こんにちは、柚Pです。
エアブラシを使い続けていると気づかないうちに不具合が出ていたりして、いざ使おうと思ったときに正常な動作ができなくなっていたりした経験、皆さんはありますでしょうか?
せっかく気分が乗って塗装作業をしようとしたのに、エアブラシが使えないとなるとモチベーションも下がりますよね。
というわけで今回は、「原因から見つけるトラブルシューティング集」ということで故障したエアブラシの不具合修理の例をいくつか紹介していこうと思います!
目次
大前提として
この記事の内容は、あくまでも修理の一例として紹介しているものなので、すべての故障に当てはまるわけではありません。また、ある程度エアブラシの構造を理解している方向けに解説しているので、わかり易くはないです。
腕に自信のない方、理解不能な壊れ方をしている方、「記事を参考に修理したら余計酷くなった!」などのクレームを入れるようなヤバい方は、ちゃんとお金を払ってメーカー修理に出すようにしてくださいね。
「すべて自己責任でOKだからはよ教えろ」という方だけ続きをどうぞ!
あると便利な修理で使う道具
タミヤのエアブラシ用クリーニングセットには、パーツを洗浄するときに使える「ブラシ」をはじめ、可動部に塗る「グリス」、ネジ部に塗る「ノズルシール材」などが入っています。
どれも大変便利に使える道具なので1つ買っておくとメンテナンスが捗ります。
クレオスのメンテナンスセットには、パーツ洗浄で役立つ「筆」や、可動部に塗る「グリス」、ねじ切ってしまったノズルを救出できる「ノズル脱着機」などが入っています。
個人的にはタミヤのほうがオススメですが、ノズルをねじ切ってしまったときはコチラのセットを購入する必要があります。
エアブラシの塗料が断続的に出る症状が。なぜ?
ありがちですね。
エアブラシのニードルを引いて塗料を「プシューーーー」っと出そうとしているのに「プシューップシュー」っと断続的に出るのはなぜなのか?
塗料が流れているラインに、どこかしらから空気が入り込んでいると起ってしまう現象です。
このようにスムーズに塗料が流れない場合に確認するべきポイントをいくつか紹介します。
ノズルの不具合を確認
すごい当たり前な事ですが、エアブラシのノズルが詰まっているとスムーズに塗料が流れなくなります。
ノズルキャップ、ノズル、ニードルを取り外し、塗料が流れるノズル内側を徹底洗浄してやりましょう。
このノズル詰まりは、カップ内の清掃で使ったティッシュや、塗料の固まり混入、ウレタン塗料の洗浄不足などで頻繁に起きがちです。
清掃方法も簡単なので、塗料の出が悪くなったらとりあえずノズルを綺麗にしてみましょう。
ノズルの先端が割れてしまっている場合もあります。
ここまで割れてしまうと修理は不可能ですので、新品パーツを購入して交換してやりましょう。
塗料が濃すぎる
そもそも塗料の粘度が高すぎると、0.3mm程度のノズル穴から塗料がスムーズに出てくることはありません。
いちどカップ・ノズル内を洗浄し、適正な粘度に希釈した塗料を入れ直してやりましょう。
ノズルからのエア漏れが原因
ニードルを引いてない状態でエアーのみを出した時、カップ内にエアーが逆流してくる状態になっていませんか?
