こんにちは。柚P(@yzphouse)です。
この記事では「フィギュアやガレージキットには興味があるけど、専門用語が多すぎて解説サイトをみても何を言っているのか分からない!」という方に向けて、フィギュアイベント・ガレージキット製作などでよく使われている用語をまとめてみました。
「間違った意味を書いている」などありましたら、お問い合わせフォームやTwitterにて直接教えていただけると助かります。
それでは続きからどうぞ。
目次
フィギュアイベント用語
ガレージキット・フィギュアイベントでよく耳にする用語をまとめました。
ワンダーフェスティバル
世界最大級のガレージキット・フィギュアのイベント。
「ワンフェス」や「WF」と略して呼ばれています。それ以外にも「ワンダーフェスティバル2018夏」を「WF2018S」という略されかたもします。
フィギュアメーカー・模型メーカーの新作商品をはじめ、個人製作のハンドメイドフィギュアなど、幅広い造形作品の展示・販売が行われている。
ガレージキットを購入できるイベントでもあり、モデラー・原型師の「作品をお披露目する場」でもある。
”当日版権システム”を導入しており、個人で製作したオリジナル作品以外にも、版権物のアニメキャラクターの商品を販売・購入もできます。
冬(2月)と夏(7月)の年に2回、幕張メッセを会場にしてイベントが開催されています。
フィギュア以外にも、長物(大剣や槍といったサイズの大きいコスプレ道具)が許可される過激めなコスプレイベントとしても有名。
トレジャーフェスタ
こちらもガレージキット・フィギュアのイベント。「トレフェス」と略して呼ばれてたりもします。
このイベントも当日版権システムを導入しています。
イベント自体は年に2回?あり、開催月は5月や12月が多いです。
イベント会場もまちまちで、トレジャーフェスタin神戸では「神戸国際展示場」、トレジャーフェスタin有明では「東京ビックサイト」となっております。
最近ではトレジャーフェスタ・オンラインというのを始めたらしく、当日版権アイテムを1~2日限定のネット通販で購入できるような画期的なイベントがあったりする。
しかし、登録料金が若干高いということもあり、ディーラー参加側からあまり良い話は聞かない。
キャラクターズフェスタ
トレジャーフェスタの開催が終了したあとに新しく出来た造形イベント。「キャラフェス」と略されたりする。
当日版権システムを導入しており、神戸・横浜・有明などを中心に会場を借りて開催しています。しかしコロナの影響で最近のイベントはすべて中止になっていて悲しい。(2020/07/12現在)
C3AFA
ガレージキットイベント。旧”キャラホビ”、旧”C3TOKYO”、現在は”C3AFA”というイベント名に変更になりました。
土曜~日曜日の2日間にわたって開催されていて、その中の「C3AFAマーケット」というコーナーにて当日版権システムを導入したガレージキット販売スペースが設けてあります。
そして一番の特徴としては、唯一「創通」の許諾が降りるガレージキットイベントでもあります。つまり、ガンダム作品のガレージキットを販売・購入できるイベントです。
開催月は殆どの場合は8月です。ワンフェス夏の1ヶ月後にC3AFAが開催されるというイメージです。
ガンダム系やロボット系のガレージキットをお求めの方は、迷わずC3AFAへ!!
