驚くほど簡単に綺麗なプラモデルが撮影できる!?物撮りに有効な「天井バウンス撮影」とは?

モデラー

  • 柚P

 

こんにちは。柚P(@yzphouse)です。

インターネットで活動しているモデラーさんは、よく自分の作った模型をカメラを使って撮影し、その写真をSNSやブログで公開したりしていますよね。

その模型の写真は、見る側の人からすると、その写真だけが「模型の印象を作っている」という事につながります。

例えば、誰が見ても凄いと思える完成度の高いプラモデルを作ったとして、その写真をSNSやブログに載せたとしましょう。

ですが、写真の出来がイマイチだと、その写真を見た人から本来あるはずの「反響」や「評価」も少なくなります。

それもそのはず、ピントのズレていたり全体が白く曇っている写真、影が多くてみにくい写真は、見てて気持ちいいものではありません。

誰だってプロが撮ったような綺麗な写真のプラモデルの方がいいと思うはずです。

「写真は残念だけど実物はもっとすごいんだぞ!」なんて言ったって、実際に展示会や模型店に飾ってもらってたりしない限り、実物を見てもらう機会なんてのはほぼありません。

なので、ネット上での評価の中には、少なからず「綺麗な写真を撮れるスキル」も含まれているという事です。

そんな私も、Twitterや当ブログのようなインターネットメディアを中心に活動しているモデラーのひとりなので、プラモデルの製作とはあまり関係のない「写真撮影」についても日々勉強を続けています。

そして最近の出来事なんですが、ブログで使用するためのプラモデルの製作途中の写真を撮るための「物撮り」にて、初心者でも超簡単に綺麗な写真を撮ることの出来る機材を格安で手に入れたので紹介してみたいと思います。

「スピードライト」を付けるだけでカメラで撮った写真が化ける!?

「スピードライト」ってなんぞや?って人が大半だと思いますが、とりあえずざっと説明してみます。1枚目のカメラの写真ですが、一眼レフの頭にごっつい塊が取り付けられているのが分かりますでしょうか?

これがこの記事の主役、「スピードライト」という機材でして、簡単に説明すると「外付けタイプの大型のストロボ(フラッシュ)」です。

このような大きなストロボは、プロのカメラマンが付けているイメージがありますよね。もちろん、プロのカメラマンやカメラ上級者のかたは、スピードライトの効果を知っているからこそ付けている人が多いのです。

カメラ初心者から言わせれば、「カメラ本体にストロボは付いてるのに、どうしてわざわざ外付けのストロボをつけるの?」といったところです。私もそう思っていました。

しかし、このあと紹介する「バウンス撮影」という撮影方法を知ってから、物撮りの常識がガラッと変わりました。

スピードライトを使用した撮影には様々なやり方がありますが、今回は模型の物撮りで活躍する「バウンス撮影」について詳しく説明をしていきます。

ここからは、カメラの基本的な機能「シャッタースピード、ISO値、絞り」などがある程度理解できている事を前提に話を進めていきます。

事前に、ガンプラを撮影をする上で知っておくと得をする「カメラの基礎知識」について知ろうの記事を読んでおくと話が分かりやすいかと思います。

バウンス撮影の効果とは?

バウンス撮影というのは、スピードライトを天井に向けて、天井自体を光源にして撮影するという技です。

天井にフラッシュを当てて光源にすることから「天井バウンス」とも言うそうです。

外付けのスピードライトは、カメラに内蔵されているストロボ(フラッシュ)とは違い、発光部の向きを変えることが出来ます。

さらに、発光した時の明るさも内蔵スロトボとは比べ物にならないくらい強いので、天井全体を発光させた光を被写体にあてて撮影ことが出来るという訳です。

この撮影方法での利点は次の通りです。

  • 早いSS(シャッタースピード)が使えるので手ブレしない。
  • フラッシュの強い光が使えるのでISO値を下げれるのでノイズの少ない写真が撮れる=綺麗
  • フラッシュ撮影なので室内照明の色の影響を受けにくい
  • 天井が光源になるので自然でソフトな影になる
  • 撮影の失敗が減る

