フィギュア複製を徹底解説!シリコン型にレジンを流してパーツ量産してみよう!

シリコン型サムネイル

こんにちは。柚P(@Nitori_cucumber)です。

前回の記事『シリコン型とレジンを使った本格的な複製をしてみた!「シリコーンを使って型を作る編」』の続きです。今回は製作したシリコーン型をつかってパーツの量産をしていきます。

レジンを使ったフィギュア複製に必要なもの

シリコーン型を使う上で必要になってくる道具や材料を紹介します。意外と色んな物を使います。

レジン「無発泡ウレタン樹脂」

これがないと始まりませんね。

フィギュアパーツの元となる「レジン」です。A液(主剤)とB液(硬化剤)の2つあります。レジンの使い方は後ほど説明をします。

この「レジン」ですが、呼び方がたくさんあるので初めて聞く人は何がなんだかだと思うので一応説明を入れておきます。

【レジン=キャスト=無発泡ウレタン樹脂】というふうに理解しておけば迷うことは無いと思います。ちなみに、本来の意味はこんな感じだったかと思います。

  • 「レジン」→樹脂・合成樹脂の総称
  • 「キャスト」→置き換える、変換する

つまり、本来「レジン」「キャスト」という呼び方は「樹脂に置き換える」というだけの、すごく曖昧な意味でして、正式には「無発泡ウレタン樹脂」となります。

しかし、写真を見れば分かる通り「レジンキャスト」という名前のほうが模型業界ではよく使われているのが現状です。無発泡ウレタン樹脂なんて呼ぶのは難しいので「レジン」という呼びやすい愛称がついているというわけです。

私が複製でよく使用しているレジンは「RCベルグ ファインキャスト」です。キシレンが含有されているので臭いです。

中にはノンキシレンタイプのレジンも売られています。ノンキシレンのレジンだと「ウェーブ」や「里見デザイン」が販売しているものが有名ですね。

頑丈で平な板

シリコーン型を側面から押さえつけるための板です。私の場合はサイズがちょうどいいので、粘土埋めで使用した物をそのまま使っています。

MDFボード以外にも、丈夫で平な板なら何でもいいと思います。

中には「表面にウレタン塗装された合板」を使ってる人もいるみたいです。なんでもウレタン塗装をしてあるおかげで、レジンが板の表面に付着しにくいとか。

輪ゴム

シリコーン型をクランプする板を固定するための輪ゴムです。細いものより、写真のような幅の太い輪ゴムがオススメです。

ボークスなどの模型店にも「複製用輪ゴム各種セット」みたいなのが売られていますが、それよりホームセンターなどで売られている「同じサイズの輪ゴムが6つ入ってるセット」がオススメです。

初めての場合はどの大きさの輪ゴムが必要か分からないと思うので、サイズ違いのが沢山入っているセットを購入してもいいかと思いますが、事前に使う輪ゴムのサイズが分かっているのであれば、ホームセンターなどに行って、欲しいサイズを欲しい量だけ購入したほうが絶対にお得です。

私はいつも「折径100mm~150mm」の輪ゴムを購入していますね。だいたい6本入りで100円程度なので、ホームセンターで見かけた時は売られている在庫全部買いますね。輪ゴムは頻繁にダメになる消耗品なのでいくらあっても困りません。

プラ製のコップ

2種類のレジンを混ぜるための容器です。紙コップでもプラ製のコップでも何でもいいです。

私はポリプロピレン製のプラカップを使ってます。写真のは2個入りで100円で買ったコップです。

このカップを使用する理由としては、

レジンの撹拌用として使い続けても、硬化して底に溜まってきたレジンは、カップをぷにぷに歪ませれば、バコッと外す事ができるからです。製氷皿から氷を取り出すイメージですね。

コレならカップを捨てること無く何回でも再利用できます。

めっちゃ便利なんで正直教えたくなかったですが、別のプラカップだけの写真を撮り忘れたのでもう公開しちゃいます(笑)

ゴム手袋

パーツを量産するために使用する「レジン(無発泡ウレタン樹脂)」はとても身体に悪いです。素手で触りつづけてレジンアレルギーになった人もいるくらい毒性があります。

なので誤ってレジン等が手につかないようにゴム手袋を用意しておきましょう。ここからの複製作業は、指先を使うような細かい作業ではないので、私は写真のような「トイレ掃除をする時に使うようなごついゴム手袋」を使っています。

作業内容的に「注型→硬化待ち→注型→以下ループ」なので、頻繁にゴム手袋を付けたり外したりします。なので付け外しのしやすい、このタイプのゴム手袋がベストかと思います。

