こんにちは。柚P(@yzphouse)です。
高性能な水性塗料として「シタデルカラー」と「ファレホ」があります。どちらもプラモデル業界では有名な塗料ですよね。
さて、今回はこの2つの塗料についての記事です。
シタデルカラーもファレホも似たような特徴を持った塗料なので徹底的に比較をしてみました。ここでのレビューは、あくまでも私が行ったテストでの結果でしかないので「どのような違いがあるのか」の目安程度に思ってください。
目次
「シタデル」「ファレホ」の基本的な性能
実際に塗装をする前に、事前知識としてシタデルとファレホの性能の違いを確認しておきましょう。
- 乾いた後なら重ね塗りが可能
- 水で希釈、道具の洗浄が出来る
- レイヤー、ベース、シェード、といった種類がある
- 値段500円~ 内容量12ml
- プラスチック容器でフタに筆をならす舌が付いている
- 乾いた後なら重ね塗りが可能
- 水で希釈、道具の洗浄が出来る
- モデルカラー、モデルエアー、メカカラー、といった種類がある
- 値段290円~ 内容量18ml
- プラスチック容器で塗料を出す口が特徴的
どちらも同じような性能ですね。違いと言えば「値段と内容量」でしょうか。シタデルに比べてファレホの方が圧倒的に安いです。
▼そのほか詳しい特徴についてはコチラの記事を参考にしてみてください。
プラモデルの塗料の違いをメーカー別に比較!「水性アクリル塗料」編
プラモデル塗料で使う「水性アクリル塗料」の違いをメーカー別に徹底比較!実際にガンプラを塗装してみる
それでは早速塗装をしてみましょう。
テストに使用するのはコチラ。「FG1/144 ガンダム」です。
成型色が「白」一色で、組み立ても簡単。さらに色を再現するために「レッド」「ブルー」「イエロー」という塗料の基本となる三原色と「ホワイト」「グレー」を塗装しないといけないという塗装の検証として使うにはぴったりなキットです。
検証を始めるにあたって事前に、組み立てと、下地塗装(サーフェイサー)をしておきました。
使用する塗料の紹介
用意した塗料はコチラ。
ちなみに、すべて買ってきたばかりの「新品」を使いました。
【シタデルカラー】
- ABADOON BLACK【ベース】→グレー
- CERAMITE WHITE【ベース】→ホワイト
- MACRAGGE BLUE【ベース】→ブルー
- YRIEL YELLOW【レイヤー】→イエロー
- MEPHISTON RED【ベース】→レッド
【ファレホ】
- GERMAN GREY【モデルカラー】→グレー
- WHITE【モデルカラー】→ホワイト
- FLAT BLUE【モデルカラー】→ブルー
- FLAT YELLOW【モデルカラー】→イエロー
- FLAT RED【モデルカラー】→レッド
塗る時に使用したパレットはコチラです。パレットに出したシタデルやファレホといった水性塗料が乾燥しない「ウォーターパレット」です。
▼コチラの記事で紹介しています。
【ガンプラ工具】出した塗料が乾かない!?不思議な「造形村ウォーターパレット」の紹介
実際に塗ってみた「ホワイト」
まずはホワイトからです。ざざっと平筆で塗ってみました。(写真は1回目の塗りの状態)
ホワイトでは、圧倒的に「シタデルカラー」の方が使いやすかったですね。筆ムラも出にくく、隠蔽力も高く塗料の乾燥も早いのでサクサク作業が進みます。
ファレホも、塗料の乾燥自体は早いのですが、シタデルに比べて隠蔽力が少し低いので、自然と塗り重ね回数も増え、筆ムラも出やすいと感じました。ですがファレホも、ラッカー塗料と比べると、圧倒的に使いやすく色の乗りも良かったです。
下地の色(グレー)が見えなくなるまで塗り重ねをしました。その結果がコチラ。
【塗り重ねの結果】
- シタデル:2~3回