写真を撮るということだけ考えれば良い事づくしです。スピードライトが重い、デカイ、という点を除けば・・・

スピードライトを使用した時の効果については、撮影した写真を見てもらうのが一番早いと思います。

まず、何も付けずにいつも通りに写真を撮ってみます。

こちらが、「バウンス撮影  無し」のそのままで撮った写真です。室内照明の影響をかなり受けているので、多重の影が出来てしまっています。

上からの照明しか無いので、全体的にコントラストが強めの写真になってしまっています。

では次に「天井バウンス」を使用して撮影してみます。

いかがでしょう?

ちゃんとした撮影ブースで撮ったような写真になっているような雰囲気がありませんか。多重になっていた影も落ち着いた自然な影になって、被写体の色味も本来の色に近くなった気がします。

この写真2枚とも、周りの撮影環境は変更せずに「スピードライトの発光」の有りか無しかだけしか変えていません。

光量が多いぶん、カメラの設定も、ISO値「 100 」、シャッタースピードが「 1/200 」という設定でが使えるので、手ブレすることもほとんどありません。

スピードライト無しでは、この設定を使って手持ち撮影することはまず無理ですからね。圧倒的に写真撮影が楽になります。

ちなみに、この写真を撮影した環境はこんな感じでした。

実はかなり雑な撮影環境でした。机に一枚背景紙を敷いただけです。

撮影用のライトを用意したりも一切ありません。

ライティングも何も気にせずこのクオリティーの写真が簡単に撮れてしまう「スピードライト」恐るべしです。

スピードライトを導入するにあたって気をつけておく点

良い機材と言うのは分かったけど、スピードライトの設定とか難しそうだし、値段も高いからイマイチ手が出せない。という方も多いと思います。

買ったはいいが使いこなせなかったら困るし・・・なんて不安もあるのではないでしょうか。

こういった「導入する前に知っておきたいポイント」ついても少しだけ話しをしておきます。

そもそも自分のカメラにスピードライトって付けれるの?

自分の持っているカメラの上部に「アクセサリーシュー」と呼ばれるスロットが付いていればスピードライトを付けることが出来ると思います。

写真のはニコンの一眼レフに付いているアクセサリーシューです。

カメラ本体とスピードライトを同期させるための接点が付いていますね。

ここの接点の配置はメーカーによって異なってきますので、自分の使っているメーカーに合ったスピードライトを購入してください。大抵の場合は、スピードライトの商品説明欄とかに対応機種とか書いてあります。

スピードライトを使用する部屋の天井や壁の色を確認しておく

これ意外と忘れがちになってしまうのですが、「天井バウンス」は天井や壁に反射させた光を利用する撮影方法です。

なのでカメラを使用する部屋の天井や壁は、できるだけ「白色に近い必要がある」という条件があります。

「壁紙は黒色です」とか「真っ青な壁紙です」という方は、バウンス撮影が上手く行かない場合があるので注意しましょう。黒は光を反射しにくい色ですし、青の場合はバウンスした光は青色になり、青色のライトで照らしたような写真になってしまうでしょう。

具体的にスピードライトの設定ってなにするの?

「カメラに内蔵されているフラッシュでさえ使いこなせてないのに、スピードライトなんか買っても設定とか分からない。」と思っている方いますよね。私もそうです。

スピードライトを購入して使い続けている現在もフラッシュの設定は未だによくわかっていません。

しかし、安心してください。

商品によっては、スピードライト自体に自動で光量を設定でしてくれる「プログラムオート機能」みたいなのが付いています。

カメラの設定(シャッタースピード、絞り、ISO、など)に合わせて適度な強さのフラッシュをしてくれるモードです。

この自動調整してくれるモードには名前があって、ニコンのカメラでは「i-TTL」 キャノンのカメラでは「E-TTL」と呼ばれているようです。
※それ以外の機種についての「自動設定機能」についてはあまり詳しくないので分かりません・・・

