産の場合が多く、塗装が施されてない状態の「ホワイト」や「アイボリー」の成形色のままのキットがほとんど思います。
そんな中、一部のガレージキットでは「カラーレジン」と呼ばれる着色された樹脂を使ってパーツの複製がされていることもあります。
今回はそんな「カラーレジン」について、入手方法から取り扱い方まで詳しく解説していきます。
目次
カラーレジンとは?

「カラーレジン」は、色を混ぜて着色されたレジン(ウレタン樹脂)です。
成形の段階で色が付いているため、塗装剥がれの恐れがある可動フィギュアや、未塗装で仕上げられるよう作られたガレージキットの「キャラグミン」なんかでよく目にしますね。
最近では、美少女系プラモデルのアフターパーツとして、プラパーツの成形色に色を合わせたレジンパーツで複製されている商品なんかもあります。
このように、カラーレジンを使えば成形色ならではの透明感が活かせるため、既存のプラパーツと組み合わせやすくもなります。
造形村 EXトナー

実際にカラーレジンを作るためには、レジンを着色するための「トナー」というものが必要になります。
以前はトナーとして模型用塗料が代用されていたりもしましたが、現在はウレタン樹脂専用の「EXトナー」という商品が造形村から販売されています。便利な世の中になりましたね。
EXトナーは、「ボークス」や、「ホビー天国オンラインストア」で購入することができます。
カラーバリエーション
- ホワイト 01
- ブラック 02
- レッド 03
- イエロー 04
- ブルー 05
- グリーン 06
- ブラウン 07
- シルバー 08
- フレッシュ 09
- オレンジ 10
- ライムグリーン 11
- パープル 12
- プリムラ フレッシュカラー
- プリムラ タンフレッシュカラー
大抵の色はラインナップされていますね。
私は基本色のレッド、イエロー、ブルー、肌色用でフレッシュの4本を所有しています。
足りない色については、三原色で調色して対応しています。
実際にEXトナーを使ってみよう

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それではEXトナーを使ってカラーレジンを作ってみましょう。
準備するものは、EXトナー、ホワイトのウレタン樹脂(120秒でも180秒どちらでも可)、調色カップ、デジタルスケール、などです。
0.1gまで量れるデジタルスケールに、調色カップをセットしてメモリを”0”にしておきます。

タミヤの調色スティックを使って、適量のトナーをカップに取り出します。
ここで1つ注意点です、EXトナーを添加できる最大量は「A液に対して3%」が上限ですので、入れすぎないようにしましょう。
添加するEXトナーは、少量だと色味が薄く、たくさん入れると色味が濃く出ます。
未硬化のレジン(A液)にEXトナーを入れても、硬化させたあとの色味を正確に把握することは難しいため、はじめは控えめな量で少しずつ添加していくのが良いでしょう。

適量のEXトナーを入れたら、カップにレジンの「A液」を入れます。
ここでも1つ注意点、取扱説明にも書かれていますが、EXトナーは必ず「A液」で混ぜてください。B液に混ぜると硬化不良などを起こす場合があるそうです。
A液を投入後、カップの底に入れたEXトナーが固まっていますので、調色スティックでよく撹拌しておきましょう。
これで着色された状態のA液が用意できました。
ちなみに私が作業するときは、EXトナーを混ぜるA液は500gほどまとめて作っています。型に流すレジンの複数回分をまとめて作っておいたほうが複製品の色味のバラツキが少なくなるので。
もちろん着色したA液は時間が経過するにつれて劣化していくので、当日中に使い切るようにしましょうね。
調色した色味の確認

「A液」の調色が終わったところで「B液」と混合し、レジンを反応させて硬化後の色味を確認してみましょう。
今回はEXトナーのイエローを0.5%くらいで添加しましたので、クリーム色のホワイトができました。
色味が薄いと感じたら、既に調色しているA液に追加でEXトナーを足して調整しましょう。
シリコン型に注型

