ガンプラ塗装「トップコート」の効果とは?特徴や使用方法について詳しく紹介

モデラー

  • 柚P

 

こんにちは。柚P(@yzphouse)です。

プラモデルは樹脂で作られているため、どうしても樹脂特有のツヤで安っぽさがありますよね。

ガンプラでは、この中途半端なツヤを整えるために無色透明な塗料(クリアー塗料)を最後の仕上げに塗装したりしています。

このような一番最後の仕上げにクリアー塗料を塗装するような事を「トップコート」や「クリアーコート」と呼んでいます。トップコートをすることによって、ツヤを整えて質感を高めるだけではなく、デカールや塗装面の保護にも役立ちます。

トップコートの種類

クレオス 水性トップコート つや消し

このトップコートは大きくわけて「水性トップコート」と「ラッカー系トップコート(ラッカー系)」の2種類があります。

【水性トップコート】

  • 水性アクリル塗料
  • 下地の塗装を溶かしにくい
  • ニオイが少ない
  • 乾燥が遅く塗膜が弱い
  • 湿気が多い日での塗装でも「かぶり現象」が起こりにくい

【ラッカー系トップコート】

  • ラッカー系塗料
  • シンナー成分が強いので下地の塗料を侵食しやすい。
  • ニオイがきつい
  • 乾燥が早い
  • 湿気が多い日は「かぶり現象」が起こりやすい
  • 塗膜が強いので保護能力が高い

この「水性アクリル塗料」と「ラッカー系塗料」には、それぞれの特性があるので利用用途によって使い分ける必要があります。

詳しい特性については【ガンプラ初心者】プラモデル用塗料の種類と相性についての記事で解説しています。

塗料の種類の他にも「ツヤ消し(フラット)」「半光沢(セミグロス)」「光沢(グロス)」という3種類の艶があります。

  • ミリタリー系、メカ系のマットな質感を表現したいときは「ツヤ消し」
  • キャラクターモデルなどのアニメ感やトイ感を表現するときは「半光沢」
  • カーモデルやバイクの光沢のあるボディを塗装する場合は「光沢」

プラモデルによってトップコートのツヤを使い分けましょう。

トップコートで使うアイテム

「缶スプレー」のトップコート

トップコートを初めて使うという方には、手に入れやすい「缶スプレーの水性トップコート」がオススメ。

缶タイプのトップコートでは、水性トップコートならラベル部分に『水性』と表記があります。その表記がなければ『ラッカー系トップコート』という事になりますね。

「瓶塗料をエアブラシで吹き付ける」トップコート

エアブラシでトップコートをする場合は「瓶入りのクリアー塗料」を使います。

瓶入りの塗料ではトップコートという名前で販売されていないないので、基本的にクリアーの塗料を使用します。

例えば、

【クレオス】

  • 【水性】クリアー(光沢)
  • 【水性】つや消しクリアー(つや消し)
  • 【ラッカー】クリアー(光沢)
  • 【ラッカー】GXスーパークリアーⅢ(光沢)
  • 【ラッカー】GXスーパークリアーⅢ UVカット(光沢)
  • 【ラッカー】GXスーパークリアーⅢ UVカット(ツヤ消し)
  • 【ラッカー】スーパークリアーつや消し(ツヤ消し)
  • 【ラッカー】スーパークリアー半光沢(半光沢)
  • 【ラッカー】GXスムースクリアー(ツヤ消し)

【ガイアカラー】

  • 【ラッカー】007クリアー(光沢)
  • 【ラッカー】008フラットクリアー(ツヤ消し)
  • 【ラッカー】030セミグロスクリアー(半光沢)

これが、トップコートに使える瓶入り塗料の種類です。ラッカー系塗料ばかりのラインナップですね。エアブラシで塗装するときは、うすめ液で希釈してから使用しましょう。

ここで挙げた塗料以外にも、「タミヤ」や「フィニッシャーズ」からもクリアー塗料を出していたりします。

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ツヤ消しトップコートを塗装してみる

塗装する環境を整えよう

トップコートに限らず、スプレーやエアブラシで塗装作業をする場合は、必ずマスクを着用して換気の良い場所で行いましょう。

「塗装ブース」を持っている方は室内で塗装が出来ますが、持ってない方は、天気の良い日に外に出て塗料のミストが他の場所にかからないよう、ダンボールで囲いを作るなどしてから塗装を行いましょう。

近所の迷惑にならないように注意してください。特に『ラッカー系トップコート』を使う場合は、臭いが強烈なので周りへの配慮が大切になってきます。

私が塗装作業をする時は、スプレーやエアブラシのミストを吸い込んで外に排出する専用の「塗装ブース」を使います。塗装ブースがあれば室内でも、スプレーやエアブラシを使って吹き付けが可能になるのでオススメです。