本来なら塗料のみが流れるはずのノズル内にエアーが混入している事自体がまずおかしいです。どこからエアーが混入しているか探してみましょう。
ほとんどの場合はノズル周辺に原因があります。
▼チェックするポイントはコチラ▼
- ノズルが正しい位置で組み立てられているか
- ノズルの穴がニードルで正しく塞がれているか
- ノズル穴の先端が割れていないか
- ニードルはまっすぐか
- ノズルキャップが正しい位置まで締め付けられているか
▼対策▼
1:ノズルレンチでノズルを一度取り外してネジ山を掃除するなりして様子を見てみましょう。ノズルを正しく組み立ててもエアー漏れが起こってしまう場合は、タミヤのエアブラシクリーニングセットに付属している「ノズルシール材」を使って組み立ててみましょう。
2:ノズルの穴がニードルで正しく塞がれていないと、そこからエアーが逆流することがあります。ノズル、ニードルが正しい位置で組み立てられているか今一度確認してみましょう。
3:ノズル穴の先端が裂けている場合、素人にはもはや修理不可能なのでノズルの交換が必要です。エアブラシはメーカーから単体でパーツ注文ができるとこも多いので説明書などを参考に注文しましょう。
4:ニードルが曲がっていると、ノズルの穴を正しく塞ぐ事ができなくなりエアーが逆流する原因になったりもします。自分でまっすぐに矯正するなり、新品のニードルをメーカーから注文するなりして対応ましょう。
5.:ノズルキャップが緩んでいると、エアブラシのニードルを下げたときにノズルからエアーを逆流させる「うがい洗浄」の状態になってしまいます。ノズルキャップが緩んでないか確認してみましょう。
塗料が漏れてくる。なぜ?
ノズルまわりやカップのフタ、エアブラシのボタン周辺から塗料が漏れてくる・・・そんなときにチェックするべきポイントを抑えておきましょう。
ノズル周辺から漏れてくる場合
ノズル周りから漏れてくる場合は、
- ノズル保護キャップに余計な塗料が溜まっていないか
- ノズルが正しい位置で組み立てられているか
- ノズル先端の穴が割れていないか
- ニードルはまっすぐか
- シングルアクションのエアブラシを使っていないか
といったポイントをチェックしてみましょう。
▼対策▼
1:これが一番よくあるパターンでしょうか。ノズルから塗料が漏れ出ているのではなく、ノズル保護キャップに塗料が溜まっているだけという。迷ったらノズル保護キャップを清掃してみましょう。
2:ノズルの組付けが緩いと、緩んだ隙間から塗料が漏れ出てきます。正しく組み立てられているか確認してみましょう。場合によってはタミヤの「ノズルシール材」を使ってみましょう。
3:ノズルの穴が裂けているとそこから塗料が漏れ出してきます。パーツ破損はどうしようもないので、ノズルパーツを新品で購入するなりして対応しましょう。
4:ニードルが曲がっていると、ノズルの穴を正しく塞ぐ事ができなくなり塗料が漏れ出す原因になったりもします。自分でまっすぐに矯正するなり、新品のニードルをメーカーから注文するなりして対応ましょう。
5:シングルアクションのエアブラシの特性として「ニードルは開きっぱなし」というものがあります。ですので塗料が漏れ出てくるのは仕様です。少々面倒くさいですが、作業毎にニードルアジャスターを動かしてノズルの穴を塞ぐか、ダブルアクションのエアブラシに乗り換えるなりしましょう。
トリガー周辺から漏れてくる
トリガー周辺から塗料が滲み出てくる場合は、「ニードルパッキン」を疑ってみましょう。
ニードルパッキンは、ニードルとニードルが刺さっているボディ内の穴の隙間を塞いでくれている重要なパッキンの1つですね。
ニードルパッキンはエアブラシの後ろ側から覗く事ができます。
- ニードルパッキンが正しく機能しているか
- ニードルパッキンが摩耗してないか
▼対策▼
1:ニードルパッキンの固定金具の締め付けが緩いと、その隙間から塗料が漏れ出る事があります。応急処置として、先の長いマイナスドライバーでニードルパッキンを固定しているネジを少しだけ締め込み、パッキンを物理的に潰して隙間を少なくして症状を軽くすることができます。
2:ニードルパッキンが激しく摩耗している場合は、パーツを交換したほうが早いです。価格も数百円~と、そこまで高いパーツではあませんので、2~3個まとめて買っておくと今後も安心です。
ニードルパッキンの交換方法は、▼の記事でも詳しく紹介しているので参考にしてみてください。
『クレオスの高級エアブラシ『プロコンBOY WA ダブルアクション プラチナVer.2』を分解して清掃・メンテナンスをしてみよう!』
『エアブラシを徹底分解メンテナンスしてみた。『一生使えるエアブラシ』として運用していくための技術』
カップから塗料が逆流してくる
カップ周辺からの塗料漏れについてです。あまり起こらないでしょうが一応紹介しておきます。
- エアブラシ本体と塗料カップのつなぎ目から漏れてくる
- 塗料カップのフタの穴から塗料が漏れてくる
▼対策▼
1:本体と塗料カップを繋いでいるパッキンが摩耗している場合があります。ネジ山にタミヤのノズルシール材を塗って対応したり、パッキン単体を新品に交換してみましょう。
2:塗料カップに塗料を入れすぎです。もしくは、缶スプレーから取り出した「ガスの残った塗料」をエアブラシで使うと内圧が上がる関係でフタの穴から塗料が吹き出すことがあります。
レバーが戻らない・動かない。なぜ?
