プラモデルでの改造ではパテを使うことがあります。一言で「パテ」といっても、様々な種類があり使い方や特性が違います。
プラモデルで使用されているパテの種類には
- ラッカーパテ
- エポキシパテパテ
- ポリエステルパテ
- 瞬間接着剤
があります。それぞれ使い方や特性が違うのでこの4種類のパテを順に解説していきます。
パテの種類
ラッカーパテ
ラッカーパテとは、タルクなどの顔料を揮発性の高い有機溶剤(シンナー)と混ぜてペースト状にしたパテです。
▼ラッカーパテの種類についてはコチラの記事で紹介しています。
「ラッカーパテ」の種類を徹底比較!食い付きや乾燥時間の違いはあるのか?
代表的な物はタミヤの「ベーシック ラッカーパテ」ですね。
特徴としては、
- チューブから出したパテを塗るだけなので、簡単に扱える。
- 切削性が良い
というところが挙げられます。
デメリットもあります。有機溶剤が揮発することによってパテが乾燥するので、厚盛りが苦手で、乾燥後のヒケが大きいです。なので、多く盛り付けられても、一度に0.5mm程度の厚みが限界だと思います。
有機溶剤を揮発させて固まるタイプなので、乾燥時間もかなり長いです。自然乾燥だと、夏は2~3日、冬は1週間~、は置いておかないと完全に乾燥してくれません。
長い時間待ちたくない場合は、ドライブースを併用すれば強制乾燥も可能になるので作業時間短縮に繋がります。
▼自作ドライブース製作の記事
【ガンプラ工具】山善の食器乾燥機を使って自作の「ドライブース」を製作してみた。
ラッカーパテを使用する場面は、
- プラモデルのパーツ表面の小キズを埋め
- 戦車やガンプラの改造で行う鋳造表現
- パーツのヒケ処理
でよく使われています。ラッカーパテの乾燥後は、プラスチックより柔らかく切削性が非常に良いのでヒケ処理には非常に重宝されています。
また、ラッカーパテの特有の乾燥時間の遅さを利用して、穂先を短く切った筆でパーツ表面に「鋳造表現」を作るのにも使われることもあります。
エポキシパテ
▼エポキシパテの種類についてはコチラの記事で紹介しています。
省略して 「エポパテ 」という名前でも呼ばれています。名前の通り、エポキシ樹脂を主成分としたパテで、2剤を混合させて化学反応で硬化するという特徴を持っています。
ラッカーパテとは違い、パテ自体がヒケたりすることがほぼありません。硬化時間は商品によって様々ですが、大体4~8時間くらいです。
硬化前のエポキシパテ自体は粘土のようにして使えるので、「爪楊枝」「ナイフ」「スパチュラ」等で形を整えることも出来るので、造形向きのパテとも言えます。
大きい盛り付けや、新規パーツの製作には非常に適していますが、粘度が非常に高いのでラッカーパテのように「薄く盛り付け」や「キズ埋め」は不得意です。
ポリエステルパテ
▼ポリエステルパテの種類についてはコチラの記事で紹介しています。
ポリエステルパテは「主剤」と「硬化剤」の2液を混合して使用するタイプのパテです。省略して「ポリパテ」という名前でも呼ばれています。使い方としては、エポパテと少し似ているところがあります。
ペースト状になっている「主剤」に少量の「硬化剤」を加えて混ぜ合わせることで化学反応が起きパテが硬化します。
ポリパテも化学反応で硬化するので、パテがヒケることはあまりありません。といっても、溶剤分の多いポリパテもあり「全てのポリパテが全くヒケない」とは言えません。
パテ自体はそこまで粘度の高くないペースト状なので、硬化前にパテを整形したりは出来ません。「盛っては削る」の繰り返しで形状を出しや厚盛をして使います。
「ラッカーパテ」を厚盛できるようにしたのが「ポリエステルパテ」というイメージが一番わかり易いかと思います。
硬化時間は非常に早いものが多く、主剤と硬化剤を混ぜ合わせて「20分でナイフで整形できる硬さ」になり、1時間も待てば「紙やすりで表面を削れるくらいの硬さ」にもなります。
ただし、完全硬化はもう少し時間が掛かるので、完全に硬化させたいなら余裕を持って1日は乾燥させてください。
瞬間接着剤
▼瞬間接着剤の種類についてはコチラの記事で紹介しています。
接着剤や隙間埋めのパテとしても幅広く使える!模型で使えるオススメの「瞬間接着剤」の紹介
実は「瞬間接着剤」もパテとして使用することが出来ます。といっても、元は接着剤なので「形を作ったり」「厚く盛りつけ」をすることは不得意です。なのでラッカーパテの様な使い方として使用することが多いですね。
この「瞬間接着剤」がラッカーパテと明らかに違うところは「硬化スピードが格段に早いので作業効率のアップに繋がる」というところです。
瞬間接着剤は空気中の湿気と反応することで硬化します。そして特殊な薬品を使うことで強制的に硬化させることも出来ます。「硬化促進剤」を吹き付ければ瞬間接着剤を強制的に硬化させることも可能です。
ちなみに硬化促進剤には、瞬間接着剤を使用した部分に吹き付ける、「 スプレータイプ 」と、接着するものにあらかじめ塗っておく「 ハケタイプ 」があります。
▼硬化促進剤の種類についてはコチラの記事を参考にしてみてください。
瞬間接着剤にも種類があり「流し込みに適しているもの」「ゼリー状で盛り付けが得意なもの」「着色されていて視認性の良いもの」「柔らかく切削性に優れているもの」など様々です。
沢山種類があるので、用途にあった使い分けも出来ます。
小技になりますが、瞬間接着剤をパテとして使用する時に、「瞬間接着剤」と「ベビーパウダー(タルク)」を混ぜて使うことで、粘度が上がって盛り付けやすくなり、尚且つ切削性が上がり、よりラッカーパテに近い使い心地になります。
コレをすれば、「ヒケない」「硬化剤を使えばすぐ硬化させられる」「薄盛りが出来る」「接着強度が強いので剥がれない」と、完全にラッカーパテより優秀なパテが作れるというわけですね。
まとめ
いかがだったでしょうか。
パテはプラモデルを改造するユーザーには欠かせないアイテムです。今までパテを使ったこと無いという方も「こういうアイテムがある」というのを知ってれば、改造で悩んてしまった時などで、この知識が役に立つかもしれません。
それでは。