プラモデル用の「メッキ塗料」の違いを徹底比較!エナメル・クリアーコートへの相性は?

アイキャッチ

プラモデルの塗装で誰しもが憧れるメッキ塗装。元々のメッキというのは、ニッケルクロームやアルミなど、様々な金属をパーツ表面に定着させているものです。

そんな、メッキに限りなく近づけようと、各模型メーカーが開発したメッキ塗料が沢山販売されています。

ここで紹介するメッキ塗料は、本物のメッキ加工のような複雑な設備がなくても、誰でも気軽にメッキが再現できるものです。実際には普通のシルバーの塗料という扱いになりまので、どちらかと言えば”メッキ調”の塗料といわれていますね。

今回は、プラモデル用のメッキ調塗料の比較ということなので模型店で手に入りやすい、

  • GSIクレオス 「メッキシルバーNEXT」
  • ガイアノーツ 「プレミアムメッキシルバー」
  • タクミ 「AMCスーパーミラーⅡ」

の3種類を使用していきます。

「メッキ塗料」の紹介

プラモデル メッキ塗料 3種類

左から順に、

  • GSI メッキシルバーNEXT
  • ガイアノーツ プレミアムメッキシルバー
  • タクミ AMCスーパーミラーⅡクレオス

となります。

GSIクレオスの「メッキシルバーNEXT」は比較的手に入れやすく、Mr.カラーを取り扱っている模型店なら大抵売ってます。この中では一番手に入りやすいメッキ塗料ですね。

ガイアノーツの「プレミアムメッキシルバー」は、ボークスや大型の模型店などで取り扱っています。あまり需要のない塗料なので、ガイアカラーを取り扱っているお店でも置いてない時があります。

タクミ「AMCスーパーミラーⅡ」も、普通の模型店ではあまり見かけることのない塗料です。模型専門店やボークスで取り扱っています。

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塗装前にコンプレッサーのレギュレーターの設定をしよう

メッキ調塗料の取扱いには非常にシビアな吹付け作業が必要となります。

なので事前に、コンプレッサーのレギュレーターで空気圧を適切に調整しておきましょう。

プラモデル メッキ塗料 レギュレーター

「メッキ調塗料」を吹き付けるときのエアブラシのエアー圧力は低めの指示がされていますので、レギュレーターで圧力を弱めておきます。クレオスのメッキシルバーNEXTで「0.03~0.05MPa」を推奨しています。これの数値はパッケージに書いてありました。

ただ、使っているエアブラシの種類にもよりますが、あまり弱すぎるとエアブラシから出るミストの粒が大きくなりすぎて、逆に綺麗に吹けない場合が出てきます。そういうときは、空気圧を少し上げてやり丁度いい空気圧に調整してあげましょう。

私のエアブラシでは0.06MPaくらいが丁度よかったです。(エアブラシのノズル径0.2mm使用)

実際にメッキ塗料を塗装してみた。各塗料の使用感について

プラモデル メッキ塗料 アイキャッチ

写真で見た感じはどれも同じように綺麗なメッキ調になっています。

肉眼で見た感じだと、

AMCスーパーミラーⅡ > メッキシルバー NEXT> プレミアムメッキシルバー

という順で、粒子が細かい&メッキに近い と感じました。「AMCスーパーミラーⅡ」は値段が高いだけあってかなりメッキに近いです。シルバーの粒子も一番細かいように思えます。

「メッキシルバーNEXT」も同等レベルのメッキ調です。この中では一番コストパフォマンスの高い塗料なのでは無いでしょうか?