つまり、マニュアル設定が出来そうになくて不安という方は、この機能「i-TTL」「E-TTL」の設定がついているスピードライトを買えば、小難しい設定をしなくてもいいというわけです。

実際に、私もマニュアル設定は使いこなせないので、「i-TTL」の設定しか撮影をしていません。

ちなみに、中華製の3000円などの安いモデルは「マニュアルストロボ」です。自動設定機能は付いていないものが多いので気をつけましょう。

マニュアルストロボは、2台目3台目のサブ光源で使用されるものだったり、細かい設定が自分でできる”上級者向け”のスピードライトです。

純正品のスピードライトの値段めちゃくちゃ高いんだけど?

Nikon フラッシュ スピードライト SB-700

Nikon フラッシュ スピードライト SB-700

36,900円(02/16 02:25時点)
Amazonの情報を掲載しています

そうですね、いきなり使いこなせるかどうかも分からない物を数万円も出して買うのは怖いですよね。

実は私もいきなり純正品は値段も高くて手が出せませんでした。

ですが、中にはこんな商品もあります。

「K&F Concept」というメーカーの格安社外スピードライトです。

K&F Conceptはカメラの周辺製品を製造販売している中国の企業で、高品質で手に入れやすい価格帯で、日本でも注目されつつあるメーカーです。

私が使っているのもこのKF590EX-N」というモデルです。ニコンのi-TTL、キャノンのE-TTLのどちらにも対応しているみたいです。

純正同等の機能を持ち合わせた物が、1/4の値段で買えちゃうんです。

細かい事を言えば、Amazonのレビューを見る限り純正と比べると、「ハイスピードシンクロ」という機能が無かったり、発光の色味に不満がある方もいるみたいです。

それから、中華製品なので「初期不良」についても少し不安があると思います。

レビューを見ると、多少のアタリハズレがあるみたいですが、私が購入した商品では何事もなく使えております。

MEMO
【2018/10/10追記】毎日のように使用していますが、2017年8月3日に購入から2018年10月10日現在まで、まだ故障せずに現役で使えています。

万が一、初期不良や数回の発光で故障してしまっても、Amazonやメーカーに連絡をとれば交換や返品対応をしてくれるみたいです。

このスピードライトで一つだけ気になる点があるとすれば、取扱説明書に日本語が書いてない。という事です。

中国語と英語のみの取扱説明書になっていました。

取扱説明書が読めない場合は、Amazonのレビュー欄に簡単な使い方が書いてあるので、そちらを参考に操作を覚えるといいですね。

私は中学英語レベルしか出来ないので、レビューやスマホアプリのグーグル翻訳機に手伝ってもらって基本的な操作を覚えました。

導入時のストレスは少々ありますが、安く手に入るのを考えればなんてことないです。

初期不良や取扱説明書に日本語が無いとか絶対に嫌だ!と思う方は、純正品をお買い求めください。メーカー純正品なら間違いなく失敗することは無いでしょう。

おわりに

SNSやブログでプラモデルの作品を載せる以上、高いクオリティの写真が撮りたいものです。

しかし、どうやって綺麗な写真が撮れるのか、写真の上手い人はどのような環境で撮影しているかなど、そういった情報を表に公開している人がいないのが現状です。

それもそのはず、私たちの主な趣味は「カメラマン」ではなく「模型を作る人」なのですから・・・しかし、作品の写真を撮ってネット上で活動しているからには、「カメラ」についての知識も必要になってきます。

最近の大きなガンプラのコンテスト「GBWC」や「オラザク」などでも、基本的には写真での応募がメインになりつつあります。

インターネットが普及している現在、「プラモデル」と「カメラ技術」は切っても切れない関係になっているのではないでしょうか。

これを気に、「スピードライト」を導入してワンランク上の写真を撮れるようになってみませんか?

それでは。