プラモデル塗料で使う「水性アクリル塗料」の違いをメーカー別に徹底比較!

水性塗料

「家族がいてニオイの強いラッカー塗料は使えない」「シンナーを扱うのは少し不安だ。」というユーザーにもオススメなのが、水で塗料の希釈、道具の洗浄ができる水性塗料です。

水を入れたコップを1つ容易しとけば、場所を選ばず、どこでも手軽に扱える塗料でもありますね。

 

一部の海外では、プラモデルの塗料で有機溶剤(シンナー)を使用してはいけないという厳しい法律がある国もあったりします。

そういった理由から、海外製で良品質な水性塗料も多く日本で販売されています。

今回は、そんな水性塗料をメーカー別に比較して行こうと思います。

比較する塗料は

「水性ホビーカラー」
「アクリジョン」
「タミヤカラー」
「ファレホ」
「シタデルカラー」

の5種類です。

▼その他、「エナメル塗料」「ラッカー塗料」の比較記事はコチラからどうぞ。

プラモデルの塗料の違いをメーカー別に比較!エナメル塗料編

プラモデルの塗料の違いをメーカー別に比較!ラッカー塗料編

 

GSIクレオス 「水性ホビーカラー」

  • 扱いやすさ☆★★★★
  • 塗膜の強度☆☆☆★★
  • 乾燥時間☆☆☆☆★
  • 塗料の伸び☆☆★★★
  • 値段 ¥150~

GSIクレオスから販売されている水溶性アクリル樹脂塗料です。

模型店なら必ずと言っていいほど取り扱っているところの多い、ポピュラーな水性塗料の一つです。

 

これは水性塗料全般に言えることですが「塗料自体の臭いが少い」「乾燥前なら水に溶けるの」という特徴があります。

使用した筆やエアブラシも、乾く前なら水で洗うことが出来ます。

塗料が乾いたあとは耐水性になり、水では溶けな塗膜になります。

 

塗料の乾燥時間はかなり遅めです。

さらに、塗膜の強度もそこまで無いので、爪で少し力を入れて引っ掻いたりすると簡単に傷が入ったりもします。

 

塗料の隠蔽力も弱い部類に入ります。

何度も重ね塗りをしないとイエローやレッドの様な隠蔽力の弱い色はちゃんと発色してくれません。

筆塗り塗装でも、塗料自体の伸びがあまり良くないので、筆ムラや粗が出やすく少し扱いにくい印象です。

かといって、筆ムラが出にくいように塗料を希釈してしまうと「いつまでも乾かない」「何度塗っても色が発色しない」という事が起きます。

 

水性塗料は匂いが少なく安全ではありますが、ラッカー系塗料にくらべて「塗膜の強さ」「乾燥時間の速さ」「隠蔽力の高さ」を犠牲にしているようですね。

「水性ホビーカラー」の希釈には、専用のうすめ液を使いましょう。

水でも希釈できますが、パーツに塗料が弾かれてしまう事があるので、できれば専用のうすめ液を使ったほうがいいですね。

筆を洗い忘れて塗料が固まってしまった場合でも、このうすめ液を使えば道具の洗浄することが出来ます。

 

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GSIクレオス 「新水性カラー アクリジョン」

  • 扱いやすさ☆☆★★★
  • 塗膜の強度☆☆★★★
  • 乾燥時間☆☆★★★
  • 塗料の伸び☆☆★★★
  • 値段 ¥180~

こちらもGSIクレオスが発売している水性塗料の一つです。正式には「エマルジョン系水性塗料」と呼ぶらしいです。

まだ発売してから数年しか経っていないので、取り扱っている模型店はそんなに多くはないです。

 

この塗料の特徴は、さきほど紹介した水性ホビーカラーの欠点となる「乾燥時間の遅さ」「塗膜の弱さ」を解消した新しい水性塗料です。

臭いも非常に少なく、ほのかにアクリル絵の具の臭いがするくらいにおさまっています。

 