「プレミアムメッキシルバー」は、パッケージデザインでは一番メッキ感の出そうな感じでしたが、塗装してみるとちょっと期待はずれな感じでした。

タクミ 「AMCスーパーミラーⅡ」

プラモデル メッキ塗料 AMC

使用感としては、エアブラシ専用塗料ということなのでうすめ液を入れなくても、ノズル経0.2mmのエアブラシでそのまま吹き付けることが出来ました。

塗料の吹き付け方としては、1回目は色が乗るか乗らないかくらい薄めに吹いて、軽く乾燥させたら2回目も同じように薄く吹きます。これを2~3回ほど重ねることで、綺麗なメッキ調を作っていきます。

扱いやすさは可も無く不可もなくという印象ですね。

GSIクレオス 「メッキシルバーNEXT」

プラモデル メッキ塗料 クレオス

次は「メッキシルバーENXT」です。一昔前に薄め液とセットで売っていた「メッキシルバー」の改良版になります。

GSIクレオスが販売している塗料なので、大抵の模型店で取り扱っており非常に入手し易いのも特徴です。それから値段も1000円をきるので結構手軽に購入できるのも嬉しいですね。そして、塗料の特徴は「入手のしやすさ」「コスパ」だけではないんです。

エアブラシの圧力「0.3~0.5MPa」の範囲で守っておけば、かなり雑な吹き付けを行っても簡単にメッキ塗装ができます。

メッキ調塗料は取扱いが難しい物がほとんどで、綺麗にメッキ塗装するにはかなりコツが必要だったりします。ですがこの塗料は違いました。

「これは厚吹きしすぎたかなぁ」とか「こんなに重ね吹きしても大丈夫か?」なんて考える必要はなく、厚めに塗ってしまっても重ね塗りしても、塗料が乾いたら案外、綺麗なメッキ調になってくれてたりします。

取扱いが簡単なので、エアブラシ初心者の人やメッキ塗料を初めて使うという人にはかなりオススメだと思いました。

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ガイアノーツ 「プレミアムメッキシルバー」

プラモデル メッキ塗料 ガイア

ガイアノーツよりプレミアムメッキシルバーです。まず、特徴的なのがボトルのパッケージです。フタとラベルに本物のメッキが使われていてかなり高級感があるので、机の上に置いているだけで「出来るモデラー」になったような錯覚さえ覚えます・・・

さて、この塗料の特徴についてです。まず始めに、「使用感にかなり癖があるな」と感じました。

他のメッキ塗料に比べると「かなりサラサラの薄い塗料」になっていて、ちゃんとしたメッキ調の塗装をするのには少し練習が必要です。先程のメッキシルバーNEXTとは違い、少しでも厚く吹いてしまうだけでメッキ塗装が失敗してしまいます。

エアブラシの圧力は低め(0.5MPaが丁度よかったです)に設定しましょう。そしてプレミアムメッキシルバーの塗装では、薄く吹き付けて、乾かして、薄く吹き付けて、乾かして、、、を4回ぐらい繰り返してようやくメッキ調の塗装になります。

「他にも更に綺麗なメッキをつくれる方法があるのでは?」ということでエアブラシの圧を上げてみたり、極端に下げてみたり、と色々吹き方を変えてテストピースに塗装してみましたが、薄く何回も吹き重ねる方法が一番綺麗なメッキになりました。

綺麗に塗装することができれば、ほかの2種類と変わらないくらいのメッキ感は出せるので、塗装するコツさえ覚えてしまえば使えないことはないです。

 

 「エナメル溶剤」「クリアーコート」「マスキングテープ」への耐性について

さて、こっからは塗料別に詳しく特徴と扱いやすさを比較していきます。

「メッキ塗料にエナメル溶剤を含ませた綿棒で擦った場合」「水性のクリアーコートは可能なのか」「マスキングテープは貼ってもいいのか」などなど、気になることが沢山あると思います。ていうか、私自信も気になる事だったので全部テストしてみました。

実験で使用するクリアーは、メッキの塗膜をできるだけ侵さないように、「水性アクリル クリアー」と「アクリジョンのクリアー」の2種類を使いました。使用するマスキングテープは「タミヤ 曲線用マスキングテープ5mm」です。ちなみにこのテープは粘着力は比較的弱い方だと思います。

