「専門用語」と聞くと難しそうなイメージがあるかもしれませんが、プラモデルのようなニッチな分野では、専門用語を知っているか知っていないかで、手にはいる情報の質や理解度が大きく変わってくるんです。
しかし、ここで紹介する専門用語に目を通しておけば、このブログは勿論、プラモデルで悩んだ時やネットで情報収集する時にも必ず役に立ってくれると思います。
ガンプラを始めるなら覚えておくべき用語
ニッパー
プラモデルを製作するときに使う工具のひとつ。パーツの切り離しに使われます。
最近では、ニッパーを使用しなくても組み立てられるプラモデルもありますが、今後色んな種類のプラモデルを制作していく予定の方には、是非とも手に入れておいてほしいアイテムのひとつ。
ニッパーの種類についてはガンプラ製作で使える!プラモデル用ニッパーのオススメ8選【2018年度版】記事を参考にしてみてください。
インジェクションキット
インジェクション(射出成形)という方法で作られたプラモデルのキットのこと。
溶けたプラスチックを金属製の型に高圧で注入することで形成される。大量生産に向いているので、ほぼ全てのプラモデルがこの製法で作られてます。
スナップフィットモデル
パーツ同士の組み合わせを接着剤を使わなくても組み立てられるようにしてあるプラモデルのこと。最近のガンプラはほぼ全てがこのスナップフィットモデルです。
ランナー
プラモデルのパーツの周りを囲んでいる枠のこと。
射出成型でパーツを作る際に全パーツにプラスチックの樹脂を行き渡らせるための道でもあります。
ゲート
ランナーとパーツを繋いでいる部分です。パーツを切り出す際はこのゲートをニッパー等の道具で切り出します。
ニッパー等で切り出したゲートをヤスリ等で綺麗に整形することを「ゲート処理」といいます。
パーティングライン
プラモデルを作る工程で金型の合わせ目によって発生するつなぎ目のような跡のこと。このパーティングラインを消すことで、プラモデルをより綺麗に作ることができる。
詳しくは 【ガンプラ初心者】PS樹脂から軟質樹脂まで!パーティングラインの消し方を徹底解説 に記載しているので参考にしてほしい。
バリ
パーツを作る際に、金型同士の隙間に樹脂が流れ込んで発生する薄い膜のような羽のこと。
一昔前のプラモデルではよくバリが発生していましたが、最近のプラモデルは金型の精度も上がっているので殆ど見ることはなくなりました。
ガンプラ改造をするなら覚えておくべき用語
パチ組
類義語:素組・仮組み
ガンプラの改造前に形状確認などをする工程でよく使われるワード。塗装など全く行わない最低限の組み立て作業のこと。
パチ組をしてから改造する個所を決めたり塗装する色を考えたりする。
合わせ目消し
2パーツ以上で構成されるパーツのつなぎ目を、パテや接着剤を使用して無くすことを合わせ目消しと言います。
様々なやり方がありますが、このサイトでは、合わせ目を処理してパーツ同士を完全に一体化させるコツを徹底解説!!で書いた方法を使って合わせ目消しをしています。
表面処理
プラモデルのパーツの表面をヤスリやナイフなどの工具を使って綺麗に整えること。プラモデルのパーツをゲートから切り出した切り口や、パーティングラインを綺麗にしたりする。
ガンプラで色を塗り替えたりする場合の、塗料の定着を良くするために表面処理をする場合もある。
【ガンプラ初心者】完成度を上げる!簡単に出来るエッジ出しの技
エアブラシ
空気の力を使って塗料をスプレーのようにして吹き付けることができる道具。
エアー缶を使用するタイプの簡易型のエアブラシと、コンプレッサーという装置を使用した本格的なエアブラシがある。
コンプレッサーというポンプが一定圧力の空気を作り出し、エアブラシにその空気が送られ、手元にあるトリガーを押すと空気と塗料がミスト状になって噴出される。
エアブラシの説明は 【ガンプラ初心者】エアブラシの使い方!塗装作業から洗浄までを見てもらえれば上手く使いこなすことが出来ると思います。
▼その他、エアブラシの関連記事はコチラ
【ガンプラ工具】エアーブラシの種類 シングルアクション・ダブルアクションの違いは?