普通に手に入れるなら模型メーカーが市販している塗装ブースがいいですね。室内でスプレーやエアブラシを使いたい方は是非購入してみてください。

市販の塗装ブースについてはフィギュアやプラモデルの塗装で使える!「塗装ブース」 を徹底比較!オススメは?の記事を参考にしてみてください。

トップコートを塗装するパーツを分解する。

トップコートを吹き付ける前に、組み立てたプラモデルを塗装しやすいサイズまで分解しておきます。バラさずにトップコートを吹き付けてしまうと、関節などや隠れた部分にうまく吹き付けることができずムラになってしまいます。

分解が出来たら、塗装用の持ち手を使ってパーツを固定しましょう。パーツを保持するアイテムは ガンプラ塗装で役に立つ「塗装ベース」と「持ち手」を自作してみた。で紹介しているので参考にしてみてください。

パーツを固定できたらトップコートの準備をしていきましょう。

缶スプレーの準備をする。

スプレーを使う場合は、吹き付ける前に最低でも50回はよく振って、中の塗料を撹拌してください。

塗料の撹拌が不十分だと、スプレー缶の中に入っている「塗料・シンナー」と、一緒に入ってる「ガス」がうまく混ざらず、均等に混ざってない中身がそのまま噴射されてしまいます。

そうなると、パーツ表面に塗料が多めに付いてしまったり、シミができてしまったりなど、予期せぬ失敗に繋がることもあります。

そして、スプレー缶を充分に振ったら、2回ほど空吹きしてください。

  • 噴出口の詰まり・吹き出しの向き、の確認
  • 塗料がちゃんと混ざっているのかの確認
  • 缶スプレーのノズル内の撹拌されていない塗料を出す

これら3つの確認をしたら、トップコートの塗装をしていきましょう。

トップコートを吹き付ける

缶スプレーの使い方は、20cm〜30cm離れた位置から吹き付けていきます。

コツとしては、プラモデルの少し外れた横の位置からスプレーを噴射させて、パーツの上をサッと通過させるように動かします。吹き止める時もプラモデルから少し外れた横の位置で吹き止めます。

塗料を出している時はパーツの上で止めないというのがポイントです。スプレーを動かさずにパーツに向けて直接噴射してしまうと、塗料が溜まって、ムラができたり塗料が垂れてしまいます。

そして、トップコートは透明な塗料なので、どれだけ塗料を吹いたか分からなくなり塗料を吹き付けすぎてしまう事があります。「塗料のテカり」をよく確認しながら吹き進めましょう。

トップコートの吹き付けが終わったら、ホコリの少ないところで乾燥させます。水性トップコートだと3時間~6時間、ラッカー系トップコートの場合は1時間~2時間ほど乾燥させましょう。

エアブラシでトップコートを塗装する

エアブラシでトップコートをする場合は、瓶入りの塗料を希釈して使用する必要があります。

無色透明な塗料なので、うすめ液を入れても「どのくらい薄まったのかよく分からない」ということが起こってしまいがちです。面倒くさいですが、しっかり量を計りながら薄めましょう。

ちなみに、トップコート用のクリアー塗料は筆塗りで使用するということはほぼ無いので、希釈したものまとめて別のボトルに作っておくと便利に使えます。

まとめて希釈するときは、紙コップなどを使って作業をすると簡単ですね。

ラッカー塗料の場合は「塗料1:うすめ液2」くらいの割合で薄めてください。

紙コップに新品の塗料を入れて、空になった瓶にうすめ液を入れたものを2回足せば、簡単に3倍に薄めた塗料ができます。

DPボトルJP 60ml (1個入)

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薄めた塗料は、大きい容器に保管しておきましょう。

私が使っているのはハイキューパーツの「DPボトルJP 60ml」という容器です。ワンタッチで塗料が出せる特殊なキャップがついているボトルで、中には撹拌用のガラス玉が入っていたりもして非常に便利なアイテムです。

希釈した塗料を作ったら、エアブラシのカップに入れてパーツに吹き付けていきましょう。

ここも無色透明な塗料なので「どれだけ吹付けられているのか」が非常に分かりにくいです。なので、塗料を吹き付けた部分の「塗料のテカり」をよく確認しながら作業を進めましょう。

すべてのパーツにクリアー塗料を塗り終わったらトップコートの塗装は終わりです。ホコリの少ない場所や、乾燥ブースでしっかりと塗料を乾かしましょう。

トップコート塗装をして”ツヤ”を整えたガンプラ

全体のパーツのツヤもちろん、シール部分の「不自然なテカり」も落ち着いて、素組みのキットでも艶が消えることで「全体の安っぽさ」が無くなり見栄えが良くなったかと思います。

もちろん、素組みだけではなく、「全塗装」「部分塗装」でも同じ効果が望めます。トップコートは、すべての仕上げで有効に活用できる塗装と言えますね。

そして、トップコートは一番最後に行う「仕上げの塗装」です。最後のトップコートで失敗して、せっかく時間をかけて作った作品をすべて台無しにしないよう、作業方法や注意点をしっかり覚えてやり方をマスターしてください。

それでは。