「AMCスーパーミラーⅡ」

プラモデル メッキ塗料 AMC

これは「クリアーコートによる塗装面の影響」「マスキングテープの貼り付け」の実験です。

真ん中で区切っているとことが「マスキングテープ」を貼り付けて剥がしたところです。

写真ではわかりにくいですが、「水性クリアー」「アクリジョンクリアー」でコートしたらどちらともメッキが曇ってしまいましたメッキというより普通のシルバー系の塗料のような輝きになってしまいました。

真ん中の「マスキングテープ」を剥がしたところも見てみましょう。

写真ではマスキングテープと一緒にメッキの粒子が持って行かれてますが、この時はメッキ塗料を1時間程度しか乾燥させずにマスキングテープを貼ったのでこんな結果になってしまいましたが、再度、塗料を24時間以上乾燥させたあとに、マスキングテープを貼り付けて実験してみたところ、メッキ塗料の剥がれもほとんどありませんでした。

つまり、マスキングテープの貼り付けは塗装をしっかり乾燥させた後なら可能。という事がわかりました。

プラモデル メッキ塗料 AMC

次に耐摩耗と耐エナメル溶剤のテストです。マスキングしている部分の中央をエナメル溶剤を含ませた綿棒で擦ってみました。

結果は写真で見てわかるとおり、擦った部分のメッキ塗装が溶け出して取れてしまいました。ので、エナメル塗料でのスミ入れの拭き取り作業は出来ないということが分かります。

耐摩耗性のテストでは、「爪で引っ掻いてみる」「粗目の布で擦ってみる」をやってみました。「爪でひっかく」では、流石に傷が入りましたが塗装面が剥がれるまではいきませんでした。結構強かったですね。「布で擦る」でも同じように塗装面はびくともしませんでした。

AMCスーパーミラーⅡ」の耐摩耗性はそこそこ強かったですね。

というわけで結果です。

メッキ感      ★★★★★
扱いやすさ     ☆☆★★★
クリアーコート耐性 ☆☆☆★★
耐マスキング    ☆☆★★★
耐エナメル     ☆☆☆☆
耐摩耗       ☆☆★★★
オススメ度     ☆☆★★★

3種類の中では一番綺麗なメッキ調の塗装が出来ましたが、値段の高さ、入手のしにくさがあるのでオススメ度は★3です。

「メッキシルバーNEXT」

プラモデル メッキ塗料 NEXT

先程と同じように、クリアー塗装とマスキングをしてみます。既に、メッキシルバーENXTのパッケージには「上からクリアー塗装をすると、光沢を損ないます」と注意書きがありますが一応やってみます。

「水性クリアー」と「アクリジョン」を塗装してみたところ、注意書きにあった通り光沢が損なわれて曇ってしまいました。これはAMCスーパーミラーⅡと同じ結果ですね。

中央のマスキングテープを剥がしたところも見てみますと、細かいメッキ塗料がテープの粘着面に持って行かれました。つまり、マスキングテープを貼るのは推奨されないという事ですね。

マスキングに関しては、GSIクレオスから「24時間以上乾燥させればマスキングも可能です」という情報があったので期待していのですが、数日しっかり乾燥させた後でも、やはりマスキングテープの粘着面にメッキ塗料が少し持っていかれるという結果になってしまい少し残念です。

ただ、一つ言えるのが、今回の比較では「下地塗装をしないでポリスチレンに直接メッキ塗料を吹き付けている」ので、ラッカー塗料が下地だった場合とかだろ、メッキ塗料の定着も良くなると思います。

プラモデル メッキ塗料 クレオス

次に耐摩耗と耐エナメルシンナーのテストです。

ここで驚いたのが、エナメルシンナーを含ませた綿棒で塗装面をこすっても塗装面はびくともしなかったというところです。これならエナメル塗料を使用してメッキ塗装したところにスミ入れも可能ですね。

