こんにちは。柚P(@yzphouse)です。
ゲート処理から大掛かりなスクラッチの作業、様々な場面で便利に使える工具に「デザインナイフ」というものがあります。
名称も色々とあり、「デザインナイフ」「デザイナーズナイフ」「アートナイフ」「モデラーズナイフ」という名前で呼ばれている工具です。今回はその「デザインナイフ」の種類についてまとめてみました。
目次
そもそも「デザインナイフ」って何?
一般的なナイフといえば、カッターナイフを想像すると思います。じゃあ、カッターナイフとデザインナイフの違いは何なのか。
大きな違いとしては、本体の形状と刃先の先端角度にあります。
デザインナイフの本体は「ペン型」で、丸い形状のものが殆どです。なので筆記用具を持つようにナイフを直感的に操れるので細かい作業もしやすく作られています。
そして、もう1つに「刃先の角度」です。普通のカッターナイフは、刃が本体と平行な直線で付いていますが、デザインナイフは約30度の角度が付けられています。
この角度がつくことによって、手元の視認性の向上、奥まった部分の加工、押して切る力が入れやすくなる、などが挙げられます。
ただし、刃先に角度を付けることによって刃先の長さが確保できないというデメリットもあります。なので大きなものを切る作業には適していないものが多いです。
デザインナイフの種類
デザインナイフの種類ですが、各メーカーから色んな種類が販売されています。
有名なところで「オルファ」「NTカッター」の2社があります。オルファからのOEMとしてタミヤもデザインナイフを販売していたりもします。他にも、「FEATHER(フェザー)」というメーカーから特殊なメスも出ています。
中型デザインナイフ
オルファ アートナイフ 10B
最も一般的で手に入れやすいオルファの「アートナイフ10B」です。
ナイフの刃はプラスチックのボディで挟み込むことによって固定されます。
タミヤから「モデラーズナイフ」という名前でも販売されていますね。オルファのデザインナイフのOEMとなっているようです。
タミヤの方が、プラスチックのボディが多角形になって滑りにくく作られていて、ボディに転がり防止のストッパーが付いていたりとモデラーユーズを考えて改良がされています。なにより、ボティに記されているタミヤマークがカッコいいですね。
オルファ・タミヤ共に、このデザインナイフの替刃は
- アートナイフ替刃 【XB10】 刃厚:0.45mm
- アートナイフ替刃 【XB10S】 刃厚:0.45mm
- ホビーのこ替刃 A替刃(広刃)【XB167A】刃厚:0.35mm
- ホビーのこ替刃 B替刃(細刃)【XB167B】 刃厚:0.35mm
- アートナイフプロ替刃(直線刃)【XB157T】 刃厚:0.5mm
- アートナイフプロ替刃(曲線刃)【XB157K】 刃厚:0.45mm
- アートナイフプロ替刃(平刃)【XB157H】 刃厚:0.55mm
があります。切れ味が悪くなったら交換しましょう。ちなみに、購入時に付いている替刃は 「XB10」「XB10S」 となっています。
サイズ的には「アートナイフプロ用ー特殊形状の替刃」も取り付けられるので、必要な場合は別途購入して使用します。
この商品の上位互換として、「オルファリミテッドAK」というモデルもあります。
持ち手のボディがフルアルミ製に変更されていて、ナイフの刃を固定する部分も金属パーツに変更されていて全体的な剛性が上がっています。
リミテッドAKはフルメタルボディなので、アートナイフ10Bに比べると重量が増しています。リミテッドAKが31g、アートナイフ10Bが14gなので、重さは倍以上になります。
使う人によっては「重くて手が疲れやすい」や「重い方が安定感があってしっくりくる」という使用感をおぼえるかもしれません。
NTカッター デザインナイフ D-400G
次に、NTカッターから販売されている、同等の中型サイズのデザインナイフの「D-400G」です。
替刃はBDL-Type(BDL-41P)です。
サイズの規格的にはオルファの「アートナイフ替刃 XB10」とほぼ同じなのでこの替刃も使用可能です。
ボディはアルミダイカストのフルメタル製で、重量は25gです。グリップ側に重さが集中していて少し癖がありますが、逆にこの重量バランスが使いやすさに繋がっているのかもしれません。値段は432円でフルメタルにしてはかなり安いです。
同じタイプで、ボディが樹脂製(ナイロン製)の「DL-400P」「eDL-400」もラインナップされています。
刃先の固定も樹脂のボディで行うので、D-400Gに比べると刃の保持や剛性は劣ります。その代わり、重量が11~12gとかなり軽く作られています。
大型デザインナイフ
オルファ アートナイフプロ 157B
ゴム製のグリップが付いており、ボディがひとまわり太くなったデザインナイフの「アートナイフプロ 157B」です。
太いグリップ・ボディなので力の必要な加工で活躍してくれます。転がり防止のストッパーもついています。
替刃は「大型の刃」が使われることが多いです。主には、
- ホビーのこ替刃 A替刃(広刃)【XB167A 】 刃厚:0.35mm
- ホビーのこ替刃 B替刃(細刃)【XB167B】 刃厚:0.35mm
- アートナイフプロ替刃(直線刃)【XB157T 】 刃厚:0.5mm
- アートナイフプロ替刃(曲線刃)【XB157K 】 刃厚:0.45mm
- アートナイフプロ替刃(平刃)【XB157H 】 刃厚:0.55mm
が使われます。
