エアブラシを徹底分解メンテナンスしてみた。『一生使えるエアブラシ』として運用していくための技術

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  • 柚P

 

こんにちは。柚P(@yzphouse)です。

皆さんは自分の持っているエアブラシ、どこまで分解したことがありますか?

この記事では、以前書いた記事「エアブラシの洗浄方法!「うがい洗浄」から「分解洗浄」のやり方を徹底解説!」の内容より、さらに細かくエアブラシを分解してメンテナンスをしていきます。

エアブラシを分解するにあたって

この記事で分解するエアブラシはこちら。

エアテックスの「エボリューションA」です。ちなみに写真のは自分仕様にちょっとだけカスタムされてます。

もちろん、エアブラシの構造はメーカーと種類によって様々ですので全部が全部この記事のように分解できるとは限りません。自分のエアブラシに対応した分解図を確認しながら作業してください。

ちなみに私が使用しているエアテックスのエボリューションは、メーカーHPから分解図の確認ができます。

http://www.airbrush.co.jp/dismantle/

今回は徹底的に分解するので、摩耗しやすい「パッキン類」もついでに交換しておきましょう。

消耗品パーツは事前にメーカーHPで注文しておきましょう。

購入したのは、

  • ノズルキャップ用Oリング
  • ニードルテフロンOリング
  • 絵の具カップ15cc

の3つです。

それ以外のゴムパーツは使いまわします。

エアブラシを分解メンテナンスしていく

というわけで、分解していきましょう。ここまでなら手だけで分解できますね。

ちなみに、エアブラシの種類によってはノズルの取り外しに「付属のレンチ」が必要になるものもあります。

専用のレンチが手元にない場合は、メンテナンスセットに入っているものを試してみてください。規格が合えば使えるかも。

ここからさらに細かく分解していきましょう。

ニードルOリングの分解

「ニードルのOリング」は塗料カップ側に入っている塗料が、ドリガーなどの可動部に侵入しないようにするためのパッキンです。

ニードルを抜いたボディの奥を覗くと確認することができます。

真鍮製のマイナスネジがニードルOリングを固定しているネジです。ニードルOリングを取り外すためには、マイナスネジを緩めてあげましょう。

ニードルOリングのネジを取り外すドライバーは、できるだけ細くてそれなりに長さがあり、先端がストレートな形状になっているものが適しています。

私のオススメはベッセルの『マイナス-3×100』。大抵のエアブラシの規格に合います。

マイナスドライバーでニードルOリングを固定しているネジを取り外しましょう。

ネジは真鍮製で柔らかいため、無理な力を加えて破損させないよう注意しながら作業しましょう。

とれました。

裏側に「ニードルOリング」が付いています。ピンセットで取り外してみます。

右側が「新品のOリング」、左側が「今まで使用していたOリング」です。

長年の使用で塗料の色が染み込んでいます。なんだか変形もしているようにも見えますね。新品のOリングはもっと肉厚です。

新品のOリングを差し込み、逆の手順で元の場所に真鍮のネジを締め込んでいきましょう。

ちなみに、ニードルOリングのネジは締めすぎるとOリングが潰れすぎてニードルの動きが悪くなります。

固定ネジを軽い力で締めて、ニードルが無理のない力で動くかどうかを確認しながら、少しずつネジを締め込んでニードルがスムーズに動かせるかどうか調整をしてみてください。

エアーバルブの分解

エアーバルブは、コンプレッサーから流れてくる空気のON-OFFを操作するためのスイッチです。ほとんどの場合はエアブラシのトリガーの真下にあります。

「エアーボタンの動きが悪い・・・」「エアーを出そうとすると引っかかりがある」「常時エアー漏れが起きている」などのトラブルがあったときは、まずはこのエアーバルブを点検してみてください。

エアーバルブもマイナスドライバーを使えば分解できます。

なかには専用工具がないと分解できないエアブラシもあるため、そういった場合は自身で無理に分解しようとせずにメーカー修理に出しましょう。

エアバルブを固定しているフタのパーツが取れました。

先端に取り付けてあるのは、ボタンのテンションを調整するためのバネパーツですね。大切なパーツなので失くさないよう塗料皿に入れておきましょう。

さらに奥を覗くと、バルブ本体があります。

こちら側からピンセットを突っ込んでも取れないので、エアブラシ上部のトリガー側から飛び出しているバルブのピンを押し出すようにして取り外します。

取れたバルブがこちら。

エアーを止めるためのOリングと、テーパー状になった真鍮パーツの2つで構成されていました。

ゴムパーツに摩耗・劣化が見られた場合は交換、その後分解したパーツを綺麗に掃除して、可動部分に薄くグリスを塗って逆の手順で組み立てていきます。

エアーバルブのバネパーツが付いていたフタのパーツは「エアーのボタンの反発の強さ」を調整する部分です。

ネジを締め付けると「エアーボタンが固くなる」、ネジを緩めると「エアーボタンが柔らかくなる」という調整ができます。自分にあった硬さに調整しましょう。

ノズルキャップパッキンの交換

続いて分解する頻度の高い「ノズルキャップ」のOリングの交換です。

塗料ノズル周辺のパーツのパッキンが摩耗していくと、「塗料カップの中にエアーが逆流する」といったトラブルに繋がります。

このパーツは交換も簡単です。

まずは古いOリングをピンセットで取り除きます。右が古いOリング、左が新品のOリングです。

一目瞭然ですね、今まで使ってたOリングはボロボロです。

新品のOリングをノズルキャップの溝に差し込んでやれば交換作業終了。

塗料カップの交換

エボリューションAは、塗料カップの取り外し・交換が簡単にできるモデルですので、塗料カップの表面が摩耗してメッキが剥がれてきたら新品のカップに交換してやりましょう。

エアブラシのカップは塗料を交換するごとに筆やティッシュを使って頻繁に洗浄するパーツのため、内側のメッキが摩耗して剥がれてくることがあります。(写真右側)

ここまで汚くなってきたら新品に交換したほうがいいですね。カップ自体は数千円で購入できるので新しいエアブラシを買うより断然安いです。

メンテナンス終了!

長年エアブラシを使用している人でも、ここまで分解してメンテナンスをしたことがある人は少ないのではないでしょうか。

エアブラシという道具は、壊れやすい電子パーツや素人には理解できない複雑な構造があるような道具ではありません。分解してみると意外と簡単な作りをしています。

しっかりとしたメーカーで購入したエアブラシでしたら、アフターパーツも充実していますので、今回の記事のように摩耗しやすいパーツだけ交換というメンテナンスを続けてやれば、正常に動作する状態のまま数年~数十年と長く使い続けることが出来ます。

みなさんも「長年不調のまま使い続けているエアブラシ」や「なぜか調子が悪くなって使わなくなったエアブラシ」があれば、この記事を参考に徹底分解してメンテナンスしてみてはいかがでしょうか。

それでは。

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