そして布で擦ってみたり爪で引っ掻いてみたりもしましたが、コチラも塗装が剥がれることもなくかなり高い耐久性を見せてくれました。

逆に、何故ここまで「耐エナメル溶剤」「耐摩耗性」があるのに、マスキングテープの粘着力に負けるのだろう?とまで感じてしまいました(笑)

~総評~

メッキの細かさ   ☆★★★★
扱いやすさ     ★★★★★
クリアーコート耐性 ☆☆☆★★
耐マスキング    ☆☆☆★★
耐エナメル     ☆★★★★
耐摩耗       ☆★★★★
オススメ度     ★★★★★

やはり国内の模型塗料のシェアの大半を締めているクレオスのメッキ塗料。メッキの細かさ、扱いやすさ、コスパ、耐久性、どれも素晴らしい性能です。

とりあえず迷ったら”メッキシルバーNEXT”です。

「プレミアムメッキシルバー」

プラモデル メッキ塗料 プレミアム

クリアーコートとマスキングテープでのテストです。先程は「使いにくい」とばかり言いましたが、こっからのテストではかなりいい成績を残してくれました。

まずクリアーコートからです。「水性クリアー」「アクリジョンクリアー」を吹き付けてもメッキの塗装面に変化は見られませんでした。つまり水性クリアーでのトップコートが可能ということが分かります。これは意外と凄いことで、上から水性塗料が塗れるということは、「メッキ調のキャンディ塗装」も可能になるということです。

マスキングテープを剥がしたとき塗膜の耐性も素晴らしく良かったですね。何回マスキングテープを貼ったり剥がしたりしてもメッキの塗装面は変化することはありませんでした。

プラモデル メッキ塗料 ガイア

「耐エナメル溶剤」と「耐摩耗」のテストでも、どちらも好成績でした。エナメルシンナーを含ませた綿棒をこすっても、塗装面に影響は無かったです。なのエナメル塗料でのスミ入れが可能という事です。

耐摩耗テストでも同じように塗装面はびくともしませんでした。

~総評~

メッキの細かさ   ☆☆★★★
扱いやすさ     ☆☆☆★★
クリアーコート耐性 ☆★★★★
耐マスキング    ★★★★★
耐エナメル     ☆★★★★
耐摩耗       ☆★★★★
オススメ度     ☆☆★★★

メッキ感と扱いやすさは他の塗料に劣ったものの、それ以外の耐久性が非常に優れていました。ガイアノーツの塗料なので比較的手に入りやすいほうで、パッケージもカッコいいということで、最終的なオススメ度は★3です。

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その他メーカーのメッキ塗料の紹介

ほかにも、色んなメーカーからメッキ塗料が販売されているのでそちらも紹介します。気になる方は各自で調べてみて下さい。

こすって銀sun ¥1500

銀のパウダーをパーツにこすりつけてメッキ調にする道具

SpazStix アルティメイト ミラークローム¥2500

ラジコンボディの塗装で開発されたラッカー系のメッキ塗料(エアブラシ専用)

アルクラッドII クロム¥1500

アルクラッドⅡが販売しているメッキ塗料(エアブラシ専用)。このメーカーでは色んなメタリック色を多く取り扱っている。

BLシルバーコートRT / トライアル・キット 

値段 ¥58000

あれ?0ひとつ多くない?と思ってしまうBAD LANDが販売しているメッキ塗料。専用のウレタンクリアーでコート出来るので耐久性がかなり高いメッキ塗料です。

気になっている塗料の一つですが、値段が高いので手が出せません(汗)

まとめ

いかがだったでしょうか。

メッキ調の塗料は1本あたりの値段が高く、手に入れにくい物です。

しかも用途がかなり限られているので、数種類のメッキ塗料を持っていたとしても「何がどう違いのか」をはっきりと認識できている人も少ないと思います。

今回の記事で「違いを比較して欲しい」「どれを買おうか悩んでいる。」「手っ取り早く特徴が知りたい」という方の参考になれば幸いです。

それでは。