それでは実際にシリコン型で使ってみましょう。
基本的な使い方は普通のレジンと何も変わらないのですが、ここでも注意点があります。
A液にEXトナーを数%に添加している場合、A液の重量はB液よりも重くなっています。
ですので1ショット分のレジンをカップに移す際は、A液はB液よりも数%多めに計量するようにしましょう。
(例:EXトナーを3%添加している場合 A液 103g+B液 100gで計量)
EXトナーのメリット・デメリット
EXトナーは混ぜるだけで使えるため、気軽にカラーレジンにチャレンジできる便利なアイテムです。
価格も安く、カラーバリエーションも豊富なため、少量生産の多色成形ガレージキットにチャレンジしたいという方におすすめです。
また、トナー同士の混色も可能なため「自由自在に色が作れる」という良さもあります。
ただ、EXトナーも欠点はあり、「調色作業が面倒くさい」という点が挙げられます。トナーを添加する量によって色味も大きく変わってくるシビアさもありますし、理想の色を的確に作るにはある程度の”慣れ”も必要になってきます。
それから、個人でカラーレジンを扱っているユーザーが少ないためか、ボークスやホビー天国でEXトナーを購入すると、長期在庫されていた”デッドストック品”に当たる可能性も高いです。
実際わたしが購入したEXトナーも、保管中に有機溶剤や可塑剤が揮発していたのか、内容量が半分以下の特濃なEXトナーになっていました。
濃度が高くなっているからと言って全く使えないわけでもないため、私はそのまま利用しましたが、濃度が濃いままグラム計算で規定量MAXの3%入れてたら硬化不良に繋がっていた恐れもあります。みなさんも購入される際は気をつけましょう。
RCベルグのカラーレジン

EXトナーを使う方法以外にも、RCベルグが販売する「カラーレジン」を使用する方法もあります。
RCベルグでは、調色済みのカラーレジンを販売しているため、大量生産での安定した色味が重要なシチュエーションの場合はこちらを選ぶのが良いでしょう。

カラーバリエーションも豊富で、22種類程度のラインナップがあります。ちなみに写真のカラーピースはRCベルグ公式通販より購入することができます。
この中に気に入った色があれば、そのまま調色済みのカラーレジンを注文できるため、ユーザー側の作業負担が少なく済みます。
RCベルグ カラーレジンの使用方法
RCベルグのカラーレジンでも「A液」に着色用の顔料が入っています。ですので、使用する数時間前にA液をよく撹拌しておきましょう。※使用する直前に撹拌すると成形品の気泡の原因になります
また、こちらもA液に追加で顔料が添加されているため重量が変化しています。そのため公式HPでは「B剤に対して5~10%多めに計量してご使用下さい」との記載があります。
「5~10%」という曖昧な数値が気持ち悪いという方は、未開封状態のレジンを容器ごとスケールに乗せて、事前に総重量を量ってみるのも手ですね。そうしたらA液にどの程度の顔料が添加されているか数値で判別できます。
(例:A液の重量1050g B液の重量1000g だった場合、A液に添加されている顔料は50gとなる したがってA液は+5%多めに計量する)
RCベルグ カラーレジンのメリット・デメリット
RCベルグのカラーレジンはプロの複製業者が調色しているため、いつ購入しても安定した色味であるといことが強みでしょう。
自分でカラーレジンの調色をすると、どうしても色のバラツキが出がちですが、こういった問題はRCベルグのカラーレジンではほぼ起こりません。
金額面でもノーマルのレジンよりも数百円高い程度なので、そこまで負担にもなりません。その程度の金額差でトナー代や調色をやってくれてるんですから十分でしょう。
デメリットがあるとするならば、自分好みの色に調色されたオリジナルカラーレジンは発注できないということでしょうか。
RCベルグでは、基本的にラインナップされている色のみの販売となっているため「こういう色のレジン作って~」みたいなリクエストは受けてもらえなさそうです。
ただし、RCベルグで複製代行を行う際は話は別です。カラーレジンでの複製を依頼した際には、色の指定は可能だったかと思います。
好みの色のカラーレジンが~というのは、あくまでもレジンだけを注文するときの話ですね。
まとめ
一見、ガレージキットに色を付けるという行為はハードルが高そうに見えますが、実際にやってみると意外と簡単なものです。
カラーレジン複製に以前から興味があった方や、これから始めようと考えている方の参考になれば幸いです。
それでは。
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