塗料の乾燥時間はかなり早いです。

ただし、その速さ故に、エアブラシで使用する時はノズルで塗料づまりがよく発生するので注意が必要です。

筆塗りでは、水性ホビーカラーに比べると、塗料の伸びは良くなってはいますが、正直なところまだまだ扱いやすいとは言えるレベルには達してはいません。

しかも、イエローやレッドといった一部のカラーは「隠蔽力が異常に弱い」という問題もあります。

下地の色が暗い所にそういう色を塗る場合は、先にホワイトを塗って、その上からイエローなどの塗料を塗って対応しましょう。

 

他にも、完全に乾燥したアクリジョンの塗膜の上から、Mr.カラー(ラッカー系塗料)や水性ホビーカラーを塗装することが出来るという特徴もあります。

アクリジョンが乾いた後は、他の塗料を上から塗っても塗装面は溶けないので重ね塗りも安心して行えます。

※水性ホビーカラーの上からアクリジョンは重ね塗りするとヒビ割れてしまうので、そこだけは注意が必要になります。

 

エアブラシを使用する際は、専用のうすめ液で希釈して使います。

アクリジョンは他の水性塗料とは少し違うので、水で希釈することは出来ません。

あと、何故か専用の薄め液のほうには、かなり独特な臭いがあります。

 

使い終わったエアブラシや筆の洗浄方法についでですが、塗料が乾く前なら水で洗い流すことが出来ます。

塗料が完全に乾いてしまったら、水や専用うすめ液では溶けないので、アクリジョン専用のツールクリーナーを別途用意しておきましょう。

 

完全に乾いてしまったアクリジョンはラッカー用の「ツールクリーナー」でも溶かすことが出来ませんでした。

一度乾いてしまうと厄介なので、アクションを使う時はこまめな洗浄を心がけましょう。

 

タミヤ 「タミヤカラー」

  • 扱いやすさ☆★★★★
  • 塗膜の強度☆☆☆★★
  • 乾燥時間☆☆☆☆★
  • 塗料の伸び☆☆★★★
  • 値段 ¥150~

こちらはタミヤ模型が販売している水性アクリル塗料です。この塗料もほとんどの模型店で取り扱っていますね。

塗料の特徴としては、GSIクレオスの水性ホビーカラーの上位互換のような感じです。

 

乾燥後の塗膜はパリッとしていて、塗料の伸びも、水性ホビーカラーに比べて、タミヤカラーのほうがよく伸びる印象があります。

 

もちろん、同じ水溶性塗料なので乾く前なら水を使って筆やエアブラシの洗浄が行えます。

隠蔽力に関しては、他の水溶性塗料と同じく少し弱いです。

臭いは控えめででほのかにアルコール系の溶剤の匂いがします。

▲塗料の希釈や洗浄に使えるタミヤカラー専用のうすめ液はコチラ。

 

ちなみに、タミヤ製品のプラモデルの説明書では、このタミヤカラーの番号で色指定がされています。

タミヤのプラモデルを作るときのにはタミヤカラーを使えば非常に楽ということです。

カラーの見方は結構簡単で、

つや有りの塗料は「X-1」艶消しの塗料は「XF-1」というかんじに、”X”のあとに、”F”(フラット)が増えた表記となります。

そして、”1”や”2”と書いてある番号は、「色」の指定になります。

  1. ブラック
  2. ホワイト
  3. ロイヤルブルー
  4. ブルー
  5. グリーン
  6. オレンジ
  7. レッド…

という感じに、各番号に指定の色が決まっています。

これは「タミヤエナメル」「タミヤラッカー」「タミヤスプレー」と全てに共通する色番号なので覚えとくと何かと役に立ちます。

 

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ボークス 造形村 「ファレホ」

  • 扱いやすさ☆☆★★★
  • 塗膜の強度☆☆★★★
  • 乾燥時間☆★★★★
  • 塗料の伸び☆★★★★
  • 値段 ¥290~

ボークスが日本で代理販売している「ファレホ」というアクリル塗料です。

元はスペインのメーカーが作っている塗料のようです。

そのため、塗料のパッケージもスペイン語で書いてあります。
▼【2017/11/28追記】現在は日本語にも対応したラベルに変更されました。

 

