まるで洗濯機!3Dプリンターの洗浄機「ELEGOO Mercury Plus V3.0」を使って快適に出力品洗浄!

モデラー

  • 柚P

 

こんにちは、柚Pです。

突然ですが「3Dプリンターの洗浄」って超面倒くさいですよね。出力品を洗ってるうちに、机の周りは洗浄液やレジンでベトベトになりがちです。

今回は、そういった「3Dプリンターの出力品洗浄における作業性の悪さ」を一気に解決してくれる便利マシーンを導入しましたので、詳しく紹介していきます!

ELEGOO Mercuryシリーズ

このたび新しく導入したのは、ELEGOOの『Mercury』という「水流タイプ」の洗浄機。

Mercuryにはいくつかのシリーズがあり、同じELEGOOが販売している3Dプリンターによって対応する機種が分かれているようです。

ELEGOO Mercury Plus 2.0

「Mercury Plus 2.0」は、ELEGOOが販売している小型3Dプリンターのサイズに対応している洗浄機です。

MARSシリーズを使ってるユーザーに最適でしょう。Mars2、Mars3、Mars4、Mars4Ultraなど。
※MARS5シリーズは既存のMARSシリーズよりもプラットフォームサイズが大きいため、洗浄槽に直接入れることはできないみたいです。

こちらの機種の最大洗浄サイズはこのようになってます。

  • プラットフォーム付き【W124mm D90mm H110mm】
  • プラットフォーム無し【W131mm D90mm H220mm】

購入する際は、自分が使用している3Dプリンターのサイズに対応しているか確認しておきましょう。もちろん洗浄サイズに問題がなければ、他社製プリンターでも運用することは可能です。

こちらの商品は、洗浄機能とは別で『二次硬化機能』も搭載されています。洗浄バケツを取り外してターンテーブルを取り付けることで、洗浄後のモデルの二次硬化をすることが可能です。

ELEGOO Mercury X Bundle

「ELEGOO Mercury X Bundle」は、ELEGOOが販売している中型の3Dプリンターのサイズに対応している洗浄機です。

Saturnシリーズをはじめとする幅広いモデルに対応しているようです。Saturn2、Saturn8K、Saturn3、Saturn3Ultra、など。

※Saturn4シリーズは既存のSaturnシリーズよりもプラットフォームサイズが大きいため、洗浄槽に直接入れることはできないみたいです。

こちらの機種の最大洗浄サイズはこのようになっております。

  • プラットフォーム付き【W180mm D121mm H153mm】
  • プラットフォーム無し【W201mm D124mm H255mm】

Mercury Plus 2.0よりも洗浄サイズが大きいため、「出力品の量産」などの目的で3Dプリンターを運用している方にオススメできます。

こちらの商品では、洗浄機とは別に『二次硬化機』も付いてきます。洗浄機と二次硬化機の2台セットということです。

机の上の専有面積が広くなってしまいますが、作業効率改善には大きく貢献してくれそうです。

「Mercury X Bundle」「Mercury XS Bundle」の違い

見た目が完全に同じなのに「X」と「XS」で値段の差があるため、購入の際に困惑してしまいますよね。

『Mercury XS Bundle』には、中空で出力したモデルの内部を二次硬化させるのに便利な「ハンドヘルド UV ランプ」が付属しています。

二次硬化不良が起こると、時間経過により表面にクラックが発生してしまう恐れがありますので、出力品をより完璧に二次硬化させたいという方は「XS」のタイプを選択しましょう。

Mercury Plus V3.0

そして今回新しく導入したのが「Mercury Plus V3.0」です。

最新モデルということもあり、ELEGOOが販売している大抵の機種に対応しています。

こちらの機種の最大洗浄サイズはこのようになっております。

  • プラットフォーム付き【W214mm D135mm H180mm】
  • プラットフォーム無し【W230mm D135mm H260mm】

洗浄槽も歴代で最大のサイズを誇っています。

洗浄カゴ


▲Saturn8Kのプラットフォーム装着時

Mercury Plus V3.0では樹脂製の洗浄カゴが採用されており、両サイドに取り付けてあるブラケットを調整することで、様々な大きさのプラットフォームに対応することができます。

カゴの網目は少し粗めなので、サイズの小さい出力品を洗浄する際は注意しましょう。

プロペラ

マグネットスターラーと同じような方式で回転するプロペラは、かなり大型のものが使われています。

プロペラは本体からの磁力で回転するので、洗浄バケツ内に磁性体は入れられません。

洗浄作業で汚れた「六角レンチ」「ピンセット」「スクレーパー」などなど、まとめて入れて洗浄したくなりますがやめておきましょう。

二次硬化機能

洗浄バケツを取り外してターンテーブルを取り付けることで「二次硬化機能」として使うこともできます。

サイズは【Φ250mm (H)290mm】もあり、かなりの大型出力品にも対応できます。

ターンテーブルの下側は、出力品下部を照らすための「UVライト」と「反射鏡」が設けられているため、まんべんなく二次硬化が行えます。

操作パネル

操作パネルは非常に単純な作りをしています。

「💧洗浄モード」「☼二次硬化モード」を選んで、「+」「-」で動作時間を選択、最後に「⏯️」で動作開始させます。

これまでのモデルでは「丸型のノブ」を操作するタイプでしたが、現行機より「タッチボタン式」になったおかげで、物理的なボタンの故障も無くなり、かつ汚れたときの清掃も楽に行えるようになりました。