当日版権システム
アニメ・マンガのキャラクターなどは大抵の場合は「著作権」で守られていて、勝手にフィギュア(ガレージキット)を製作して販売したりする行為は法律により禁止されています。
この「当日版権システム」というのは、事前にマンガ・アニメのキャラクターの権利を持っている版権元に公式に許可を取って「イベントの開催されている1日(当日)だけ販売していいですよ」という許可をもらうシムテムです。
版権元に許可をもらえたガレージキットは、公式に公認された商品となり「版権シール」が貼り付けられ、お金を使って取引しても問題が無くなるというわけです。
ちなみに、当日版権シールを貼り付けてあっても、そのイベント外での販売は禁止とされています。あくまでも”当日”だけの許可なので。
ディーラー
イベントで商品を出展・販売するブースのこと。個人でガレージキットを製作して販売しているブースを「アマチュアディーラー」とも呼ぶ。
そしてディーラーには1つ1つ名前がついていまして、そう、チーム名みたいなもんです。
私はというと、うるにうさんが代表をしている「水色病」というディーラーにいつもお世話になっています。
ワンダーショーケース
ワンダーフェスティバルの中で行われているイベントの1つ。「WSC」と略されたりする。
「個性的な造形作家」や「新進気鋭な造形作家」を中心に1イベントごとに3人ほど選出され、選出されるとイベント会場の一角に特別なステージが用意されて、フィギュアが展示されたり、販売されたり、ガイドブックの裏表紙の広告になったりする。
WSCに選ばれる造形作家は、アマチュア原型師にとっての「憧れ」であったり「目標」であったりする。
ダイレクトパス
ワンダーフェスティバルが取り入れているシステムの1つ。
事前販売される有料のパスチケットで、このダイレクトパスを持っているとイベント会場に遅れて到着してしまい、長蛇の一般待機列が出来ていても、優先的にダイレクトパス用に特別に設けられた最前列に並ぶことができる。
ダイレクトパスを入手するには、WFの公式HPにて事前に手続きをして抽選で当選する必要がある。倍率はけっこう高いらしい。
さらに、通常の入場券(2500円)とは別に、ダイレクトパス(3000円)が必要となる。
始発の電車で会場へ向かい、数時間前から待機列に並んだりする人が嫌。でも欲しいガレージキットがあるから確実に手に入れたい!という方にオススメ。課金アイテム。
ガイドブック
イベントに出展しているメーカーや、ディーラー、注意事項なんかが書いてある本。修学旅行のしおりみたいなもんです。
ワンフェスなどのフィギュアイベントなど、ガイドブックが入場券になっている場合もあります。
書店、各オタクショップ(アニメイト、とらのあな、ボークスなどなど)にて事前販売もしています。参加するなら事前に入手しておきましょう。
ガレージキット用語
ガレージキット・フィギュアでよく使われている用語です。
覚えておくと、ガレージキット製作のHowTo記事とか読みやすくなるでしょう。
ガレキ
ガレージキットの略称。
ガレージキットは個人が製作したフィギュアを複製した未組立未塗装のキットの事。
素材はプラモデルで使われているPS樹脂とは違い、個人でも扱いやすい「ポリウレタン樹脂」がほとんどです。
原型師
ガレージキットの元となったフィギュアを製作した人のこと。
メーカーで活躍している原型師を「商業原型師」、個人・趣味でやっている原型師を「アマチュア原型師」と呼んだりもします。
デコマス
「デコレーションマスター」の略称。
工場で製作されるフィギュアの彩色見本のこと。そのデコレーションマスター(以下:デコマス)と同じような色になるよう、フィギュア製造工場がデコマスを真似して塗装・量産をしていきます。
本来の意味とは違ってきますが、造形イベントなどではアマチュアディーラーが製作した彩色見本のこともデコマスと呼ばれてることもありますね。
最近では「色がついているフィギュア見本」は総じてデコマスと呼んでいるような感じです。
取扱説明書・パーツリスト・インスト
ガレージキットの取扱説明書のこと。
キットに入っているパーツのリストであったり、パーツ不足・成形不良があったときに対応してくれる連絡先などが書いてある。
「インスト」というのも説明書という意味。最近まで「インストールの略称かな?」と思っていたが、ほんとうは「インストラクションカード」という言葉の略称らしい。
湯口
ガレージキットのパーツに樹脂を流すための道筋が残ったもの。
プラモデルで言うところのゲート。
湯口の処理については「ガレージキットの湯口・パーティングライン・バリの処理の方法をまとめてみた。」の記事を参考にしてください。
パーティングライン
パーツを成形するシリコーン型の合わせ目から発生するライン。
パーティングラインの処理については「ガレージキットの湯口・パーティングライン・バリの処理の方法をまとめてみた。」の記事を参考にしてください。