レバーの操作が正常にできない場合に確認するべきポイントをまとめました。
ニードル固着が原因
ニードルとノズル、もしくはニードルとニードルパッキンが、塗料によって固着しているとトリガーも動かせなくなります。
完全に固着してしまうと、復旧させるのに少しだけ手間がかかります。ペンチで無理やり引き抜いてしまうと最悪ノズルが破損してしまう可能性があるので絶対にやめましょう。
とはいえこれといった画期的な解決策もほぼ無いので地道に進めていきましょう。
まずはノズルやカップ内などの目に見える塗料汚れをすべて綺麗に清掃してやります。
その後、塗料カップ内に強めのシンナーを入れて30分ほど放置し、ニードル周りに固着している塗料を溶かしてやります。
数分後、ニードルを指で引っ張ったりして動かせるか確認してみましょう。指で動かない場合は、最終手段としてペンチなどでニードルを軽く挟んで回したり引っ張ってあげてもいいでしょう。
ノズル先端の穴やニードルが破損せずに固着が剥がせたら、各パーツごとに改めて洗浄して組み立て直してやりましょう。
ニードルスプリング周辺が正しく組み立てられていない
トリガーやニードルを動かすためには「ニードルスプリング周辺のパーツ」が正しく組み立てられている必要があります。
「分解清掃したあとに動かなくなった!」といった場合は正しく組立てられてない可能性が高いです。取扱説明書をよく読み、パーツの形を理解して正しく組み立て直してみましょう。
分解した心当たりが無いのに突然動かなくなった場合は、部品内部に塗料が侵入して固着することにより「可動を阻害している」といった可能性もあります。
一度分解清掃を行い、各パーツが破損していないか、正しく動いているか確認してみましょう。
塗料がまっすぐ出ない。なぜ?
塗料のミストがまっすぐ出ない場合は、基本的にはニードルが曲がっている可能性がほとんどです。
もしくはノズル周辺が塗料で汚れており、空気の出口が不規則に塞がっているか。
不意にニードルの先端をどこかにぶつけたりして折ってしまった場合は、自分で直す方法と、新品に交換する方法の2つがあります。
自分で直す方法は、曲げてしまった先端を慎重に元の位置に曲げ直すというやり方。かなり原始的。
私もよくニードルを曲げてしまうのですが、そういうときは親指の爪に押し付けるようにして曲がりの修正をしたりしますね。
ちなみに金属製のペンチなどで挟んで矯正作業をしてしまうと、ニードル表面に傷を入れてしまう恐れがあるため、できるだけ使わないようにしています。
ニードルがまっすぐに戻した後は、番手の高いヤスリで表面を磨き直して鏡面にしてあげれば修理完了です。
ノズルをねじ切ってしまった。助けて。
ノズルを締め込みすぎてねじ切ってしまった場合は、修復不可能なので諦めて新品のノズルパーツを注文しましょう。
ちなみに本体のネジ山に残ってしまったノズルパーツは、クレオスのMr.エアブラシ メンテナンスセットに入っている「ノズル脱着機」を使って摘出してやりましょう。
まとめ
というわけでエアブラシのトラブルシューティング集でした。エアブラシは直せましたでしょうか?
不具合が出ている箇所を見つけて正しく対応してやれば意外と自分で修理できてしまうものです。
この記事がみなさんの参考になれば幸いです。
それでは。
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