電源周り

電源スイッチは正面から見て右側にあります。「24V2.5A」のACアダプターを接続することで動作しているようです。

どこで使われるのか分かりませんが「24V1.5A」のOUTポートも付いていますね。

また電源上部には、二次硬化中にUV保護カバーが正しく装着されているか確認するための「リミットスイッチ」がチラリと覗いていますね。

洗浄バケツ

洗浄バケツには、MAXで7.5Lもの洗浄液を入れることが可能。

出力品を洗浄バケツに直接入れて運用する場合は、洗浄液をMAXまで入れる必要はありませんが、プラットフォームを丸ごと洗浄したい場合は、7.5Lきっちり洗浄液を入れないと水面が出力品に届かないです。

7.5Lもの洗浄液を用意するのはなかなか大変なので、Mercuryと一緒に一斗缶のIPAも買っておいたほうがいいですね。

実際に洗浄してみる

というわけで実際に出力品の洗浄をしてみます。使用したレジンはRESIONEのM68です。

ELEGOO Saturn8Kでプリントした出力品をプラットフォームから外さず、そのまま「Mercury Plus V3.0」に突っ込みます。

洗浄モードを「10分」に設定して動かします。

動作中は、設定した時間に合わせて「右回転」「左回転」で洗浄してくれます。

ジャバっと上げた出力品がこちら。

今回の出力品は奥まったモールドも少なかったため、1回の洗浄で隅々まで綺麗になってくれました。

ビルドプレートから滴る洗浄液も、レジンの濁りもなくかなり綺麗。

とはいえ洗浄液は運用を続けていると徐々に汚れてきますので、出力後の「プレウォッシュ」で運用するのがよさそうですね。

私の場合は、「Mercury Plus V3.0」でプレウォッシュを行い、「IPAを入れた有機溶剤対応のスプレーボトル」を使って汚れたIPAを洗い流して仕上げるようにしています。

これで洗浄作業の効率がかなり上がります!

気になった点

「Mercury Plus V3.0」の気になった点もいくつか紹介しておきます。

洗浄バケツが重い

洗浄液を7.5Lも入れているので、洗浄バケツ全体がめちゃめちゃ重いです。

なので、【 洗浄 → バケツ取り外し → 二次硬化】の作業が大変苦痛になります。

その点「Mercury X Bundle」は、洗浄機と二次硬化機が別々なのでありがたいですね。

必然的にバケツが大きくて重くなる大型の洗浄機なので、そもそも2in1にはしないで、その分値段を下げて欲しいですね。

洗浄バケツのフタのロックが硬い

洗浄バケツのロック部分がすごく固く、取り付けるのにもコツがいります。

大きなフタなので、強いの力でロックさせないとパッキンが効かないという理由があるかもしれませんが、せめて大人の男の力で軽く動かせる程度の力加減に調節しててほしかったですね。

フタのロックを外すため過剰に力んで、バケツを引っくり返しそうな未来が見えます。

 Saturn8Kのプラットフォームを入れるとフタが閉まらない

この洗浄バケツ、現在の最新モデルである「Saturn4シリーズ」のプラットフォームならすっぽり入るサイズ感なのですが、以前のSaturn8Kなどのプラットフォームでは、背が高いためかフタが完全に締められません。

「Mercury X Bundle」を選ばなかった私の問題もあるのですが、ELEGOOの光造形方式3Dプリンターとの互換性があると謳っている以上は、もう少しなんとかして欲しかったですね・・・

水洗いレジンとの相性

洗浄液との親和性が高くないレジンで運用すると、正常に洗浄が行われない恐れがあります。

ちなみに写真の出力品は、SK本舗の「10K水洗いレジン」ですが、水だけでは十分に洗うことはできませんでした。

レジンと洗浄液が完全に溶けあうことを確認してから運用するのがよさそうですね。

まとめ

これまではSK本舗で購入した「超音波洗浄機」を使って出力品をちまちま洗っていましたが、「Mercury Plus V3.0」を導入したことにより洗浄作業に対するハードルが一気に下がり、個人的には大満足な結果でした!

プラットフォームまるごと洗浄できるので、レジンまみれの出力品に触らなくも良くなったというのも最高ですね。

今の出力品洗浄に不満を持っているすべての方におすすめできる便利アイテムですので、気になった方はぜひ使ってみてはいかがでしょうか!

それでは。

記事に関連するキーワード