こんにちは。柚Pです。
この記事では、GSIクレオスが販売している高級エアブラシ『プロコンBOY WA ダブルアクション プラチナVer.2』の分解洗浄・メンテナンスについて詳しく紹介していきます。
それでは続きからどうぞ。
▼エアテックスのエボリューション(H&S社製)の分解メンテナンスについての記事はこちら
エアブラシを徹底分解メンテナンスしてみた。『一生使えるエアブラシ』として運用していくための技術目次
プロコンBOY WA ダブルアクション プラチナVer.2
今回紹介するのはGSIクレオスが販売している『プロコンBOY WA ダブルアクション プラチナVer.2』。人気ロングセラー商品でもあるのでプラモデル趣味をしている方の愛用者も多いかと思います。
このエアブラシにはノズル径0.3mmとノズル径0.2mmの二種類のモデルが販売されています。ちなみにどちらも基本構造は同じです。
定価は14,630円とダブルアクションのエアブラシの中でも高級な部類に入りますね。
安い道具ではないので、できるだけ長く使い続けられるよう丁寧にメンテナンスをしてやりしましょう!
メンテナンスに使用する道具
エアブラシのメンテナンスをするために専用の『グリス(潤滑剤)』や『洗浄用ブラシ』を用意しておきましょう。
私のオススメはタミヤの『スプレーワーク エアーブラシ用クリーニングセット』です。ゴムへの攻撃性も無いため安心して使うことができます。
各パーツを分解していく
それではエアブラシのパーツを分解していきましょう。
※エアブラシの分解は自己責任で!
①ニードル・トリガーの分解
はじめに『軸キャップ』を取り外します。
『ニードルチャックネジ』を取り外します。
『ニードル』を引き抜きます。
『ニードルスプリングケース』を回すと、
『ニードルスプリングケース』と『ニードルスプリング』と『ボタン押し/ニードルチャック』の3つのパーツをまとめて取り外すことができます。
『押しボタン』を上側へ引き抜きます。
ボディ後ろからマイナスドライバーを差し込み、『ニードルパッキン・テフロン付き止めネジ』を緩めます。
ボディの奥のほうに真鍮製の『ニードルパッキン・テフロン付き止めネジ』がありますので、ネジ山を舐めないよう反時計回りに回転させ慎重に取り外します。
取れました。
小さいパーツなので無くさないよう塗料皿に入れるなりして大切に保管しておきましょう。
②ノズルキャップ周辺の分解
つづいてノズル側を分解していきます。
まずはクラウン型の『ニードルキャップ』を取り外します。
塗料で汚れている場合は、うすめ液やツールクリーナーを使い掃除しておきましょう。
『ノズルキャップ』も取り外します。
ここからは、精密パーツですある『ノズル』がむき出しになるため慎重に作業しましょう。
エアブラシに付属している『ノズル専用レンチ』を使って『塗料ノズル』を取り外します。
『塗料ノズル』が軽い力で外せなかった場合、内部で塗料が固着している可能性があるので無理やり外さないでください。
塗料ノズルが固着していた場合は、ノズル先端をツールクリーナーなどの溶剤に数十分漬け置きすることで解決することがあります。
非常にデリケートなパーツなので、破損させないよう注意して作業を進めましょう。
③エアー調整パーツの分解
ここから紹介する方法は、エアーバルブ周辺に不具合がない場合は絶対に分解しないでください。
本来分解に専用工具が必要な箇所ですが、無理やり分解していきます。
エアーバルブはここから分解できます。
『バルブガイドネジ』に先平のピンセットを差し込んで、反時計回りに回します。
バルブガイドネジが取れたら『バルブスプリング』が出てきます。
つづいて『エアーバルブ(Oリング付き)』を抜き取ります。
このパーツは空気しか通らない箇所にあるので常に綺麗な状態を保っているはずです。しかし、稀にニードルから逆流した塗料がエアーバルブ側まで流れこんでいる、なんてこともあります。
エアーバルブが汚れているとエアー漏れや動作不良の原因にもなりますので、汚れていたら綺麗に清掃してやりましょう。
手元側にある『エアーアジャストネジ』は、8mmのスパナで取り外せます。
外したところで何も無い&ほぼ汚れることのない箇所なので、分解する必要はほぼないでしょう。
分解完了
分解ができました。
各パーツに付着した塗料汚れは、筆やツールクリーナーを使って綺麗に掃除してやりましょう。
各パーツの組み立て
各パーツの清掃が出来たら、逆の手順で組み立てていきます。
作業自体は分解と同じです。
ですので、ここからは組み立て時のポイント・注意点だけ詳しく解説していきます。
①ニードルパッキン/テフロン付止ネジの取り付けでの注意点
ニードルパッキンの取り付け時、ネジを締め込みすぎるとテフロンのパッキンが潰れてニードルの動きが悪くなってしまいます。また最悪の場合、パッキンがねじ切れて破損してしまう恐れもあります。
ニードルパッキンの締め込み具合は、ニードルがスムーズに動くかどうかで調整してください。
②塗料ノズルの取り付けでの注意点
付属のノズルレンチを使って『塗料ノズル』を取り付けていくわけですが、絶対にフルパワーで締め付けないよう注意してください。
非常に繊細なパーツですので、締め込みに力を掛けすぎると簡単にネジ部が破損します。
『塗料ノズル』は、レンチで軽く回してピタッと止まったくらいの締め加減で十分です。
③ニードルスプリングケースの取り付けについて
ニードルスプリングケースは、奥まで取り付けると内部のバネが圧縮され、ニードルを動かす力が強くなります。
逆に緩めると、内部のバネが伸びた状態になり、軽い力でニードルが動かせるようになります。緩め過ぎるとニードルが定位置に戻らなくなるため限度は必要ですが。
せっかくここまで分解したので、自分にあった力加減に調節して組み直してやりましょう。
グリスアップする箇所
組み立て時に可動部をグリスアップしておけば、可動・再分解がスムーズに行えるようになり、パーツの磨耗も抑えられエアブラシの寿命を延ばすことができます。
①ノズル周辺のグリスアップ
『塗料ノズル』のネジ部に薄くグリスと塗布してやります。
グリスを塗っておくことで、ノズルのネジ部に塗料が入り込んで固着するのを防いでくれます。
『ノズルキャップ』『ニードルキャップ』にも同じようにグリスを塗布しておきます。
こちらも塗料による固着防止ですね。
②押ボタンの軸をグリスアップ
『押しボタン』は、エアブラシで一番稼働するパーツと言っても過言ではありません。
可動軸や他パーツに接触する面に薄くグリスを塗布してやりましょう。
③ボタン押し/ニードルチャックのグリスアップ
ニードルを動かす際にスライドするパーツですので、薄くグリスを塗布しておきましょう。
『ボタン押し/ニードルチャック』と『押しボタン』の接触面にも薄くグリスを塗布しておきます。摩耗による消耗を減らしてくれます。
④ニードルへのグリスアップ
『ニードル』と『ニードルパッキン/テフロン付止ネジ』が接触する箇所にも薄くグリスを塗ることで、ニードルパッキンの摩耗を少なくすることができます。
組み立て完了!
というわけで、徹底分解&清掃メンテナンスについての紹介でした。
普段からこまめに洗浄していればここまで分解する事は滅多に無いと思いますが、エアブラシが正常に動作しなくなったりパーツが破損した際には、是非この解説記事を参考にしてみてください。
それでは。