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巷で噂のシリコーンゴム、KDK-TRADINGが販売する「IS-CRN40」「IS-CRN25」を使ってみた。

こんにちは。柚P(@Nitori_cucumber)です。

最近、フィギュア造形をしているアマチュアディーラーのあいだで、少し話題になっている「IS-CRN40」「IS-CRN25」というシリコーンをご存知でしょうか。

KDK-TRADING(https://www.kdk-trading.net/)というお店が代理販売しているシリコーンで、「ゴムの強度」「流動性の良さ」がとても優れているにもかかわらず「圧倒的な値段の安さ」で手に入れられるシリコーンです。

なんと、聞く話によると「頑張れば50ショットくらいは抜ける」「従来の一般型取り用シリコーンの約8倍の引き裂き強度」という圧倒的な性能を持ちながら、値段は1Kgで2500円程度で手に入れることができます。

新しいマテリアルに目が無い私ですので、さっそくワンダーフェスティバル2018夏のイベントで販売するフィギュアの複製で使っちゃいました。その使用レビューを記事でまとめていきたいと思います。

それから、ワンダーフェスティバル2018夏で「KDK-TRADING」様が出店していたので、中の人に直接シリコーンについての詳しい話も聞いてきましたので、そちらも一緒にどうぞ。

「IS-CRN40」「IS-CRN25」の違いについて

KDK-TRADING様で販売されているシリコーンゴムは2種類あり、緑色の硬化剤が特徴の「IS-CRL40」と、赤色の硬化剤が特徴の「IS-CRN25」があります。

それぞれに、「色」「硬化後の硬さ」「流動性」などに違いがあるようです。

緑色のシリコーンゴム「IS-CRN40」

  • 混合物粘度(cps):12000
  • ゴム硬度(Shore A):40
  • 引張り強度(Mpa):4.2
  • 引き裂き強度(N/mm):30
  • 伸び率(%):350
  • 収縮(%):0.25

基本データは公式HPの特性表をそのまま使わせてもらいました。

一般的なフィギュア複製で使用するシリコーン型の製作ではコチラの「IS-CRN40」がオススメです。

流動性に優れているので、細かいモールドでもシリコーンが流れやすく、気泡の抜けも良いです。

購入はコチラから→KDK-TRADING(https://www.kdk-trading.net/

そして硬化剤に色が付いているところも良いですね。まんべんなく撹拌できているか確認しやすいです。

赤色のシリコーンゴム「IS-CRN25」

  • 混合物粘度(cps):18000
  • ゴム硬度(Shore A):25-28
  • 引張り強度(Mpa):4.0
  • 引き裂き強度(N/mm):28
  • 伸び率(%):500
  • 収縮(%):0.25

こちらの赤色の硬化剤が付属しているIS-CRN25は、「特殊なシリコーン型」を製作するのに向いているシリコーンゴムみたいです。

緑色のIS-CRN40に比べ、粘度も高く、ゴム強度・引張り強度・引き裂き強度の性能が低くなっています。そのかわりに「伸び率」が500%になっています。

伸び率が非常に高いので、このシリコーンゴムはFRPなどを併用して使用するような「特殊な大型のウレタン型」で性能を発揮するのではないでしょうか。

私はこのシリコーンゴムで常圧2面型を製作して使用してみましたが、柔らかすぎて型との相性は良くありませんでした。フィギュア複製ではこのシリコーンは使わないほうが良いですね。

購入はコチラから→KDK-TRADING(https://www.kdk-trading.net/

硬化剤の色は赤色で、シリコーンの主剤と混ぜるとピンク色になります。かわいいですね。

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「IS-CRN40」「IS-CRN25」の使用レビュー

結果から先にいいますと、このシリコーンゴムは2つとも大失敗でした。

前情報として「頑張れば50ショットくらいは抜ける」「従来の一般型取り用シリコーンの約8倍の引き裂き強度」というのを目にしてたので、どれだけすごいシリコーンなのかと期待していましたが・・・

私がこのシリコーンゴムを使用した環境はコチラ

  • レジン:RCベルグ ファインキャスト(キシレン入り)
  • 離型剤:メタフォームBS

まずはIS-CRN25の結果から。

流動性が良いので型を製作するまではとてもスムーズでしたが、複製を始めてからが大変でした。

このシリコーンゴムは「オイルブリードタイプ」といって、ゴムの硬化後、表面にシリコーンオイルが滲んでくる種類だったようで、それを知らない私は「なんか液出てきた」と思い、このオイルを綺麗に洗っちゃったんですよね。

そこに、「メタフォームBS」という離型剤を型にさっと吹き付けて複製をしていました。しかし問題が発生。

まず、食いつきがひどい。8ショットくらいでパーツがシリコーン型から剥がれなくなってきました。これは早い。

そして12ショット目くらいで、写真の「シリコーンゴムがパーツに食いついて引きちぎれている」という状態までいきました。ここまでいっちゃうと、この型での複製はもう出来ません。

