こんにちは、柚Pです。
光造形3Dプリンターでモデルを出力するとき、「サポート」と呼ばれる柱を取り付ける必要があります。
サポート取付け作業が行える「スライスソフト(CHITUBOXなど)」には、全自動で作業を完了させてくれる「オートサポート機能」が使えるものもありますね。たしかに便利です。
しかし、サポートの取り付けは非常に奥が深く、オートサポート機能だけでは自分が思い描く理想的なサポートが付けられない場合が多いです。
ならばどうするか、そう、すべて手動でサポートを生やせばいいのです。
というわけで今回は、スライスソフトの「CHITUBOX」を使って、手動サポート取り付けの手順や基礎的な知識について解説していきます。
目次
サポートの基本設定
まずはじめに「サポートの太さ」の設定していきます。
※基本的にはCHITUBOX内の説明で十分理解できると思いますので大切なポイントだけを絞って解説します。
CHITUBOXには「大」「中」「小」の3種類のプリセットを作ることができます。
- 大:出力するモデルサイズが大きく、力強く支える必要がある場面でよく使うサポート
- 中:汎用的に使えるサポート。
- 小:細かいディティールの支え、中サイズのサポートで対応できない箇所などに。
私はこのような使い分けを想定してサイズの設定をしています。
サポート「大」の設定

「大」では、接触軸を【0.6mm】に設定しているため非常に強力なサポートとなります。二次硬化前でもサポートを手で引きちぎることが難しい強度です。
「モデルが出力されるスタート地点」や「印刷中のブレが起こってほしくない箇所の支え」、「剥離抵抗が極端に大きくなる箇所」でよく使いますね。
サポート「中」の設定

接触軸を【0.4mm】に設定しており、二次硬化前なら手でブチブチ千切ることができる丁度いい硬さです。
これはメインで使う汎用的なサポートですね。よほど特殊な状況でないかぎり、このサイズのサポートで全て対応できます。
サポート「小」の設定

接触軸を【0.2mm】に設定しています。ここまで細いと出力時のサポートが出来るか怪しいレベルです。
「中サイズではサポートが邪魔になってしまう場合」や、「細かいディティールを潰したくない箇所」でたまに使うことがあります。
出力中のモデルを支える力はほぼないので、繊細なモールドを出力するときの「中」サポートのカバー担当、みたいな要員です。
タッチ形状「球」の有無について

先端に「球」を取り付けることによって、モデルとサポートを引きちぎるときのブレイク位置をコントロールすることができます。
球体と接触軸の「くびれ部分」で千切れてくれるため、サポート接触面に球体が残るため出力品がえぐられる事がなくなり、サポート跡の処理時のヤスリがけ作業が楽になります。
逆に「球」があるとサポート跡は大きく残るため、サポート跡の処理が必要ない場合は「無し」の設定にしたほうがサポート面が綺麗に仕上がる時もありますので、場面に合わせて適宜使い分けましょう。
モデルの配置角度について
サポートを取り付ける前に、モデルの角度を決めてやる必要があります。
今回は「どこを注意するべきか?」が分かりやすいように正立方体のモデルを用意しました。

基本的には出力品のスタート地点は、線や面ではなく「点」ではじめたいので、プラットフォームに対して角がたつようにモデルを配置します。
面や線からでも出力できないこともないですが、サポート面が荒れたり、出力品のエッジがダレたりして、正ししい形状で出力されない恐れがあります。
「決まった方向で印刷を始めないと歪みが出る形状」や「どうしても綺麗に印刷したい面が存在する形状」といった特別な理由がない限りは、点がスタート地点になるよう角度を決めたほうがよいです。
積層痕の抑制
また、出力品に発生する「積層痕」についてもモデルの配置時点である程度コントロールすることが可能です。

こういった積層痕は、3Dプリンターの「XYZ軸」に対して出力モデルの面の角度が並行に近づくことで発生しています。
対策としては、積層痕が付いて欲しくない面をプリンター側のXYZのどの軸に対しても「角度をある程度つけてあげる」ことで解消されるでしょう。

先ほどの正立方体も同様に、横と上から見たときに3DプリンターのXYZのどの軸からも角度がついていれば積層痕が目立たない出力結果が得られるでしょう。
サポートの取り付け
続いて、取り付けるサポートの「役割」について解説していきます。
モデルが出力されるスタート地点を作るサポート![]()
サポートを生やしていく作業の一番始めは、「出力時のスタート地点となるサポート」を取り付けていきます。
出力の始点となるサポートが正しく出力されないと印刷不良に繋がる大切な箇所なので、ここは大きく太いサポートでドッシリと支えてやりましょう。
印刷中に発生する剥離抵抗からモデルを支えるサポート

赤色の部分が「剥離抵抗からモデルを支えるサポート」です。
先ほど配置した「スタート地点となるサポート」からモデルがどんどん印刷され始めるわけですが、少ないサポートのままではモデル全体を支えきれません。
ですので、追加のサポートを増やしてやり、印刷中にはたらくZ軸方向の負荷からモデルを支えてやりましょう。
このサポートをどれくらいの量つけるのかは、「スライスされた時の断面積」に合わせて密度を調整するとよいでしょう。
※CHITUBOXだと、右側にある縦軸のバーをクリックして移動させると、スライドさせた位置での断面がどれくらいの大きさなのかを確認することができます。
印刷中に発生する左右のブレを抑えるサポート

赤色の部分が「左右のブレを抑えるサポート」です。
実は印刷時の負荷はZ軸方向以外にも発生することがあります。薄物のモデルや、サポートの取り付けが甘いモデルでは、印刷中にモデルが左右にブレて、出力結果に「断層」のようなスジができることがあります。
そういう場合は、印刷中の左右のブレを抑えるサポートをモデルの側面につけてやると解決することがあります。
エッジを支えるサポート

カクカクしたモデルを出力するとき、無造作にサポートを生やすよりも「エッジに沿うようなサポート配置」してやると綺麗な印刷結果が得られます。

裏側から見たらこんな感じです。エッジ周辺を支えてあげるようなサポートを付けています。
注意点として、サポートは「エッジの頂点」ではなく、「エッジ付近の面」に取り付けるようにしています。
※エッジ頂点に取り付けてもよいですが、サポートを取り外す時にエグれる事が多いと感じるので私はいつも面に配置します。
サポートの役割分担を理解してしまえば手動サポートも簡単に出来る!

「手動でサポートを付ける作業」は、光造形3Dプリンターへの理解や、ある程度の経験値が必要ではありますが、実際にやってみるとそこまで難しくもないです。
「なぜそこにサポートが必要なのか?」といった理屈さえ分かれば、どこにどのようなサポートが必要なのかは自然と分かってきます。
現在無料で使えるCHITUBOXも、アップデートを重ねるごとにオートサポートの機能が貧弱になっておりほぼ使い物にならないと困っている方も多いと思います。ぜひこの機会に「手動サポート」に挑戦してみてはいかがでしょうか。
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