ポリ袋

普通のポリ袋です。100円ショップで買いました。これは一番はじめに紹介した「クランプ用の板」を保護するために使用します。

ポリ袋の中にクランプ用の板を入れておけば、板にレジンが付着してしまった場合でも、ポリ袋だけを交換すれば次も綺麗な状態で使えるというわけです。

しかも、ポリ袋の素材「ポリエチレン」はレジンが付着しても剥がれる性質を持っているので、レジンでドロドロになるということもありません。

離型剤

シリコーン型と、注型したレジンを剥がれやすくするための薬品です。「離型剤」といいます。

「こんな離型剤なんて使ったこと無い」という方もいらっしゃるかと思います。それもそのはず、シリコーン型自体にはレジンは引っ付かないので、本来「離型剤」は塗らなくても10個程度の量産はできてしまいます。

しかし、これが大量にパーツを量産しないといけないとなってくると話は変わってきます。

10回~30回といった、たくさんの複製をし続けていると、レジンに含まれる溶剤分でシリコーン型にダメージが入り、型とパーツが剥がれなくなる「食い付き」という現象が起こってきます。

「食い付き」が始まってくると、柔らかいシリコーン型は、レジンのパーツを外す際に「細かい部分が千切れたり」「裂けたり」して型自体が使えなくなります。

これを防ぐ対策として使われるのが「離型剤」です。シリコーン型とパーツの間に油の膜を作って「型を保護する」という役目があります。

そして離型剤にも幾つか種類がありまして、「シリコーン系離型剤」や「フッ素系離型剤」やら・・・ここで説明していたら長くなりそうなので、これについてはまたの機会に。

私が使用しているのはRCベルグの「ウレタン注型用 MR-01」や、写真の「平泉洋行 ハイリムーバー94FXII」です。

同じシリコーン型で10個以上の複製をする必要がある、という場合は必ず用意しておきましょう。

防毒マスク

最後になりましたが、複製作業でこれが一番重要なアイテムとなります。防毒マスクです。

レジンの中には「キシレン」とか色々な有毒な成分がたくさん入っています。なので自分の身体を護るという意味も込めて「防毒マスク」を着用しましょう。

それと、レジンを使用した複製でよく聞く病気として「じん肺」があります。この病気は肺に粉塵や微粒子を吸い込みすぎて起きる病気です。(詳しくは各自で調べてね)

「エアブラシでウレタン塗装してるわけでもないのに、なんでレジンの複製でじん肺になるんだよ」って思うでしょうが、これにもちゃんとした理由があるみたいです。

簡単に説明しますと、レジン(無発泡ウレタン樹脂)は2液を混ぜ合わせて”化学反応”で硬化する樹脂です。使用するにあたって2液を混ぜ合わせると化学反応による”硬化熱”が発生します。この硬化熱によって液状のレジンは気化して空気中に放出されるわけです。

そして、気化したレジンも主剤と硬化剤の2液が混ざっているわけですから、けむりレベルまで細かくなってもちゃんと硬化します。

この空気中で硬化した目に見えないレベルの超微粒子のレジン片が、もう口から鼻から入って肺にバンバン溜まって、積み重ねられることによって「じん肺」という病気になるわけですね。

ああ怖い怖い。

説明下手なのでイマイチよく分からなかったかも知れませんが、つまりは「複製作業中、レジンの臭いがしている時点で空気中には超微粒子の粉が飛びまくってる」という事です。

自分だけで複製をするなら自己責任なので防毒マスクはあってもなくてもいいですが、家族と一緒に暮らしているという方は、この点をよく理解した上でレジンを取扱いましょう。

じん肺は一度なってしまったら「一生治らない病気」としても有名なので気をつけてくださいね。

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シリコーン型に離型剤を塗る

さて、道具の紹介が終わったので次は作業工程の説明に移りましょう。

道具が揃ったらシリコーン型にレジンが流せる状態にしていきましょう。

まず、レジンを流すシリコーン型に「離型剤」を塗ります。離型剤は”油”なのでできるだけ少ないほうがいいです。全体に薄く吹き付けましょう。

塗った後は数分置いてしっかり乾かしましょう。

いきなりですが、これは離型剤を吹き付けすぎた悪い例です。離型剤で型がベトベトになってます。こうなってしまうと複製するパーツ表面にまで離型剤の「跡」がついてしまうのであまりよろしい状態とは言えません。

対処法としては、ゴミの出にくい布等で一度拭き取るか、離型剤をしっかり乾燥させるか、シリコーン型を中性洗剤で洗って離型剤を落とす、などで対応しましょう。

離型剤を塗り終わったら、シリコーン型を合体させて、板で挟みます。

そして輪ゴムでしっかり固定します。まだ「コレがいい!」という輪ゴムのかけかたが見つかっていないので安定してません。適当に縦と横に2段でかけてます。

これでレジンを流す準備が整いました。

MEMO
写真の状態だと2つのシリコーン型を板でまとめてクランプしていますが、これはあまりオススメしません(笑)型ズレの原因にもなりかねませんので1型ずつ、しっかりとクランプしてくださいね。