普通の模型店での扱いは無く、全国のボークスショールームのみで手に入れることができます。

【 追記 2017/0707 】ファレホが「Amazon」「楽天」「ヤフーショッピング」での取扱いを開始しました。

Amazonでは「ボークス通販隊
楽天市場では「ボークスネットショップ
ヤフーショッピングでは「ホビースクエア

もちろん今まで通り「ボークスホビー天国ウェブ」でも購入できます。

カラーバリエーションが豊富で、ボークス店舗が近くにあるモデラーなら「水性塗料をすべてファレホにしたほうがいい」と思ってしまえるほど高性能な水性塗料です。

ファレホの特徴は他の水溶性塗料には無かった「塗料の伸びの良さ」「隠蔽力の強さ」「特徴的なボトル形状」があります

ファレホのモデルカラーは、筆塗り専用の塗料で、筆塗り塗装をメインにしてるモデラーには非常にオススメです。

乾燥した塗膜は、化学反応で空気中の酸素と結合することにより、より強固な塗膜が形成されるようになっています。

ボトルの先端がチューブのようになっているので、筆塗りをする時の「ちょっとだけ塗料を塗料皿に出したい」という場面でも、塗料を出しすぎるという問題もありません。

ボトルの素材が「ガラス瓶」ではなく、プラスチック製なので塗料が無くなったときの処理も楽ですね。

ファレホの希釈は、ファレホ専用の「エアブラシシンナー」を使うか、薬局などで取り扱っている「精製水」でもいいとのこと。

 

ちなみに、同じファレホと言っても、いろんな種類があるのでそちらも説明します。

■モデルカラー
ファレホの基本になるシリーズ。筆塗り用に塗料の濃度が調整されている。
ホワイト、イエローなどの基本的な色がラインナップされている。

■モデルエアー
エアブラシで使えるように希釈して調整されているモデルカラー。
塗料の濃度以外はモデルカラーとほぼ同じです。

■ゲームカラー
キャラクターフィギュアの塗装をするために調色されたシリーズ。モデルカラーより粘度が低く細かい塗装に向いている。
ゴブリングリーン、ウルフグレイ、などキャラクターに合った色が展開されている。

■ゲームエアー
エアブラシで使えるように希釈して調整されているゲームカラー。
塗料の濃度以外はゲームカラーとほぼ同じです。

■パンツァーエース
ミリタリー系の色が揃っているシリーズ。”明るい鉄さび色”や”キャタピラ下地色”などがある。
塗料の特性としてはモデルカラーと同じ。

■メカカラー
日本初のファレホのシリーズ。アニメキャラやロボットに合う”鮮やかな色”を多数ラインナップしています。
普通の色以外にも、メタリック系の塗料があるのも特徴。
筆塗り、エアブラシの両方で使える濃さです。モデルカラーとモデルエアーの中間くらい。

 

筆塗り用のモデルカラーやゲームカラーでも、「エアブラシシンナー」や「精製水」で希釈してやれば、エアブラシで吹き付けることが可能です。

 

昔に販売されていたファレホの中には、成分中に有害な金属「カドミウム」が含まれているものがあります

エアブラシで使用してはいけないファレホには、パッケージ内に”Do Not Spray”という記載があります。

 

ただし、現在販売されている新しいファレホ(日本語が書いてある新ラベル)では「カドミウム」が含有されているものはすべて無くなっているので安心して使ってください。

ボークスのファレホに詳しい店員さんに「ファレホにカドミウムが入っているという噂を聞いたが本当?」と直接聞いた話なので嘘では無いかと思います。

店員さんは「実際に昔のファレホにはカドミウムが使われているものもあった。だけど今売っている塗料にはもう入って無いので安心して欲しい」と言っていました。

ですが、過去に購入したファレホ(旧ラベル)にはカドミウム含有の物が実際にあるので、使う前にDo Not Sprayの表記を確認して使用しましょう。

 

 

ゲームズワークショップ 「シタデルカラー」

  • 扱いやすさ☆☆★★★
  • 塗膜の強度☆☆★★★
  • 乾燥時間☆★★★★
  • 塗料の伸び☆★★★★
  • 値段 ¥550~

ここ最近になって模型業界でよく耳にするようになった「シタデルカラー」です。

シタデルカラーは、イギリスの「ゲームズワークショップ」という会社が販売していて、「ウォーハンマー」や「ザ・ロード・オブ・ザ・リング」というテーブルゲームのフィギュアを塗装するために作られた塗料となります。

