こんにちは。柚P(@yzphouse)です。
「ゲート処理」とは、プラモデルのランナーとパーツを繋いでいる「ゲート」と呼ばれる部分を切り離して綺麗に処理する作業の事をいいます。
何も考えずにニッパーでバチバチ切り離して、プラモデルを組み立てることもできますが、せっかく高いお金を出して買ったプラモデルですから、綺麗に作りたいですよね。
というわけで、今回はパーツの切り離しをする時の、「ゲート処理」のコツやポイントを紹介したいと思います。
目次
ゲートの処理に使う道具
パーツの切り出しには「ニッパー」という工具を使用します。場合によってはニッパーだけでは上手く処理できない複雑なパーツもあるので、「アートナイフ」もあれば綺麗にゲートを処理することができるのでコチラも一緒に用意しましょう。
ゲート跡の仕上がりはニッパーの切れ味の良さで決まってくるので、できれば「ゲート専用のニッパー」があればいいですね。プラモデル用のニッパーにも沢山種類があります。
ニッパーを持ってない方は、コチラの記事を参考に プラモデル用ニッパー オススメ8選 2017年度版 選んでみてください。
パーツを切り離した際に残るゲート跡は「ヤスリ」を使って綺麗に処理をしましょう。使用するヤスリは「紙やすり」や「金属やすり」「スポンジヤスリ」です。
また、パーツの処理で使うヤスリの粗さは、600〜1000番程度の目の細かいものが好ましいです。ヤスリで磨けば切断面が綺麗に仕上がります。
ゲートからパーツを切り離す
ニッパーの刃の向きについて
パーツを切り離す前にゲートの形状をよく確認してみましょう。「長方形」の形をしていると思います。
ここで注意するのが「ニッパーの刃を入れる向き」です。
長方形の辺の短い方にニッパーの刃を入れてしまうと辺の長い方に比べ、パーツに負荷が余分にかかってしまいます。なので、出来るだけゲートの辺の長い方からニッパーの刃を入れて切るようにしましょう。
パーツを切り離す時に、ゲートを一発でフチをぎりぎりまで切ってはいけません。
一回で切ってしまうとパーツに負担がかかりすぎてしまい、切断面エグれて凹んでしまったり、「白化現象」といわれている切り口が白く変色してしまう現象が起こったりします。
そのため、パーツの切り離しは必ず2~3回に分けておこないます。複数回に分けることで切り口への負荷が最小限で済むので、断面が綺麗に仕上がります。切断面のエグれや、白化現象も起こりにくくなります。
これでパーツの切り離しが出来ました。
デザインナイフを使ってゲートの処理をする
ニッパーが入りにくい入り組んだ部分はデザインナイフを使えば綺麗に仕上げることが出来ます。
ゲートを少しだけ残して、デザインナイフでカットする方法で、ニッパーで切るより更に綺麗に仕上げることも出来ます。
このような、ニッパーが入りにくいゲートをデザインナイフで整えていきます。デザインナイフでのゲート処理はコツがいるので少し難しいですが、数をこなしていけば誰でも自然と出来るようになってくると思います。
注意する点としては「ナイフの進行方向に手を置かない」という事です。手が滑って指先をナイフで切創したらガンプラどころではなくなるので、そこだけは注意して作業してください。
ケガを防ぐために、使用するデザインナイフの刃は新品に交換して、切れ味の良いものを使ってください。切れ味の悪い刃を使って無理な力を入れて作業するより、新品の刃を使って必要最低限の力で作業した方が安全です。
一度でゲートすべてを切り離すのは難しいので、左右からパーツ本体が傷つかないように複数回に分けて切り離していきます。
残ったゲート跡は、デザインナイフで同じ方向から削るのではなく、刃を逆方向からも削るときれいに仕上がります。
ヤスリを使ってゲート跡をさらに綺麗に仕上げる
ニッパーやデザインナイフで綺麗に切り離しても、どうしてもゲート跡が残ってしまいます。
残ったゲート跡はパーツの面と同化させるように「ヤスリ」を使って磨くとより綺麗に仕上げることが出来ます。
ヤスリがけでは、パーツの形状に合ったものを使いましょう。
角がある平面のパーツには「当て木に貼り付けた紙やすり」や「平型の金属やすり」を使います。丸いパーツなど曲面のあるパーツには「スポンジヤスリ」を使うと曲面を生かしたまま表面をヤスリがけすることができます。
平たい面をヤスリがけを行う際は「ヤスリスティック」のような当て木の付いたヤスリを使用しましょう。
他にも、スチレンボードに紙やすりを貼り付けた「自作ヤスリスティック」もよく使用しています。
素材さえ揃えれば簡単に自作できる便利なヤスリなので興味があれはこちらの記事超簡単!スチレンボードで作る自作ヤスリスティック!を参考に作ってみてください。
600~1000番のヤスリを使って、残ったゲート跡をパーツの面と同化させるように表面を磨いていけば、ゲートは綺麗に仕上がります。
ゲート処理をしたヤスリの跡を磨いて消す
ガンプラを「素組み」や「簡単フィニッシュ」で仕上げる時は、ゲート後がヤスリで削ったあとが目立たない方がいいですよね。
ゲート処理で付いてしまった「細かいヤスリ目」はコンパウンドや、さらに目の細かいヤスリで磨いて目立たなくしましょう。
コンパウンドを使った磨き
1000番までの紙ヤスリでゲート跡を処理して部分をコンパウンドで磨いていきます。コンパウンドはプラモデル用の 「粗目」か「細目」 の物を使いましょう。私が使ったのは「タミヤコンパウンド粗目」です。
プラモデル用のコンパウンドについては 【研ぎ出し・鏡面塗装】模型用 コンパウンドの種類 まとめ を参考にしてみてください。
コンパウンドを「綿棒」や「磨き用のクロス」に少量付けて、ゲート跡のヤスリを掛けた部分を磨いていきます。
コンパウンドで磨けてくると、「ヤスリがけの跡」が見えなくなってきます。跡が完全に無くなり元の光沢のある表面に戻ってきたらコンパウンドでの磨き作業は完了です。
「ヤスリスティック フィニッシュ」を使って磨く
使用するのはWAVEから販売されている「ヤスリスティック フィニッシュ」で、裏と表で種類の違う番手のヤスリが貼り付けてある商品です。
薄緑色の方が「粗目(5000番程度)」で、白色の方が「仕上げ目(10000番程度)」となっています。
始めに、緑色のヤスリの方で軽く磨きます。この時点ではパーツの艶は戻らないので「大きな傷を消す」というのをイメージしながら磨きます。
仕上げに、白い方の面で磨きます。これだけでかなりの艶が復活します。
ゲート跡もヤスリの磨きキズも綺麗に消えました。コンパウンドに比べて液体を使わないのでコチラのほうが気軽に出来ますね。
ウェーブのヤスリスティック以外にも同じように使える物もあります。ゴッドハンドの「神ヤス 磨」という商品で、これも4000番~10000番の4種類のスポンジヤスリがセットになったものです。これでも同じような磨き作業が出来るので好きな方を選んで使ってみてください。
まとめ
普通に組み立てるだけでも十分にプラモデルは楽しめますが、こういう一つ一つの工作を丁寧に行うことで更に完成度の高いガンプラが作れます。丁寧に作ったぶん愛着も湧いてくるものです。
綺麗なガンプラを作る為にも、ゲート処理は必要なスキルの一つでもあるので、これを気に是非マスターしてみてください。