3Dプリンター出力品ガレージキットの作り方や取り扱い方法について

モデラー

  • 柚P

 

この記事では3Dプリンターで印刷された出力品が使われているガレージキットの取り扱い方法や作り方について詳しく解説していきます。

 3Dプリンターの出力品とは?

パソコン内で製作したデジタルデータを、3Dプリンターと呼ばれる機械を使って印刷した成果物のことを「出力品」と呼びます。

3Dプリンターの出力品にもいくつかの種類が存在しますが、今回はガレージキットで最もポピュラーな「家庭用の光造形プリンター」の出力品だけに絞って解説を進めていきます。

UVレジンの種類を確認しよう

3Dプリンターでは主に「UVレジン(紫外線硬化樹脂)」という樹脂が使われてります。

ですので、一般的なガレージキットでよく使われている「ポリウレタン樹脂(キャスト)」とは全く違う特性を持っています。

UVレジンには「アルコール洗浄タイプ」と「水洗いタイプ」の2種類があります。

  • アルコール洗浄タイプのレジンは、硬化後の物性が良いものが多く、親水性が無いため、短時間の水洗いや有機溶剤を使った洗浄にも多少は耐えることができます。
  • 水洗いタイプのレジンは、親水性があるため手軽に扱える代わりに、パーツの水洗いや有機溶剤を使った洗浄はNGとされています。また空気中の湿度にも反応しやすいため、長期保管における耐久性にも乏しいです。

自身が所有している出力品ガレージキットにどんなUVレジンが使われているか、しっかり確認してから製作に取り掛かりましょう。

出力品キットの取り扱いについて

UVレジンで出力されたパーツを取り扱うときは、必ずマスクやゴム手袋といった保護具を着用しましょう。

パーツを削ったときに出る粉塵を鼻や口といった粘膜から取り込みすぎると、アレルギー反応が出る恐れがあります。

レジンアレルギーは花粉症と同じように後天的に発症するものですので、健康な状態でもしっかり対策をしておきましょう。

出力品パーツの処理方法

出力品が使われたガレージキットでは、印刷の都合上どうしても発生してしまう「サポート」と呼ばれる構造物がついています。

パーツ本体とサポートを分離するためには「ニッパー」を使います。

効率よくサポートを切断するのには、先が細くコンパクトなニッパーがおすすめです。

このように繋がっている上部と下部を切断して、パーツを傷つけないよう丁寧にサポートを切り離していきましょう。

サポート痕の処理について

サポートを切り離したあとに残る「サポート痕」の処理をしていきます。使う工具はこちら。

  • 粗めのダイヤモンドヤスリ
  • スポンジヤスリ(#240~#600程度)

ちゃんとした模型用の工具は意外とお値段しちゃうので、「今後もガレージキットを作り続けるかわからない」という方は、とりあえず似たような工具を100円ショップで揃えちゃっても大丈夫です。

今後もガレージキットを作る予定のある方は、はじめからしっかりとした工具を買ってたほうが幸せになれます。

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サポートを切り離したあとに残る「サポート痕」をダイヤモンドヤスリを使って処理していきます。

サポート痕を平ら削るため、粗めのダイヤモンドヤスリで飛び出た箇所のみ削り落とします。

ダイヤモンドヤスリで磨いたあとは、#240~#600のスポンジヤスリを使って表面にできた傷を細かく磨いてあげましょう。

すべてのサポート痕を綺麗に磨くことができました。

積層痕について

3Dプリンターの出力品には「積層痕」とよばれる年輪みたいな模様が入っていたりします。

これはプリンターの特性上、印刷時には必ず発生してしまうものなのです。

積層痕は【0.02mm~0.05mm】という非常に小さい段差ですので、気にならない方は何もしなくても問題ありません。

どうしても気になる方は、#400のスポンジヤスリでひとなでしてあげると簡単に消すことができますよ。

塗装について

3Dプリンター出力品はUVレジンで作られたパーツなので、ガレージキットでよく言われる「離型剤」というものは一切使われていません。

ですので、塗装前に離型剤を落とす工程も必要ないわけです。

出力品のサポートと取り外し、サポート痕を処理したら、そのまま塗装に入れます。

使用できる塗料について

プラモデル用の塗料ならほぼ確実に使えます。

また出力品パーツは、塗料の定着を良くするための「プライマー」を使わなくても、通常のサーフェイサーのみでしっかり塗料が定着してくれます。
※レジンと塗料の相性問題もあるので、余裕がある場合は保険としてプライマーを塗装しておくとより確実でしょう。

さらにパーツを全塗装することで、UVレジンが外気と直接触れなくなるので、耐久性も上がります。

トップコートにはUVカットのものを使うようにすると、より高い効果が見込めそうです。

よくある質問

パーツを水洗いしてもいいですか?

A.使われているレジンの種類によります。

アルコール洗浄タイプのレジンなら多少の水洗いは大丈夫ですが、水洗いレジンが使われている場合はやめておいたほうがいいかもしれません。

洗剤で洗っていいですか?

A.使われているレジンや洗剤の種類によります。

洗剤には界面活性剤が入っているため、液がレジンへ浸透してしまう恐れがあります。

アルコール洗浄タイプのレジンが使われているとしても、クラック発生の原因になるかもしれないので、パーツの目立たないところでテストしてから行いましょう。

塗装失敗したので、ドボンしてもいいですか?

A.あまりオススメはしません。

私が愛用しているresioneのM68やショーコレジンは硬化後の物性が良いので、ラッカー塗料の薄め液程度なら普通に耐えてくれますが、それ以外のレジンが耐えれるかはわからないです。

パーツ表面がベトベトします

A.出力品がしっかり硬化していない、もしくは、表面に未硬化レジンが付着しているかもしれません。

硬化不足の場合は、晴れた日の日陰に出力品を10分程度置き「表面の硬化を促進」させてやりましょう。※長時間紫外線を浴びせ続けるとパーツ破損の原因になるので注意。

それでも表面がベタベタする場合は、「硬化阻害を起こした未硬化レジン」が付着しているかもしれません。

アルコール洗浄タイプのレジンが使われている場合は、無水エタノールやイソプロピルアルコール(IPA)を使って表面を洗浄、水洗いレジンの場合は、水道水を使ってパーツ表面を洗浄してみてください。※洗浄後は速やかに水分を飛ばして乾かしてください。

表面に小さなヒビが入っています。不良品ですか?

A.時間経過で自然にクラックが入ることもあります。

出力品は印刷して時間が経つとパーツ表面に「クラック」が入ったりします。

使っているレジンや保管している環境によってクラックが入るタイミングは変わってきますが、キットを購入してたった数日で発生しているという場合は、不良品の可能性がありますので販売者に問合せてみましょう。

購入から半年や1年以上経過したものにクラックが入っている場合の対応はすこし難しいかもしれません。出力品というのはそういう特性を持っているものなので・・・。

模型用のセメント系接着剤が使えません

UVレジンは溶剤系の接着剤では溶かせませんので使うことができません。

パーツ同士の接着には、瞬間接着剤、ゴム系接着剤、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤、を使いましょう。

削ったら変な臭いがします

UVレジンの臭いです。換気する、もしくは我慢しましょう。