バリ
パーツを成形するシリコーン型の合わせ目から発生するバリ。パーティングライン同様、型同士の合わせ目から発生する。
バリの処理については「ガレージキットの湯口・パーティングライン・バリの処理の方法をまとめてみた。」の記事を参考にしてください。
気泡
ガレージキットのパーツに入り込んだ空気の粒こと。
パーツ成形で最後まで樹脂が流れ込まなかった部分が気泡となってパーツ表面に現れる。
それ以外にも、ポリウレタン樹脂の劣化や湿度が原因で発生する「微細気泡」もある。非常に厄介。
気泡の処理については「ガレージキットの気泡・合わせ目・ゴミ混入パーツの処理の方法をまとめてみた。」の記事を参考にしてください。
芯打ち・軸打ち
ガレージキットのパーツ同士を「真鍮線」や「アルミ線」などで繋ぐ作業の事。
離型剤落とし
パーツの表面に付いた離型剤(薬品)を取る作業のこと。
パーツに離型剤が付着したままだと、塗装をしても塗料がちゃんと食いついてくれない。(すぐ剥がれる)
詳しくは「フィギュア初心者でもできる!ガレージキットの離型剤を徹底的に落とす方法!」の記事を参考にしてください。
フィギュアの原型製作・複製でよく使われる用語
原型
量産前のフィギュアパーツのこと。パテや粘土、3Dプリンタで出力されたものなど様々。
この原型をベースにシリコーン型を作って複製していきます。
石粉粘土
フィギュアを製作するマテリアルの一つ。ファンドなどが有名。
石の粉をベースにしてある粘土で、造形のしやすさ、切削性の良さが特徴です。
その反面、硬化時間が長かったり、表面処理が難しかったり、硬化後の強度が無かったりと使用感に癖があるので使い手を選びます。
スカルピー
フィギュア造形でよく使用されているオーブン粘土のこと。スカルピーというのは商品名。
種類も色々あり「グレイスカルピー」「スーパースカルピー」「リキッドスカルピー」なんかがあります。
オーブンやトースターで”焼く”ことで硬化する粘土で、焼かない限りは固まらないので気が済むまで造形ができます。
しかし、使うにはオーブン・トースターという設備が必須で、また焼く時に有害なガスが発生するので食品で使用しているものと併用ができないというハードルもあります。
パテ
フィギュアを作るのに使用されるパテです。
使用されるパテは「エポキシパテ」であったり、「ポリエステルパテ」だったりします。自分が使いやすいと思うパテを使いましょう。
プラモデルで使える「エポキシパテ」の種類を徹底比較してみた。
プラモデルで使える「ポリエステルパテ」の種類を徹底比較してみた。
マジックスカルプ
フィギュア製作でよく使用されているエポキシパテの1つ。「マジスカ」と呼ばれてたりする。
内容量の割に値段が安く、硬化後はナイフで切削するのが困難になるほど非常に硬度が高くなる。それからエポパテの中でも毒性がかなり強いほうなので皮膚が弱い方は注意です。
ワセリン
原型製作時のパテ同士の離型剤として使われたり、シリコーン型と原型のスキマ埋めに使ったりします。
全国のドラッグストアで購入できます。あとリップクリームとかでもワセリンの代用ができます。
スパチュラ
フィギュア造形での粘土・パテの形を整えたりするための金属製のヘラ。歯医者とかにも置いてある道具。
そして口に出して読みたい道具の1つでもある。すぱちゅら。
粘土埋め
原型を複製するための工程の一つ。
一番はじめのシリコーン型を作るために、粘土に原型を埋める。
詳しくは「フィギュア複製を徹底解説!ガレキの原型パーツを粘土埋めしてみよう!」の記事を参考にしてください。
ほいく粘土
粘土埋めでよく使用されている油粘土。ほいく粘土というのは商品名。
シリコーンと粘土が剥がれやすいという評判の良い粘土です。
シリコーンゴム
シリコーン型を作るための材料。
液状のシリコーンゴムに硬化剤を混ぜることによって、シリコーンは硬化する。
石膏
2面のシリコーン型を輪ゴムで締め付ける際の裏打ち(バックアップ材)としてよく使われる。
ベニヤ板やMDF版、金属板でも代用可。
レジン・キャスト・ポリウレタン樹脂
ガレージキットで主に使われている樹脂。いろんな呼ばれ方がある。
液状の「A液」と「B液」の2種類を同じ量で混合させたら120秒~10分ほどで硬化する。
その中でも色のついたものを「カラーレジン」、無色透明なものを「透明レジン」「クリスタルレジン」という。
A液・B液
ガレージキットの複製で「A液」「B液」と言えば、たいていはポリウレタン樹脂の事を指している。
この言葉がよく使われる例としては「B液+B液をシリコーン型に流してしまった。」など。締切前の集中力の切れた修羅場でやってしまう事故でよく使われます。
ベロ
ポリウレタン樹脂の容器に付属しているあれです。「ベロ」という名前の注ぎ口です。