こちらも模型店では殆ど見ることはない塗料ですね。

大手の模型店か、「ヨドバシ.com」などで購入できます。

さて、この塗料の特徴についてです。

水性塗料なので、もちろん塗料の乾燥前なら水で道具を洗うことが出来ます。

▼筆塗りを前提で開発されていて、ボトル自体が筆を使うことを想定して作られていて、穂先を整えたりし易いような形状になっています。

シタデルミニチュアという、実際に手で持ったりして遊ぶゲームで使われる塗料なので、乾燥後はかなり強い塗膜になります。

しかも、「ラッカー塗料」「エナメル塗料」の上から「シタデルカラー」を重ね塗りも出来ます。

その逆も可能です。(シタデルの上にラッカー塗料・エナメル塗料)

 

塗料の乾燥時間も早く、10分程度でも触れるくらいまでしっかり乾いてくれます。塗った端から乾いていくイメージですかね。

そして、シタデルカラーの一番のウリは圧倒的な隠蔽力です。
黒のパーツに白色を塗って一発で発色したりなど、普通の水性塗料ではありえない隠蔽力を持っています。(ラッカー系やエナメル塗料でもここまで隠蔽力は強くない)

塗料1つあたりの値段が高いですが、それなりの性能は保証してくれるみたいです。

 

希釈には「ケスト・シンナー」や「精製水」が使用できます。

シタデルカラーには9つほど種類がありまして、初めての方はどれを買ったらいいかわからないと思うので簡単に説明します。

 

■CITADEL BASE(ベース)
フィギュアの一番最初に塗るベースとなる色がラインナップされている。

■CITADEL LAYER(レイヤー)
ベースの上に塗り重ねるのを目的に調色されたシリーズ。色の種類が一番多いです。

■CITADEL SHADE(シェイド)
影になるようなところに塗る塗料。
始めからサラサラに希釈されている塗料なので、それをモールドに流し込んでスミ入れの要領で使う。

■CITADEL GLAZE(グレイズ)
シェイドと似たようなサラサラの塗料。
グレイズはどっちかというと薄い塗料を全体に塗ってフィルターをかけて全体の色味を整える効果をさせる塗料。

■CITADEL EDGE(エッジ)
フィギュアの角に明るい塗料を塗ってエッジを際立たせるための塗料。
エッジのハイライトを入れてメリハリを付けれる。

■CITADEL DRY(ドライ)
こちらはドライブラシによってエッジを際立たせる塗料。
ドライブラシができるように塗料の粘度は濃いめ。

■CITADEL TECHNICAL(テクニカル)
その他、様々な特殊な塗料。
「水溶性パテ」「グレイズを作るためのメディウム」「クリアカラー」など。
血糊なんかもありますね。

■CITADEL TEXTURE(テクスチャー)
塗料の中に細かい粒が入っていて、フィギュアの台座の土の表現なんかに使われる塗料。
ジオラマとかにも使えそう。

■CITADEL AIR(エアー)
エアブラシで吹付けが可能な塗料。
エアブラシ用に希釈されているので筆塗り使用には不向き。

 

ざっとこんな感じです。

普通の水性塗料のように扱えるのは、CITADEL BASE(ベース)とCITADEL LAYER(レイヤー)ですね。

 

それから、シタデルカラー用のプライマーに「アンダーコート」というスプレーがあります。

シタデルカラーの「塗膜の強さ」と「定着力」を最大限に発揮させるためには、この「アンダーコート」は必須みたいです。

 

種類さえ覚えてしまえば、先ほど紹介した中で一番性能の良いの水性塗料だと思います。

 

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ガンプラ製作にも使う水性アクリル塗料

いかがだったでしょうか。ガンプラに限らずプラモデル全般で使う水性アクリル塗料。

模型店で入手しやすい日本のメーカーの水性塗料もいいですが、少しお金を掛けて、性能の良い海外の水性塗料を使ってみるのも面白いかもしれません。

自分に合った使いやすい水性塗料を探す参考になれば幸いです。

それでは。