メーカーの規格では”アートナイフ替刃 XB10”も装着可能ですが、せっかくなので、刃の大きさ、厚みのある、「アートナイフプロ替刃 XB157T 」を付けるのがオススメです。
小型デザインナイフ
オルファ デザイナーズナイフ 216BY
中型デザインナイフより、さらにもう一回り小さい替刃を装着している小型デザインナイフの紹介です。はじめはオルファの「デザイナーズナイフ 216BY」から。
ナイフのキャップと替刃の入っているケースを合体させて、デザインナイフ立てを作ることも出来るようです。アイデア商品ですね。
替刃は、XB216(刃角30° 刃厚0.38mm)を使用します。NTカッターの替刃 ”DA-Type(BDC-200P)刃厚0.38mm”も使用可能です。
違いとしては、デザインナイフ10Bに比べて、刃の大きさが小さく、刃厚も0.38mmと薄くなっているので、更に小回りがきくようになり繊細な作業がやり易くなっています。
刃を保持するパーツも金属製なので作業中に、替刃がズレたりすることもほとんど起こりません。
そして同等商品として、タミヤから販売されている「デザインナイフ」もあります。オルファのデザインナイフのOEMとなってます。現在は廃盤になったオルファの「102B」という型番のOEMっぽいです。
タミヤのデザインナイフは、ボディが八角形になっており、転がりにくい形状に変更されています。そしてボディの中心で金色に光るタミヤマークもポイントの一つですね。
NTカッター D-400P
NTカッターからも小型デザインナイフは販売されています。デザインナイフ「 D-400P 」です。こちらもオルファの216BYと同じタイプの小型の替刃を使用したデザインナイフになります。
ぶっちゃけ、使用感はオルファの物と殆ど変わりません。形も殆ど同じですね。個人的にはオルファの216BYより、NTカッターのD-400P方が、飾らないシンプルなデザインで好きです。
ただ、シンプル過ぎる(本体形状が丸い)ので、机の上に不用意に置いておくと転がって床や足に落ちてくるので注意しながら取り扱いましょう。
他にもD-400Pの形はそのままで、カラーバリエーションを追加した「D-401P」(ピンク、ホワイト、ブルー、グリーン、バイオレット)や、ボディがフルアルミになった「D-400GP」、再生プラスチックで作られた環境にやさしい「eD-400」などもあります。
替刃は
- DA-Type(BDC-200P)刃角30° 刃厚0.38mm
- DA-Type(BDA-200P)刃角45° 刃厚0.38mm
の2種類があります。
オルファの”XB216(刃角30° 刃厚0.38mm)”の替刃もコチラと同じ規格なので問題なく取り付けられます。
特殊デザインナイフ
NTカッター DS-800P
NTカッターから「DS-800P」というモデルです。替刃には、”BDC-200P”、”BDA-200P”、を使用します。
このデザインナイフの最大の特徴はグリップの細さです。細さがΦ6.0mmしかなく、下手したら鉛筆やボールペンなんかよりも細いボディをしています。
他のデザインナイフより、更にペンのように細かく扱えるので、マスキングテープ、メタリックシールの細かいカットなんかに適しています。
ただし、ボディが細い分グリップに力が入れにくく力の必要な工作には向いていません。それとは別に、刃を保持する部分に別売りの針を固定できるように作られているので、けがき針として使用することもできます。
フェザー メスハンドル
フェザーから販売されているデザインナイフ、といより「医療用のメス」です。
グリップ形状に幾つか種類があり、太いタイプの「No.3」細いタイプの「No.7」などがあります。本体の形状は薄い板状で、グリップした時に、刃の向いている方向が一定になるり安定して作業ができるようになっています。
次に替刃ですが、コチラにもいくつか種類があります。番号と記号でサイズや形状の違いが表記されています。
緩いRの刃の「10」、直線刃の「11」、鎌状の刃の「12」などなど・・・すべてあげるとキリがないですね。全部で16種類ほどの刃先形状があるようです。詳しくはフェザーの公式HPで確認したほうが早いと思います。
そして、この替刃には他のデザインナイフには無い特徴がありまして、外科手術用のナイフなので「刃先の耐久性・柔軟性がとても高い」という点です。
刃に使われている金属が非常に柔軟なので、作業中に刃先が折れたりすることが殆どありません。考えてみると当たり前なんですが、人間の身体を手術中にメスの刃が折れたりしたら大事ですからね。
刃の耐久性も高いのでプラスチックを切る場合でも、高い切れ味を長い間維持してくれます。
その代わり、替刃が一枚で100円程度するので、デザインナイフに比べコストパフォマンスはかなり低いといえます。
そして、人の肉を切りやすい刃付けをしてあるせいか、刃が指に当たってしまったら綺麗に「スパッ」と肉が切断されるので手元が狂ったときもかなり危ないです。(笑)
ですが、逆に「柔らかい素材も楽に切れる」という特徴があるおかげで、複製で使う「シリコーン型の湯口の切り出し」にも適したナイフだと言えます。
まとめ
デザインナイフは模型作りでは必須と言っても過言ではないような道具の一つです。プラモデル、フィギュアを作ったことのある人なら、ほとんどの人は既にデザインナイフを1本以上は持っていると思います。
自分の使いやすいメインとなるデザインナイフの他にも、特殊形状のナイフや、手術用メスを持っていればいざという時に使えるかもしれません。これを気に新たしいデザインナイフの購入も検討してみてはいかがでしょうか。
それでは。