- ファレホ:5~7回
シタデルが2~3回で発色するのに対して、ファレホは5~6回と2倍近く塗り重ねないといけないという事が分かります。ホワイトの性能はシタデルの勝利ですかね。
実際に塗ってみた「イエロー」
続きまして、イエローです。隠蔽力の低い塗料として有名なイエローですが、シタデルとファレホの違いはあるのでしょうか。塗り重ねの結果はこうなりました。
【塗り重ねの結果】
- シタデル:2~3回
- ファレホ:6~8回
ここでもシタデルの圧勝です。ファレホは6~8回と、ホワイトよりも塗り重ね回数が多いです。
正直、ここまで隠蔽力が弱いとファレホのイエローを使いたいとは思いません。
実際に塗ってみた「レッド」
続いてレッドです。レッドも隠蔽力が弱い色として有名ですね。結果はコチラ。
【塗り重ねの結果】
- シタデル:3~4回
- ファレホ:2~3回
ようやくファレホが本来の性能を発揮してきました。
2~3回でレッドが発色するのでかなり隠蔽力は高いと言えるでしょう。シタデルも、3~4回とはいえ、かなり隠蔽力のある方だと思います。
実際に塗ってみた「ブルー」
ブルーの結果です。
【塗り重ねの結果】
- シタデル:2~3回
- ファレホ:1~2回
ブルーもファレホの勝利です。
これで分かる通り、すべての色で「シタデルが隠蔽力最強!」というわけでは無さそうですね。
実際に塗ってみた「グレー」
グレーの結果です。
【塗り重ねの結果】
- シタデル:3~4回
- ファレホ:1回
グレー系といえば色の特性から「高い隠蔽力」が簡単に出せる塗料なのですが、何故かシタデルは3~4回も塗り重ねないと下地が透けてちゃんと発色しませんでした。
一方、ファレホでは薄く塗っても確実に1発でグレーが発色してくれました。かなり隠蔽力が高いですね。
シタデルVSファレホ 総評
結果をまとめてみましょう。
【ホワイト】
- シタデル2~3回
- ファレホ 5~7回
【イエロー】
- シタデル2~3回
- ファレホ 6~8回
【レッド】
- シタデル3~4回
- ファレホ 2~3回
【ブルー】
- シタデル2~3回
- ファレホ1~2回
【グレー】
- シタデル3~4回
- ファレホ1回
ホワイトとイエローに関しては「シタデル」が圧勝。それ以外の色はファレホの勝利です。
今までのシタデルのイメージとしては「すべての色が1発で発色する圧倒的隠蔽力!」でしたが、今回の検証で見方が変わりました。
そして、この結果を見て1つ気づくことはありませんか?ファレホの塗り重ね回数はバラバラなのに対して、シタデルの方は安定して2~3回で発色しています。これがなかなか面白い発見でしたね。
隠蔽力の高い塗料でも2~3回で発色するシタデルカラーには、なにか理由があるのか?と考えてみました。
シタデルカラーを使用する、ゲームズワークショップが販売しているプラモデルでは沢山の色を何重にも塗り重ねて立体感のある塗装をします。そのため色によって違いが出ないように「わざと」隠蔽力を落としたりしているのかな?と私は思いました。
ただ、今回みたいな「ベタ塗りで発色させる」という塗装をするとファレホのほうが使える場合もあります。
ホワイト、イエロー以外の色は本当に隠蔽力も高く、筆ムラも出にくく乾燥も早いのでとても使いやすかったです。なので、この実験結果を踏まえて、水性塗料で塗装する時は「ホワイト、イエローはシタデル。それ以外はファレホを使う」というのもありかな、とか考えたりもしました。
今回の検証は、私が単純にシタデルとファレホの違いを知りたかっただけなので、この記事はオチもなくこれで終わりになります。
そのほか気になることがあれば、コメント等で質問して頂ければ分かる範囲で回答したいと思うので、よろしくお願いします。
それでは。