レジンを流す湯口に自作の漏斗を取り付ける

シリコーン型の準備はできたので、次はレジンを流す準備をしていきましょう。

レジンはシリコーン型の「湯口」から流し込んでいくわけです。この「湯口」から直接レジンを流してもいいのですが、そのままだと作業性も悪いので、今回は自作の「漏斗」を作ってみました。

使用するのはダイソーで購入した「タピオカストロー」と「アイスキャンディ用シリコーン型」です。

使い方

ストローは短く切っておきます。1回使用したら捨てるので大量に作っておきましょう。

長さは適当です。大体3cmくらいでしょうか。

これをシリコーン型の湯口に差し込みます。粘土埋めの時「シリコン型とレジンを使った本格的な複製をしてみた!「パーツの粘土埋め編」」にタピオカストローを使って湯口を作ったのはこのようにストローを差し込めるようにしておくためだったんですね。

ここにハサミで加工した「アイスキャンディ用シリコーン型」を差し込みます。

内側にストローが来て、アイスキャンディ用シリコーン型のテンションでムニッとはめ込むイメージです。

これでレジンにも対応した「漏斗」の完成です。レジンが注ぎやすくなった!

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シリコーン型にレジンを入れる

ようやくレジンの登場です。とその前に、レジンが飛び散りそうな所「作業机」「床」「その他家具」をビニールやマットで養生しておきましょう。

養生するのに新聞紙とかは使ったらダメです。紙にレジンが染み込んで新聞紙ごと引っ付きます。

レジンを取り出す度に缶のフタを開け締めするのは大変ですので、使用するレジンもポリプロピレン製の容器に小分けしておけば作業性も上がり便利です。

注意
レジンを入れる容器は必ずポリプロピレン製を選んでください。ポリスチレン製だとレジンに含まれる溶剤分で溶けてしまうので使えません。

シリコーン型に流し込むために、2つのレジン液を取り分けます。複製で使用するレジンはほとんどの場合【A液:B液=1:1】で混ぜる仕様となっています。

このA液とB液を取り分ける際は、必ず「重さ」で計量してください。重さで計るのにもちゃんと理由がありまして

これを見たら分かる通り、A液「主剤」とB液「硬化剤」の「比重」が違うため、同じ重さでも見た目の量がこんなにも違うんです。

たしか、A液の「主剤」が多めで、B液の「硬化剤」が少なめですね。間違ってたらゴメンナサイ。

目分量で計っていると、きちんとした【A液:B液=1:1】が出来なくて硬化不良に繋がるのでちゃんと量りで計りましょう。

皆さんはもっと余裕のあるカップで作業しましょう。写真みたいになみなみにレジンを入れたら絶対こぼします。(この後こぼした)

1:1で取り分けたら、A液とB液を混ぜ合わせます。混ぜた時点で硬化反応が始まってきますので、ここからはスピーディーに作業しましょう。

同じカップに入れた2液は、プラ製の棒で素早くグルグル混ぜます。このとき、レジン内に気泡が入らないように素早いながらも丁寧に混ぜます。

レジンが硬化する前に、シリコーン型の湯口に混ぜ合わせたレジン液を流し込みましょう。

湯口から入ったレジン液は各パーツに流れ込み、最終的には両サイドにある「空気を出すための細い湯口」から溢れてきます。

写真のような感じで湯口から混ぜ合わせたレジン液が上がってきたら成功です。

そしたら、このまま硬化するのを待ちましょう。パーツの大きさにもよりますが、大体20分~30分で離型出来る程度の硬さまで硬化していると思います。

複製したパーツを取り出してみよう

レジンを流してから、約20分~30分くらい放置したら、輪ゴムとクランプしている板を取り外して、ゆっくりシリコーン型を開けてみましょう。

全パーツにしっかりレジンが回っていれば成功です。

湯口をつなぎ忘れてたり、空気の出口を作り忘れていたりしていたら、レジンが最後まで流れなかったりします。これはレジンを流した後でも、改めてシリコーン型を加工し直せば解決できます。

これでフィギュアパーツの複製は完了です。パーツに必要ない湯口を切り取って、自分で使用するなり、フィギュアイベントで販売するなりしましょう。

 

ポイント
「同じシリコーン型を使って何十回と複製する」という場合は、この様な「シリコーン型ごとにどれくらいの量のA液とB液を使うのか」をメモしておけば迷うこと無く作業できると思います。

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フィギュア複製まとめ

いかがでしたでしょうか。

粘土埋めから始まり、合計3回にわたるフィギュア複製記事は参考になったでしょうか。

まだまだ細かい小ネタとか書きたいことが沢山あるので、そのあたりは補足記事という形で書き足していく予定です。模型製作もしないといけないので、すぐには手を付けられないかも知れませんが・・・

今後も複製に関する知識をブログでまとめて行こうと考えておりますので、また次回の記事でお会いできることを楽しみにしております。

それでは。