販売しているメーカーによってはベロが付属していない場合もあります。「注ぎ口が買いたいけどあれなんて名前だったかな?」となるかもしれないので、これを機会に覚えておきましょう。
離型剤
シリコーン同士を剥がれやすくするための離型剤だったり、シリコーン型をレジンによるダメージを抑えるための離型剤の事です。
この「シリコーン用の離型剤」と「レジン注型用の離型剤」は種類が違うので間違えないようにしましょう。
シリコーン型の離型剤として有名なのはクレオスの「シリコーンバリアー」ですね。
レジン用の離型剤は信越の「KF412SP」だったり、平泉洋行の「ハイリムーバー」だったりが有名でしょうか。
ワックスブルー
床用のワックス材・・・ではなく、ここではシリコーン同士に使う離型剤です。昔のモデラーさんがよく使ってたイメージがあります。
現在のように複製専用の材料がそこまで存在しなかった時代から使用されていた離型剤です。値段の割に内容量も多いので今でも愛用している人も多い印象です。
湯口
シリコーン型のパーツにレジンを流すための道筋の事。
プラモデルで言うところのランナー・ゲート。
常圧型
シリコーン型にレジンを流すだけでパーツが整形できるように作られた最も一般的なシリコーン型のこと。
遠心型
遠心力を使ってシリコーン型の中にレジンを流す特殊な型のこと。
シリコーン型を高速回転させるための特別な機材が必要。上級者向け
真空型
真空脱泡機を使用してシリコーン型の中にレジンを流す特殊な型のこと。
真空ポンプと真空デシケーターなどの特別な機材が必要。上級者向け
加圧脱泡
加圧された容器の中でレジンを硬化させることで気泡を小さくしてパーツを成形する技術のこと。
装置は加圧鍋と自転車用の空気入れで自作できる。
しかし、加圧鍋が空気で高圧になるので下手に製作したら爆発する危険もあるので、敬遠している人も多い。
真空脱泡
真空の容器の中でレジンを流し、一瞬だけ真空にする。そうすると液状のレジン液は沸点が下がり沸騰する。ついでに大気圧も下がってレジン液の中に含まれていた微細気泡の体積も大きくなり、気泡に浮力が生まれ液の外へ出やすくなる。
容器の中を真空にしたあと、レジン液が硬化する前に容器内部を常圧に戻す。すると沸騰は収まり、体積の大きくなった気泡は小さくなる又は消滅する。結果、気泡の少ないパーツが作れる。
たしかこんなかんじのパーツ複製の技術です。(私はまだやったこと無い)
ちなみに、個人でも6万円~くらいお金を出せは真空脱泡装置を自作できるみたいです。
フィギュアの製作・複製でよく耳にするメーカー
ガレージキットを一から作るとかじゃない限り、知ってても知らなくてもいいです。
複製に必要な道具や材料を売っている有名なメーカーをまとめてみました。
造形村・ボークス
ガレージキット製作で必要なマテリアルをはじめ、複製で必要なシリコーン、レジン、離型剤など数多く取り揃えてる模型店です。全国にあります。
複製をしたことがなく、いきなりネットの情報だけで複製するのは不安!という方は、こういった専門店で詳しい店員さんに話を聞きながら道具を揃えていくと安心でしょう。
商品としては「透明シリコン」とかが有名ですね。
RCベルグ
レジンの複製代行をはじめ、3D出力サービス、ホワイトメタルの複製なんかもしているメーカー。
複製に必要なシリコーンだとかレジン、離型剤の通信販売もしている。
高品質な業者抜きのメーカーとしても有名。通信販売では耐溶剤性の強い「ダヴ#8000」、「ダヴ#3498」、も有名。
ウェーブ
シリコーンゴムやノンキシレンのレジン、各種複製に必要なアイテムを販売している模型メーカー。
キャスティングウォールやシリコーンゴム型用ダボピンなど複製で使える便利なアイテムが多い。しかし、ノンキシレンのホワイトレジンは地雷なので注意。
クレオス
シリコーンゴムやレジン、型取り用ブロックなど、複製に必要なアイテムを販売している模型メーカー。
Mr.シリコーンバリアーやMr.型取りブロックなんかが有名。
旭化成
https://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/
複製で使われるシリコーンゴムを製造している会社。
ワッカーシリコーンM8012が有名。造形村、クレオスのシリコーンは旭化成のワッカーシリコンのOEMと言われている。
ダウ
複製で使われるシリコーンゴムを製造している会社。
シラスコン#8000とシラスコン#3498が有名。RCベルグから購入できる。
信越化学工業
複製に使われるシリコーンゴムや離型剤を製造している会社。
昔から複製作業をしていた人は信越のシリコーンゴムを愛用しているイメージがあります。(私は使ったこと無い)
離型剤「KF412SP」が有名。東急ハンズとかにも売ってる。
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