【ガンプラ初心者】塗装が終わった後のエアブラシの洗浄方法!「うがい洗浄」から「分解洗浄」まで
【ガンプラ工具】ダブルアクションのエアブラシの仕組み&使い方を解説
部分塗装
ガンプラで元のデザインの色が再現されて無い部分などの一部を塗装していくこと。シールなどを使わずに塗料を塗って再現することによって、通常の組み立てより自然な仕上がりになる。
【ガンプラ初心者】少ない道具で綺麗なガンプラを作る方法【簡単フィニッシュ】
全塗装
ガンプラのパーツ全てを塗装すること。
全てのパーツを塗装すると、プラスチックの透明感が無くなったり、オリジナルの色で塗装ができるので周りよりワンランクアップした作品が作れます。筆塗りで全塗装する方法と、エアブラシを用いて全塗装する方法があります。
全塗装については 全塗装でガンプラを仕上げてみた 工程まとめ で詳しく解説しているので確認していただきたい。
スミ入れ
パーツの表面にあるモールドや、パネルラインに細いペンや塗料を使用して、影となる部分にわざと色を付けて、パーツに「メリハリ」を付ける技法。
スミ入れをすると、作品に立体感が生まれ、完成度がグッと上がります。色々な模型メーカーから「スミ入れペン」や「スミ入れ塗料」が各種発売されているのでコチラもチェックしておこう。
スミ入れペン以外にも、全塗装をするモデラーなら、エナメル塗料でのスミ入れも覚えておきたい。
▼やり方はコチラの記事を参考にしてみてください。
トップコート
艶を整えるための無色透明な塗料のこと。クリアー塗料とも呼ばれる。
表面の艶を整える以外にも、塗装や、シールやデカールの保護にも効果がある。トップコートの中には、紫外線による色抜けを防止する「UVカット効果」のあるものも発売されているので、蛍光灯や日差しの当たるところに飾る場合は使ってみるといい。
トップコートの効果と使い方についてはコチラの記事を参考にしてみてください。
【ガンプラ初心者】トップコートとは?その効果と使用方法の解説
これでアナタもつや消しマスター?つや消しのトップコートの種類と質感を徹底比較してみた。
デカール
パーツの表面に貼るシールのこと。
デカールには「マーキングシール」や「水転写デカール」、「ドライデカール」などいくつか種類があります。
▼使い方についてはコチラの記事を参考にしてみてください。
ガンプラ初心者でも出来る!キット付属のシール、デカールの上手な貼り方とは?
もう失敗しない!ガンプラ初心者でも出来る「水転写デカール」の上手な貼り方とは
ガンプラ知識を極めるなら覚えておくべき用語
ディティール
日本語に訳すと「詳細」。つまり、パーツ全体の中の細かい部分のこと。一般的に「ディティールを追加する」などのような使われ方をしています。
ディティールアップ
情報を増やす、という意味でよく使われます。単調なパーツ自体の情報量を増やして、より作品の見栄えを良くすること。
おもちゃ感を無くしたり、より複雑でリアリティのあるロボット感を出したりする時にディティールアップを行う。
モールド
パーツの表面にある凹の線や凸の線ことで、凸モールドと凹モールドという呼ばれ方をする。
「モールドを彫り直すために筋彫りをする」などのように使われることがあります。
ガンプラを改造しよう!タガネや針を使用した「スジボリ」を入れる方法を徹底解説!