 

つづいて、「IS-CRN40」はどうだったかといいますと。

こちらも、早い段階からパーツへの食いつきが始まり、17ショット目くらいでシリコーン型が裂けました。

この複製していたフィギュアは、30個は複製する予定だったので、この時はかなり精神的にやられてましたね・・・

ちなみに、「IS-CRN40」はノンオイルブリードタイプみたいなのでシリコーン型表面からのオイル滲みは少なかったです。と言っても全く無いわけではなかったです。ほんの少しだけオイルが滲む。

シリコーンと一緒に購入した離型剤「メタフォームBS」も吹き方が悪かったのか、離型剤とシリコーン型表面のオイルが反発しあって、パーツ表面にブツブツができました。

このブツブツのせいでミスショットも連発です。最悪です。

と、ここまでが私の使用レビューです。完全に使えないシリコーンゴムって感じになっちゃいました。

しかし!!

この話には続きがあり、私のまわりの方から「IS-CRN40使ったけど、離型剤とか使わなくても40抜けた。」とか「IS-CRN40使ってるけどまだ食いつきは起こしてない」という情報が入ってくるわけです。

「もしかして私の使い方が間違ってたの??」という疑問が湧いてきます。

というわけで色んな方と情報共有をして、ついでにKDK-TRADING様から直接聞いた情報も含めてその結果を書いていきます。

「IS-CRL40」「IS-CRL25」の上手な使い方とは?

Twitterを見ていると「IS-CRN40」を使用していて、私と同じように15ショットくらいしか複製出来なかったという方を見つけました。

その方から話を聞いてみたところ、私と同じく「キシレン入りタイプのレジン」を使用していて、そして私と同じようにシリコーン型から滲み出るシリコーンオイルを拭き取って使用していたとのこと。

私と全く同じやり方&結果です。なんだかちょっと安心。

では逆に、このシリコーンゴムで50個近く複製できた方はどういった使い方をしたのでしょうか?

私のまわりで、このシリコーンを上手く使えた方は2人ほどいて話を聞くところ、その2人ともが「ノンキシレンタイプのレジン」を使用していました。それからシリコーンオイルも拭き取らずにそのまま使用したとか。

ここから推測するに、

  • キシレン配合タイプは苦手
  • ノンキシレンタイプのレジンなら大丈夫
  • シリコーンオイルは洗わないほうがいい

という事が分かりました。

そこから、さらに販売元のKDK-TRADING様に直接話しを聞きいてきました。

まず、シリコーンゴムから滲み出す「シリコーンオイル」について。

このオイルには離型剤のような役割もあり、シリコーンゴムを保護する効果もある、とのこと。基本は拭き取らずに使うものだそうです。

ちなみに、シリコーンゴムの主剤と硬化剤の化学反応によって発生する「アルコール」はシリコーンオイルとは別物だそうです。アルコールは水溶性なのでレジンと触れるのは微細気泡の発生にもつながるのであまり好ましくないらしい。

このアルコールは、硬化剤との反応によって生まれるので「硬化剤を少なくすると、アルコールの発生も減る」なんて事も言ってたような。

次に、「キシレン入りのレジン」と「ノンキシレンレジン」による違いについて。

「キシレン入りのレジン」を使用してしまうと、シリコーンゴム自体が有機溶剤(キシレン)を吸収しちゃうようです。

キシレンを吸収したシリコーンゴムがその後どうなるかといいますと、型からキシレンが揮発する際にシリコーンゴムが含んでいるオイルも一緒に飛ばしちゃって寿命を短くしてしまうらしいです。

つまり私が失敗した理由としましては、シリコーンゴムのオイルが無くなる→型が硬くなる→食いつき、型の破損が起きる。という流れみたいです。

というわけで、このシリコーンゴムを上手に使う方法としては

  • シリコーンオイルは拭き取らない
  • ノンキシレンタイプのレジンを使用する
  • 離型剤の吹きすぎに注意する

この3点さえ気をつけていれば、このシリコーンゴムでも30~50ショット抜けるみたいです。

とはいえこのシリコーンゴム、キシレン入りレジンを使うだけでここまで性能が変わってくるんだから万人向けではないと思いましたね・・・。耐溶剤性がとても低いようです。

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終わりに

いかがでしたでしょうか。

複製はとても大変な作業が続くので失敗はしたくないものです。なのでいつもとは違う、新しいマテリアルを使用するのはかなり勇気がいりますよね。

私は失敗したとしてもブログのネタとして昇華させることができるので、ダメージは少ないですが・・・

使い方さえ間違えなければ、コストパフォーマンスの高い高性能シリコーンなのには変わりはないので、次回イベント複製などで使ってみてはいかがでしょうか。

それでは。