エッジ出し
類義語:面出し
安全基準で尖ったパーツを作れなかったり、パーツを整形する金型の関係上、綺麗な平面が出ていなかったり、角(エッジ)が丸くなっている場合があるので、金ヤスリや板状のサンドペーパー等の道具を使用して面やエッジを出し直してやること。
この工程の有無で完成度に大きな差が出てくるので 【ガンプラ初心者】完成度を上げる!簡単に出来るエッジ出しの技 を参考にてみてください。
C面
パーツの角の中間にある細い面のことで、工業関係でもよく使われる用語。
工場などでは、金属の角で手を切ったりしないよう、90度の角の中間に45度の細い面(C面)を設けたりしてある。
バンダイエッジ
バンダイ特有のエッジのこと。子供が安全にガンプラを組み立てられるように、90度以下になる鋭い角に面を一つ追加して、角が90度以下にならないようにしてある。
このバンダイエッジを綺麗に処理してパーツの面出し処理を行うとより一層完成度の高いガンプラができる。
筋彫り(スジボリ)
パーツの表面に針やタガネ(ノミの様な物)で線状の溝を彫り込む技法のこと。
ガンプラの場合、はじめから入っている筋を深く掘り直したり、新たなスジボリを追加して面の情報量を増やす意味で使われることが多い。
スジ彫りの方法は 【ガンプラ改造】タガネや針を使用してスジボリを入れる方法 で解説しています。
ヒケ
パーツの表面のゆるい凹みのこと。
プラモデルの金型からパーツを作る工程で発生するプラスチックの収縮でヒケができる。
パテ
パーツにできたキズを埋めたり、パーツの裏にある穴を埋めたり、新しいパーツを削り作り起こしたりできる粘土のようなもの。
ペースト状の物だったり練り消しの様な物だったり種類は様々です。
ラッカーパテ、エポキシ系パテ、ポリエステル系パテ、瞬間接着剤、があるが、それぞれ使いどころや特性が違います。
プラモデルで使う「ラッカーパテ」「エポキシパテ」「ポリエステルパテ」「瞬間接着剤」の違いとは?を見てそれぞれの使い方を知っておくと便利です。
スクラッチ
新しいパーツをプラ板やパテなどを使用して作り起こしたりすること。
全部オリジナルで作り起こした場合をフルスクラッチ、一部パーツを作り起こした場合をセミクスラッチと呼びます。
グロス
艶の出る塗料のこと。例:艶ありの黒→「グロスブラック」
その他、艶消しのことを「フラット」。半艶のことを「セミグロス」と呼びます。
後ハメ加工
挟み込みのパーツや、色の違うパーツを後から外せるように加工する事。
パーツの合わせ目を消したけど塗装の際に再度、分解しないといけないパーツなんかに「後ハメ加工」という工作をします。
挟み込みのパーツや腕、足の関節でやることが多いです。合わせ目消しは、キットによってやり方は様々なので自分で考える必要があります。
伸ばしランナー
ランナーを火で炙って溶けたところを引っ張って細く伸ばしたランナーのこと。
ガンプラを改造するときのディティールアップで使ったり、接着剤を少し着けたりするときに使用する爪楊枝の代わりのような道具としても使用されたりする。
バキュームフォーム
プラ板を火で熱して、任意の型の形に変形させてパーツを作ること。
掃除機を使用する専用の道具などもある。
曲面のパーツをスクラッチをする際にバキュームフォームが使用されたりします。
ウェザリング
錆や汚れなどを塗装で再現して使用感を出す塗装技法のこと。
ウェザリングの基本的なやり方は 【ガンプラ初心者】ガンプラで使える!ウェザリング塗装の種類【まとめ】 で紹介しています。
まとめ
ここで紹介した言葉以外にも、沢山の専門用語が存在する。
これらの言葉をいくつか知っているだけで、良質なガンプラ情報を、今までより簡単に見つけることが出来るようになります。
今回紹介した言葉は、いろいろなテクニックをもったプラモデラーが、ガンプラ改造の紹介やこだわりを説明するときに使われることが多くあります。分からないワードが会ったときは、このページを参考にして用語確認に使っていただきたいです。